- 販売開始日: 2024/03/29
- 出版社: 吉川弘文館
- ISBN:978-4-642-05933-6
隠れた名君 前田利常
著者 木越隆三
父利家、兄利長の後を継ぎ、前田家3代当主となった利常。彼はいかにして「加賀百万石」と謳われた加賀藩の基礎を揺るぎないものとしたのか。戦国末期からの本願寺門徒や真宗寺院への...
隠れた名君 前田利常
商品説明
父利家、兄利長の後を継ぎ、前田家3代当主となった利常。彼はいかにして「加賀百万石」と謳われた加賀藩の基礎を揺るぎないものとしたのか。戦国末期からの本願寺門徒や真宗寺院への対応、徳川将軍家との関係などに注目しつつ、最晩年に断行した藩政改革「改作法」に至る政治過程を解明。かつての「一揆の国」の近世化を達成した生涯と業績を描く。
目次
- 一揆の国の藩政改革―プロローグ/藩公儀の立上げ(将軍の聟、藩主となる/隠居利長と藩公儀の継承)/家中統合と藩政確立(利常親政始まる/家中統合と知行制改革)/一揆の国での国づくり(分裂する本願寺と広がる寺檀関係/伝統寺社再興と寺請寺檀制の導入)/利常の隠居と四代光高の治績(将軍家との蜜月と隠居/辣腕の隠居と光高の治績)/改作法の断行(「御開作」仰せ付け/「百姓成り立ち」と勤勉の要求/改作法のもたらしたもの)/一揆の国の近世化―エピローグ
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一揆の国を治める
2022/04/28 16:40
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投稿者:mt - この投稿者のレビュー一覧を見る
加賀藩2代藩主・前田利常の農政に着目した一冊。利常が晩年に行った「改作法」に注目し、農民からの収奪ではなく、農業助成や救済策も盛り込んだインセンティブ型政策への転換を評価する。それは農政を重視した家光政権の意向もあるが、何より「一揆の国」である北陸を治める大大名として、現実的な対応を取ったが故とする。鼻毛を伸ばしたり、陰嚢を晒したりとユーモラスな逸話が多い人物だが、統治者としては飴と鞭を使い分ける冷徹な面が見え隠れする。のちの「仁政」を心掛けた名君たちとは違う、近世初期のリアリストの姿が印象的である。