- 販売開始日: 2024/04/12
- 出版社: 吉川弘文館
- ISBN:978-4-642-05950-3
土砂留め奉行
著者 水本邦彦
江戸時代、淀川・大和川水系は河川災害の多発地域だった。もろい地質に加え、新田畑の開発や肥料用の草柴採取が土砂流出に輪をかけていたため、春と秋に奉行衆が巡回し、地元の村々に...
土砂留め奉行
商品説明
江戸時代、淀川・大和川水系は河川災害の多発地域だった。もろい地質に加え、新田畑の開発や肥料用の草柴採取が土砂流出に輪をかけていたため、春と秋に奉行衆が巡回し、地元の村々に土砂留め工事を厳しく命じた。日誌や御触書、絵図資料から、山地荒廃の実態や土木工事の内容、奉行の権限を解明し、自然災害と人間社会の関係を、歴史のなかで考える。
目次
- 土砂留め奉行と出会う―プロローグ/奉行の日記・庄屋の日記(土砂留め奉行の廻村日記/庄屋の日記/高槻藩の土砂留め奉行)/土砂留め制度(制度の始まり/前史と制度の特色/土砂留めと領主権)/はげ山・土砂留めの景観(はげ山と草山/近江国栗太郡の土砂留め/土砂留め場絵図)/課題と献言(郡山藩の下役文書から/土砂留めと村・百姓/効果と献言)/改革の諸相(下付金・入札・国役/幕府役人の巡見と改革/町奉行所の土砂留め)/「土砂留め」から「砂防」へ―エピローグ
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災害は今も昔も・・・
2022/07/25 21:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:想井兼人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本列島に災害が多いのは、今も昔も同じらしいです。江戸時代にも数多くの災害が。江戸時代の災害対策の一つが「土砂留め奉行」でした。正直、聞いたこともなかった土砂留め奉行は、藩という狭い領域を超越して活躍する立場だった。幕藩体制という究極の縦割り行政において、なかなか稀有な制度のようだ。現代社会にも参考になることが大いにある1冊だ。
民衆の命を守る行政の役割
2023/06/27 19:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:amisha - この投稿者のレビュー一覧を見る
災害の多発は今に始まったことではないが、人口が増えたがために被害は大きくなり、人工物が増え、自力でなんともならないことが多くなっている。
かつての役人と土木技術者が、どのように河川管理をし、土地を守ってきたのか、見習うべき点は多いように思う。そして今でいう市民たちは、どのように協力すべきなのか、共助と公序のあり方を垣間見たような気がした。
治水にかける彼の情熱が、この日記から伝わる
2022/07/01 22:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
土砂留め業務のために廻村した様子を、詳しく日記に書き留めていた奉行がいた、その人の名は、岸和田藩士の熊沢友之助、もちろん初めて耳にする名前だったが、治水にかける彼の情熱が、この日記から伝わる