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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自炊する時のいろいろな工夫が、たくさん紹介されていて、よかったです。美味しく食べるために、身につけたいです。
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投稿者:hamu - この投稿者のレビュー一覧を見る
自炊のための簡単な基本的な内容になっているので初心者さん向けで、よかったと思います。おいしそうでした。
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はるか昔、「丸元淑生のシステム料理学: 男と女のクッキング8章」という文春文庫にどハマりしたことを思い出しました。まだ実家にいて親の作る食事を食べていた時代です。就職して一人暮らししたら、こんな食生活してみたい!と強く願ったものです。ところが、いざ自分でアパート暮らしを始めると、仕事の忙しさか、飲み会の多さか、外食の楽しさか、台所のプアさか、コンビニの面白さか…まあ、一番は自分の自堕落さ、なのでしょうが、真逆の生活に突入し体重もどんどん増えて、といった人生でした。伴侶が出来ても彼女の価値観に合わせるだけだったし、実際、家庭で夕食をゆっくり、みたいな仕事ではなかったので、食材を活かし、調理を見つめ、食べることを豊かにする、みたいなことのプライオリティはとても低かったのかも。基本的に「自炊者」ではなくずっと「他炊者」として生きてきたのでした。でも親元を離れる前に丸元淑生に出会った時の気分がこの本を読みながら蘇りました。実際にこの料理本(?)は「システム料理学」の40年の時を経た後継なのかもしれません。(実際に丸元淑生の本からの引用も多々…)丸元本より圧、強くないし。とにかく作りたくなる、というより食べたくなること請け合いです。著者のキーワード、風味がページの間から漂ってくるな気がしました。2冊の本の間に流れた時間で「食」を取り巻く環境は大きく変わったのかもしれませんが、食べるというシンプルな行為については「科学的に正しい」から「サスティナブルに美味しい」ぐらいしか進化がないのかも。いや、それって大きな進化でもあるような。
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曰く、料理は面倒なもの。つべこべ不満を並べ立てず、やりなさい。
そういうものだと聞いていたし、信じていたし、諦めていた。
料理に熟達するとはつまり、面倒をいかに縮減できるかにかかっているのだと。
言い換えれば、どうにもならない面倒からどれだけ目を背けられるかに過ぎないのだと。
その事実を飲み込んだら、では料理する意欲が起きるだろうか?
世にあまた優れた既製品があり、得てして極めて安価に手に入るのに、ほかならぬ私が手ずから料理する積極的な理由を、面倒と諦めることが与えてくれるだろうか?
「感動」が面倒を凌ぐ経験を覚えることで、自炊への道が開けると本書は伝える。
億劫がる習慣を反復する歳月のうちに手がしなやかさを失い、萎縮しきっているひとにとって、面倒の壁ははるかに高く、感動に至ることは無理難題に思われがちだ。では外食します、とすごすごと軽い腰を上げる——何かをしない言い訳に飛びつく人間のフットワークはほんとうに驚異的に軽い——のを制止して、著者の三浦はしずかに右手でトースターを示す。空いた左手から渡される食パンはなんの変哲もないものだ。「私はトーストの魅力の決め手はにおいだと考えます。トーストすることによって、そのいいにおいを蒸気とともに立ち上がらせたい」(p.18)。においを十全に引き出すための指針を簡潔に伝え、あとはどうぞ、とトースターのまえに勧められる。温度設定する指は不安げに揺れる。もう少し面倒臭い指示が加えられたら絶対やめてやる、いまだって不測の自体が起きたらやめるつもりだ、と密かに息を詰めているが、数分ののちに焼き上がるトーストから香り立つにおいを想像し、早々に投げ出すには辛うじて至らない。どんな風味に出合えるのだろう、と期待している。
トースターでパンを焼く「だけ」と思われる方も多いに違いないが、面倒の重みに屈することを習い性としている者にはじゅうぶんに神経を尖らせる試練である。
こちらからの遅々とした入力を反映してパンの加熱が始まった。ここまできたら安心できるわけでもなく、爆発火災が起きるのではとか、少なくともくろぐろ焦げるのではとか、憂慮を際限なく重ねてトースターのまわりを不安げに歩き回る。やっぱり失敗したから自分は外食するしかないんだ、という使い古しの嘆きが喉元まで迫り上がってくる。だから、なんということもなく、否、想像を絶するほど、豊かなにおいがあたりに広がって万事が済んだとき受ける衝撃はひとしおだ。これが感動である。
感動は止まらない。どうしたら最大化できるかな、と頭のなかがにわかに賑やかになる。そういえば未開封のジャムがあったな、あれを載せたらおいしいかもしれない、とか考える。しかし周到に支度するのもじれったいのでそこそこに切り上げ、ほかほかのトーストに齧りつくことにする。その感動たるや、筆舌は追いつかない。
言葉に落とし込む冷静さを持てずに歓喜に足をばたつかせる「自炊者」駆け出しに、三浦は親しく寄り添う。ね、においって面白いよね、そもそもそれを感じ取る人間の感覚器官、とくに鼻は面白くてさ……と教える口調に、完全ではないものの少しずつ聞く耳を持てている自分を駆け出しは発見する。ほかでもない私が料理する理由が、感動すること、面白がることをキーワードとして徐々に輪郭を持ちはじめる。億劫や萎縮が氷解してゆくのを三浦は見てとりながら、じゃ今度は失敗しにくい蒸し料理をやってみましょうか、次は調味料をこの機会に見直してみましょうかと、じつに的確なペースで駆け出しを導く。26週、すなわち半年かけて進められるレクチャーは、面倒を縮減する手ほどきでもあるが、なによりも、駆け出しの胸に確かに萌した感動の燠火を絶やさないことに眼目が置かれている。トースターの前でさえ震える駆け出し、つまり私たちが待っていた本はこれだった。
本書に出合ってから毎日厨房に立っている。
既製品をよく口にして知っているものや、なんとなく知識として憶えているものを、あえてわが手で皿の上に再現し、食らうことがほんとうに楽しい。加えて、ひとと飲みに行くのでなければ家で滅多に酒を飲まない習慣だったのに、ワイン、カクテル、ビール、ジン、ラム、ブランデー、純米酒、焼酎、ハブ酒、甘酒、ウイスキーなどなどと毎日酒を飲み比べるようになった。また、八百屋や朝市をよく訪れ、店のひとのおすすめを聞く面白さ(あと、目利きしなくて済む気楽さ)を学びつつある。本書の巻末や、同じ三浦による料理本批評『食べたくなる本』に掲載されている、食に関する本をつぎつぎに収集し、読み込むことも始めた。なかでも有元葉子の流儀への入れ込みっぷりは我ながら苦笑を禁じ得ないが、しかし見倣うことはいまだにやめられない。それもこれも三浦の著作との出合いがなければ起こり得なかったことだ。
三浦の勤める青山学院大の方角に深々お辞儀をするとともに、いつか先生のお宅でご飯食べたいな、と願いをつぶやくことが日課になってしまった。その日が来るまでは自分でこつこつ料理を手がけるとしよう。魚を捌きたいな。
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自炊が苦手で正直実践は難しそうな章もあったけど、とりあえずご飯を美味しく冷解凍するタッパーを買いました。
自炊はもちろん外食テイクアウトもあっていいという姿勢や、行き過ぎな思考であるべきでないという主張がよかった。
たしかに風味で思い出す情景ってあるよなあとも思った。
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丁寧な自炊生活だけを追求する本ではありません。サイゼやマックなどのジャンクフードも愛する著者が両者を「ギアチェンジ」できる豊かさを解いてくれます。また、ロベール・ブレッソンを引用して、風味のモンタージュ論を解いたり(凄く分かりやすい!)、映画批評家でもある著者ならではの少し変わった食本。
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実用書というよりは、理屈っぽい人向け料理本、というか料理を楽しみたい理屈っぽい人向けかなあ。しかしさすがにあちこちよくできてるとは思う。
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個人的に最高すぎる本。
写真がない料理本とも言えるが、文章だけで食欲をそそる!いくつかレシピを作ってみたし、肉も焼いてみたが美味しかった。肉に関しては、家で初めて納得が行く仕上がりになった。ここからは好みを極めていく世界なんだろうと思うとワクワクする。
作るだけでなく、旬の食材を選ぶ、調理器具を愛着持って揃える、より使いやすい台所を目指すなど、考え方によってはめんどくさく感じるだろう工程が愛しくて、光り輝く。また少し、自炊が好きになった。
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自炊自体はとても好きなので色々作りたいですが、それほど融通の利くタイプではないのでこの本に出てくるような、柔軟で素材を楽しむような料理をサッと作れるのは憧れます。不完全を楽しむというのも趣が有っていいです。終盤言ってる事が高尚になってしまう辺りが少々辛ろうございました。
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こういう本が大体10年に一回出る。かなり今様で、とてもよい。中庸の感覚とか、最後の家事負担の話とかこの十年ならでは。この手の本は文才が要るんだなあ。丸元も魚勝も文章がよかった。この人の文章は今風だが古風で品がある。
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映画批評者が風味について語った本ということで、五感を研ぎ澄まされるような感じで読み進めることができた一冊。
なるほどと思ったのは、F感覚とC感覚という風味の前提となる認識の話が興味深かった。美味しい、という一言に差が大きい理由も理解できる。
書名から高尚な内容かもしれないと感じたが、無理せず、一方こだわりも大事にしつつ、ちょっとしたこだわりを自炊に見出していくという印象を受けた。
共働きや在宅勤務で、家族のために食事を作るようになった男性には特にオススメ。価値観がグッと広がると思う。
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どういうアプローチかと思ったら、風味を中心にして料理をしたいと思わせる自炊のレッスン。
この、料理をしたてみたい、食べてみたい(感動>面倒)と思わせる文章の技量が、映画評論家の面目躍如という感じですごい。
途中から結構ハードル高い料理も出てくるけど、なんとなくできるかもと思わせてくれる。
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“各章に設定された課題に取り組みながら26週かけて読む”という想定で書かれているが、パンのトースト、青菜のおひたし、蒸し料理程度は実践しつつ1週間で読み切った。また時間をかけて読み返しながら全てのことを試してみたい。
自炊することの意義をたいへん痛感し、自分の中で“面倒”との決闘をさせたが、さすがに揚げものや魚を捌くことは敗北した。これは厚切りジェイソンの投資法を読むような感じで、自分のやれること、やりたいことを実践すれば良いのだと思う。読み切ってみると著者も行きすぎた食の思想を批判しているし、そんな軽薄な気持ちで読めばいいのだろう。いつか勝つかもしれないし。
インターネットを中心に政治的なイデオロギー、善や悪、世の中に転がるさまざまな事象を極端に考える傾向がある。まさかこの自炊に関する本から、世の中にあるものはあるんだと認め、その全てを好きなように享受する姿勢を学べるとは。この豊かな時代を普通に楽しんでいきたい。
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バターロールを焼く時の香りをここまで繊細に表現できるとは
プロじゃない分野の方の著書を読むのは面白い
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超序盤の、味は味覚だけではなく嗅覚も重要、という件はおもしろかったが、具体の自炊に関してはグルメで料理好きなおじさんのYouTubeを眺めているような感じで、普通の自炊初心者は飛び込めないんじゃないかなあ。
食べることやつくることがかなり好きじゃないと、まず食材の先生(肉屋や魚屋と仲良くなりおすすめを教えてもらう)をつくろうってならないと思うのだ…