駅伝シリーズの中では一番
2024/05/14 14:18
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投稿者:Masaru_F - この投稿者のレビュー一覧を見る
箱根駅伝を題材にした3部作、すべて読んでみました。本作が一番深みがあったように思います。「駅伝なんか...」と言っていた主人公の心模様の変化。個人的には太平洋戦争と駅伝ランナーの物語に接したのは初めてで、違う側面を見させてもらいました。駅伝がEKIDENになっていく、その端緒とも言える物語。秀逸でした。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
箱根駅伝を走ってから死にたいって、一体、なんなん、と今の若者ならば思いそうな言葉です。しかし、あの当時、戦時下ではいつ死ぬかもわからない恐怖が隣り合わせだったのですね。戦時下に箱根駅伝開催に尽力したとある大学生の日記も悲しい。
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新米駅伝監督の成竹と、学生No.1ランナーの神原は、ボストンマラソンの会場で、ひょんな事から受け取った古い日記。それは、戦時下に箱根駅伝開催に尽力した大学生の日記だった…
戦時下の駅伝の様子が今では考えられない苦難の道だったとは…
スポーツも許されない時代の中、それでも走りたいと願う人達の熱意が伝わってきてジーンとしました。
あれだけ駅伝を拒否していた神原が、昭和の駅伝日記に感化されて走る事になったのが本当に良かったです。
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読んで箱根駅伝の偉大さを感じた。そして戦時中の駅伝がやれない事の辛さや苦労がひしひしと感じた。
大河ドラマの「いだてん」の金栗四三のことも思い出しました。成竹一進の祖父と類家進の関係がわかった時の衝撃は計り知れませんでした。世良貞勝の日記にあるつながりや真実に深く感動しました。そしてこの物語を読んだおかげで来年の第100回箱根駅伝の見方がつくづくと違うと感じると思います。
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今年2024年に、第100回目を迎えた箱根駅伝。
その軌跡を史実をもとに描いた作品。
本作は駅伝を描いたこれまでの「タスキメシ」シリーズとはまた違い、重厚で感慨深かった。
こんな歴史があったなんて初めて知りました。
こんなに強い思いで、これほどまでに駅伝開催のために尽力し、想いを引き継いできた人がいた事実に胸が熱くなりました。
戦中戦後、駅伝開催の実現に尽力した人たち。
人生最後の駅伝でタスキをつないだ選手たち。
彼らが一体どれほどの思いを抱えていたのか…
ボストンで受け取った古い日記から、少しずつ紐解かれていく箱根駅伝の歴史と関わってきた人々。
過酷な時代を乗り越えて脈々と受け継がれてきた箱根駅伝と、長いときを経て明らかになった奇跡に感動した!
あ~、出来ることなら箱根駅伝をみる前に読みたかったなぁ。
壮大な物語を堪能しました!!
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第100回箱根駅伝を機会に描かれた作品。
戦時中の箱根駅伝にかける大学生たちの想いを、現代の回想と交互に描く。
日東大に監督に就任したばかりの成竹は、ボストンマラソンで3位に入賞した神原と一緒にいる時に、戦時中に書かれた古い日記を外国人から受け取る。
そこには戦時中に箱根駅伝開催に向けて、必死に戦った人たちの様子が描かれていた。
昭和15年、戦前最後の箱根駅伝が行われていた。
まだ太平洋戦争は始まっていなかったとは言え、中国と戦火を交えていた日本は、駅伝が終わった学生たちを戦地へと送り出していた。
「箱根を走って、戦争へ行く」
それが当時の学生たちの心に決めたことだったが、翌年以降、箱根駅伝が行われることはなかった。
しかし、諦めきれない学生たちの想いを何とか形にしようとした男たちがいた。
関東学連の世良と宮野、そして及川だった。
その世良が遺したのが、成竹の手に渡った日記だった。
物語は世良たちの奔走した姿をメインに描いているが、走り終わった学生たちが、その後戦争に行って、見知らぬ地で亡くなっていくと思うと、序盤から涙なしでは読めなかった。
そして、「幻の箱根駅伝」
靖国神社、箱根神社を結ぶというもの。
繰り上げ出陣などが始まっていた中、人数が足りず、出場出来ない学校の中にも大会運営に何とか関わろうとしている熱い思いも伝わって来て、無事終えた後の靖国神社のシーンはとても印象的。
そこで、自分たちの「箱根駅伝」は幕を閉じたはずだった。
しかし・・・
正直、現代のシーンいらないかなぁ、と思うくらい重厚な話だった。
今年で第100回を迎えた箱根駅伝にそんな時期があったなんて、そこそこの駅伝ファンでも気にしたことがなかった。
駅伝を走れなくて散った命、駅伝を走って国に捧げるはずだった命。
どちらの存在もあったから、ここまで続く大会になったことに感謝をしようと思った。
奇しくも、少し前に池井戸潤の「俺たちの箱根駅伝」を読んだばかり。
どちらも優越つけがたい秀作。
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昭和と令和の時代が交互に進んでいく。
戦時中の話とあって辛い部分が多かった。
なぜ死ななければならなかったのか、
なぜ生き延びたのか。
生き延びた人のその後の苦しさにも胸が痛くなる。
やっぱり戦争は絶対にしてはいけない。
今の箱根駅伝があるのはその時代の人たちが命をかけて復活させ守り抜いたからと知り、これからもずっと箱根駅伝が続いていきますようにと願わずにはいられない。
現代と昭和の話が繋がったときは鳥肌が立った。
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箱根駅伝。毎年当たり前に見ている。それが当たり前ではなかった数年間。絶対に走る、走らせるんだと出征間近の大学生達が奔走して大会を実現するところに胸が熱くなった。
戦後、大学に戻ってきた肇が生き残ったことに罪悪感から前向きになれない姿にあの戦争による犠牲の大きさに心がぎゅっとなった。
今年の100回大会も無事にあった。彼らのためにも、この先もずっと続いて欲しい。
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箱根駅伝は2024年が100回の記念大会だったのか。
現代と戦時下での箱根駅伝を走る者達の様子が、交互に描かれていて、テンポよく読めた。
タスキに想いを寄せて走るという点では同じだけど、戦時下で箱根にかける想いはまさに命懸けで、ずっしりと重たい。
マラソンランナー神原の心情の変化が、それを物語っているなと思った。
今年の箱根駅伝を観る前に読むべきだったなぁ。
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ここ数年でやっと見るようになった箱根駅伝。
この物語を読んでから見る今年の箱根
戦時下の昭和15年、
第21回まで行ってきた箱根駅伝は中止が決まる。
これから戦争に行くことが決まっている大学生たちは、
どうしても箱根を走ってから死にたい…という
切実な想いが溢れていた。
なんとしてでも箱根駅伝を開催しようと奔走する
関東学連の世良、宮野、及川。
その一人が記した日記が
現代の新米駅伝監督・成竹の元に渡り、
昔の人々が死ぬ気で勝ち取り、
受け継いできた箱根駅伝のことを知る。
−−−
箱根駅伝100回記念の今年。
もちろんその100年の間には戦争もあった。
「幻の箱根駅伝」と呼ばれる代替大会が
実際にあったことをこの本で知った。
その大会や中止前後の箱根駅伝、
そして関東学連の学生たちにスポットが当てられている本書。
どうしてこんなに箱根駅伝は人々を魅了するのか、
この本を読んで分かった気がする。
なんとしてでも箱根駅伝を走りたい、
開催したいという学生たちの切実な想い。
この箱根駅伝が終わったら、
みんなそれぞれ国のために出征していき、
死ぬことが分かっている。
だから「最後の箱根駅伝になる」という覚悟。
戦争のため人数が集まらず箱根駅伝自体に
出られなかった者。
出走者に選ばれなかった者。
それでも審判員や計時員として、「最後の箱根駅伝」に
どういう形でもいいから関わっていたいという想い。
それぞれの立場から覚悟や想い、
箱根駅伝を通して生きている…と感じる学生たちに
胸がいっぱいになりとても感動した。
100回という月日、たくさんの学生たちの想いや、
意志、タスキが受け継がれてきたんだと思うと、
なんて素晴らしいんだろうと思うし、
これからもどうか続いてほしいと願うばかり。
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額賀さんのこのシリーズ全て読んでます。ランナーなので、共感できる部分が多く大好きです。
そして、箱根駅伝が益々好きになりました。史実に基づいたフィクションで、戦前・戦後・現代とどれだけの人を箱根は魅了してきたのかよくわかりました。どれだけの人が動いて箱根駅伝が開催開催できたのか。今も開催されているのか。
これからも大学生そして国民を魅了する大会として開催されていくんだろうなと思いました。
やっぱり走るのは楽しいですね!
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戦時下の箱根駅伝と令和の箱根駅伝が交錯する。
太平洋戦争真っ只中に陸上を愛した大学生たち。学徒出陣が始まり、それでも箱根を走りたい情熱。その思うがひしひしと伝わる。
一方の令和ではパリオリンピックを決めた現役の大学生アスリート。駅伝なんか、と歯牙にも掛けないのだが、コーチの祖父と箱根駅伝との関係が明らかになるにつれて気持ちが動く。
戦時下の駅伝、令和の駅伝ともになんとなく想像ができる擬名の大学が登場する。ご丁寧に最後に令和の箱根駅伝の記録が記載されているが、実在の大学ではない(名前は似ている)のであまり意味をなさない。
思い切って実在の大学名で書くことはできなかったのか?特に戦時中の部分についてはかなり詳細に調べられたと思うので、実在の大学と人物を使っても良かったのではないかと思う。令和に繋がるのは選手ではなかったわけだし。
一方で青学、駒沢と強い大学が偏っている現代では実在の大学名が使えない事情はわかる。特に今回の主役はピンクの「日東大学」。これは日大と想像できるのだけど実際太平洋戦争前から戦時中にかけてほぼ優勝常連チームだった。
中途半端に大学名が想像出来てしまうので、小説と割り切って思い切って実在の大学名で書いてしまっても良かったのではないかな、と自分は思った。
いずれにしても小説の内容は素晴らしく、戦時中に駅伝をなんとか継続したいという強い思い、戦後にGHQを説き伏せて復活させるという熱意。
出征のため、復路で走りたかった選手を往路で走らせ、そのまま戦地に向けて出発した選手が描かれている。戦時中に走った選手たちが戦争で命を落とした記載には涙が出る。箱根駅伝はそんな想いを背負いながら脈々と続いていると考えるともっと真剣に向き合ってあげたいと言う気持ちになる。
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駅伝モノは好きで読んでいる方だと思っているが今回は、ひとあじ違う感じの駅伝モノだった。
今年、第100回を迎えた駅伝。第100回を迎えるまでの駅伝に関わった人々の話が描かれていた。
戦時中、箱根駅伝が中止に追い込まれるが、戦地に行く前に駅伝を走りたいという若者の熱い思いで走る駅伝。戦地に行く若者の思いや、スポーツをする若者への戦時中の日本人の気持ち。
令和の駅伝に挑む若者の青春と交互に描かれていたので、最初は読みにくさがあったが、交互に描かれることで謎解き要素もあったりと、読みごたえがある。
最後の方は涙が止まらなかった。ネタバレはしたくないので、ぜひ一読してもらいたい作品。
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祈りや願いが、幸せなものとしていつまでも続きますように。今を生きる私たちは過去を知り、学び、そして今を大切に生きたいです。
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第二次世界大戦中、箱根駅伝開催のタスキは令和の100回目の彼方へと引き継がれる物語。涙が出てくる。正月のテレビ観戦出来る幸い。有り難さを強く思う世界の状勢。