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『オシント新時代 ルポ・情報戦争』(毎日新聞取材班)を読んでいる時、自身がよく使うSNSが果たして何なのか、もう一度よく知ろうと思い手に取った『SNSの哲学: リアルとオンラインのあいだ』(戸谷洋志)。
これを読んで、承認欲求を得たいがために読書記録をインスタで行い、「いいね」の数チェックがメインとなってしまっていたここ最近の自分の行動がバカバカしくなった。
読書をする事は自分の生活レベルの質を上げるための行動を起こすキッカケを得る事であり、「いいね」を得る事じゃない。
読書を終えた後、どんなアクションを起こすのかを考えていく事に重きを置く事が重要だ。
という事で、やり方を変えて行く事にしようかと思う。
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創元社のヤングアダルト向け新シリーズ。分かりやすい言葉やイラストでSNSとの関わり方や「わたし」の在り方をときます。ヘーゲル、ハイデガー、ウィトゲンシュタインといった難解な哲学のエッセンスも盛り込まれており大人も楽しめます。SNSとの距離感を考えたくなる一冊。
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久しぶりに本屋をぶらぶらしたときに見かけて買った。SNSとの付き合い方や有効活用については具体的なハウツー本がほとんどの中、本著はその手前の話。つまりSNSとは何か?を著者の領域である哲学を踏まえつつ実直に考えることで付き合い方を再考させてくれる。最近Twitterのおすすめタイムラインに脳を持っていかれる傾向があったの精神衛生上役立った。
哲学との絡め方、口語調で子どもなどにも分かりやすい文体が相まって腹落ちしやすいのが優れており、特にどうして夢中になってしまうのか因数分解されている点が素晴らしいと思う。普段SNSを使うときって何も考えずにとりあえず見ていることがほとんど。そこで一呼吸置いてそもそもなぜ見たいのか?何の情報を得たいのか?を考えるようになった。
SNS自体があまりにも生活の中の当たり前のツールになってしまったため客観的に考えることが難しい中、学問としての哲学が機能することをまざまざと見せつけられた。やはり先人の知恵は偉大である。一方的に「使うのは良くない!」と言うよりも本著は100倍効果的だと思うので学校で課題図書になればいい。
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「哲学を学ぶ」というとかなりハードルが高いように思えるが、本書はそれを身近な自分ごととして捉えられるようにSNSを題材としているため、具体的なイメージが湧きやすくとっつきやすい。
筆者もまたSNSを利用しているということで、決してそれに否定的ではなく、寧ろ新しい思考の場として歓迎しているように思える。よく言われているSNSの問題点を無視するわけではなく、問題点の本質はどこにあるのか、そしてどう変わっていくのかを考えることを求めている。
個人的には「第2章 SNSにはどんな時間が流れているのか?」が、興味深かったが難解だった。頭をフル回転させないとうまく飲み込むことができなかったし、まだ喉に突っかかっている気もする。継続的に考えていきたい。
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NHK100分de名著、ハイデガー回の指南役戸谷洋志さんの著書。
この番組での戸谷さんの解説がとても良かったので書店で見つけて即購入。
創元社の新しい刊行シリーズで、メインターゲットは中高校生。
それ故に、とても読みやすく理解しやすい内容でした。
中高校生や若年層に限らず、
大人でもSNSでの振る舞いに悩むことは多々あります。
この本は、SNSでの悩みやモヤモヤに対して解決策を示したり
こうしろああしろという指南本ではなく、哲学と紐付けしつつ
その悩みの根源って何だろう?
一緒に考えてみない?という寄り添うような内容です。
装丁も凝っていて、側に置いておきたい一冊です。
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ついこの前、これまで使っていたSNSのアカウントを削除した。
削除したくなった理由は色々とあるけれど、つまるところこういうことなのだなと思いながら読んだ。
目新しいことではなくても分かりやすい言葉で説明してもらうと自分の頭の中も整理出来るし、また新たに考えることも出来るから、こういう本を読むのは好きだ。
考えたいことを自由に考えるのは本当に楽しい。
きっとこの筆者の下で哲学を勉強出来たら面白いだろうな。
他の著作も読んでみたい。
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リアルとオンラインの間。
SNS疲れは承認欲求によるもので、不安、無理をすること、他律性が原因。
ヘーゲルの相互承認(役に立つかは関係なくわたしはあなたと関わっていきたい)の実現を目指すこと。
SNSに本来はない時間を作り出している。ハイデガーの「存在と時間」の考え方のように、ストーリーズに一回性を作り出すことで時熟という時間のあり方を経験する。
難しいようでなんとなくわかる感じがいい。
159冊目読了。
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この春創刊した人文書の新シリーズ「あいだで考える」のニ冊目も買ってみた。文庫よりひと回り大きい判型で手触りよく軽く、「10代以上すべての人に」と銘打って、ふりがなたっぷり、イラストあり、二色刷り150ページ。巻末には芋づるの元(参考文献&おすすめリスト)。「岩波ジュニスタ」「ちくまQブックス」と同じような狙い(読みやすい仕様での本格読書へのスモールステップ)を感じる。
本体を読み始める前に気軽に読み始めた折込付録「あいだ新聞」のエッセイ「10代の失敗」がいきなりおもしろかったので、気をよくして本体へ。
いまや日常でなしにはすごせないSNSでのあれこれを種にして、SNSについて、そして自分自身についての考えを深めていく。5章仕立てで各章に1人ずつ(ヘーゲル、ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、ベルクソン、そしてアーレント)、そうした現代的な問いを考える緒になる哲学者を紹介して哲学入門にもなっている。おもしろく、大人なら数時間で読める。
私自身と子どもたちのちょうど中間の世代(1988年生)の著者なので、SNSがない青春時代を過ごしたわたしの感覚と物心ついたらSNSがあったこどもたちの感覚の橋渡しのようなところにいると感じた。
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ついSNSを見てしまうのをやめたくて読んだ。
とても読みやすかった。偶然性を許容していきたい。
65 つぶやきは本音が表れてるように感じるから見たくなる
90 アルゴリズムによって表示されるニュースは、単にたくさんの人が見ているから。重要なニュースが漏れている可能性もある
93,97ハズレを選ぶ可能性は低くなっても、全く新しいものではない。賭けと責任を排除する
102 偶然に起こる、予測できないことはこの世にある。
105 明日の自分も新しいもの。昨日までの自分が好んだものを好まないこともある。
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「SNSを使っているあなた自身は何者なのか」というのがテーマらしいのだが、社会哲学的なことにまで踏み込んでしまったので、やや焦点がボヤけてしまった印象。もっと形而上学的な内容に特化してもよかったようにも思えるが、SNSをテーマにしてしまうと限界があるのかもしれない。
ただし、身近なテーマから考える哲学入門としては読みやすくてわかりやすいので、SNS中毒で寝られなくなっている学生の解毒剤にはなるように思える。
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SNSとどう距離を置くかというよりは、SNSを自分の中でどんなものとして位置づけて、人生のために活用していくかが大切だと言われている。この本はそこに著名な哲学者が見つけた論理や思考と関連付けて、より理解しやすくしている。個人的に真新しく感じる部分は少なかったけれど、SNSとの付き合い方に悩む中高生にとっては読む価値があるかもしれない。
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『SNSの哲学』
2023年8月23日読了
SNSが当たり前となり、その日常の中で生きている私たち。
まさにツイッターでの誰かのつぶやきに「面白い!」と紹介されたことから興味をもち、身近であるが故に、あまり意識したことのなかったSNSを考えるきっかけとして本書を手にとった。
「SNSがなぜこれほどまでに気になってしまうのか?」というのが一番の疑問だった。暇があればついSNSを開き、興味があるのかないのかわからぬままに、タイムラインをうろうろしている。はたまた自分の投稿がどれほど伸びているのか、数字を見に行かないではいられないのだ。
そんな疑問に対し、本書では第1章「なぜSNSで承認されたいのか?」で取り上げている。「承認」という概念を軸に、SNS疲れはなぜ起きるのかを考察している。「承認欲求」と聞くと、どこか一方的で捨て去らなくてはならないものという印象があった。しかし、「承認欲求」自体は自分自身を知る上でも大切であり、まさに「自分を知りたい」という思いこそが承認欲求であるとされる。
では、なぜSNSでの承認欲求によって疲れてしまうのか。
SNSでの承認欲求すべてが疲れさせるわけではもちろんない。承認欲求に①依存②不安③疎外が当てはまる時に生まれるようだ。
①依存
「私」の承認欲求が満たされるかどうかは、他者にゆだねられるから。
②不安
一度の拒絶で承認欲求がゼロに戻ってしまうため、安定した状態がないから。
③疎外
SNSで発信している自分と現実の自分が乖離している場合、つまり他者の承認を求めて、必要な条件を自ら掘り崩している場合、実際の自分が疎外される。
また、上記以外にも他者を、自分自身を確信する手段として、つまり「道具」として扱う点も挙げている。他者から「道具」として思われるのは嫌だし、自分の友人を「道具」のように扱うのも、心がそがれる行為だろう。
では、どのようなあり方が望ましいのか。SNS疲れを生みにくいのか。
本書では「相互承認」のあり方が提唱されている。「相互承認」とは相手の自由を尊重し、相手からも自由を尊重される形での承認を求めることだ。
(これは私の意訳も多分に含まれるが、)一人よがりな承認欲求のための使い方ではなく、ポジティブなコミュニケーションツールとして使用していくことが望ましいのであろう。
最後に本書の構成についての感想を述べたい。
本書は「10代以上のため」と銘打ったシリーズの一作品のため、哲学者の理論がいくつも登場するにも関わらず大変わかりやすい。各テーマごとに短いまとめもついており、振り返りや書評を書く際にも参考になった。また、「おすすめ図書」の紹介ページもあるため、入門書として最適な本だと思う。ライトに読めるシリーズなので、今後も読んでいきたい。
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自律性は他律性のなかから生まれてくるので、他人の力を借りるのは自然なこと。物質性のないデジタル情報のタイムラインには実は時間はない。人間の記憶は日々更新され、アルゴリズムでは説明できない。
SNSは楽しくも疲れ果てるときもあり、どう付き合っていくかを考えたときに、優しくアドバイスしてくれるような本でした。
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中高生にも読んでもらおうとする配慮がなされていて、また、矢萩多聞氏の装丁とレイアウトも多くの人に開かれていて、凝った造本だ。SNSを語る際の諸問題をカバーしつつ、各章ではヘーゲル、ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、ベルクソン、そしてアーレントの哲学を紹介し、課題に向き合うヒントとする。その手さばきは見事! 中学生にはほんの少し辛いかもしれないが、高校生以上にはチャレンジしてもらいたい一冊。
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9月6日新着図書
【SNSを使っている自分は何者なのかを哲学的に考える本。5人の哲学者が紹介されているので「自分の場合はどうかな?」と考えを深めながら読むと楽しそうです】
タイトル : SNSの哲学 : リアルとオンラインのあいだ
請求記号 : 104 : To
https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28216009