化け者心中
著者 蝉谷めぐ実(著者)
ときは文政、ところは江戸。ある夜、中村座の座元と狂言作者、6人の役者が次の芝居の前読みに集まった。その最中、車座になった輪の真ん中に生首が転がり落ちる。しかし役者の数は変...
化け者心中
商品説明
ときは文政、ところは江戸。ある夜、中村座の座元と狂言作者、6人の役者が次の芝居の前読みに集まった。その最中、車座になった輪の真ん中に生首が転がり落ちる。しかし役者の数は変わらず、鬼が誰かを喰い殺して成り代わっているのは間違いない。一体誰が鬼なのか。かつて一世を風靡した元女形の魚之助と鳥屋を商う藤九郎は、座元に請われて鬼探しに乗り出す――。第27回中山義秀文学賞をはじめ文学賞三冠の特大デビュー作!
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見事
2024/12/03 11:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
話の題材、展開、ストーリー、表現力、どれをとっても新人離れ。
とはいえ、結局のところ、魚之助はなんで藤九郎を相方にしたんだろうか?
人の心に住む鬼を暴き出す極上ミステリー。
2024/01/26 21:35
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人の心に住む鬼を暴き出す極上ミステリー。虚言と真実、現実と空想、人と鬼、男と女とが混然一体となった境界の世界でもがき苦しむ人々の心を「鬼探し」としてひも解いていく。人間の心を複層的・重層的に掘り下げていく著者の力量は流石である。現実と空想がどろりと溶け合ったような怪奇的結末もミステリー味充分。但し、哲学的過ぎて私の好みに合わないため、評価は低めの4点でした事実上は5点が妥当かも。
人間にあって鬼には無いもの見分け方?
2023/11/12 14:32
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る
「アンデッドガール・マーダーファルス」を読み、アニメを見ている最中に書評で目にとまった本。シリーズ第二作の書評であったが、タイミングよく第一作が文庫本化されたので、購ったもの。書評によると、江戸時代文政時代、江戸文化爛熟期の歌舞伎の世界を舞台にしたミステリ。なんとここでも鬼の登場だ。また、探偵役は、かつて一世を風靡した歌舞伎の元女形・田村魚之助(ととのすけ)と江戸時代のペットショップ?鳥屋を営む青年藤九郎という変わったバディ。魚之介は、その人気絶頂期に、ストーカーによって受けた傷が元で足を失って引退してしまうが、レジェンドとなっている。その彼が昔舞台を踏んだ中村座の座元から、新たな演目に出演する六人の役者のうち、誰かに鬼が成り代わっってしまった、ついては誰が鬼なのか暴いてほしい、と依頼される。藤九郎の役割は、足の不自由な魚之介を負ぶって動き回る、いわば足替わり。関係者の事情聴取の場にも立ち会い、推理の手助けをするし、体が大きくボディガードの役目もある。待てよ、探偵の頭脳が動けず、移動の手助けと保護が必要、しかも手伝うのは「鳥屋」。これはあの「鳥籠使い」と同じではないか?
ミステリ世界に登場するバディ関係にも、最近はずいぶんいろいろなヴァリエーションが存在するようだが、他人の空似か?前回「アンデッド」第2作レビューで反省したように、似ているからどうした、面白ければいいではないか。実際魚之介は実在のモデルが存在し、また、藤九郎も著者の掲げた参考文献からすると、江戸時代に実際にあったペットブームを担った商人の一人であったかもしれない。
「アンデッド」もそうだが、このように、過去をテーマとする時代・歴史小説を、実在、創作上の人物、実際の出来事や物語を引用しつつ描くのではなく、それらを咀嚼・消化し、全く別の素材として新たな物語を作り出すのは難しい。本作は筆者のデビュー作だが、新人賞を含め合計三つの文学賞をとったことが示すように、確かな歴史的考証と構成力に加え、流麗な文章が魅力的である。冒頭の贔屓の歌舞伎役者の追っかけ娘の語りに始まり、江戸のべらんめぇ調、魚之介を含めた上方歌舞伎役者の上方言葉、そして吉原花魁言葉など、いくつもの語り口が絡み合うが、違和感なく著者は自由自在に戯れるように書いているところがすごい。子供の頃から歌舞伎に親しみ、また、江戸落語で節回しを学んだ、というのも頷ける。
このように江戸時代の風俗を交えた語り口に引っ張られて読んだようなもので、正直鬼探しの謎解きは二の次になってしまうほどだ。六人の容疑者である役者を事情聴取しながら謎解していくが、探偵役の魚之介からして、役者は人情を捨てて「化け物」に徹するべきと考えているし、他の容疑者も芝居が上手くなるならば人を捨てて鬼にだってなる、というのだから、「化け物」揃いの役者連中全員が鬼ではないかと疑ってしまう。
謎解きのカギは人間にあって鬼には無いもの見分けることだが、そこには前回レビューしたホームズの推理小説シリーズにある、「人生の機微を知り抜き、人間性の底に潜む闇と光を鋭くあぶり出す」、著者の人間とは何かを巡る思弁「人間学」を垣間見ることができる。そしてこの「人間学」が、自身の芸に途方もなく高いプライドを持ち、辛辣な魚之介、一方で小鳥をそっと包んで世話をする心優しい青年藤九郎、二人のバディ関係の変化の中でどのように展開していくかも読みどころになるだろう。
カバーデザインが秀逸
2024/02/21 15:58
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投稿者:栄本勇人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
こちら側が勝手に想像しただけで、作品はなにも悪くないがミステリ要素が薄く期待していたものではなかった。読んでいて気持ち悪くなってしまった部分があったが、表現が優れているためだろう。
