紙の本
バブルの熱気を感じながら...
2023/05/17 09:57
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
バブルの象徴とも言える証券会社を舞台に、時代の熱気と戸惑いながらもそこに引き込まれる若者たちが描かれていて、読み手も上巻から一気に熱中させられます。下巻へ!
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ホームレスとなり井の頭公園で佇む水矢子
目の前に佳奈が現れた。久しぶり何しているの
二人の出会いは証券会社博多支店
高卒水矢子は2年間働き貯金して東京に進学
佳奈は短大卒、フロントレディとして頭角を表し
姉の交際相手の医師から1000万円の中ファンを受注した。大卒望月が医師が大病院の跡取りであるのがわかる。医師は女癖が悪い。佳奈がホテルに誘われたことをネタにしてファンドマネージャーになりる。現金不足を支店長に相談。友人の銀行員を紹介。駐車場と別荘を担保に融資決定
ダメ営業でイジメられていた望月はトップ営業
銀行員と高級倶楽部へ。医師がいた。大鼻を紹介。不動産屋といったが有名なヤクザ。支店長に話すとお前にまかすと言われた。
大型案件をもらうときに医師から佳奈の姉の住所を聞かれたので教えた。姉と連絡が取れなくなった佳奈。姉から家と職場にヤクザがきた。あなたにしか教えていない。望月を問いただすが否定
NTT株で大鼻に大儲けさせた。望月も4000万円受け取る。望月は東京本社に栄転。佳奈は望月と結婚。水矢子はクラブでバイトして学費稼ぎ
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バブル初期に証券会社に入社した同期3人。大卒の男、短大卒の美貌の女、高卒の清楚な女。
福岡を離れ、東京へ行く夢をかなえて行く。
3人の視点で描かれていて、欲望高く、乱雑で面白い。
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バブル時代の証券会社が舞台。
当時私は子どもだったので
バブルと言ってもピンとこなかったけど
これ読んでるだけでも
ちょっとわくわくしちゃうんだから
当事者さんたちは
相当浮かれてたろうなあ。
今おとなになって
株はこわいってイメージだけど
このどんどん上がってく
NTT株
少しくらいなら買いたい…
しかし
久しぶりの桐野夏生
さすが読ませるなあ
後編どうなるのか期待
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CL 2023.6.17-2023.6.18
バブル期を身をもって知っている自分としては懐かしくもあり、でも金融機関には縁がなかったから想像以上な面もあり、興味深い。
今はSNSやAIの弊害を論って昔のほうが良かったみたいに思うこともあるけど、昔は昔でクソのような男社会だったり、今なら完全パワハラ事案が当然のようにまかり通っていたりしたわけだ。
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バブルの証券会社の人々の狂騒劇。欲望が理性を狂わせ真面目にお金を貯める事がバカバカしくなっていく。貧乏から抜け出し東京へ行く夢が、望月のあまりにも強引であくどいやり口によって、少しずつ汚されていくような感じになってくる。
また冒頭の落ちぶれた水矢子の様子が頭を離れず、頑張ってと応援しながら心配しつつ下巻へ。
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1986年春。福岡の証券会社で出会った佳那と水矢子は、それぞれ2年後に東京に出ていく夢を温めていた。佳那は、同期の望月と結託してマネーゲームの渦に身を投じていき…
バブルの最盛期に日本にいなかったので、世の中がおかしくなっていたのを私は肌感覚では知らないけれど、本作のような物語を読むと改めて凄かったのだなと思う。プロローグで行く末を知らされているものの、どうやってそこにたどり着くのだろうか…
(B)
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桐野夏生の真珠とダイヤモンドの朝刊を読み終わりました。
証券会社の同期3人、1人は空気が読めない男で、後は、美人の短大卒の気が強い女性で、もう1人は高校卒業した冴えない女の子です。
バブルの絶頂期で、寮でいじめられながらものし上がって行きます。
プロローグは、30年後の惨めな姿から始まっていきます。
上巻ではバブルに背中を押されながら成功していくのですが、多分下巻では転落していくんでしょうね。
下巻が楽しみです。(^-^)
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バブル期の証券会社が舞台となると歓喜も悲劇も描かれることが織り込み済みだ。キナ臭い展開になりそうでヒヤヒヤしながら読み進め、しかし同時にこの時代の金融業界の狂乱っぷりを垣間見ることができるので楽しい。バブル期を経験したことのない人からすると、こういった小説から当時の様子を知り得るしかない。
二人の女性を中心に、同期の望月や銀行員の佐々木等魅力的な登場人物も多い。展開が早いので飽きずに読み進めることができ、待ち受ける悲劇に向けて上巻ではそこに至る経緯と最初の狂乱が描かれている。一度、経験してみたかった‥
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全体の感想は下巻読了後で。
ほぼ私と同じ世代のバブル勃興期の舞台設定がとても懐かしく、時代の風を随所に感じることができる。この後のバブル崩壊後がどうなるのか楽しみにしつつ。。
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桐野さんには珍しく?経済小説。
時代は1986年、まさにこれからバブル期に突入という年、証券会社に入社した同期の三人の男女によって、話が始まる。
それぞれ、豊かではない家庭で育った3人は、ひそかに野望を抱き、夢を描き、チャンスをつかもうと、日々奮闘する。
3人に共通している夢は、2年後には東京に行く、ということ。
顧客の取り合い、どんなツテでもすがり、時には中傷も受けながら、危ない橋も渡りながら、なりふり構わずの業務によって、徐々に実績を上げて、夢を手繰り寄せていく。
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一方の水矢子は不首尾に終わった受験の余波で、思いがけない流転の生活がスタートする。そして、バブルに陰りが見え始めた頃、若者たちの運命が狂い出す…。(e-honより)
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このところ多作な著者。
クオリティはまったく落ちず、けっこう分厚い上巻も一日で読破。(日曜日だったからね)
高卒で証券会社に入り、お金を貯めて2年後は東京の大学目指し受験勉強している堅実で地味な水矢子。
短大卒で上層志向が強く、美人でフロントレディ佳那。
周りの空気が読めず無神経な言動が多いが、野心家で佳那と一緒に東京に行って更に海外で暮らすのを目標にしている望月。
3人とも同期で3人の語りで物語は進行していく。
40年前に日本ってこんな感じだったのね。
証券会社なんて男社会だから余計、タバコの煙もうもう室内での事務、女性は結婚前の腰掛けとみられてお茶くみ雑用ばかり。セクハラ、モラハラなんて言葉ばまだなくそんなものと割り切ってやっていくしかなかった時代。
それはさておき、このあと怪しいヤクザと関わることになった望月は無事でいられるのか。
佳那の姉の住所を勝手にストーカー医師の須藤にバラしてそのままで済むわけないし、(しかもヤクザと繋がりがありそう)
佳那はこんな男と結婚しちゃうってのももう冒頭でわかってるし、幸せになれるとも思えない。
そして、まじめな水矢子も資金集めに為にスナックでバイトを始めちゃうし株にも手をだして…。
冒頭で井の頭公園を寝ぐらとしているショッピングバッグレディにまで落ちぶれてしまった水矢子が描かれてたけど、
あのまま死んじゃうんじゃないよね。
後半もこの勢いで読みますよ。
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2023/02/02リクエスト 3
1986年春。
福岡の証券会社の同期として、短大卒の小島佳那(かな)と、高卒の伊東水矢子(みやこ)が出会う。
田舎の八百屋の娘である佳那と、父親が亡くなり残された母子二人の生活の中でさらに母親がアル中という、ともに貧しい家庭に生まれ育った二人。
ふたりは2年後に東京に出ていく為お金を貯めていた。
そんな中、同期、望月昭平に利用価値があると見込まれた佳那は、彼と結託し結婚、東京に出る。
バブル崩壊後に就職した自分には、聞いたことのある話が多く、中国ファンド、携帯の無い時代、NTT株…と懐かしい気持ちになった。
でも、何となく嫌な感じのする佳那の夫である望月は、やることなすこと危なっかしい。最初の頃、佳那や、水矢子が口うるさく注意していたのが(というか当たり前のことばかり)身に付かないところが、今後の破滅を予感させるよう。
かなりの厚さの本だが、読みやすいのでページがどんどん進む。
下巻楽しみ。
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桐野夏生さんの本って初めて読んだけど、とっても読みやすい! しかもうまい。ぐいぐい読んじゃう。
今読んでいる英語の本の方がなかなかノレないので、ああ、日本語ってこんなに楽なのね~、読書してること忘れてただ目をつむって夢を見ているみたいに読めちゃうな~、やっぱ母国語よね、なんて思って読んでいたけど、それだけじゃなく、この著者の筆力(ストーリーテリング)に負うところも大いにあるんだと思う。
しかし、タイトルが私好みなので読んでみたんだけど、この作品が好きか嫌いかって聞かれたら、全然好きじゃないと答える。
話はまあいいとして、登場人物の心根がみんなどこかしら貧しくて悲しくなってしまう。社内政治、野心、過去、信頼関係、家族、何をとってもちょっと幼稚というか未成熟というか視野が狭い人ばっかりというか、日本の小説を読むとだいたいいつもこういうのが中心テーマだよなぁ~、なんでいじめとか、だましだまさればっかりなんだろう、いつもなんだかすごく狭い空間の話ばかりで息苦しいなぁ(物理的に狭いんじゃなくて、精神的に狭い感じ)、などと考えながら読んでいた。
ところで、うちの親も確かNTT株が当たって買ってた記憶があるけど(子供の前で親がしゃべっていたのを覚えている)、私の中では80万くらいって聞いた記憶があるんだけど、それは申し込み時の予想の値段だったんだと今知った。
母親が「株なんて絶対買わないー!」と買う気まんまんの父と大喧嘩して、結局買ったけど、すぐ売ってたはず。
しかし、借金してまで買った人がいるなんて、クレイジーだなぁ。そういうものなのかしら。
と言いつつ、私が人生で後悔していることがあるとしたら、お金関係ですかね。「55歳からでも失敗しない投資のルール 」みたいな本を若い頃に読んでおけばなぁ、と最近すごく思う。
ということで下巻へ。
プロローグで、ホームレス状態だったのが水矢子の方、というのがどうにも気になる。普通に考えると、佳那の方かと思うのに。
こういうところもうまい、と思う。