なでし子の話だったのか
2024/09/01 11:57
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
素晴らしい。
最後の終わり方のなんと美しい。
もう一度、最初の話から読み直したい。
イヤな奴も良い人も出てくるけど、とにかく最後が感涙もの。
ちょっとした大河
2024/12/15 01:26
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投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
なでし子物語の完結編らしい。
耀子と立海それぞれがその時自分に選択できる最良を懸命に生き、道を切り開いていく。
特に、耀子は常夏荘に来てから、いろいろな立場を経験したからこそ、遠藤家の人々とは違う視点を持ち、行動することができたように思う。
シリーズを通して、登場人物それぞれ同じものを見て、経験しても、そのどこに着目し、受けとめ、自分の中で意味づけていくのかが異なることにもどかしさを感じるが、これこそがテーマのひとつだったのではと思う。
そして、そのことをリアルタイムで知っているのは読者のみ。
いろいろな角度から見つめることで、同じ経験をしても意味は違ってくる。
最後にそのことに登場人物が気づくこともあればそうでないこともあろうが、大河的小説を読む醍醐味はこうしたところにもあるのではと感じた。
人が成長するきっかけのひとつはこうした視点を得られた時なのかもしれない。
そういう意味では、いくつになってもひとは変われるのだろう。
龍治が本当にしんどい思いをしているひとに気づき、そういうひとに優しくできていたことには、これだけのことが背景にあったのだなとやるせない気持ちになった。
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なでし子物語シリーズも遂に完結。
静岡県の奥地、峰生を舞台に、燿子の成長と奮闘の物語。正直、「地の星」であまりにも燿子にクローズアップされた作品だったため、シリーズ作品として強く違和感を感じたものの、最終刊までひと通り読み終えた今、それが必然のものであったように思う。
物語の結末における燿子の判断。それはまさにそのタイミングでしか選択できなかったものだろう。それほどまでに自分を優先させてこなかった燿子の生き方に、心を打たれた。
自然豊かな峰生が活気とともに拓けていくことになる未来はどのようになるのだろうか。そんな先のことまで想像させてくれるような世界観に、まだまだ浸りたい。 ★4.2
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なでし子物語、シリーズ完結編らしい。
これまでも美しい良き物語だったけど、今回がいちばん良かったな。
久しぶりに「野の花の姿で多くの友の中にいよう」と歌う歌詞の校歌を思い出した。
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始まりがあるから終わりがくるのだけど、その人生をどう生きてきたのか見届けたものとして本作を読み終えて、とうとうシリーズが終わるのかと万感交到る
「ヨウヨ」「リュウカ君」
燿子の来し方に、この先、キラキラしたあの日のようなの行く末があることを願わずにはいられない
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待ちに待った「なでし子物語」シリーズ最終巻の単行本。
ヨウヨとリュウカ君が、ようやく心のままに、自分がほしかったものに手を伸ばす姿に、言い様のない幸福を覚えました。
2024年から2025年にかけて色々ありましたが、本書が2025年最初に読み終えた小説でよかったです。
本書には印象に残るフレーズがいくつかありましたが、一番心に響き、今年何度も思い返したいフレーズは、次のものでした。
「何があろうと、何がおころうと、誰にも代わってもらえない。自分の人生は自分のもの」
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「なでし子物語」「天の花」「地の星」に続く、
シリーズ第4巻。
3代の女性を描いた感動の大河小説。
素晴らしい作品でした!
10歳で遠藤家の常夏荘に引き取られ、38歳を迎えた耀子。
前作より更に月日は流れ、離れて暮らしながらもお互いを気遣い合う耀子と夫・龍治。
娘・瀬里との親子関係に、もどかしさや寂しさを感じた。
周囲のやっかみや妬みを受けつつ、孤独感や心の空虚を抱えながらも懸命に頑張っている耀子に、たまらない気持ちになる。
耀子の気持ち。
龍治の気持ち。
立海の気持ち。
照子の気持ち。
誰に寄り添って読んでいても、どうにも胸の奥から強い感情が溢れてくる。
1人1人の幸せを願わずにはいられない。
読みながら、滂沱の涙。
そして、自然と背筋が伸びるような気持ちになりました。
哀しく、切なく、美しく…。
端から見るだけではわからない、周囲には計り知れない、本人たちにしか理解できない積み上げてきた歴史がきっとある。
長い年月を経て紡がれてきた常夏荘の歴史と、周囲の人たち1人1人の人生に思いを巡らせ、胸がいっぱい…。
心を大きく揺さぶられる最高に素敵な読書時間でした。
『何があろうと、何がおころうと、誰にも代わってもらえない。自分の人生は自分のもの。』
『暗がりを行く者を導く星の光は、夜が明ける と花に宿って地を照らす。天の花、地の星。いつだって希望の光はともにある。』
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なでしこ大河物語集大成。
照子、燿子、瀬里、三人の女たちの、ままならない今と、自分でつかみ取っていく未来。
燿子が、夫に突然突きつけられた「離婚の理由」、そして二人で決めた結末。
山の集落の、代々続く名家で生きる女たちの、変わるべき今を伊吹有喜の真摯で静謐で上品な言葉たちが紡いでいく。
恨みつらみ、嫉妬や邪推、そういう黒い思いさえ凛と顔をあげて生きていく彼女たちのまでは霧散していく。いや、霧散させていくのだ、彼女たちがその手で。
山の中でひっそりと暮らすことをよしとする照子の、思い切った行動にほれぼれ。
そして燿子がようやく手を伸ばすことのできた未来に心から安堵。
天と地を結んだ二人の絆がこれからも峰生を守り続けていくのだ、と読後思わず空を見上げてしまった。
日々のあれこれに忙殺されて心を軋ませている人の心のそっとしみる優しい言葉たち。そんな言葉を心に刻みこんで本を閉じる。
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最近お気に入りの伊吹さんの本なので、楽しみにして読みました。
常夏荘シリーズは人気なのですね。
でも、どうも私には合わない。
お金持ちとか名家とか有名ミュージシャンとか住む世界が違う人が感動を与えるっていうのが現実感がなくてのめり込めず、読了に時間がかかってしまった。
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大団円。ようやくリュウカとヨウヨの行く末が見届けられて感無量。長かったなぁ。龍治のことは悲しくて涙が出たけど、彼の言うように、欲しいものは全て手に入れて幸せだったんじゃないのかな。大好きなこのシリーズが終わってしまって寂しい。
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2008年から物語が始まったことをかなり読み進めてから気づいた。なんか雰囲気が今のような違うような?と。物語の序盤でギリ間に合った。
前作から結構時間が経ってしまってどんな内容だったか思い出すのが大変だった。家族構成が複雑で何度も冒頭の家系図を見ながら読み進めた。
相変わらず耀子に降りかかる試練の多さにまたか!と辛くなりつつも、最後はやっとここに落ち着いたか〜と軽い疲労感とともに完。
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『リュウカ君、一生、私のものになって』
と耀子が立海に告げたシーンはほんとよかった〜
嬉し泣きしてしまった。
それにしてもあいかわらず照子はかっこいいし、子の瀬里からみた耀子も立海ももう立派な大人なのだけど、子どもの頃からの変わらない想いもまた抱えていて、ふいに子どもの頃のような感じになるところが、ずっと応援してきたような気持ちになって感動もひとしおだった。
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なでし子シリーズのいよいよ最終章。
燿子も気がつけば38歳になっていてビックリ。
「おあんさん」として、母として…課された役割をしっかりと果たそうとする姿が、本来の燿子と違う気がして痛々しく感じる場面がたくさんあった。
それに対し、成長した瀬里の若々しさがかつての燿子を思い出させて、そんな瀬里に嫉妬心が芽生えてしまい(なぜ私が?)不思議な気分だった。
2、3作目では不完全燃焼だったけど、ここに導かれるために描かれていていたのかな。
生きている時はもちろん、亡くなってから帰る場所。自分の原点となるかけがえのない場所があるっていいなと思う。
心の中になでしこが満開になって、気持ちよく読了。
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Amazonの紹介より
遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。10歳の時にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。
時を経て38歳になった耀子は、ある日、夫の龍治から突然離婚を切り出される。その思いもよらない理由に耀子は驚くが、それを機に自分にとって本当に大事な人が誰だったのか、思いを巡らし始める―。
耀子の葛藤、娘・瀬里の巣立ち、義母・照子の愛。
激動の時代に遠藤家の三代の女たちが守り抜いた家と暮らしは、峰生に暮らす人々にとってもかけがえのない居場所になっていく。
伊吹有喜デビュー15周年記念作品。
この作品、シリーズ本だそうで、「なでし子」シリーズの最新作ということを読了後に知りました。
他のシリーズを読んだことがないので、ここに至るまでのそれぞれの登場人物の背景を知らなかった分、ちょっと惜しいことをしてしまったなと思いました。
それまでの人生の深みを味わいたかったなと思いました。
なので、ここから初参加ということで読みましたので、もしかしたら解釈が違うかもしれないので、ご了承を。
冒頭では、瀬里が浪人生で勉強に励んでいるかと思いきや、アルバイトに勤しんでいるところから始まります。
母の心配や親戚の立海が駆けつけたりと家柄ならではの手厚いサポートが窺えました。
なにぶん、冒頭にある家系図が遠藤家しかないので、その他の登場人物との関係性がわからなく、ちょっと混乱する所もありました。読んでいて思ったのは、峰生に暮らす人々の優しさや温かさが滲み出ていました。どんな困難な状況にあろうとも、周りのサポートがあって築きあげてきたんだなと窺えました。
題名が「常夏荘物語」ということで、それまでの歴史を語るかと思いきや、これからの数奇な運命を描いています。
耀子の夫の秘密や守り抜いた「家」の運命など色んな出来事が待ち受けるのですが、なんとも複雑な気持ちになりました。
一方では切ないし、一方ではどう心の処理をすればいいのか、一方では心配など色んな視点で見ると、色んな解釈ができるため、なかなか一言では言い表せない状況に、どう前へ向くのか注目でした。
特に瀬里と父親との関係性が印象的でした。周りは父親の秘密を知っているのですが、瀬里はその秘密を知りません。わかった後の瀬里の心情は、意外とあっけなさを感じつつ、清々しさを感じました。
あとはなんといっても、耀子の「これから」が印象的でした。それまでの背景を知らなかった分、立海との関係性は親密というのはわかったのですが、最後の展開は印象的でした。シリーズを知っている人には感動ものかと思います。
遠藤家としては、ある出来事を機に、人生が狂っていくのですが、祖母として、母として、娘として、三世代の「これから」に期待したいと思いました。
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ああ~、久しぶりの峰生のシリーズ!
待ちくたびれたよ~ 忘れちゃったよ~
その間、峰生のモデル、浜松・天竜に何度出かけたか~
遠州峰生、代々の名家・遠藤家の邸・常夏荘、
かつて「長屋の子」と蔑まれた耀子も38歳、今や立派な「おあんさん」。
地元の女性達と起業、惣菜と菓子の「なでしこ屋」を切り盛りしている。
順風満帆にみえる耀子だが・・・
離れて暮らす夫からは離婚を切り出され、娘は東京で自立の道を探る・・・
地元では、遠藤家と会社への嫌がらせもエスカレート、
親族との確執もある・・・という、オトナの耀子の葛藤が描かれていくわけ。
細かいところを忘れていたが、読み進むにつれ思いだしていけるモノ。
どっぷりはまりながら読む。
(ネタバレ気味です)
ストリーテラー伊吹有喜、途中で辛すぎて禁じ手のラスト読みしちゃったほど。
(安心して、最終盤へむかえました)
最近、伊吹さんの小説を読んでモヤモヤのたまるイヤ~な気分になったばかり。
かなり警戒しつつ読んだのだが、これは大丈夫!
大団円。
今まで、シリーズを読む度に、「え?これで終わり?」と肩すかしを食らったが
今回は、本当に終了だなぁと得心。
かつてアンシリーズを読んだときのような、シニアも恥じらうドキドキのラスト。
ここに至るまで、きちんと考えられて書き進めていらしたのだろうな・・・
発売と同時に読んできたけのに、もんのすごく時間がかかった気がする。
耀子の物語は終わったとは言え、次の世代・瀬里がいる。
先代の照子さんだって健在だ。
照子さんの友人ネコさんという素敵なおばあちゃまだって登場している。
スピンオフや続編を期待します!