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投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
イスラエルとハマスの戦争。戦争とは国と国との争いであり、ハマスは国ではないので戦争ではない?ヒスボラも国ではない。イランが加わるとこれは戦争。多くの民間人を攻撃するイスラエルに非難の目。民間人を巻き込んだハマスはそれでよいのだろうか。ハマスが生まれたのはイスラエルの圧政のせい?パレスチナ問題の発端は英国の三枚舌外交のせいか。そもそもイスラエルが国を失ったのはローマ帝国の時代。そんな大昔のことようわからん。
わかっているの佐藤氏が親イスラエルということぐらいか。
イスラエルとハマスの内在的論理がわかる
2024/06/19 21:28
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投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、元NHKワシントン支局長の優男(T)と強面の元外務省職員(S)による、イスラエル・ハマスの内在的論理、パレスチナとイスラエルの悲痛な歴史等についての対談で構成されている。本書のタイトル『イスラエル戦争の嘘』には、Sの次のような問題意識が込められている。現在、日本の報道からは、イスラエルとパレスチナの間で戦争が展開されている印象を受けるが、イスラエルの敵はパレスチナではない。イスラエルはテロ組織であるハマスに対する掃討作戦を展開しているということが「嘘」の意味する処らしい。本書の内容の一部を次に紹介する。◆イスラエル側の作戦は、ユダヤ人を地上から抹殺するという思想のハマスを完全に中立化(イスラエルに敵対できないような状態)することを目的としている。◆イスラエルには全ての国民に共有されている認識がある。それは、「全世界から同情されながら滅亡するよりも、全世界を敵に回しても生き残る」というもの。◆ネタニヤフ首相はハマス掃討作戦の理由として、戦後の日独の例を挙げている。ドイツや日本が第二次世界大戦で脱過激化に成功した例を挙げ、ガザの攻撃もハマスの壊滅とガザの非武装化、パレスチナ社会の脱過激化が目的と述べている。◆パレスチナ解放機構(PLO)系の組織は、共産主義的な思想を基にした民族解放運動。ハマスはイスラム教社会の復古を目指している。かたや進歩思想であり、かたや反動保守的な宗教思想である。水と油といってもいい。◆「オスロ合意」は、PLOがイスラエルを国家として認めると共に、イスラエルはPLOをパレスチナを代表する自治政府として認める合意であった。ハマスは、イスラム社会の復権を標榜する宗教原理主義の組織であり、異教徒の国家イスラエルを認めるわけにはいかず、「オスロ合意」に反発を強めた。
国際政治に精通した両者の対談は、多岐にわたり内容豊富で読み応え十分であるが、こうした対談を行う必要のないパレスチナに平和が訪れることを願うばかりである。
全世界から同情されながら滅亡するよりも、全世界を敵に回しても生き残る
2024/06/02 19:09
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
イスラエル戦争の深層を理解するために、ハマスとイスラエルの歴史的背景をはじめ、ネタニヤフ首相の強硬路線に秘められた人生の軌跡等まで掘り下げ、とても分かりやすい内容となっています。「全世界から同情されながら滅亡するよりも、全世界を敵に回しても生き残る」ことがイスラエルの国是とのこと。イスラエルの核使用の可能性やトランプの再登場等々の予測不能なセオリーが想定される中、一体、どうゆう形でこの戦争が終結を迎えるのでしょうか?
大変読み応えがありました
2024/05/30 23:10
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎回楽しみにしている両氏の対談本。今回も裨益するところ大でした。いわゆる「イスラエル戦争」について、歴史的背景や国際法解釈、政治諸情勢、重要当事者たちの来歴と心理分析、インテリジェンスの奥義などなど、実に多くの切り口で展開される両氏のやり取りの妙にハマりましたね。実に多くを学びました。評者目線ですが、お勧めの一冊です。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜ、戦争になったのか。パレスチナ・ガザ地区を支配するハマスが、突如イスラエルにロケット砲を放ちました。それに対し、イスラエル軍も応戦します。その内情が詳しいです、知らないことばかり……
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投稿者:タタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ニュースなどでは伝えられていない本当のことが書かれているので、読めてよかったです。考えさせられる内容でした。
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とてもわかりやすかった。けど、やはり中東問題は、難しい。状況が理解出来ても、言葉が見つからない。いつもと違って強い感情が出ている佐藤優さんが印象的でした。
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p24 イスラエルの国是 全世界から同情されながら滅亡するよりも、全世界を敵に回してでも生き残る
p73 イスラムシーア派の代表国であるイランと、中東の盟主として最有力の産油国、スンニ派のサウジアラビアが電撃的に国交の樹立を発表 2023 中国の仲介で
p93 かつて池上彰さんは、ファタハとは金に汚いハト派、ハマスは金にきれいなタカ派と称していたが、いまハマスは金に汚いタカ派
p111 ネタイヤフの父 コーネル大学でユダヤ史を教える教授 3兄弟の真ん中 3人ともイスラエル国防軍のエリート特殊部隊であるナイェレットマトカルの所属
兄 ヨタナンネタニヤフ 1976 ハイジャック救出事件、特殊部隊の指揮官 唯一の犠牲者となる
p117 マッドマンセオリー 狂人理論 ことさらに強硬で過激な発言をすることで、自分は予測不可能な人間、つまり狂人であると相手に思わせ、譲歩を引き出したり交渉を有利に進めたりする方法論をいいます
p135 ハレヴィ イスラエル秘密外交 モサドを率いた男の告白 新潮文庫
p159 オスマン帝国 600年以上続く 緩やかな統治
イスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒があまり争うことなく共存
p163 1916/5 イギリスとフランスとロシアがオスマン帝国の分割について協議 サイクスピコ協定
黒海の一帯はロシアが、アナトリア地方の南部はフランスが、シリア南部と南メソポタミアはイギリスが委任統治 パレスチナ地区は国際的な管理に委ねられる
1915 アラブ民族の指導者に対して、オスマン帝国に反旗を翻せば、見返りに独立国家をつくっていいと持ちかける フサイン・マクマホン協定
1917 バルフォア宣言 イギリスの貴族議員であったユダヤ系大富豪のアーサーロスチャイルドに宛に書簡をしたため、イギリス政府としてパレスチナの地にユダヤ人の居住地を建設することを認めていい
悪名高きイギリスの三枚舌外交
p166 ドレフュス事件
p169 1947 国連 パレスチナ分割案 イギリスの委任統治終了 パレスチナとユダヤの2つの国家を作り、エルサレムは特別都市とすることが決議
p171 ベングリオンは、独立戦争の教訓から、イスラエルに軍の諜報局アマン、域内の治安を担うシンベト、さらには後にモサドとなる諜報特務庁の3つのインテリジェンス機関を創設した
p192 とりわけ注視しているのがイスラエル北部と国境を接するレバノンさらにはシリアとの国境沿い
いずれも親イランの武装組織にしてシーア派のビスボラが、軍事拠点を展開
ビスボラは軍事組織であり、同時に政治組織
ハマスはスンニ派、ビスボラはシーア派
宗派が異なるので、互いの社会、さらには政治、国家体制にさほど影響を及ぼさない
イランがひとたびイスラエルと戦うと決意すれば、ビスボラは直ちにイスラエルに攻撃をしかけるでしょう
イスラエルがレバノンのビスボラを叩けば、シーア派のイランを大いに刺激してしまう
p204 ミネルバの梟は夕暮れに飛び立つ ヘーゲルの方の哲学の序文末尾にあるゆうめいな言葉
梟とは、ミネルバ、つまり学問、哲学の神様の化身だとされていて、その梟は、一日が終わる夕暮れに巣から飛び立つということは、錯綜した現実の出来事は、終焉期になってからしばらくしてその全体像が見えてくるということ。裏返して言うと、現在進行中の出来事については事柄の本質はなかなかつかめないということです。
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一般市民が犠牲になり、憎しみの連鎖が止まらない。なぜハマスはテロを起こしたのか、そしてイスラエルはなぜ一般市民を巻き込んででも徹底的に攻撃するのか。日本に住む我々には理解が難しいが、2人のインテリジェンスの専門家が平易に説明してくれる。
読めば読むほど解決が難しい問題。これが第三次世界大戦の引き金にならないことを切に願う。
以下、個人的メモ。
イスラエル、特にネタニヤフ首相の内在的論理。
・全世界から同情され死に絶えるよりも、全世界を敵に回しても生き残る。
・ハマスはユダヤ人という属性を持つものを抹殺するという姿勢を持っており、テロ攻撃ができなくなるまで決定的に掃討を徹底する。
ハマスの内在的論理
・ネタニヤフの政策で、ガザ地区が天井なき牢獄にされ、電力が慢性的に不足、劣悪な生活環境、失業率上昇などで住民の不満が沸点に達していた。住民たちはネタニヤフに憎むと同時に、期待したのに改善してくれないハマスにも怒りの矛先を向けつつあった。
・ハマスとしてはイスラエルと戦う姿勢を見せる捨身の奇襲作戦をせざるを得ないところまで追い込まれていた。
・今回の戦争のきっかけはイスラエルがパレスチナ、ハマスを追い込みすぎて招いたテロが発端になっているとも言える。
・そこにサウジとイランの国交回復、そして次にサウジとイスラエルの国交回復交渉が始まったこともハマスを焦らせた。このままではジリ貧になる。イスラエルから100倍返しがくるのは分かった上でもやるしかなかったのしれない。
もっと歴史を遡ると、WW2後の相次ぐ中東戦争、WW1時のイギリスの三枚舌外交、もっと言えば2000年前の出エジプト記まで遡る話で複雑に絡み合って何が正しいとか何が原因だとかを簡単に言えるものではない。
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日本を代表する稀代のインテリジェンサー(こんな言葉はないか)お二方の対談は、どの上梓作も蒙を啓かされる。本作も同様で、イスラエルとテロ組織ハマスとの紛争について、歴史からの学びとそれぞれの内在論理を喝破し、グローバル世界の今後の進路を示唆する羅針盤のような提言を繰り出す。バカな新聞や御用学者の言説など読まなくても、本作を読むだけで世界情勢の今がわかる。ミネルヴァの梟は夕暮れに飛び立つものだが、昼日中に飛び立っていると思わせる迫力ある分析力だ。
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この本の中で、いくつも知らないことや、ハッとさせられることがあった
イスラエル政府はハマスの襲撃について「属性排除」の論理に基づいたものだと見ている。この「属性排除」とは人種や民族否定、つまりホロコーストと結びついてしまう。
イスラエルを建国する際の国是「たとえ全世界を敵に回してでも、自国が生き延びる道を選ぶ」という覚悟をイスラエルは持っている
これらを考えた上で、イスラエルの成り立ち、周辺国や世界の勢力図、国際機関の限界を合わせて考えるととても難しい問題なんだなと思う
しかし一方でユダヤ教の教えには「わたしが報復し、報いをする」と主が言われる・・・というのがあるそうです
自ら報復する手を止め、教えに従い冷静になって欲しいと願うばかり
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博多から佐世保への高速バスの旅の道連れの本
イスラエル戦争の嘘、米露中の打算と野望に巻き込まれるな!日本には停戦に導く力がある。
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マッドマンセオリーと、アンチテーゼ。
サイクスピコ協定、パレスチナの地区向け。
フサインマクモホン協定、アラブ民族向け。
バルフォア宣言、ユダヤ人向け。
超大国を率いる者にある、資質。アメリカ民主主義に対する揺るぎない信念を有すること。
他の価値は全て無効なのか。これは、AI時代と、とても相性がいいよな。
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ウクライナ戦争よりもイスラエル戦争の方が複雑で分かりにくい印象。オスマン帝国崩壊後の混乱が現代まで続いていて、何が正しいのか安易に判断できないなというのが率直な感想。日本の新聞やニュースだけに情報源を頼っていてはいけないなと思う。
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佐藤優氏の本は多く読んでいるが、対談相手に誘導されたり振り回されている佐藤優氏を見るのは新鮮で面白かった。作家であり、またインテリジェンスに精通している手嶋龍一氏なればこそで良い組み合わせ。手島氏が佐藤氏を持ち上げたり詰め寄ったりとドラマを感じさせる演出がある。
ただ佐藤優と、例えば池上彰氏との対談本なのでもそうだが、対談でありながら読者への解説を二人でもって淡々と進めていくスタイルには妙な面映ゆさを感じてしまう。その解説の恩恵に預かっている身ではあるが。
改めて宗教・信仰の負の面を強く認識させられる。本来人々の苦しみを取り除き豊かに暮らすために生まれたものなのに、妄信するあまり排他的・攻撃的になってしまう。
科学、哲学などの教育が対立の打開策となると思われるが、宗教にはそういった他の知識や考え方を取り入れること自体をタブーとするものもあるので一筋縄ではいかない。
強硬で排他的な信仰・宗教が消え去らない限りは、現実的には剛柔併せて「なぁなぁ」な落としどころを探っていくアプローチになるだろうし、現状もそうなのだろう。
必要な情報を適宜集め、対話の道を塞がずに落としどころを見つけ出していくインテリジェンスの存在、技術は欠かせないというのがよく分かった。