ドイツ文学の新訳は貴重!
2024/03/31 19:56
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投稿者:キェルケゴ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツ哲学に比べ、文学はなかなか新訳されないので、まずは出版を言祝ぎたい。
初版からの翻訳とのことで、読んでいて勢いや荒っぽさが感じられる。小説の内容もショッキングだが、あとがきによる訳者のウェルテル体験の方も衝撃的に思えた。
これを期に、『魔の山』やシラーやハイネなどかつてよく読まれたドイツ文学が現代の視点から新たに翻訳されてほしいと願う。
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婚約者のいるロッテに恋したウェルテル。若さゆえの愛情も次第に絶望も深まっていく。そして、社会に対する怒りも絶望へ。長く読み継がれる作品だけあって読み応えがあった。本書は、初版からの翻訳とのことなので、改訂版の訳でも読みたい。
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現代人には理解し難いほど、ウェルテルは感受性が豊かで心労が絶えない。自分の正義を貫き、抱えきれないストレスを抱えてしまっている。どうしてこんなに結論に至るのが早いのか。劇なら可哀想で美しい悲劇だが小説だとちょっと美しくない結末かな。でも文章は好き。
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初版を底本にした新訳。読みやすかったので、訳者のファンになった。
ウェルテルの恋慕や絶望なんかは十代で読んだ方が響いたのかもしれない。特に初版訳ということで、ゲーテの、あるいはウェルテルの荒削りな勢いがそのまま出ているようだし。
すきな人から心が離れられない気持ちはわかるけれど、絶望から死を選ぶ気持ちまではわからないよ。
自然も人間も神の被造物であるとか、自殺は神への冒涜であるとかいう感覚、祈りと赦しを基底とする感覚はキリスト教徒でないと理解できないのかも。
アルベルトやヴィルヘルムからウェルテルに対する正論パンチは大人の読者にも効く。やめてください。
叙事詩のリズムに慣れていないので、恐らく当時のドイツの若者が激エモ! と思ったであろうオシアンの歌の朗読パートに乗れなかった。古代ケルト神話にもう少し通じていれば多少ましだった可能性はある。
翻訳すると朗読の韻はなかなか伝わらない難しさはある。それでも自然の迸りを感じる日本語にしてあったのは凄いと思った。
共感できる部分とできない部分とどちらもあった。
自分とウェルテルを照らし合わせながら読むのは、割と本作の内容に合っている読み方な気はする。
書簡体小説はあまり読んだことがないけれど面白かった。日付の間を推察するのは楽しかった。
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ある人物の自死をきっかけに後追い自殺が増えることをウェルテル効果というそうですね。それはこの小説が発刊されたときの社会現象になぞらえてのネーミングらしい。私はこんなウェルテルみたいなのは気持ち悪くていやだなぁ。即、離れる。彼女は人妻なのに彼女を好きで好きでたまらない。彼女の夫は申し分のない男。そりゃ悩むな。しかし同情も共感も、ないわ。もう少し生きてみれば程よく絶望して幸福が見つかったかも知れないのに。ウェルテルのモデルも実在したし、ゲーテの実体験も入ってるそうです。
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書簡の形を取り、読み易さを保ちつつも詩的なワードセンスを崩さない文体が魅力的です。若者ならではの、感受性が暴走したような、抑圧や障害への力強い反発が表れたような、危なっかしさと勢いのある表現が多く、悩める若い読者の心には、色々な意味で、刺さる言葉がきっと見つかると思います。
個人的には、冗談のつもりでピストルを自分の頭につきつけたウェルテルと、アルベルトとの口論のシーンが印象的です。
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この作品を最初に読んだのは高校1年の夏、何十年も前だ。当時の感想は記憶にほとんど残っていないが、あまり読みやすい訳ではなかったことだけは覚えている。
ほんらい、シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)文学の嚆矢とされるこの作品、煩悶するウェルテルの暑苦しさが伝わってこないと面白くはならないのだ。その点ではこの新訳は大変な成功である。
しかし、と20世紀を通過した読者の私は思う。
書簡体という、18世紀末に流行したこのスタイルは、テクストがヴェルターその人からは一歩引いているように読めてしまう。ウェルテルはその胸の内を、友人ヴィルヘルム宛にしたためる。ヴィルヘルムの返信は作中に登場しない(ここは通常の書簡体と異にする点で、その分ウェルテルの語りの独白っぽさが強調される)。さらに読み進めると、書簡の編纂者は手紙の受取人のヴィルヘルムでもない何者かであることが判明する。読者は、いくつかの枠を通して彼の熱情こもる手紙を読んでいるのだ。このメタな感覚は、ゲーテが執筆当時に意図したものではなかっただろう。時代が移り、読み手は変わった。だがウェルテルの叫びは今なお響くものがある。
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失恋してから随分時間が経ってしまって、このウェルテルに対してひいた目で見て読んでしまった。読書体験としてはとても良いんだけれど、共感はできない。でももう少し前の自分なら気持ちはわからんでもないと思います。
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心が満たされた者が本書を一読しても響くものがないだろうと、そう思える程に自分ではどうする事も出来ない恋心に翻弄され破滅していくウェルテルの心情に寄り添った作品となっている。それで居ながら最終的に彼が迎える破滅に感情移入してしまえるかは本書を評価する際に分かれ道となり得るような気がしたよ
実を言うと、私個人としては本書を読んでもあまり響くものが無かった人間で、心を乱していくウェルテルに寄り添えなかったタイプだったりする
それだけに終始冷静な視点で読み進めてしまい、そのまま読み終えてしまったのだけれど、収録されている解説を読む事で本書への理解度が跳ね上がった印象
本書はウェルテルが投函した手紙の内容を並べる形となっている。つまり本書を読む際には物語を見るように読むのではなく、ウェルテルから受け取った手紙を読むように、言ってしまえばウェルテルではなくヴィルヘルムに成りきって読み進めるのが正しい接し方なのだろうね
だから、ロッテへの恋心を膨らませ実る事のない行動を繰り返す彼を諌める立場として読者はウェルテルの行動を見詰める事になるのだけれど、その読み方もウェルテルの心と同調するように次第に破綻していくね
本書で描かれるウェルテルの心情があまりに真に迫っているものだから、ウェルテルの手紙を読んでいるつもりだった読者はいつの間にかウェルテル自身になったかのように悩むしかなくなる
読者が読むウェルテルの手紙はウェルテルが差し出したものではなく、己の感情を吐露したものと思えてくるわけだ
そう考えると、ウェルテルの手紙の中にはロッテとは無関係なシーンが挿入されている事にも納得がいくね
ロッテに想い焦がれていると言っても、他の何も手に付かなくなっているわけではない。時には己の人生を生きる如く好きな人と無関係な分野に精を出す事だって有る
けれど、本書の恐ろしい点はそうした生活感溢れるウェルテルの言動が次第に減衰していく点に有る
ロッテに魅了されても、アルベルトが彼女と結ばれると知っても、他の土地に移ってもウェルテルは彼らしさを残していた
だというのに、度重なる不遇やアルベルトの妻であるロッテの傍にいる事で彼は彼らしさを喪失していく。悩みは深くなり、視野が狭くなり、死へと誘われていく
その過程は本当に真に迫るものだからこそ、読者とて彼のように自死に惹かれてしまうのかもしれない
だからこそ、最終的にウェルテルが至った破滅は彼にとって不幸の形ではなく、解放や幸福を意味するかのように思われ、彼のような死に方をしたいとまで思わせるものになってしまっている
それはこの世のあらゆる劇物よりも恐ろしい薬だろうね…
本書を読み終わった後に関連する記事やらウェルテル効果やらについても調べてしまった
何百年も前に書かれた作品が今もこうして多くの者に消せない影響を残す。それは唯一無二と評しても過言ではないかもしれない
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絶望名言のゲーテを思い出し、新刊?に並んでいたこちらを読んだ。当時流行したとかあらすじは知っていたが、改めて読むと、手紙(しかも一方的)の内容でウェルテルの激化する気持ちが語られる様が面白い。これがもう少し時代が進むとブリジャートン的に不倫などの話になるんだろうが(いや不倫の話は出てこなかったか)、当時定められた婚姻に囚われてこの話に共感した人が多かったということか。
主人公さておき、大勢の幼い妹弟を残して早逝した母の代わりに母親役を全うしようとするロッテの健気なことよ。国を問わず寿命の短かった時代にはこういう状況が多かったのだろうが、家族を守るという遺言、そこにはアルベルトと結婚することも含まれていたわけだが、母の言葉に絡め取られたロッテという当時の女性の立場の弱さを思わずにいられない。
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ウェルテルの躁鬱具合というか、メンヘラ特有の気分の波がすごくて、この手紙を読んで返事を書き続けたであろうヴィルヘルムの存在がすごく気になった。ウェルテルの側にいなくても、手紙のやりとりだけでメンタルやられそう。
アルベルトは社会の中で模範的な人物であるからこそ、ウェルテルは自分が社会に馴染めない存在だということが際立って嫌になったと思うし、ロッテはロッテであたたかい自然を愛し、それ故によく言えば情熱的なウェルテルに惹かれて余計こじれるという。
ウェルテル目線だと、ウェルテルが頭おかしい、居なくなるべき存在に思えるが、冷静に考えると誰が悪いわけでもない、だからこそ行き場がなく、昇華されない苦しみの有様に魅せられた。
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人を愛する気持ちってすごいな、当時の人にたくさん刺さった本なら、当時の方々はどんな恋愛してたの!!!!って思う私はまだ子どもなのか、、、
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The Sorrows of Young Werther
Johann Wolfgang von Goethe, 1774
Die Leiden des jungen Werthers
若きウェルテルの悩み
青年の悲しみや苦しみはもちろんなんだけど、それよりも彼の自己憐憫、悲劇のヒロインぶりがすごい。勘違い恋愛中の自分自身への悪酔い。現在進行形で全身で恋愛をしている若い人だと一緒に悩んでしまうよね。大変。
全文はブログで
www.akapannotes.com
(英語で読了)
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ウェルテルの初版ということだけど、改訂版を読んだのはそれこそ半世紀前なので、よくわからず新訳は読みやすいなという感想だけだった。クライマックスの直前まで書簡形式でもあり、ウェルテルの激情とロッテの不断の曖昧さと奇妙な三角関係において、成就しない運命にある恋への切実な叫びを感じた。死を選ぶ過程が詳細に描かれる終盤は全く記憶になかったが、ルポルタージュのような雰囲気で死に行く姿が描かれるのはちょっと怖い。昔は高校生の必読書だったけど、今はどうなんだろう。いろんな点で違和感がある。
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人生観と死生観を考えさせられる。
ウェルテルの苦悩、喜び、変容に我が身を重ねる。
時代は変われど、人間の根本的な精神は変わっていないことに気付く。
恋心の浮き沈みと合わせて、社会の中での人生の葛藤が紡ぎ出され、「人」の心をこうもストレートに魅せることができた著者に感嘆の意を示さざるを得ない。
スッと入ってくる心情の表現の数々には、翻訳者の腕の良さもあるのだろう。
悩んだ時に読み返したいが、その時の自分の成長と衰退との具合で感じ方も変わること必至だと思う。
初版の翻訳本を読めて良かった。でないと、全く違う所感を持ち得る。