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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
なにか特別な事件が起きるわけでもないけれど、
生きていく中で良いことも良くないこともあって、
それでも暮らしていかなきゃならない。
良い読み心地だった。
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
コミュニティ重視のシェアアパートを舞台に、個人を尊重しながらそっと寄り添う方法を模索していく、精彩に富んだ物語。
年齢も、性別も、国籍も、単身者も、カップルも、子連れの家族も―――何もかもバラバラの人達が集まって作られた小さなコミュニティ。なんでわざわざ他人と必要以上に付き合わないといけないのか、最初はひたすら鬱陶しかったが、やっぱり人は誰かの支えがないとままならない時があって、支えられた事があると自然と自分も誰かを支えたいと思えるようになる。普段あまり意識していなかった人との結び付きが、この世界のどこを切り取っても循環しているという事に改めて気付かされた。
良いところだけでなく、ネガティブな部分もしっかり提示し、それをどちらかの所為にする事なく描いているのも好ましかった。もう少し、今よりほんの少しだけ外に目を向けてみたくなるような晴れやかな気分になれる作品。
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ココ・アパートメント(心地よい暮らしを作るために住人が協働するコミュニティ型マンション)が舞台となっていろいろな世代のいろいろな人が登場する連作小説。
多世代の交流があったり、違う立場の人たちが協力し合って助け合って暮らしていたり…
これからの高齢化社会に意外とあっている生き方なんじゃないだろうか、なんてことを思いながら読んだ。
コミュニケーションをとるのがあまり得意ではない私だけれど、憧れのようなものを感じた。
自分とは違う人を、考え方を、認めることの大切さ、肯定することの大切さを感じさせられた。
「遠くの親類より近くの他人」ということわざがよぎった。
人間同士のコミュニケーションって大切だということを改めて感じる物語だった。
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はじめて読む作家さん
シェアハウスみたいなアパートに住む
住人たちのお話だった
今のところ
こういう暮らし方に憧れはないけど
他人のたてる平和な生活の音って
いいなぁと思うことある
非常識ではないそういう音は
人を和ませることあるよなー
連作短編集なので
とても読みやすい
特別心に残るところは
なかったんだけど
サラッと読めたので
星はフツーの3つ
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これは全世代に読んでほしい!
「ココ・アパートメント」は、家事の一部を住民たちが協働するコミュニティ型マンション。
年代も性別も様々な住民たちの歩んできた道が、一章ごとに語られていく。
どの人たちにも共感できる部分があり、その人の人生に没入してしまった。
毒親やモラハラなど、読むのが辛くなる部分もあったが、最後まで読み切った先には、何とも言えない感情が渦巻いた。
「幸せってこういうことか!」と。
特にプロローグとエピローグが繋がった瞬間が、最高だった。
特に私は子育て中の方におすすめしたい!
子どもの幸せを願う親心に共感し、グッとくるものがあった。
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「女による女性のためのR-18文学賞」大賞&読書賞ということを知り、本作を読んで見ました。
この本読んで、とても心が温かくなりました。
最近、近所の人とも、コミュニケーションを取ることが少なくなっているように思える。
周囲の人とコミュニケーションを取ることの大切さを感じ、私も、将来的には、コミュニティ型マンションに住むという未来もありだなと思った。
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日常的に他人と関わらなければならないココ・アパートメントの生活は一人が好きな者にとってはなかなかハードルが高そうだ。
けれど様々な年齢、性別、事情を抱えた人々との交流は生き方の見本市みたいなもので煩わしさを超えて気付かなかった発見も多くあるのだろう。
個人の特性や主張が重視される今の世の中で忘れかけしまっていた共生することで得られる良さを再認識できた。
生きているとどうしても起きてしまう辛い出来事ややるせなさを描きながらも各章の終わりには爽やかな気持ちになっている。
こんな本に出会えて私は幸せだ。
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独居する世帯が増えているというニュースを見た。
一人で暮らすということは人間関係の特に負の部分、合わない人たちの付き合いにおける煩わしさとか面倒くささからは逃れることはできる。自ら選んで独りを貫く生き方もあると思う、それはそれで良いと思う。
一方で他人との繋がりを持ちたくても持てない人もいるのも事実。しかしながら、もし近くにココアパートメントみたいな物件があればそれぞれの立場の人たち全員にお薦めしたい。ただしその入居条件には「自律」と「自立」が必要、自分の意見を持ちつつも、相手の立場を尊重して相手を思いやることができる人である必要がある。(若しくはそういう意志を持ち合わせてさえいれば、上手くやっていけるはず)できる範囲で構わない、役割分担して誰かが誰かの足りないところを補い合って生きていく、地域社会のこれからのあり方へのヒントも、この本にはたくさん隠されている気がする。この作品のテーマは、まさにタイトルに集約されていると思う。
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人はそれぞれ
考え方なんかが違うから
誰かと関わろうとすれば
煩わしかったり
苛々したり
面倒くさかったり…でも
ひとりきりでは生きていけず
他人の全てを
受け入れることはできなくても
気持ちに寄り添い
譲り合ったりすることは
きっとできるはず。
自分の世界があれば、他人にも
その人なりの世界があることを
認めることができる。
すぐ近くにいる人たちに
やさしくなれる物語。
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全て読み終わった後で振り返るプロローグの尊さよ。
ここにあるあふれるほどの温かさと、ひとさじの切なさが教えてくれる。
この世界で、隣同士ただ共にあることの大切さを。
誰もが心の中に時計を持っている。時にものすごい勢いで進み続けたり、逆戻りしたり、あるいは針を見失うこともあるかもしれない。
例えばもし、自分の中の時計が止まってしまったら途方に暮れるしかないだろう。
分解してみる?新しいのを買ってみる?
でも、どんな時計であってもその存在を肯定してくれる誰かがそばにいたら、その針はいつかまたゆっくりとでも動き始めるだろう。
止まらないで動き出す針を信じて待つこと。ひとりでは耐えきれないその時間を共有してくれる場所、それがココ・アパートメントだ。
近所づきあいが煩わしいと感じるのはなぜだろう。プライベートに踏み込まれる不快感、誰かのために自分の何かを差し出す理不尽さ、自治や管理のわずらわしさ。
どれも胸に手を当てれば思い浮かぶ。その面倒くささを嫌って隣近所との付き合いを絶つ、そこにあるのは気楽さ。
けれど、その面倒くささやわずらわしさが、誰かの温かい手となって疲れ切って壊れそうな心をほぐしてくれることもある。
家庭の事情で一人暮らしを余儀なくされた高校生が、妻を喪ったシングルファザーが、発達障害の息子たちを持つ両親が、いろんな形で他人の手を借りて時計の針を進めていく。
誰かに助けを求めること、誰かに頼ること、誰かに弱みを見せること。大人になると難しいそういうあれこれを、柔らかく包み込んで「あたりまえ」として受け入れてくれる場所。
彼らにココ・アパートメントがあってよかった、と心から思う。
もし、自分の時計が止まりそうになったら、私にも見つけられるだろうか。
誰かの何者になるために、誰かに何者かになってもらえるためにずっといられる場所が。
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どの話も終わるたびにほっと優しい気持ちになれる作品でした。
人に干渉されることを煩わしく思う時もあるけれど、自分が困った時に助けてくれるのは自分以外の誰か。人との関わりをほどよく保てるココ・アパートメント、私も住んでみたいなと思いました。
時が経ち、ココ・アパートメントを出て行く人がいてもまた遊びに来れる関係性も素敵だなとも思いました。子供でも大人でも、住んでいる場所以外に行く場所があるのは、救いです。
ちょっと家に帰りたくないなって思う時に、安心して行ける場所があるのは素晴らしいことだと思います。
章ごとに話の主役は変わるけれど、他の話でそれぞれの進捗もしれるのが面白かったです。
どれも未来が明るく感じられる終わり方で、読んでいて幸せな気持ちになりました。
欲を言えば一章の賢斗くんのその後がもう少し見たかったです!
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人間関係は煩わしい、でもその煩わしさが楽しさや豊かな時間、一人では成し得なかった成長をもたらしてくれるのも間違いありません。
むしろその煩わしさの先にしか関係性は築けないのではないかと、この作品を読んで感じました。
シェアハウスとは違う「ココ・アパートメント」の「co共に」と「個々」が矛盾せず共生している在り方、時間はかかっても物事を決めるのに多数決でなく合議制をとっているところ、理想的な住まいというものはそこにあってただ迎え入れられるのではなく、自分がその一部になっていくのだという難しさも感じました。
その人個人を尊重する、お互いを大切な存在だと思って接する、当たり前なのに忘れがちな人と人との関係を教えてくれる作品です。
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文章と登場人物が綺麗すぎるかな。
全員シュッとしてて、清廉潔白なイメージ。
表紙見た感じからなのか、みんないい人すぎるのか。
お父さんが娘のビデオ撮ってるところが気持ち悪すぎて、後半のやすこさんの話が薄く感じた。
シェアハウスというのをうまく使って、さまざまな問題が短編ごとに出てるけど、どれもなんか古い。
話にひねりがないというか、面白さの波が常に一定である作品でした。
思い過ごしなら申し訳ないんですが、
こういう題材や問題点を書く人って、欧米は進んでる。
日本はダメだって感じがして、
自分は少し腑に落ちない部分がありました。
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家事をみんなで負担しながら生活するシェアハウスのようなところの物語。
住人は年齢、性別、家族構成もバラバラ。でも、自分軸がしっかりしている人が自然と残っているから、他人同士であってもうまく暮らせているんだろうなと思った。
現実はなかなかそうもいかないんだろうけど。
特に、こんなところで子育て出来たら最高だなと思う。自分のことを親身に考えてくれる他人に囲まれて生活することは、子どもはもちろん親のストレスが激減しそう。
こんなシェアハウスが本当にあったら、めちゃくちゃ少子化対策になりそうだと思った。
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シェアハウス的なところで出会う、人間同士の話や
家族の話。
読んでいて最後には心がほんわかとするお話の数々。
あったかいんだからー。