歴史論文の読み方
2024/12/16 16:30
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投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史家が書く論文がどの様な視点・研究方法・どの様な史料にもとずいて書かれているかを三論文を例にしながら丁寧に解説している。研究者が何に興味を持ち、研究者の置かれている時代や流行にも説明が述べられている。一見すると堅苦しさも覚えるが歴史好きもこのように論文が書かれている事を覚えておくことは必要と思う。最後の「私たちが生きていくうえで、『まともにことばを交わしあう』ための基盤形成することに・・・」は意味深い。
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
史料と資料の違い、記録の目的外使用など、様々な論文の例示を通して、歴史家が自分たちのやっていることを反省的に振り返りながら説明する試み。
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<目次>
第1章 歴史家にとって「史料」とは何か
第2章 史料はどのように読めているのか
第3章 論文はどのように組み立てられているのか(1)~政治史の論文の例
第4章 論文はどのように組み立てられているのか(2)~経済史の論文の例
第5章 論文はどのように組み立てられているのか(3)~社会史の論文の例
第6章 上からの近代・下からの近代~「歴史についての考え方」の一例
<内容>
歴史家が、自分たちの手の内を明かしながら、何を考えながら叙述しているのかを、本人の専門の近代史のカテゴリーの中で、政治史・経済誌・社会史と、少しアプローチの仕方が違う論文を、分析していく。歴史を学ぶ者たちにとって良い参考書だし、他の分野の専門家が、この本から歴史家のアプローチを知るのによいのではないか?浅学の自分にはちょっと難しかった…
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歴史の論文とはどのように考えて書かれているか、史料がどのように扱われるか、そのあたりの思考プロセスと説明がとても丁寧で、歴史学に興味がある方にはおすすめしたい。
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一般の人でも分かるように、歴史学研究の方法論が丁寧かつ平易に述べられている。歴史家が史料をどのように扱い、解釈し、論文を書いているかがよくわかる。三氏の論文を例示して、問いの立て方や史料解釈の示し方などを解説している。史学科学生は早い段階で本書を読み、自身の研究の手引書とすべきであろう。
ただし、著者が日本近代史専攻ということで、例示している三氏の論文は近代史のものであるため、史料の扱い方や論の組み立て方については他時代専攻だと少しアレンジして取り入れる必要があると思う。
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はじめに――歴史家は何をしているのか
第一章 歴史家にとって「史料」とは何か
1 根拠としての史料
2 記録を残す
3 記録を使う
4 歴史学と文書館
第二章 史料はどのように読めているか
1 史料の引用と敷衍――史料批判の前に
2 逓信次官照会を読む――「史料があること」が「何かがおこなわれたこと」を示す場合
3 新聞記事を読む――史料に書いてあることをどの程度疑うか
4 御成敗式目を読む――史料の書き手と歴史家の距離
第三章 論文はどのように組み立てられているか(1)―― 政治史の論文の例
1 歴史学の論文と歴史研究の諸分野
2 政治史の叙述――高橋秀直「征韓論政変の政治過程」
3 政治史叙述の条件
第四章 論文はどのように組み立てられているか(2)――経済史の論文の例
1 マルクス主義的経済史
2 経済史の叙述――石井寛治「座繰製糸業の発展過程」
第五章 論文はどのように組み立てられているか(3) ―― 社会史の論文の例
1 社会史のなかの運動史
2 社会史の叙述―― 鶴巻孝雄「民衆運動の社会的願望」
第六章 上からの近代・下からの近代 ―― 「歴史についての考え方」の一例
1 歴史についての考え方と時代区分
2 「近代」、このやっかいなもの
3 歴史研究との向き合い方
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深すぎる、悲しいがわたしでは理解出来なかった。史料や論文の構成がなんとなく、、、
あまり興味のある分野では無いので、より抵抗感がでたかも。 もっと読解力をつけなければならない、一番の感想です。
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Twitterで話題になっていた本。歴史学という馴染みがあるようでよく実態がわからない学問では何をどうやるのかを紐解いている
史料というものが歴史学ではどういうものか、記録とは、それらを使って論文はどう組み立てられているのか。政治史、社会史、経済史の区分けによって論文の組み立て方が違うのは言われてみれば納得なんだけれども、何かの根拠に歴史を引っ張ってくることもそういう歴史の種類による違いを知らないとでたらめなものになるよなあと思ったんであった。最近恣意的に歴史や生物学の一部分を引用してくるようなもっともらしいデマやガセも多いのでこういう本で〇〇学というもの自体がどんなものかを知るのは不確かな情報に振り回されないためにも読んでみてよかったと思う
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「歴史は、うっかりすると『使えてしまう』危険なものです」という一文に、ドキリとする。
近年、ことあるごとに「自分の頭で考えて、情報を精査すること」が問われる場面が多い気がする。
文献や史料を使って過去の姿を説明する「歴史」という学問のその姿勢は、そういった「情報を精査すること」に役立つのではないかと常々思っているため、本書はそのあたりのことを解説してくれているのではないかと期待して読んでみた。
結果、たぶん、ドンピシャな本…だと思う。
271pにある「ひとが言葉を用いて何かを述べているとき(中略)その根拠を問うことの重要性は」のあたりに、それが現れていると思う。
学生時代から遠く離れ、研究者でもない私には難しい、だいぶ歯ごたえのある内容で、正直「ちゃんとわかった」わけではないとは思うけど、うっすらとぼんやりと、歴史論文を読むときの注目点、注意点、汲み取り方…のようなものは、受け取れたと思う。
実際に論文をあれこれ読み進めるときに、時々本書に戻ってくると、腑に落ちることが多いのではないかと思うので、手に取りやすい場所に置いておきたい。
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いやー、みんなすごいねー
新書を選ぶ時にけっこうブクログの新書ランキングを参考にしてるんです
そして本書はそのランキングで高評価だった一冊
ムズ過ぎないか?
歴史学ってどういう学問?歴史家ってどんなことをする人?っていうのを解説し、さらには歴史学の論文を取り上げ、その読み解き方をも解説してくれてるんだが…
いやこれって歴史学に興味を持ってくれる人を増やすための本じゃないの?
間口を広げるっていうか
ところが、ベースとなる知識や理解力が元々かなりある人に向けて作られてるんです
むしろ間口を狭めてる印象
いや、目的のところでわいが勘違いしてる可能性も大だが…
これマジで皆さんちゃんと理解して高評価してるんかー
すごいねー
つか恐らくきちんと理解出来る人が手にとってるんだろな
うん、しっかり読み込めばいいんだろうけど、年末だしなー(いやそれ関係ないだろ)
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学生時代卒業論文やレポートを書いた時、本書で解説されている様な考えで書けていたかどうか心配になって来た…折よく実家で当時のレポートの下書きが出てきたので、今度読んで見よう。
本書は学部一年生は勿論、出来たら大学で歴史を学びたい高校生にも読んで欲しい。そしてこんな考えをベースに学んで行く学問が自分にとってふさわしいか否かを判断して欲しい。覚悟と軌道修正を気付かせてくれる一冊だと思う。
江崎書店BiVI店にて購入。
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内容的には、近代史を分析するのにあたって、歴史家はどう考えてどう資料を使うのか、政治史、経済史、社会史という観点から論文を分析して解説したもの。勉強にはなった。
【目次】
はじめに――歴史家は何をしているのか
第一章 歴史家にとって「史料」とは何か
1 根拠としての史料
2 記録を残す
3 記録を使う
4 歴史学と文書館
第二章 史料はどのように読めているか
1 史料の引用と敷衍――史料批判の前に
2 逓信次官照会を読む――「史料があること」が「何かがおこなわれたこと」を示す場合
3 新聞記事を読む――史料に書いてあることをどの程度疑うか
4 御成敗式目を読む――史料の書き手と歴史家の距離
第三章 論文はどのように組み立てられているか(1)―― 政治史の論文の例
1 歴史学の論文と歴史研究の諸分野
2 政治史の叙述――高橋秀直「征韓論政変の政治過程」
3 政治史叙述の条件
第四章 論文はどのように組み立てられているか(2)――経済史の論文の例
1 マルクス主義的経済史
2 経済史の叙述――石井寛治「座繰製糸業の発展過程」
第五章 論文はどのように組み立てられているか(3) ―― 社会史の論文の例
1 社会史のなかの運動史
2 社会史の叙述―― 鶴巻孝雄「民衆運動の社会的願望」
第六章 上からの近代・下からの近代 ―― 「歴史についての考え方」の一例
1 歴史についての考え方と時代区分
2 「近代」、このやっかいなもの
3 歴史研究との向き合い方
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歴史学者が自身の研究分野である近現代の歴史論文を比較して、研究者によって捉え方がどうちがうか細かく語っている。前近代、中世、古代史についても知りたくなる。
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歴史学者はどう考えて論文を書いているか。いくつかの事例を挙げながらかなり深く掘り下げていると感じたが、自分がそこまで深く考えて書いているのかという反省も。