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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本って国は、弱者にとことん優しくないよね。
勝手に生きて、勝手に死ねって感じ。
作者さんは弱気なコメントしてるけど、
続きはあるんじゃないかなあ。
定年退職後の何森も気になるし。
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『デフ・ヴォイス』シリーズのスピンオフ第二弾です。
埼玉県警の何森稔(いずもりみのる)は優秀な刑事だが協調性がなく上司や同僚からも疎まれる存在だった。相棒の荒井みゆきはデフ・ヴォイスシリーズの手話通訳士・荒井の奥様。二人の娘である美和は高校生となり、瞳美は来春には小学生になるらしい。
外国人の技能実習生、パパ活、コロナ禍による失業と貧困、非正規滞在外国人などなど、罪を犯さざるを得なかった女性たちを描く3篇です。
もちろん罪を犯すことはよくないことですが、そこへ至った経緯を考えるとやるせなさを感じる事件ばかり。でもこれらは完全なフィクションとは言えないんですよね。現実にも同じような境遇の人たちがいることを、私たちは知らなくちゃいけないし、関心を持たなくちゃいけない。
あと2ヶ月で定年を迎える何森刑事。刑事ではなくなった何森さんはこれから、いったいどう社会と関わっていくのか…気になります。ぜひ続きが読みたいです。
草彅剛さん主演でドラマ化される『デフ・ヴォイス』も楽しみだし、そちらの続編も期待したいですね。
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2023/06/19リクエスト 7
ここ最近あった事件を下敷きに、一匹狼の何森刑事が相棒の荒井みゆきと捜査にあたる。
立場の弱い女性が関係する事件を組み合わせてあるので、どれも思い当たるものがある。
技能実習生の妊娠、出産。非正規滞在外国人の仮放免。
コロナ禍による失業。
罪を犯した、その罪は本当に罪なのか?
そうせざるを得なかったのでは?という問いがこの本を通して見えてくる。
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刑事何森シリーズの2作目。
何気に気に入っているこのシリーズ。
何森さん、いよいよ定年となってしまい、
もっと続いてほしいのに…
この先の彼がどうなるのか気になる。
作者があとがきにも書いているように、
作品に対して反響がなく、話題にならなければ
このまま終わってしまうことになるのかも。
そうならないよう、祈るのみ。
今回も世の中でなかなかスポットライトの当たりづらい、しかし見過ごしてはいけない人々に対して問題提起している。
実際に起こっている事件や出来事が下敷きとなっていて、その悲惨さが胸を突く。
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法律は正義は全て正しいものなのか?弱者たる技能実習生、外国人、シングルマザー、高齢単身女性…罪を犯さざるをえない彼女たちの逃走の行方は。それにしても技能実習生や難民のことは知らなさすぎた。現実は相当厳しいようだ。正義とはなにかを考えさせられる。
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「逃女(とうじょ)」ー ベトナム人技能実習生
「永遠(エターナル)」ー パパ活
「小火(しょうか)」ー 高齢者ホームレス
3つの事件が収められている。
どれも貧しく孤独な女性が加害者の事件で、事件によって現代社会の現状を訴える作品。
実際の事件や事象が書かれているので読みやすい。先2篇は小説というより作者の思いを書いたという印象が強かった。3つ目は1と2を受けて少し長く書かれているので小説感があって良かった。
作者の丸山さんはとっても優しくて良い人だなぁと分かる。弱き者が冷遇され見捨てられる国の制度への憤り、一個人ではどうする事もできないことへの虚しさ。作家として伝えたいという強い思いが作品になっている。ただ、現実要素が強いから主人公の何森刑事の考えというより作者の考えという感じがしてしまう。前半は小説というよりニュースを知った感想のような…。
個人的には長編にして、3つ目の感じ(読者に提唱する形)で、もう少し小説っぽさがあった方が読み応えが出るように感じた。
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埼玉県警、ベトナム人技能実習生の女性が社員をナイフで刺した事件。ラブホテルで男性殺害される事件。公衆トイレの放火事件と難民認定。3つの事件の短編集。
丸山正樹はやはりいい。「デフ・ヴォイス」シリーズも素晴らしいけど何森刑事もいい。徹底してるのは弱者への優しい目線。宮部みゆきの時代物にも共通する。自分が優しくないからまぶしく見えるのか、自分が優しくされないからあこがれるのかどっちかワカランけど、いいものはいい。政治家や官僚など広く市民のために働く者たち必読。
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「逃女」「永遠」「小火」の三編収録。
埼玉県警・何森稔が相棒の荒井みゆきと共に事件を追う。
外国人技能実習生を取り上げた第一話から心を持っていかれる。
会社の上司を刺し、姿をくらましたベトナム人女性はどこへ逃げたのか、そしてその背景にあるものは。
私の暮らす街でも外国人技能実習生の姿を頻繁に見掛けるようになった。
架空の出来事ではなく、今ある現実を突きつけられる。
パパ活がテーマの『永遠』とコロナ禍の失業と貧困を描いた『小火』も非常にリアル。
社会全体に蔓延る問題について考えさせられ関心を持つ事の重要性を痛切に感じた。
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「デフ・ヴォイス」シリーズの刑事・何森が主人公の第二弾です。
何森が定年間近…哀愁漂ってます。
短編3作どの話も女性、外国人女性に関わる事件です。《技能実習生》《パパ活》《売春斡旋》など
ニュースで聞いた事のある話とコロナによって仕事を無くした貧困を絡めて、やりきれない事件の真相に何森の苦悩が切ない(*_*)
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刑事何森シリーズ第2弾。今の日本の社会の問題点を題材にしてる。外国人就労、貧困、差別、医療費問題点に絡めて書いてある。これが現在の日本の実情と言ってもいい内容。
今後日本はどうなるのか。
何森さんは定年したらどうなるのか。このシリーズまだまだ続いて欲しい。
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【収録作品】逃女/永遠/小火
「デフ・ヴォイス」シリーズのスピンオフ。
すっきりしたミステリではない。むしろ、現代日本において弱い立場に置かれている人たちに焦点を当てた作品。解決よりも問題提起が重視されている。
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技能実習生、パパ活、入管問題を絡めた連作短編。その社会問題を背景に犯罪を犯してしまった弱い立場の女性たち。逮捕する事が決して解決に結びつかないじれったさ。何森の刑事の役割と信念で揺れる中での決着はモヤッとするが、それがこの作品のキモでもあるのではないか。著者からの問題提起が読後、大きな余韻となって残る。何森の定年直前の物語であり、定年後の何森も楽しみだが、若い頃の何森も読み応えがありそう。もっと読みたいシリーズ。
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「デフ・ヴォイス」シリーズのスピンオフ、“刑事何森”第二弾。
「逃走の行先」というタイトルにもある通り、“逃げる女”(逃げざるを得なくなった女)をテーマにした、連作三話が収録されています。
定年間近(!)の何森刑事とバディの荒井みゆきが追うのは、派遣先の上司を刺して行方をくらましたベトナム人技能実習生。その背景には非合法の救済組織があるようで・・(第一話「逃女」)。
丸山さんの作品には毎回考えさせられていますが、今回も、この国が抱える厳しい実情が浮き彫りになるような内容となっております。
技能実習生の厳しい現実を扱った、第一話「逃女」。
ホストに嵌った女性の末路・・売春斡旋、パパ活問題の第二話「永遠」。
難民申請の困難と非正規滞在外国人問題、そして高齢単身女性の貧困を描いた第三話「小火」。
各話、追い詰められた女性達の悲痛な思いが伝わってきて、読んでいて心がえぐられるようでした。
勿論フィクションではあるのですが、実際に起こった事件がベースになっているので、リアルな問題提起になってもいるのですよね。
という訳でスッキリ解決!という展開ではないのですが、本書を読んで“この国のセーフティーネットは一体どうなっているんだろう・・?”と、関心を向けるきっかけになりました。
さて、やりきれない事件への対峙でいつも以上に哀愁漂う何森さんでしたが、定年を迎えた後の彼の進路(?)も気になるところです。
あと、第二話で、捜査の為にホストクラブに通う羽目になったりと、本編シリーズとは違った面をみせてくれるみゆきさんでしたが、どうやら次女の瞳美ちゃんの学校の事でお悩みを抱えている模様です。
荒井ファミリーの状況が心配なので、本編シリーズの続きも是非お願いいたします~。
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「デフ・ヴォイス」スピンオフにして何森シリーズ二冊目の連作ミステリ。ここで描かれる物語はもちろんフィクションなのですが、現代社会で実際に起こっている事件そのものでもあると思います。決して絵空事でも他人事でもないのかもしれません。
外国人労働者や高齢女性ホームレス等、社会的弱者が関わった事件を担当する何森は、事件を起こさざるを得なかった彼女たちをなんとか理解し寄り添おうとするのですが、向こうからはなかなか理解してもらえないのがつらいところです。彼女たちからすれば、同じ立場の人間でなければ分かってもらえない気持ちが強いんだろうな……。それでも「犯人」を追うだけでなく、事件の根幹を知ろうとする何森の姿勢は優しさと頼もしさに溢れていると感じました。
お気に入りは「小火」。この問題はたしかに聞いたことがあったけれど、それでも日本人にとってはたしかになじみが薄いものだと感じてしまいます。蔑ろにしているわけではないけれど、知る機会があまりないのですよね。だからこそ知らなければいけないことなのだろうし、重要な問題でもあります。そしてこの事件に向き合った何森の願いは、人間としてはまったく正しいことだと思いました。
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外国人技能実習生の妊娠問題「仮放免」、パパ活の実態、入管難民法の改正問題、の3話短編。
平和で閉鎖的な日本で起きている大切な問題提起本。
きっかけになれば、という思いか…
あとがきに記載されたように、読者の人気次第で、定年何森刑事のその後物語、続編が出るか決まるらしい。読んでみたい気もするが、どうも理屈っぽさに飽きも感じる。
全世代で最も貧困率が高いのは、65歳以上の高齢単身女性。コロナ禍以前から4人に1人が貧困で、65歳以上だと2人に1人になる。
フードバンクの中に、支援したい人からの提供を受け付けることを「フードドライブ」といい、集まった食品を配布する場所や作業を「フードパントリー」というらしい。
名古屋の入管施設での死亡事故により、入管収容施設での人権侵害の実態から、収容、仮放免、難民申請、の問題が明らかに。