- 販売開始日: 2023/04/27
- 出版社: 集英社
- レーベル: 集英社インターナショナル
- ISBN:978-4-7976-8117-8
商品説明
衣服によって性の境界を超える異性装。古くは男装で戦う巴御前から、男女のきょうだいが入れ替わる「とりかへばや物語」、歌舞伎「三人吉三」、シェイクスピア「ヴェニスの商人」など、異性装は歴史の中の物語に多く描かれてきた。それらにはどのような意味が込められているのか。また、現代のアニメ、マンガ、映画、演劇、BLなどの文化にどう生かされているか。物語に描かれた異性装を軸にジェンダーの社会的、文化的な在り方を多様な分野の研究者八人が論じる。
目次
- 序章 古典の中の性の越境者たち――物語、演劇に描かれる異性装 中根千絵/物語、演劇上の異性装――性の越境を考えるヒントとして/時代を超えての多様な生き方/性がゆらぐ時/武装する女性――アマテラスから巴御前へ/男女入れ替わりの恋愛物語『とりかへばや物語』/日本中世の女装、男装の恋愛物語/歌舞伎に見られる異性装/男性集団、女性集団の演劇/『南総里見八犬伝』の女装する信乃/表現媒体と今後の異性装の物語/第一章 異性装を解いた彼ら/彼女らはどこへ向かうのか 本橋裕美/古くて新しい異性装/アマテラスの異性装/『とりかへばや物語』の異性装/『とりかへばや物語』の男君とヤマトタケルの異性装/古代の異性装におけるジェンダー/『花ざかりの君たちへ』の結末から/『風光る』の異性装のゆくえ/異性装の魅力とその先へ/第二章 装いと身体――変奏する『とりかへばや物語』 東望歩/『とりかへばや物語』は二つある?/男装する女君たち/「走る」少女たち――「男装」以前/「性を装う」ことの射程――『とりかへばや物語』の翻案と髪/異性装と「ハッピーエンド」/異性装の物語から身体交換の物語へ/入れ替わる身体の行方/第三章 異性装の恋――異性愛と同性愛が交わる場所 江口啓子/異性愛と同性愛を内包する物語――タイドラマ『The Shipper』を例に/異性装の条件/表現媒体による異性装の物語の違い/『児今参り』の両義的な主人公/児の女装/姫君と女房の「添い臥し」の習慣/女房と姫君の恋は成り立つか/『新蔵人物語』――物語史上、最も美しくない主人公?/新蔵人の男装の理由/女性にとっての「幸福な結末」とは/クィアを内包する古典文学/第四章 巴 「女武者」像の展開 森田貴之/『平家物語』の巴/『源平盛衰記』の巴/巴と板額/謡曲の巴/浄瑠璃の巴/巴の物語のさまざま/マンガ作品の巴御前/大河ドラマの巴/変奏を続ける物語/第五章 歌舞伎、異性装、そして「なりたい」女たち 日置貴之/歌舞伎のなかの異性装/黙阿弥の「女書生」/ジェンダーを越境するせりふ/「竹次郎事たけ」という補助線/歌舞伎の周りの女性たち/役者になりたい!/第六章 シェイクスピアのオールメイル上演の愉しみ方 阪本久美子/観劇という体験/配役による「事故」/シェイクスピアの時代の女性役/異性配役と虚構性/ジェンダーと虚構性/オールメイル上演と観客/日本のオールメイル上演の特異性/『じゃじゃ馬馴らし』の上演/様々な取り組み/スタジオライフの場合/虚構の女の子たち/女はこわい?/特殊な配役のさらなる可能性/第七章 稚児と〈男の娘〉 伊藤慎吾/前口上/二〇〇九年のコスプレ広場/〈男の娘〉ブームの周辺/〈男の娘〉の専門誌・図書の出現/ライトノベルとその周辺/ライトノベルの〈男の娘〉/非女装系/恋愛趣向/ジュブナイル・ポルノ/時分の花/稚児の美の再発見/稚児と〈男の娘〉/画像リスト/引用文献・参考文献リスト
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