音と脳――あなたの身体・思考・感情を動かす聴覚

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個人的な、2024年ベスト10に間違いなく入る名著。

最初の章はそもそも音とは？ということについて、著者が教えてくれる。
音がどのようなものであり、それを私たちがどのように「音」と認識するか。非常にわかりやすかった。

その後、言葉、音楽、鳥の鳴き声、音楽療法などをテーマ別に音が与える影響について解説してくれている。
その内容が実験をもとにしたエビデンスであることが非常に信頼性があり、刺激的で非常に良かった。

私たちは、目を閉じて視覚情報を遮断することができるが、
耳はふさぐいて、聴覚情報を遮断することはできない。
ただ、好きな音や関心がある音に注目することができる機能を、意識して活用していくべきであろう。

そしてこの本を読了したときには、優しい世界に聞こえる世界を感じることができ、心のゆとりが増えていく。

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▼配架・貸し出し状況
https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00554202

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視覚と比べて聴覚を軽くみる傾向があるが、聴覚は感覚、運動、思考、感情に関与する。
いわば、人を司る中心こそが聴覚

ただし今の時代は騒音に晒されて聴覚が鈍り、衰えがち

だからこそ、今の時代、音楽は必需。むしろ、老いも若くも、そん感覚を磨くには楽器を演奏したり、歌を歌ったりして、脳と聴覚を刺激することが大切

できることならば、
若い時、音楽を楽しむ環境にいたかった。そうすればよりこの本を理解できただろう

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聞こえ方について、ぼんやりとですが長年関心がありました。聴覚検査は正常なのに、聞こえていない様子の人っていませんか？教育、発達や学習に関心のある人にはとてもお薦めです。著者は特に音楽演奏と二ヶ国語を話すことを軸に聞こえ方、音の処理の仕方の違いやその事による影響を説明します。また、たくさんの実験を示して音と脳の相互作用で私たち自身がかたちづくられている様子を説明します。音楽とバイリンガル以外にも自閉症、読字障害、スポーツ、環境騒音など様々なトピックを扱っています。
すぐに個人的に何か役に立つ、という本ではありませんが、こういう知見が積み重なって、より良い教育、より生きやすい環境、より高い生活の質の維持ができる社会になるといいなと思いました。

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2025.1.21市立図書館
原タイトル「Of Sound Mind ーHow Our Brain Constructs a Meaningful Sonic World」
「音が脳を作り、脳が音を作る。」（カバー袖）

SNSで評判を聞いて読みたくなって、予約を入れて順番を少し待って借りた。
が、学期末でばたばたしていてなかなか読めないうちに返却期限が迫ってしまい、ざっと読みで途中まで。言語関連の話に入るこれからというところでタイムリミット。また借りるか、買ってじっくり読むか迷う。

一般に聴覚が視覚に比べると軽んじられ、聴覚の恩恵が過小評価されている（たしかに、活字中毒の私自身も、かけがえのなさでは視覚＞＞＞聴覚という感覚がある）と語る序章から、この研究の世界にぐっとひきこまれる。人間のみならず動物の聴覚や鳥のさえずりまで俎上に載せ、音が私たちの心とどのような協調関係にあるのか解き明かしていくひじょうにわくわくする本。

「フランスのベネディクト会の修道士らが、詠唱禁止の命が下されたときに健康を損ない、禁が解かれたら健康と幸福を取り戻した」といったような、世界中の幅広い文献や報告からひじょうに興味深い実例を集めてあげているのがいい。

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聴覚神経科学の分野で活躍し、著作物で4万4千以上引用された著者が、一般向けに「サウンドマインド」という言葉で音と脳の協調関係をまとめた本。過去に読んだ本も「運動と音楽は連動する」と書かれていたため、音楽ゲームが脳に与える影響が気になった。ここ100年で音楽は当然のようにBGMになり、信号から騒音になった。赤ん坊の声が嫌われるように音は選別して無視され、また電話からメールやSNSになり情報は伝えられても文脈が伝わりづらくなった。文字や映像メディアが溢れる現代こそ聴覚を知る必要があると感じた一冊。