日銀の責任
著者 野口悠紀雄(著)
なぜ異次元緩和は失敗したか。検証なしに日本は前に進めない! 日銀・政府の歩みを総括する日本経済論の集大成! 2013年4月に始まった日本銀行による異次元の金融緩和政策。し...
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商品説明
なぜ異次元緩和は失敗したか。検証なしに日本は前に進めない! 日銀・政府の歩みを総括する日本経済論の集大成! 2013年4月に始まった日本銀行による異次元の金融緩和政策。しかしその後10年で日本経済は活性化するどころか国際的な地位を著しく下げた。さらに2022年の物価高騰と円安は消費者や零細企業を直撃したが、実質賃金は上がらず苦しいままだ。状況打破のためには金融緩和政策を見直す必要があるが、日銀は2022年12月まで金融政策を見直そうとせず、いまも転換を明言していない。本書では日本がこのような苦境に陥った真因を検証し、脱却のための道筋を明らかにする。異次元緩和はなぜ目標を達成できなかったのか、物価上昇率は適切な目標だったのか、未来に向けて日銀の果たすべき使命を考える。
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金融緩和政策は誤り
2023/05/27 21:38
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投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は「ダイヤモンド・オンライン」「東洋経済オンライン」「現代ビジネス」「金融財政ビジネス」に公表された内容を基にしている。最初に、2013年に始まった日本銀行による異次元の金融緩和政策後、日本経済は活性化するどころか、日本の世界競争力ランキングが著しく低下したことをデータに基づき検証している。日銀の金融緩和政策が円安と安易な財政支出を助長、円安が日本病の根本原因であると指摘。このことは、著者は既往の著作で何度も警告を発している。既往の著作になく、本書で特に印象に残った点を列挙する。◆政府の物価対策は物価高騰の原因に対処していない。円安の進行を止めることで、国内物価の上昇率を半分程度に低下させることができる。円安を放置したままで、ガソリン価格や電気料金を抑えるために巨額の財政支出を行うのは、省エネが行われず、事態を悪化させる愚かな政策である。石油ショック時には総需要抑制策をとり大型公共事業を凍結・縮小、省エネを実施、一方で国民への財政支援は行わなかった。これこそが正しい政策、日本の経済政策の質がなんと劣化してしまったことか。◆国債の償還を現行の60年から80年に延長することで、防衛費増額の財源を生み出すというアイデアが浮上している。ある年度において償還すべき総額は、過去に発行された国債の額とその条件によって決まっているのであり、これを変えることはできない。つまり、「償還ルールの変更で防衛費を賄う」というのは、実際には国債の増発で賄うのを分かりにくくするだけの方策である。加えて、償還期間延長方式にすれば、そのための法律を一度通しておけば、後は自動的に借換債が発行されて、財源が調達される。仕掛けを複雑にして、予算の国会審議を簡単に済ませるための巧妙な方策である。
「日本が沈没することなく、世界競争力ランキングが、少しでも浮上することを願うばかりだ。」と痛感させられる一冊である。