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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまでの村田さんの作品は
セカイと個、というか
“みんな”の考え方の中での自身の振る舞い方、
という視点が多かったように思うのだけれど、
今作はあくまで個が個としてどうあるか、
を掘り下げるような短編集。
どの作品も当然村田紗耶香ナイズされているのだけれど、
どれもどこか思い当たるところはあるんじゃないかと思う。
4話目の「変容」の
変わっていくのが当たり前という主張は
どこか勇気をもらえる。
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村田沙耶香ワールドにどっぷりつかりました……!
4作の短編集のうち、大好きな2作について。
「丸の内魔法少女ミラクリーナ」
めっちゃ面白かった!読んでてふふって笑ってしまった。
こういう疾走感ある話大好き。こんなのも書けるのか~無敵だな村田沙耶香。
村田沙耶香って結構小難しく考えすぎだろって思うような主人公が多いんだけど、
この話に出てくるキャラは全員人間くさくて大好き。
女の子はコンパクトを持てば何にだって変身できるのさ。
とってもスカッとする話でした。
「秘密の花園」
ミラクリーナとは一変した話。緩急~~!って読んでてぞわってした。
好きな人を監禁しちゃうヤベエ女だと思ったら、これもまたスカッとした話。
残り2作も面白かった。どんな風に生きてたらこんな話思いつくのって毎回思う。
私の中で村田沙耶香は、圧倒的に短編向きの作風。
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「信仰」に続いて読破。独特の世界観で、クセが強く感じていたが、本作の方が好みでした。4本とも面白く読めました。
自分が思っている常識が実は違うのかも…? 「違うかも」と自分をゆるがすものが、そういう角度から来るか!とギョッとさせられ、新鮮な気持ちになります。「変容」は、特に今流行りの老害のような。私自身若い人と話すのは楽しいけれど、この浦島太郎感はなかなか辛く、苦笑してしまう。
もとから、ジェンダーに関して興味があるので、「無性教室」は面白かった。みなまっすぐな人しかいなくて、爽快感があった。性別があってもなくても恋はできる。そう思いたいし、そういう世界に近づけばいいと思う。
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村田沙耶香さんってホントすっごい想像力が豊かな方だなーと感心させられます。短編集でどの作品も色が違って面白いです。いい意味で全く話の展開が分からない。
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『しろいろの街の、その骨の体温の』『コンビニ人間』『地球星人』を経て、4作目の村田沙耶香作品でしたが『丸の内魔法少女ミラクリーナ』は今まででいちばん感動したような気がします。
4本短編が入っていましたが、どれも傑作でした。今まで読んで来た作品はとにかく常識を飛び越えて行くおもしろさがあったけれど地球から浮遊し過ぎて読み終わって現実に戻ってきた時に重力が苦しいみたいな体験をしていましたが、この4本は空想と現実の繋ぎ方がより洗練されていて、そのバランスの取り方の美しさに泣けました。
帯に『コンビニ人間』『地球星人』を軽やかに超える、と書いてあったのでどれだけクレイジーな作品を読むことになるんだろうと緊張しましたが、読み終えてみると確かに軽やかで地球愛も感じる作品群になっているような気がしました。
なんかわからないですけどじわじわと泣けてきます。
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村田さんの独特の世界観から、「自分らしく生きるには」どうあるべきかとかどうあってほしいみたいなことがすごく伝わってきた。
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丸の内魔法少女ミラクリーナ、好きです!!
村田さんの表現の鋭さが(←そこがとても良い魅力ですよね)すこしマイルドだったような気がするのは私だけでしょうか。
比較的心がザワつかず落ち着いて読めました。
私にとってちょっと苦手な描写や、怖いなと思う設定のお話を書く作家さんですが、なんだかんだ気になって何作も読んでしまいます。
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丸の内魔法少女ミラクリーナ 村田沙耶香
コンビニ人間にハマって、こちら購入。
"シンプルな設定を1つだけ"設けているだけなのに、深みを感じる。不思議な感覚。文体もシンプルで癖がなくて読みやすい。
『丸の内魔法少女ミラクリーナ』
子供の頃やっていた、○○ごっこ。
大人になってもやってみた!みたいな設定。
大人と子供の差について考えさせられる話。
『秘密の花園』
昔から好きな人を一週間監禁してみた!みたいな設定。
最後はスカッとするような、ゾッとするような感覚に陥る。
『無性教室』
男女ない学校があったら?みたいな設定。
人は異性だから好きになるのか、性別は関係ないのか。改めて性別について考えるきっかけになった。
『変容』
社会の変化についていかなったら?みたいな設定。
自分もフルリモートワークで田舎暮らしで流行りには疎い人間。30代、40代、50代と歳を重ねるにつれて更に社会の変化についていけない(いかない)んだろうな。
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正義というのはある種のお酒のようなもの。それに酔って呑まれてしまう人は魔法少女たり得ない。そんな真実を36歳の魔法少女が教えてくれる。そんな本です。
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村田沙耶香3作品目。
この人の作品をついつい読んてしまうのは、
「まとも」な感覚を持つはずの私たち読み手が、いつでも、どの作品でも、異端者として迎えられる点にあるのかなと思う。
次はどんな狂った世界に連れ出されるのか、好奇心と恐怖が絶妙のバランスの中でサクサクと読み進められてしまう。
空想に逃げる30代女性、夏休みを利用して初恋の男性を監禁する女子大学生、「怒り」の感情を持たない若者たち。
特に、性別が校則で禁止された学校を舞台に、それでも惹かれ合うのを止められない高校生を描いた無性教室が良かった。
作中の「性別をいくら奪われても、私たちは恋をする。恋は性別の中にあるわけじゃないからだ。」というフレーズが強く印象に残るほど、気に入ったからだ。
きっとこの作品では、
トランスジェンダーをはじめとする性的マイノリティの存在が今以上に社会的に許容された先にある、人間同士の関わりを見せられていたのかもしれないな。
決してフィクションではなく、遠くない未来としてあり得る設定だったりするのかも。
巻末の藤野可織氏の解説もとても良い!
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前半の2編までは理解が出来て共感が出来た。
3編目の無性教室では、私の今現在が性別に縛られている為、いつかそう生きていけたら楽なのだろうか?今後社会がそうなっていくのだろうか?と新しい気付きを得た。
4編目では、私も社会に変容できて居なくて決められた形に当てはまったスタンダードな思考から外れていってしまっているから生きづらさを感じているのかと動揺と困惑を感じた。
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4つの短編
丸の内魔法少女ミラクリーナ
笑わせてもらいました。
でも、このミラクリーナ、好きです。
そのあと、3つの物語り。
難しいかった。そして、なんか、怖かった
いつもの日常から、少しそれたことを、
怖いと感じたのか、、、
〈世界線〉がある、とすれば
こんな世界線もあると思う。
もしかしたら、数年後の未来に、
物語りのような世界に変化しているかも
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村田沙耶香にしか書けない小説世界。オルタナティブな世界の実践はこの社会の奇妙さを炙り出す。たぶん著者名隠されても村田沙耶香ってわかりそう。
無性教室がすごくよかった。恋愛の本質は性別とかではなくてあなたとわたしであるということを再認識。その上でセナの神体的な性別が特定できる形で書かれるのがすごいと思った。
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■丸の内魔法少女ミラクリーナ
→「コンビニ人間」から繋がる、マジになる中年男性の醜さを描く路線だが、さらにそれを百合的関係において強調していくという新要素が加わる。
■秘密の花園
→初恋の偶像化→ヤカラ→自ら幻滅シチュ、という構図。
そしてラストは、こわ……。
いや、これを怖いと思う自分ってどうなん、もしかしたらトキシック・マスキュリニティ……? という疑惑。
■無性教室★
→村田沙耶香の得意である、近未来SF(スペキュレイティブ・フィクション=思弁小説)。
時々その「ゆるSF具合」に鼻白むことが多いのだが、本作に限っては、大変美しいと思った。
ひどく美しいと思った。
そしてこれを美しいと思ってしまう自分自身を疑ったりもした。
というのも作者自身も、自作に仄かに疑義を呈しているからだ。
連想……市川春子「宝石の国」、川野芽生「無垢なる花たちのためのユートピア」および「卒業の終わり」……そもそもが外界から隔絶された学園って、土台の(道義的)怪しさが、魅力を放っているゆえに、危ういものなのだ。
■変容
→思わず笑ってしまう。
「かっとなる……」とかの「……」の使い方、怖コメディ!!
「世にも奇妙な物語」にありそう。
◆解説 藤野可織
→各作品のテーマが過不足なく解説されている、名解説。
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表題作がシスターフッドやってて良い。松岡茉優に演じてもらって映像化してほしいかもしれない。「続けるわけねーだろ!!」って松岡茉優に絶叫してほしい。