思っていたよりも良かった
2025/05/31 21:05
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても裕福で贅沢を当たり前に生きてきた王子は、ある日サソリに刺されて毒に侵され「明日死ぬかもしれない。
少なくともその明日は一ヶ月以内のことだ」と告げられる。
突然の死を目前にこれまでの何もかもが無意味無価値に思えた王子は勢いで湖に入水してしまおうかと思うが、ある老人に出会い「死期がわかるなんて幸福だ」と言われ彼の言葉を理解するためにハイデガーの『存在と時間』の哲学講義を受ける話。
ハイデガーとか名前しか知らない人だったのだが、物語形式で講義されているおかげでうっすらさわりくらいはわかったような気がする。
しっかりタイトルの『幸福の王子』の伏線もちゃんと回収して童話に絡めて綺麗にまとめている点もなかなか評価が高い。
まぁ内容はわかりやすいが面白いかどうかというと読んでて眠くなるかなぁという感じなのだが。
最後の先生との別れの後の急に悟りを開いたみたいな展開は呆気にとられてしまったし、あそこでなんか新手の宗教詐欺を眺めているような置いて行かれた気持ちになって最後で駄作かと思ったら、その後の『幸福の王子』展開で持ち直したので良かった。
総合すると悪くない本だったとは思う。
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人はいつか死ぬ、感想書いてる今死ぬかもしれないし、感想書き終わったあと、図書館行く途中に死ぬかもしれない。死はいつ来るかわからない。それに、死んだら、何も残らない…なんのために生まれてきたんやろ…?みたいに考えたことは皆さんにもあると思うんですよね(多分)。それを究極まで、かつ論理的に私たちの代わりに考えてくれた人がハイデガーさん。ハイデガーさんは昔から心臓の病で死にかけたことがあったとか…。だから、死に向き合う機会が多かったんだろうな。
そんなハイデガーの哲学の本ですね、最初は何言ってるのか分からなくて、大変だったけど、時が経つにつれ、なんとなく分かり始めました。やっぱり、飲茶さんの本、全部わかりやすぅ!
物語形式になってるのが新鮮で、読みやすかった。最後に、あの童話、「幸福の王子」と繋がっていて、少し泣けました。特に、王子の名前を「幸福の王子」の著者の名前にしてるところに感動…!
。゚(゚´ω`゚)゚。
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ハイデガーの「存在と時間」について、物語形式で書かれた本。
存在と時間を読んだことは、以下のような内容なのかなと思った。
・未来のより良い選択をするために、現在と真剣に向き合う必要があるが、人間はしばしば命の有限性を忘れ逃避に走る。
・自己と他者含め命の有限性を自覚し、未来の選択のために過去・現在と真剣に向き合うことが、人間の本来的な生き方である。
個人的には「人間は自己含めあらゆるモノに道具的可能性を見出そうとする存在」という点に納得感があった。
そこを受入れて、他者の命の有限性を認識した時に、他者に優しくなれるのかなと思った。
自分も相手を道具としてみていて、相手も自分を「道具」として見ている。
かけがえのない道具としてであれば、他者を愛すること、優しくすることができそうだと思った。
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メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1834194094723346576?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
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イケハヤさんがお勧めしていた本。
ストーリー形式でハイデッカー哲学について知ることができる。非常に読みやすい。
時々まとめも出てくるので、理解もしやすい。
・★非本来的な生き方
=交換可能な道具生活
=自己の固有の存在可能性も問題としない生き方、
=自分の人生とは何だったのか、問わない生き方、
=死を忘却した生き方
★本来的な生き方
=交換不可能な、道具ではない生き方
=自己の固有の存在可能性を問題とする生き方、
=自分の人生とは何だったのかを問う生き方
=死を意識した生き方
・哲学とは考えられないことを考えること
・①ハイデガーは存在(ある)
とは何かについて考えたが、原理的な問題により、それは語れるものではなかった。
②しかし、にもかかわらず、なぜか人間は存在(ある)について理解する言葉として使っている。
・人は誰でも明日死ぬ可能性はあるのに、明日死ぬと思っていない。余命を宣告されてもまだ生きられると思っている。
・人間のことを、現存在と呼ぶハイデガー
(哲学とは、普遍的なものについて考える学問で時代や場所にあって、読み方が揺らぐことがないものを目指す)
・ハイデガーは、人間にとって人間以外は道具だと述べる。
道具はそれ単独では存在できない。
道具には目的がある。
世界のあらゆるものは、自分と言う究極の目的のために道具として現れているから、相手も自分のことを道具だと思っている
自分自身は、かけがえのない存在だが、道具として位置付けられると
それは人間の本来的な生き方と言えるのか?
自分自身を道具的な存在(交換可能な存在)として見ると、この世にいなくて、良い存在であり、無価値で無意味な存在に過ぎない
・人間とは、自己の固有の存在可能性を問題とする存在である。(人間とは、自分がどんな存在であるかを問い続ける存在)
・人間本来の生き方は他人の目を気にせず、自分で自分の生き方を決める生き方
しかし、他者が道具的存在に見るので、世間の目が気になる
・死がもつ5つの特徴
①確実性(必ず死ぬ)
②無規定性(いつ死ぬかわからない)
③追い越し不可性(死んだら終わり)
④没交渉性(死ねば無関係)
⑤固有性(死ねば代理不可能)
→★死だけが代替不可能
他者の視線が気になっていても死においては、自分の道具性は破綻する
そして、人間の本来のあり方について問いかけ始める
・苦しさの原因は無力感
人間は有限の存在→できないことがある→たから無力感を覚える→負い目を感じる
・過去とは、勝手に放り込まれた世界
未来とは1つしか選べない世界
現在とは無力さを突きつけられる世界
・有限になったところで、悩みや不安は生まれるかもしれない
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ハイデガーの哲学を分かりやすいシナリオで説明した本。分かりやすく噛み砕かれた内容でもやっぱり哲学は難しい。
哲学に苦手意識がある自分でも、途中で??となり諦めることなく、どんどん読み進められたので、著者の説明力はかなり高いと思う。普段触れることの無い哲学の世界に少しでも触れられて、良かったと思う。
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「あした死ぬ幸福の王子」は、深く心に響く物語。この物語を通じて、人生の有限性と、その中で如何に生きるべきかについて考えさせられる。
人生の真の価値について深い洞察を与えてくれる。贅沢な生活が必ずしも幸福をもたらさないこと、そして他者への思いやりと自己犠牲の精神が真の幸福につながる可能性があることを示唆している。
人生は短く、予測不可能である。明日死ぬかもしれないし、それは今この瞬間かもしれない。だからこそ、今を大切に生きる必要がある。
王子の行動に触発され、最後に後悔しない生き方をすることの大切さを感じた。それは、自分だけでなく他者のためにも生きること、持てるものを惜しみなく与えること、そして真の幸福とは何かを常に問い続けることかもしれない。
この物語は、私たちに人生の有限性を意識させ、その中で意味ある生き方を模索するよう促している。今日という日を、まるで最後の日のように大切に生きていきたいと思う。
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ハイデガーの哲学を非常に分かりやすく解説している点と、その説明に用いた王子の寓話がストーリーとして入り込みやすかった。
これ以上分解できない言葉の最小単位というものを考えた事があったが、これ以上深掘りできない最深の言葉について考えさせられた。「あるとは何か」。人間は決して説明できないという。それは思考の土台だからだ。あるものはある、としか説明はできないが、しかしそれが何かはわかっている。
その上で「現存在」とは、人間のこと。存在とは何かという問いは、人間においてまさに本質的な問いだ。また、道具的な存在とは、交換可能な存在。人間は、自分以外のすべてを道具として見ている。人間とは自分がどんな存在かを問いかける存在。
他者の視線からの解放こそ人間本来の生き方。そして、死には他者の視線をはねのける力がある。
やはり抜粋してメモ書きを見返すと分かりにくくなる。物語を通じて理解するのが、最適な学習方法なのかも知れない。本書は当に最適だ。
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死の病に罹った王子を軸として、ハイデガーを解説してる本です。大人になったいまだからこそ死ぬことって、生きることってなんだろうって考えさせられました。
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・死が近づくと、自分は社会にとって交換可能な、ありふれた存在だと分かってしまい、ショックを受ける。
・さまざまな他人の死を見ても、自分だけは大丈夫。「今日は死ななない、明日もしなない、1ヶ月後も、1年後も死なない」と根拠なく思ってる。でも、本当は次の瞬間死んでるかもしれない。それを自覚して生きたほうがいいと。
・自分にとって他人は道具だけど、他人から見ても自分は道具。
・自己紹介するとき。「私は市役所の職員です」=「いくらでも代替可能な存在です」と言ってるようなもの
・自分自身、他人が思う「道具」に合わせて生きている。「いい社会人、いい父、いい息子、いい夫」。それでいいのか。
・自分が他人が思う「道具」から離れて、自分の思うように生きるとき、始めて、オリジナルな自分が生きる。
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あまりに夢中になって、1日で読んだ!
それぐらい夢中になって読めるから、★5つ!
しかも、難解とされるハイデガー哲学を非常に分かりやすく説明している。
ただ、読み終わって、
では「どう生きていけばよいのだろうか」ということにますます分からなくなってしまったというのが正直の気持ちだった。部分部分、本当に感動するぐらいな気持ちになるフレーズもあるのだが、最後に読み終わって、これは自分だけだと思うけど、よく分からなかった。
決して本の内容が分からなかった訳ではなく、どう生きていけば良いのかがますます分からなくなったような気がした。著書も言うように、それを求めてもがいていくのが人生であり、ハイデガー哲学なのかもしれないが、模索していかないといけないと思った。
そういう意味では、ますます哲学に興味をもったし、もっとどう生きるべきかについて、考えていきたいと思った。
★印象的なフレーズ
・人間の本来的な生き方
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あっという間に読んでしまいました。
余命宣告を受けた王子が、老人からハイデガー哲学を教わり、王子自身の体験と結びつけながら理解を深めていくお話。
抽象度の高い哲学の話を、物語にすることで具体的に分かりやすく伝えてくれている。
中高生でも読める内容。
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ハイデガーは、難解ではありつつも人として大切なことを説く哲学者。初めて知ったが、この本なら読みやすくわかりやすくハイデガーを知られるのでおすすめ。
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●なぜ気になったか
出版時には気になりつつも、経験上このような著者名本は相性悪いことが多いのでスルーした。が、図書館新着で目につき、死ぬことに対する哲学のストーリー仕立てだし、星5評価が70%超えだったので、読んでみたくなった
●読了感想
相性悪いのでは?という予想はあたり、ストーリー仕立てに冗長感。「夢をかなえるゾウ」のおもしろさを期待したのが間違いだった。東日本大震災で死を意識し、会社を早期退職し、生き方を変えた僕は間違っていなかったと自信を持てた
#あした死ぬ幸福の王子
#飲茶
24/6/5出版
https://amzn.to/4dXfrSV
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「存在と時間」「現存在」・・・そんなキーワードが微かに浮かぶ程度にしか知らなかったハイデッガー哲学。本文中でも、全てを理解することはプロでも難しいと言われている彼の哲学ですが、本作は物語チックで読みやすく(てか物語が普通に面白い)、少なくともエッセンスは理解できた(かな?)。自分・他者・世界のかけがえのなさを実感しながら、死の間際まで自分らしく生きていけるように頑張ろう。