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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
同時発売された潰えるの方が、こわいしおもしろかったかなという印象。
こちらはあんまりこわいと感じなかったです。
あと、三津田信三という人の書かれた作品が個人的に本当に肌に合わず、おもしろくないしイニシャルトークにももやもや。まぁ、合わない作家を知ることができたので、そういう意味では収穫があったかもしれない。
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有名作家が執筆したホラーアンソロジー。不思議な話、怖くない話もある。
個人的に好きなのは三津田信三さんと小池真理子さんの話。
三津田さんの話は想像するだけで怖くゾッとした。似ているかもしれない、って序盤で言われてる「竈の中の顔」を読んでみたいなと思った。
小池さんのはほんわかする話から一変して困惑したまま終わるのが良かった。
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角川ホラー文庫30周年記念アンソロジー、2冊目。収録されているのは以下の6編。
宮部みゆき×霊能を持つ従姉とのひと夏の思い出、『あなたを連れてゆく』。新名智×狂気のゲームブック、『竜狩人に祝福を』。芦花公園×河童との三つの取引、『月は空洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ』。内藤了×一等地の土地家屋に秘められた呪い、『函』。三津田信三×怪談作家による怪談論、『湯の中の顔』。小池真理子×死後事務委任契約で訪れたリゾートマンションで遭遇する怪異、『オンリー・ユー―かけがえのないあなた』。
『潰える』と同様、名の知れた作家が名を連ねるホラーアンソロジー。新たな推し作家を見つけられるのを期待していたのだが、残念ながらピンと来る作品はなかった。敢えて挙げるとすれば、新名智『竜狩人に祝福を』だろうか。ゲームブック仕様で物語が進むという新奇な仕様。指示どおりに読み進めると辿り着くことがない隙間ページに、物語の真相が挿入されているのも面白い。仕様で物語の世界を作り上げている良き一作。
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「最恐」と銘打ったにしてはやや物足りないが、怖さの魅せ方のバリエーションは豊か
"あらゆる怖さのニュージャンル"というホラー文庫創刊当時のコピーを具現化している、なーんて言ったらやや褒め過ぎ、か
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夏といえば怖い話でしょ!ってことで、今年何冊か買った中の1冊。
でも、なかなか怖い話には当たりませんな。
この本もそんな感じ。
宮部みゆきや小池真理子の話は怖いと言うにはきれいすぎるし、気味が悪いというよりは気持ち悪い河童の話に、半端なゲームブック風の一編などどれもこれも「怖い話」としてはイマイチ(怖い話と思わずに読めば…)。
ただ、芦花公園&三津田信三の2人が最近気になってたので、どんな文体を書くのか、ちょこっと触れられたのは良かったです、
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ホラーの書き下ろしアンソロジー。
どれもテイストが違う話だった。
私が一番好きだったのは三津田信三「湯の中の顔」。
その場面を思い浮かべると相当怖い。
ハッキリしないからこそ余計に不安で恐ろしい。
新名智「竜狩人に祝福を」もゲームブックのようになっていて面白かった。
あ、これは…と気づいたあたりでゾッとする。
ただこういった人のこういった犯行を楽しんで読んでしまっていいのか…という気持ちにもなる。
内藤了「函」も途中まではすごく好きだったけど、ラストのあたりが…逆に怖くなくなってしまった感じがした。
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全作書き下ろしなのが嬉しいアンソロジー。
ゴアとかスプラッタが苦手なので、そういう系がなくて安心だった。
ホラーとはいえ、ものすごく怖いかというとそうではなく、ホラー小説の多様なバリエーションを楽しめた。とにかく怖い話、を求めて読むと少し肩透かしかもしれない。
宮部みゆきさん、小池真理子さんはしっとり系、芦花公園さんはいつもながらに厭な気配の漂う不穏な話(読後の厭さが芦花公園さんの楽しみのひとつ)、三津田信三さん、内藤了さんは土地に絡んだぞわぞわとする怪談にも似たホラー、新名智さんは変化球というか、昔懐かしいゲームブックスタイル(途中でオチが読めてしまった上に、ホラーのネタにしちゃうんだ、と個人的にちょっと不愉快だった…)。
内藤了さんの『函』が、湿度や映像が浮かぶようで怖くて、いちばんお気に入り。
同時発売の『堕ちる』も楽しみ!
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「潰える」よりは怖かった。
「竜狩人に祝福を」は、まずルールに従って読んで、もう一つのルートを辿って、最後に通しで読むって読み方であってますか?
最近、ゲームブック形式を時々みるようになったけど、また流行ってるのかな。
かまいたちの夜の30周年だしな。
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個人的・夏のホラー特集。2冊同時発売だけど、このメンツが一度に味わえて、なおかつすべて書き下ろしとなると、これはもう、読まん手は無いってことで。☆の内訳は、掲載順に3-1-1-4-4-3で、平均取って☆3つ。ちなみに、各氏著作の個人的体験に基づく自分の期待値は、4-?-2-3-4-3ってところ。ま、そんなもんですわな。以下、数作品にコメント。②ゲームブック、昔結構ハマったな~、っていう懐かしさは感じたけど、それに見合う楽しさは得られず。真相もいまひとつ。③”異端の祝祭”、内容は全然覚えてないけど、楽しめなかったって記憶は残っている。本短編を読んで、『あ、そういえば、前もただ意味が分からんかったわ』ってことを思い出した。それだけ。④本短編のみ、期待”以上”だった。”変な家”なんかより、こっちの方がずっと楽しめる。
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全体的にインパクトが弱く、物足りなさが残った。それなりの面子、そして其々書き下ろしの最新作ということで期待が大き過ぎたかも。〝最恐〟は内藤了さんの「函」。小池真理子さんの「オンリー・ユー」は切ない系で雰囲気があったが、それら以外は…。
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宮部みゆきほか著『潰える最恐の書き下ろしアンソロジー(角川ホラー文庫)』(KADOKAWA)
2024.8発行
2024.10.21読了
宮部みゆき「あなたを連れてゆく」
一人称回想録。小学3年生の夏休み、南房総の親戚の家に預けられることになった少年カツミは、そこで3学年上の従姉アキラと出会う。アキラは文句なしの美少女なのに愛想がなく、ろくに話もしてくれない。毎日、外をほっつき歩き、近所からの評判も悪い。ある夜、窓の外を見ると、アキラが猫と話をしているところを目撃して……。
書き下ろしアンソロジーに収録される短編としては、世界観やキャラクター設定が細部まで丁寧に考えられており、この単話のみで終わらすには惜しいほど物語が完成されている。アキラは死者の魂を認識することができる異能者なのだが、いつかシリーズもので発表されるかもしれない。さすが稀代のストーリテラー・宮部みゆきである。
新名智「竜狩人に祝福を」
昔よく読んだ児童書のひとつにこのような読者の選択によって物語の結末が変わる本があったが、調べてみると「ゲームブック」と呼ぶらしい。プロローグとエピローグのほかは全て二人称で語られており、独特の読書体験を味わえる作品になっている。
一見したところ、主人公である「きみ」がドラゴンを倒しに行くというRPG風の話を装っているが、実は「きみ」は極度の妄想や幻覚症状に悩まされている精神疾患者であり、エピローグでそのことがネタバレされる結末になっている。
エピグラフにハーラン・エリスンのSF小説「竜討つものにまぼろしを」の一句が挿入されており、おそらくはそこからヒントを得て、ゲームブック形式の本作を着想されたものと思われる。
新たな表現を開拓した意欲作であることに異論はないが、成功しているとは言い難い。
エピローグでネタバレされているように、「きみ」には性にまつわる幼少期のトラウマがあるのだが、その具体的な中身については、ただ選択肢に沿って読み進めるだけでは解明されない。選択肢に沿って読んでいただけでは読み飛ばされてしまう章がいくつかあり、それらの章を読むことで、実は「きみ」が生まれ育った家はある宗教を信仰しており、その宗教がタブー視している男性間性交渉を「きみ」が行なったことがトラウマの原因だと分かるようになっている。邪竜とはつまり「きみ」の身の内にあるそうした「悪魔性」のことであり、だからこそ「きみ」は自らを殺すことによって竜を討伐するのである。
しかし、ゲームブックの特性を十分に活かそうとするなら、エピローグでネタバレすることが得策とは思えない。やはり選択肢の中でネタバレを示しつつ、エピローグではドラゴンを倒した、とだけに留めた方が余白があって面白いのではないかと思う。短編には不向きな作品だったかもしれない。
芦花公園「月は空洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ」
いきなり河童の話から始まるので、てっきり民俗学ホラーかと思いきや、とんだ思い違いだった。
施設で暮らす孤児の少年龍平はある日、川べりで人間に変身した河童に出会う。何でも河童から課される3つの課題をクリアすればどんな願い事でも叶えてくれる代わりに、失敗すると尻子玉を抜かれて殺されるという。
ここまでは民俗的ホラーな展開なのだが、唐突にフォント違いの字体で、地球侵略をもくろむレプティリアンと呼ばれる宇宙人と光の戦士ドラコニアンの末裔である日本人との戦いの歴史が語られる。のちのちまで読んでいくと、どうもレプティリアンの存在に気付いたレジスタンスが流している怪電波の内容らしいのだが、この時点で河童の正体がレプティリアンであることが判明する。
その後、一転、龍平が同級生に河童と似た取引を持ちかけはじめるので、読者は混乱してしまうのだが、実は龍平はレプティリアンのハーフであり、思考や思想を純レプティリアンに支配されてしまったのだった。ラストは、レプティリアンの弱点を知るおじさんを生きたまま焼いて殺すシーンで終わるのだが、怖いというよりも何とも後味の悪い小説になっている。
この小説の評価は、こうした展開が好きか嫌いかにかかっているように思える。
内藤了「函」
ある日、哲也の元に司法書士を名乗る人物から手紙が届く。何でも会ったこともない祖父が死んで、その遺産が全て哲也のものになるということで、哲也は早速祖父の家に住むことになったのだが、何とそこは呪われた家だった。家の来歴を知れば知るほど、自分がもう後戻りできない地点に立たされていることを知り、ついに哲也は……という話。
読者を物語に引き込む表現力、創造力があり、『堕ちる』『潰える』の中では一番怖かった。自分は忌み地の来歴を辿っていくホラーが好きなのかもしれない。
『堕ちる』という標題が最もしっくりくる作品だったと思う。
三津田信三「湯の中の顔」
後半が面白かっただけに前半の剽窃の話がくどくてしんどかった。全編を読み通しても、いまいち前半部分の必要性がよく分からない。
新宿ゴールデン街の店で偶然隣り合わせたNから聞いた彼の叔父の体験談が中心的な内容である。
Nの叔父哲太郎は売れない小説家であり、痛めた肩の治療のため、人里離れた湯治場Kを訪れる。そこの露天風呂で哲太郎は生首の老人と出会うのだが、小説のネタになりそうな面白い話を語ってくれるので怖いながらも毎晩のように露天風呂に通ってしまう。同宿の者から、その老人は山から来た人ならざる者だと忠告されると、その翌日に老人が住む山に向かってしまうほど哲太郎はその老人に囚われていた。山中にて哲太郎は山小屋を見つけるのだが、そこで哲太郎はこの世のものとは思えない怪事に遭遇する、というのがあらすじである。
この体験談が「事実」なのか「創作」なのかは差し置いても妙にリアリティがあって怖い。なにゆえメタ的な構造に仕上げなければならなかったのか理解に苦しむ。末尾には参考文献が掲げられているが、この参考文献は「何の」参考にしたのか。どこまでが実話でどこからが創作なのか。そういった部分も作者の計算に入っているとしたら、この参考文献も読まないことには真にこの短編を理解することはできないのではないだろうか。
小池真理子「オンリー・ユー——かけがえのないあなた」
一人称回想録。35歳の「わたし」は、仕事の関係で信越地方のリゾートマンションへ車を走らせていた。車内のカーラジオからはザ・プラターズの「オンリー・ユー」が流れている。結婚式の半年前に交通事故で死んだ婚約者との思い出の曲だ。35歳の「わたし」は婚約者の死から立ち直れず、死人同然の生活をずっと送っていた。リゾートマンションでは、管理人の室井さん一家から歓待を受ける。室井さんの再婚相手のハルミさんは若く、連れ子の双子は可愛い。これこそ「わたし」が求めていた家庭像だと思う。
——4ヶ月後、「わたし」は室井さんが自殺したことを知る。あんなに幸せそうだった室井さんがなぜ自ら命を絶ってしまったのか。「わたし」はもう一度リゾートマンションに行くことを決意する。
以上があらすじであるが、私は『潰える』『堕ちる』の通して、本作が一番面白いと感じた。
ラストのオチに納得できるかできないかで評価が分かれそうだが、ラストを匂わせる伏線も用意されており、これまで描かれてきた物語を否定するものでもないから、十分評価できると思う。「わたし」の背景についてもある程度描いてくれているので、なぜ「わたし」の元に怪異が訪れたのか読者が納得できるようになっている。怖いのはもちろんだが、淡くて、悲しい。30年ほど前の出来事を「わたし」が回想する構成になっているが、おそらくはこの出来事をきっかけに婚約者の死から立ち直ったであろうことが推測され、「わたし」のその後の半生が幸多き日々だったことが想像される。本文では触れられていない部分にも丁寧な気配りができており、大好きな作品の1つになった。
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面白かったです。
内藤さんの話は怖い話でした。
ひとつ、似たような話聞いたなってなやつも、ありましたが。
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同時発売となった「潰える」を先に読んでから、本作を読みました!
こちらも6名の作家さんによるアンソロジーですが、「潰える」とはまた違ったテイストで怖面白かったです…!!
恐怖度は「潰える」の方が強かったかも。
「堕ちる」はどこか幻想的な怖い話という印象でした。
秋の夜長に最適な一冊でした!!
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図書館。
宮部みゆき…世界観がしっかりしていて、情景を思い浮かべやすかった。
新名智…子どもの頃のゲームブックを思い出しながら、それでいて現実味もある。
芦花公園…良かった。タイトルはわからないけれど。
内藤了…そういうところ、ありそう。怖くて良い。
三津田信三…前振りとイニシャルトークがくどかったけれど、ホラーシーンはさすが。
小池真理子…やはり一番良かった。情景が思い浮かべられる。ロマンの妙。
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【収録作品】
宮部みゆき「あなたを連れてゆく」
新名智「竜狩人に祝福を」
芦花公園「月は空洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ」
内藤了「函」
三津田信三「湯の中の顔」
小池真理子「オンリー・ユー――かけがえのないあなた」
「あなたを連れてゆく」正統派異能力系。続編希望。
「オンリー・ユー」切ない。
「湯の中の顔」まさにホラー。夜中の露天風呂に入るもんじゃない。
「竜狩人に祝福を」ゲームブック風で、趣味が悪い。
「月は空洞……」気持ちが悪い。
「函」こういう主人公だと全く同情する必要がないから、ホラーも安心して読める。