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進学校にトップで入学したものの、成績をキープできずに悩む主人公。
努力していないわけじゃない。
けれどライバルたちは学校での勉強に加えて、放課後は塾や家庭教師、さらにスタディルームで自習、サークル活動、内申対策のボランティアなどなど、経済力とコネをフル活用して差をつけてゆく。
遊ぶひまどころか寝る時間もなさそうな韓国の受験地獄。高校生活は受験準備期間でしかないのか。
夜も学校で自習したりするから夕方も給食があるとか勉強一色の環境がすごい。そのわりに先生との関係が薄いのは、主人公が贔屓の対象ではないからなのか、全体的にそういうものなのか気になる。
競争社会に育った彼らは、全力で大学進学を目指すことに疑問を抱かない。真面目で素直とも言える。
なんでそこまでして大学に行くの?というテーマは、後半に出てくる。
高校生活はやりたいことを見つけるのと同時に、やりたくないことに見切りをつける機会かもしれない。
SNSを欠かさずチェックしていたり、韓国らしい食事のシーンも多くて魅力的。
お粥、チキン、ラーメン、トッポッキ、焼き肉などなど、みんなで食べるところは特に美味しそうで、青春!って感じがする。
テストに支配された高校生活だって、友達と一緒なら楽しめるし、勉強は苦しいだけのものじゃない。
私には不健康に感じるけど、受験勉強そのものには否定的ではなくて、むしろ前向きにそれぞれの選択を励ます内容だった。
ジュノは初めての挫折で弱っているけれど、負けず嫌いでプライドも高い。少し視野が広がったものの結局は人に見下されないような「成功」を望んでいる。
ライバルのビョンソのほうが無心に努力していて可愛げがあるように思う。壁を作らず仲良くしたらいいのにな。
親が追い詰めなくても、子どもは勝手にプレッシャーを感じてしまうものなのね。
そして不安でいっぱいになる。
多分、居場所があるということが大事なんだと思う。
13の法則は、よくわからなかった。
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韓国の名門進学校に入学した優等生のジュノ
テストや課題に追われる殺伐とした日々の中、
仲良くなった友達や先輩との繋がりによって自分のありかたを考えていく物語
まず、韓国の進学校の大変さにびっくり!
(これがフィクションではなく現実を反映させたものなのかどうかは分からないけれど)
ジュノが入学したトゥソン高校では成績優秀者だけが使える自習室があり、そこも順位によって格付けされ、成績優秀だということがステータスになっている
学校の授業の後にも自習室や塾に通い、定期テストではみな生きるか死ぬかというほど追い詰められた様子
韓国は日本以上に学歴社会で受験戦争が苛烈を極めると聞いていたけれど、実際こうして高校生の生活を知ると確かに大変だなと思った
ジュノの場合、父親の病気があり、両親とともに暮らしていないことにより、学費の不安があったりするが
他の子たちの多くは両親からのプレッシャーにより潰れそうになっていたりする
社会的に学歴至上主義が浸透しているがために、親も盲目的に子に良い成績を取ることを強いる
それが過剰になりすぎるとやっぱり子の精神には悪影響だということは韓国も日本も変わらず…
行き過ぎた競争による弊害はどこも同じなのだなと思う
主人公ジュノの友達や先輩の多くは大学進学に向けて受験勉強をしているが、
大学進学ではなく、自分のやりたいことをやるために転校を考えている子もいる
学歴が絶対ではなく、自分の人生に必要なことを正しく選択することが大切
学歴至上主義の波に飲み込まれていると
そういう基本的なことを忘れてしまって良くない
ジュノの両親は子の選択を認め、不安を軽くしてくれるような対応をしてくれているのでホッとする
ジュノのお父さんのアドバイスは「結果を考えずにただやってみること」結果を気にしすぎてしまうことで不安になり、ミスが増えるという悪循環から逃れるには結果を気にせずただ目の前のことに真摯に取り組むことだというのは納得
結果は後から付いてくる
殺伐とした学校生活でも友人の存在は大きい
同級生は蹴落とすべきライバルだけではなくて、その生き方を認め合い、助け合える存在がいることは、この過酷な環境の中での大きな助けになるんだと思う
―――――――――――――――――――――――――――――
自分で判断できるということは、自分自身を尊重できるということなんだ。だれかが決めた基準で流されている限り、ぼくは永遠に不安の奴隷として生き続ける以外ない。たとえどんな結果になろうとも、ぼくは運命の主導権を可能な限り自分で握るんだ。
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韓国の超進学校高校生の日常。テストのたびにランキングが発表され、順位が下がれば校内の自習室の優先権を失ったり、担任や指導教官から言葉もかけられなくなる。学校生活はひたすらストレスMAXな順位戦。
韓国の学生は勉強家で、勉強の仕方もハイテクで実用的というイメージがもともとありましたがこんな世界だったのか、とカルチャーショックを受けつつとても楽しく読みました。
ウルトラ進学校の話だと思うのですべての高校生がこうではないだろうけど。
とにかく勉強するのが本分とばかりに皆あれこれ言いつつ放課後や休日や夜にまで学校に来たり塾へ行ったりスタディカフェ(勉強するための漫喫みたいなところ?)へ行ったり。
とにかく勉強するとなったらどこかへ繰り出していて、家庭教師が来る時以外は家では勉強しないという感覚が新鮮でした。
勉強しまくる上におそらく校外学習としてのボランティア活動もやり、部活もする。
主人公は親友と共にコア部という難関大学合格者を多く輩出している討論部へ参加。エリート部なので応募者も多く、入部希望者は課題本の感想文と自己アピールを書いて提出する。この課題本がサンデルとかだったりして本当に大学生みたいなハイレベルの勉強をしている。
自習室の利用やこの部活への入部希望などがすべてオンライン申請でハイテクな感じな中、悪い噂を流されて落ち込んでいる友達を励ますのにお母さん手作りのあわび粥を学校に持ってきたり、餅を持ってきたり、テストが終わるたびに親友と家でインスタントラーメン食べていたりと食べ物がオシャレ化していないところがちょっとほのぼのしていて好き。韓国ドラマとか見ていても食べ物が意外と欧米化してないのかな?と思う。
いろいろと文化の違いを味わえてとても面白かった。文化の違いなのか受験戦争なんて遠い昔の話なのでもしかしたらジェネレーションギャップなのかもしれませんが。
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ジュノは進学校の優等生だ。
その特権を享受しながら、いつ成績が落ちてスクールバスカーストから落ちてしまうかを心配している。
人気者の女子と何となくつき合うようになったけど…
○進学校だからかもしれないけど、韓国の高校生たちの勤勉さにおののく。自分の未来を見据えている。
○ゴヌみたいな友人いいな!
○伝説のタヌキ
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ちょうど現在の自分の状況(本当にやりたい仕事をするか、他人が良しとする仕事をやりつづけるか)と重なる部分があり、ユビンの選択に大いに勇気づけられた。
訳がとても良く(原書ももちろん良いのだろうが)、読みやすい。
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不安と希望と、憧れ、夢、勇気。
進学校に通い始めた高校1年生のジュノ。父母は田舎にいて、叔父さんと暮らしている。中学からの友人ゴヌ、討論サークルの仲間であるユビンやボナ先輩、突っかかってくるビョンソ、元アイドル候補生のハリムなど様々な人と近づいたりぶつかったりしながら、気持ちは揺れ動く。勉強のプレッシャーに振り回されながら、自分の姿を見つめていくジュノに、読み終わったらこちらの心も清々しさでいっぱいになる。
何のために勉強するのか。よい大学に入るためか。自分の道を歩いていくためだ。トップ30のみ利用できる正読室の雰囲気に当初圧倒されていたジュノも、中間テスト頃にはすっかり慣れている。また成績が落ちて正読室から追い出されたらどうしようと不安になる。一時期ジュノは転校まで考え始める。プレッシャーに負けそうになって。そんなジュノを温かく迎える父母。ジュノとゴヌをつかず離れずの距離で受け入れてくれる叔父さん。自分のやりたいことのために転校を予定しているユビンや、親の方針に少しずつ反抗しているボヌ先輩。固定された価値観に縛られるビョンソや、他人の視線に振り回されるハリムにマイナスの気持ちを抱きながら、ジュノは自分の道を歩く勇気を持ち、勉強する意味を見い出す。するともう正読室にいる必要もなくなり、父母に遠慮していた塾は必要な数学のみ通いたいと言えるようになる。
勉強へのモチベーションをキープすることや毎日を息苦しくしない方法は、なかなか今でも常時実践できていない。他人の視線に気持ちが負けたり、不安が心を支配することもしょっちゅうだ。でもできる限りは自分をそのまま好きになり、自分のしたいことに時間を使いたい。そんな気持ちの支えになるような物語だった。
ビョンソ視点の物語も読んでみたくなる。ジュノの中で一番理解できない存在だけに、語られていない部分が多そう。
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第70回青少年読書感想文全国コンクール課題図書
高等学校の部
韓国ソウルの高校生のスクールライフが垣間見える。
ファン・ヨンミさんの『チェリーシュリンプ わたしはわたし』では、ソウルで暮らす女子中学生の日常と心の内が、日本人の同世代の読者に共感をもたらしたが、本作も同世代の読者にとって興味深いストーリーになっている。
中学までは自力で何とかなっても、高校になると塾や家庭教師など学校いがいのオプションをどれだけ手に入れられるかで、その先の世界が大きく変わってしまう。
それは日本でも同じだが、主人公ジュノは家庭の事情を抱え、葛藤しながらも自らの方向性を見定めていく。
世間の風潮に流されず、自立心の強い仲間達と自己を確立していく姿は、日本の読者にも刺さるのではないだろうか。
まだ続きがあるのかな?と思わせる終わり方だったので続編を期待!
2024.5
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成績に一喜一憂する寝不足な日々。
さらに、はじめてのホントの恋まで! さあ、どうする?
首席で進学校に入学してしまったジュノ。入学初日から生徒を成績でランク付けする学校のやりかたに違和感を感じながらも、高校生活が始まる。父は田舎で病気の療養中。母は父についていき、叔父とふたりで暮らしている。
入学してからはトップをとれず、思い悩む日々。家計を思い、塾にも行っていない自分が、この学校で競い合っていけるのかと不安になる。同じ中学出身の親友、ゴヌに誘われて入った時事討論サークル「コア」だけが、晴れやかな気持ちになれる貴重な場だ。びっくりするくらい博識で、知的な刺激を与えてくれるボナ先輩、まっすぐな性格の同級生ユビン、そしてゴヌ。「コア」の仲間には、おしこめた不安や焦りも口に出すことができた。ジュノは次第に、独特なユーモアでまわりを笑わせるユビンに惹かれていく。
ところがある日、ユビンから、転校を告げられる。観光経営学科のある学校に転校し、卒業したら大学には行かず、旅行会社に就職するつもりだと。将来は自分の会社をつくりたいと言うユビンが、とても大人びて見えた。「ぼくは、はっきりとした目標があって大学に行こうとしているのだろうか」――。
テスト、課題、進路、SNS、そして恋……。1日は24 時間。やらなきゃいけないこと、考えなきゃいけないことは満載!! ハードな高校生活を生き抜くために、“ 優等生” のジュノが見つけた法則とは?
未来のための今も、今のための今も、どっちも大切なぼくたちの時間。
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超受験大国の韓国の進学校に入学したジュノ。常に成績を気にして不安とストレスいっぱいな日々で転校も考えるがそんな彼が学校生活を生き抜く方法を見つけていく。
夜間学習、塾、サークル、ボランティア活動など忙しすぎる韓国の高校生活にびっくり。そりゃストレス溜まるよね。そんな中で青春を謳歌するのは大変。
同級生の両親は厳しい人たちが多い中、離れて暮らすジュノの両親が理解があって厳しくないのが救いで特に父の言葉には励まされる。
ジュノの心の揺れが痛いほど伝わって読んだ後は頑張れとエールを贈りたくなった。
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高等学校の課題図書と言うことで読みました。
以前から韓国は受験や就活は日本以上に大変だと知ってはいましたが、それにしてもここまでだとは...そんな状況の中でも、楽しみながら生き抜く彼らのたくましさ。高校生の課題図書に相応しい作品だと思います。
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高校男児が袋ラーメン5袋も食べるの??
過酷な競争生活の中を生きる韓国の若者…恐れ入りました。勉強をとにかくしてこなかった私は、読んでいる時もう涙が出てきた…
大人になっていい歳を過ぎた最近、自分から進んで知りたいと思う物事が増えて来た。自分らしいペースでと思うけど、物語の彼らは必死になって塾に通い、家庭教師をつけ学ぶ。それは大人になった時に少しでも良い生活を送るためであったり、有名企業に入るためであったり…凄まじい。
天地の差はあるものの、未来を夢見て私も進みたい!
ジュノとゴヌ、進む未来が違ってもいつまでもその仲でいてくれ〜〜
あとがきラストの、いつか、自由の海で。という締めの言葉が良かった。ユビンの言葉、わたしも好き!
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受験競争の激しい韓国の高校生たちの青春物語。自分が高校生のときに、登場人物たちのように悩んでいたことを懐かしく思った。大人になって忘れていたあの頃のことを思い出し、もう一度現状に抗いたいと思える本だった。
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受験戦争が苛烈な、韓国の高校生が主人公の話。進学校に進学したものの、自信を喪失して転向を考えるジュノ。日本とはまた違った家庭とか、学校の姿が垣間見られて面白かった。友人たちがみんな個性があってカッコイイ。
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トップの成績で進学校に入学したジュノ。父親の病気治療のため両親とは離れて暮らし、家計を心配して塾に通う事もできない。自分と周囲の、勉強や大学進学に対する熱量の違いに圧倒されたり成績保持に不安を抱いたり…。10代の子がこんなに気持ちだけでなく物理的にも追い詰められていたら壊れちゃうのでは?と心配になった。それでも親友ゴヌの存在やサークル活動で出会った先輩、刺激を受ける気になる女の子との交流が今のジュノにとって必要なことを教えてくれる。両親の言葉も良かった。頑張る10代の子達に読んで欲しい作品だった。
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今の受験戦争はどの国も同じ。そして難関の高校にトップで入学し、答辞を務めたので学力維持のプレッシャーや年二回行われるトップ争いの部屋の獲得。ランクが下がると教室から追い出されるし、その時点で人生は終わったと感じるが主人公の周りの人らは親も含め勉強に期待するのではなくもっと世間を広く見てほしいと願う人という理解者の中で育つ。なので自分を見失う前に勉強だけじゃないと、逃げる道はあるが今を頑張るという理想の学生となっていく。
自分の固定観念から抜け出せない時に出会ったので卑屈に読んだけど、でもそれができないからダメな人間とか、思い通りにいかなくてそれで世の中終わった絶望しかないとかかんがえていたけど、違うよと教えてくれるために出会った本だと思う。やはり本は私を裏切らないなぁ。。