我々読者も参加させられてる
2025/01/30 16:35
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投稿者:touch - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊坂幸太郎氏の頭の中はどうなってるんだろう?
今作も予測がつかないストーリー構成で、読む手が止まらなかった。
猫を虐待している人に、次々と復讐していくロシアンブルとアメショーのコンビ。
でも、それは女子中学生が書いた小説だった。
彼女の担任である壇先生は、他人の飛沫を浴びると、その人の未来が少しだけ見えてしまうと言う能力「先行上映」の持ち主。
その能力のせいで、あるサークルとのトラブルに巻き込まれることになり……。
この小説が出たのが、ちょうどコロナ禍。
私はコロナ禍が収束した今読んでいるわけだが、あの忌まわしい"飛沫感染"を、こんな面白い物語に変換してしまうなんて、やはり伊坂幸太郎はただ者ではない。
ネタバレになってしまうので、あまり詳しくは書けないが、物語は後半、ロシアンブルとアメショー、壇先生、サークルメンバーが三つ巴になって進んでいく。
そして、ニーチェの「ツァラトゥストラ」の解釈から、我々読者の存在も匂わせてきて、まるで我々もこの物語に参加させられているような気分になってくる。
そう言えば本の最初に、伊坂氏には珍しく、「登場人物表」なるものがついているが、それすらも物語の中で回収されていく。
そんな小技も楽しい。
すべて読み終わった後、パラパラと最初の方を見ていたら、ロシアンブルとアメショーの会話にも「切手を舐める」という話が出ていることに気づいた。
いやはや恐れ入りました。
壇先生の人柄の良さ
2024/12/31 21:40
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投稿者:amami - この投稿者のレビュー一覧を見る
先行上映という不思議なチカラがあるのに、どこまでも普通で人の良い壇先生をいつの間にか応援してしまって読む手が止まらなくなった。
全てが合わさっていく気持ち良さ、先の読めないハラハラ感、最後には面白かった!に着地。今年の良い読書納めになった。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
他人の飛沫を浴びると、その人の明日が見える……飛沫って、コロナ禍真っ最中では、みんな、避けるように、他人へ浴びさせないように言われたことをこんなSFちっくに使うとは。一気読みしました
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久しぶりの伊坂~~!!
サクッと読めるだろうと思ったら三日かかってしまった。寝る前だからしょうがない。
伊坂お得意の不思議な力を持つ主人公、檀先生。冒頭からわくわくが止まらない。
小粋な会話劇、伏線回収の鮮やかさはさすが。特に小説だと思っていたアメショーとロシアンブルが実際に現れたときはびっくりした。構成もうめ~!
だけどあんまり熱中できなかった……。ジェットコースターの登り坂にずっといる感じ。ワクワクは止まらないのに、それが消化できないまま終わってしまった。なんでだろう。
場面切り替えの多さ? 読みたいところまで一気に読めないもどかしさ? 役者ぶったセリフ? うう~~~んなぞ!
火星でも~からあんまり伊坂の作品がヒットしないんだよなー……なんでだろう。
不完全燃焼でした。
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2024.10.28
久しぶりの読書でした。
一日で一気に読んでしまって読書の楽しみ思いだ辞した。読書の秋〜
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伊坂さんがニーチェを書いたら、こんな優しい作品になるのかと。
登場人物たちを上から見下ろす私たちに向けたメッセージがどれも温かい。主人公の壇先生がまた優しくて誠実で言葉の一つ一つに彼の人の良さが出てる。小説の世界から出てきた二人組の小気味良さがくせになる。
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飛沫感染からその人の未来が見える中学の国語教師である檀千郷が、小説の中で繰り広げられていたネコジゴハンターのアメショーとロシアンブルと一緒に未来を救う物語
過去に起こった悲惨に事件(犯人の籠城事件により人質が全員殺害される)の被害者の会と、その事件があるタレントの一言から悲惨な結果につながり、そのタレントを殺害あるいは同じ生きる苦しさを味わせるためにテロ行為に及ぶ、それを助ける檀千郷達、
生徒が書いた小説の世界と現実が交わると思っていなかったが楽しく読めた
そして、ニーチェの「ツァラトゥストラ」に記載された"永遠回帰"を伊坂幸太郎なりの解釈で物語と結びつけるところもおもしろかった
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他人の未来を見ることが出来る中学教師、その生徒が書いた小説に出てくる物騒な2人組、謎のサークルのメンバー達。様々な人間模様が入り乱れ、テンポよくスピード感のある展開と、ドキドキハラハラの連続にあっという間に読み終わってしまった!これぞ読みたかった伊坂幸太郎ワールド!大満足。
やってることは物騒なのに、どこか憎めないネコジゴハンターの2人。小気味良いコミカルな掛け合いが楽しくてファンになってしまった。
猫飼いとして応援せずにはいられない。
話の題材的には重く、辛い話だったが読後感はさわやか。いつか「よし、もう一度!」と思える様に生きようと前向きな気持ちになれた。
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え、好き。登場人物のキャラが良いよなぁ
マイク育馬とかいうネーミングセンスが好き、その文字が出る度に笑ってしまう…(自分のツボがおかしいのか)
この作品は再読確定!
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伊坂作品の特色の一つは、一見脈絡のない複数のストーリーがコロコロと視点を切り替えながら進むなか、少しずつ繋がりを持ちだして、最終的にきっちりとひとつに収斂していく爽快さと考えている。
(ストーリー自体が爽快なものばかりとは限らないが)
とはいえ、今回のような繋がり方のパターンは前代未聞だと思う。
よく思いつくよね。こんなこと。
あと、今年55歳にならんとするおっさんが「いまさらやけどツァラトゥストラを読むべきかな、読んでみたいな」と考えさせられてしまって、ほんまにどうしてくれる!?という感じかな。
遅ればせながらといえば、この本が今年の読み初めなんやけど(実は昨年も伊坂作品であるシーソーモンスター)、もうこれを習慣にしようかと思うくらい、やっぱ伊坂作品はよきです。
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2つの世界線が交わることが、ファンタジーではないことは理解できたのですが、中盤、それが明かされるまでは「この猫コンビと壇先生、何の関係があるんだろう」というのが気になりすぎてしまって、中身に入っていけませんでした。
ニーチェの話も、読んだことが無い人にもわかりやすく説明されてはいますが、それでも理解不足で伊坂先生の言わんとしていることが多分私は理解できていません…。
難しくて、複雑な話でしたが、「ネコジゴ」メンバーに復讐したり、テロの被害者遺族がサークル結成して非常識な発言ばかりするコメンテーターに復讐する話の割には、重すぎず書かれていたので、読みやすかったです。
例えば猫ちゃんが虐待されているシーンを事細かに説明されたら読みたくないですが、「子供は見ちゃいけないな」みたいなシーンはぼかされています。
登場人物の「ここは小説の中」とか「結末が決まってるからなるようにしかならない」みたいな、メタ発言も面白かったです。
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〈先行上映〉という特殊能力を持ったが故のジレンマと、過去のトラウマの克服を軸に展開する一教師の奮闘。読み進めるにつれて、実在するものと架空のものの境目が無くなっていく感覚が好きです。
ビートルズの〈A day in the life〉を聴きながら成美彪子の章を読むと臨場感がすごかったです。
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感想
未完成な自分が他人を導く。教師の難しさ。だけど完璧な人間なんて世界にいない。たとえ作り話の中でも。他人を気にしすぎず前を見据えて。
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映画化をものすごく意識していることを感じる作品でした。
アクションしかり、ヒロイン役として出してきてる彪子しかり、ラストの球場での描写しかり…
そういう商売の匂いを感じて、途中からやや冷めてしまいました。
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現実っぽい話かと思いきや、やっぱりそこは伊坂ワールド。
急にファンタジー要素が絡まってきて、二つの話がいつのまにか一つになってくる不思議。
登場人物たちは言わずもがなキャラが立っててでも普通な人で、それぞれ背景も違えば感性も違う。
一つの転機で集まった人が最終的に向かう先は感情や思いが違えば中々一つにまとまらないのもあるあると共感できてる点もちらほら。
劇的なシーンはなかったけど、サクサク読めちゃう不思議。