バブルの熱気を感じながら...
2023/05/17 09:57
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
バブルの象徴とも言える証券会社を舞台に、時代の熱気と戸惑いながらもそこに引き込まれる若者たちが描かれていて、読み手も上巻から一気に熱中させられます。下巻へ!
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ああ、バブルだなあ、と思う一冊です。証券会社、お金、……貧しい生まれと育ちだからって、それは理由になりませんよね。これ、本当に日本の一時代だったんですねえ、平成の不景気と令和の円安からはちょっと…
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久しぶりに桐野夏生ワールド全開のイヤミスを読んでしまいました。全編に渡って緊張して読んでしまった。バブル全盛の證券会社の熾烈な戦いを描きお金の額のすごさに驚嘆しました。ラストのこんなにも悲しい結末があるとは想像だにしませんでした。あなたも読んで驚愕して下さい。涙して下さい。
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2023/02/02リクエスト 3
1986年春。
福岡の証券会社の同期として、短大卒の小島佳那(かな)と、高卒の伊東水矢子(みやこ)が出会う。
田舎の八百屋の娘である佳那と、父親が亡くなり残された母子二人の生活の中でさらに母親がアル中という、ともに貧しい家庭に生まれ育った二人。
ふたりは2年後に東京に出ていく為お金を貯めていた。
そんな中、同期、望月昭平に利用価値があると見込まれた佳那は、彼と結託し結婚、東京に出る。
バブル崩壊後に就職した自分には、聞いたことのある話が多く、中国ファンド、携帯の無い時代、NTT株…と懐かしい気持ちになった。
でも、何となく嫌な感じのする佳那の夫である望月は、やることなすこと危なっかしい。最初の頃、佳那や、水矢子が口うるさく注意していたのが(というか当たり前のことばかり)身に付かないところが、今後の破滅を予感させるよう。
かなりの厚さの本だが、読みやすいのでページがどんどん進む。
下巻楽しみ。
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桐野さんの作品はいつも読み応えがあって面白い。
お金があれば幸せだとは限らないんだなとしみじみ思った。
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まだ日本に元気があった頃の話。バブル期なのかな。
証券会社が舞台になっており、かつて就職活動で証券会社を受けていたことを思い出した。今思えば、めちゃくちゃ大変そうだ。ノルマは途方もないし、生活の全てを仕事に捧げなければとてもやっていけなさそうだ。ただ、一部の人は仕事ばかりの生活でもどこか楽しそうではある。活力が漲っている感じがする。
主人公は3人なのだと思う。
高校出ですぐ就職した水矢子は、絶対に家から出ていくという決意を秘めていて、この子が意外と成功するんじゃないかと思わせるが、どうやらプロローグでそうではなさそうな雰囲気が漂っている。
短大出の佳那は男性営業マンと同等に働くセールスレディではあるが、枕営業だと言われたりこの時代ならではの女性の働きにくさを感じさせてくれる。美人なのになんだか勿体ないと感じた。
そして、昭平。大言壮語を吐くが、運を身につけている彼はどんどんのし上がっていく。いつか失敗しそうで、その片鱗が見えたところで上巻が終わる。特に好きでも嫌いでもない昭平だが、気概があるのでどちらかというと応援してあげたい。
佳那は、昭平の絶対にのし上がってやるという思いに気圧されたんだろうな。ほとんどの女性は彼を選ばないと思うのだが…。この選択が吉と出るか凶と出るか、下巻で明らかになるのだろう。
結果がなんとなく分かっているものの楽しみ。
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忘れていたバブル期の株や土地の高騰から崩壊を思い出し一気読み。
桐野さんが得意とする実社会の闇や理不尽さ、女性心理描写にゾクゾクしました。面白かった〜
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バブル期の証券会社が舞台となると歓喜も悲劇も描かれることが織り込み済みだ。キナ臭い展開になりそうでヒヤヒヤしながら読み進め、しかし同時にこの時代の金融業界の狂乱っぷりを垣間見ることができるので楽しい。バブル期を経験したことのない人からすると、こういった小説から当時の様子を知り得るしかない。
二人の女性を中心に、同期の望月や銀行員の佐々木等魅力的な登場人物も多い。展開が早いので飽きずに読み進めることができ、待ち受ける悲劇に向けて上巻ではそこに至る経緯と最初の狂乱が描かれている。一度、経験してみたかった‥
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ドキドキしながら読み進めた。
これからよくない方に行くのはわかってる。
どんな結末になるのか?
桐野先生、やっぱり面白いなぁ。
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金、金、金。金と見栄で人は変わる。バブルってこういう人でいっぱいだったのかな。だとしたらとても嫌な時代だな。一気読み必至。下巻も揃えておくことをお勧めする。
p.117 「そして、金持ちになるんだ。金を持っている奴らが笑うには、自分も金を持つしかない。小嶋さんもそう思わないか?」
p.126 金を儲けるだけじゃない、会社でもどこでも頂点に立つんだよ。皆を見下ろすんだ。望月の言葉が、佳那の身内に蘇った。そうだ、儲けるだけじゃダメなのだ。思いっきり引きずり下ろされたんだから、今度はこちらが頂点に断って、こいつらを見下ろさなくては意味がないのだ。それがバランスと言うものではないだろうか。
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登場するどの人物も
すぐ目の前で喋ったり
笑ったり泣いたり怒ったりしているように
生き生きと描かれていて
お金というものに翻弄される人々の生き様を
一気にみせつけられた気がする。
お金が尽きると同時に
命まで消えてしまうのは虚しいけれど
「最期のとき、これでおしまいだ
やっと終わると思うとほっとした」の言葉には
悲しみとともに
人生をやり切った充実感みたいなものも
きっとあったと信じたい。
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地方の証券会社で出会う3人の若者
バブル期絶頂の最中、水矢子、佳那、望月
は希望と此処では無い何処かを求め
金と言う荒波の中に飛び込んで行くが、
行き着く先は希望の地なのか、先の読めない
綱渡りの様な展開が此方にも伝わり
手に汗握る様だ。
プロローグの水矢子と佳那の現在の姿と
出会いは、下巻への不穏さを感じさせ
るが、この後どう言う人生を辿ったのか
早く下巻を読みたい!
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バブル時、20代社会人の狂騒 福岡の証券会社を舞台
マクロのバブルは一人ひとりの個人に投射していた
懐かしくもあるのはバブル時代30代の自分と重なる
下巻はタイミング次第
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バブル期の証券会社の話。
金と欲望の渦の中、がむしゃらに進んでいく。
その後の転落。
早く下巻を読まないと。
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バブル初期に証券会社に入社した同期3人。大卒の男、短大卒の美貌の女、高卒の清楚な女。
福岡を離れ、東京へ行く夢をかなえて行く。
3人の視点で描かれていて、欲望高く、乱雑で面白い。