教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる
著者 中野円佳
理想(多様性奨励)と現実(根強いバイアス)のギャップが大きすぎる! 学校・家庭・メディアで与えられる「らしさ」の何が問題か。赤ちゃんから幼児、小学生、中高生、大学生まで、...
教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる
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商品説明
理想(多様性奨励)と現実(根強いバイアス)のギャップが大きすぎる! 学校・家庭・メディアで与えられる「らしさ」の何が問題か。赤ちゃんから幼児、小学生、中高生、大学生まで、育児や教育を通して子どもたちに与えられるジェンダーイメージについて、教育社会学の知見や著者自身の子育て経験を踏まえて検証・考察する。母性愛神話、マイクロアグレッション、性教育、別学か共学か、性的同意、女性の透明化・商品化…… 語りにくいが大事な問いに正面から挑む。
目次
- はじめに/第1章 赤ちゃんから刷り込まれるジェンダー──おもちゃの好みは遺伝か環境か? /赤ちゃんのときから刷り込まれるバイアス/3歳ごろからの性自認と幼稚園の役割/性自認と遊びの中の役割/ジェンダー規範の「内面化」/なぜバイアスを持つのか/バイアスを持つことは悪いことか? /根拠がなくても実現してしまう/変わるバービー人形/変えていくための動き/幼少期に覚える家庭での役割/つくられた「母性愛」/家庭での役割/高度な家事をやめるのも手/第2章 小学生が闘うジェンダー──理想と現実のギャップ/シンデレラ願望/変わるプリンセス像/かわいくて、強くてもいい/マイクロアグレッションと『リトル・マーメイド』の実写版/娘に読ませたいプリンセスもの/子ども向け番組の偏り/性的な描かれ方/公的な場で見えてしまうことが問題/ゾーニングという解決策/大人の「期待」を読み取る子どもたち/ピンクのランドセルを選ぶ男の子/青い目、茶色い目/性犯罪防止に何ができるか/日本版DBS導入へ/性教育/第3章 中高生の直面するジェンダー──思春期特有のジレンマ/「サッカー部」にいる女の子はマネージャー? /男女の体格差/ジェンダー・フリー/「隠れたカリキュラム」の是正/なお残る「役割」のジェンダー/「校長」は男性? /ディスカレッジされる女の子/女子の理系選択/女子校・男子校の意義はあるか/別学のメリット/多様性は居心地が良くない/共学の定員は1対1である必要があるか/性教育は共学でも不十分/性的同意/「教えてほしかった」/第4章 大学のゆがんだジェンダー──差別とセクハラの温床なのか? /医学部女性減点問題の衝撃/女子枠は逆差別か/女子枠はスティグマになる? /他のマイノリティ性への配慮/東大女性2割の原因/女性への“言葉の逆風”/親の教育期待差/娘に投資しない/実家から離れない/浪人を避ける/女性はリスクを回避する? /成功不安? /差異か平等か/なぜ大学や企業に多様性が必要なのか/社会の設計を誰がするのか/女性の透明化・商品化がはびこるキャンパス/偏差値の高さと女性への目線/DEIについての教養/声をあげる大学生たち/おわりに/参照文献
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バービーとナトリウムに偏り
2025/08/01 03:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
女の子にはお人形、マーゴット・ロビーのようなジェンダーフリー像からは程遠く。石鹸で洗濯をする「美しさ」、「男の仕事」がソーダの泡のようにバイアス化してます。
知らず知らずのうちに刷り込み、刷り込まれている
2025/04/04 20:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
「男らしい」、「女らしい」と平気で言う人が今でもいるのは何故だろう。女性差別撤廃条約が批准され、何年経つのだろう。そもそも、日本国憲法は差別を否定しようとしている。しかし、「らしい」という決めつけが根強く残っている。本書は、著者の経験を織り交ぜながら、また、大学の教壇に立ち、大学生の意見を引用して、いろいろな経験や考え方を示してくれる。それだけでも面白い。赤ちゃんから幼児(幼稚園や保育園で)、小学生、中学生、高校生、大学生に至るまで、親や教員、周囲の人々から与えられるジェンダーイメージを検討して、考え方を提示する。私が、娘が小さい時に自動車のおもちゃを買ってきて、他のおもちゃと同様に扱った時、近所のおかあさんが不思議そうに言ったことを覚えている。男の子は男の子向きのおもちゃ、女の子には女の子向きのおもちゃと決めつけるのは良くないと思う。本書でもそういったことが出てくる。たしかに、いくつもおもちゃを買うのは大変だということが先にくるかもしれない。しかし、決めつけは良くないのは事実だろう。本書の目次を見ると、
はじめに
第1章 赤ちゃんから刷り込まれるジェンダー
―おもちゃの好みは遺伝か環境か?
第2章 小学生が闘うジェンダー
―理想と現実のギャップ
第3章 中高生の直面するジェンダー
―思春期特有のジレンマ
第4章 大学のゆがんだジェンダー
―差別とセクハラの温床なのか?
おわりに
参照文献 となっている。
以上のように展開されている。著者の高校時代の経験、大学時代の経験がいろいろ出てくる。いまだに、女に学問はいらないという人がいるのだろう。数十年前は高校卒業でOLになる。短大が多くあり、女性が多く進学していた。4年制大学に行く女性は少なかった。しかし、今、短大は減り、大学進学率は男女別で見て、その差は小さくなっている。それでも、東大では圧倒的に男子学生が多いという現実がある。まだまだ、解決すべきことは多いことを示してくれる。フジテレビの古い体質を多くの方が感じたと思うが、まだまだと思う場面が多い。やはり、こうした著書を多くの人に読んでもらいたい。
DEI
2025/02/14 15:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学が均質なカルチャーに見えてしまった女性が、ジェンダーバイアスがいかに教育に織り込まれていったかやステレオタイプ支配の打破などについて発信している。昭和男子必読!
期待したのに、表面的な内容でがっかり、次回はもっと深堀してね
2025/04/25 09:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:天使のくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
学校教育において、とりわけ女性に対して刷り込まれているジェンダーバイアスは、極めて深刻な問題だ。
思いつくだけでも、名簿で女性が男性のあとにくる、というだけで、どれほどのダメージを与えているのか。
しかし、本書についていえば、残念だけれど、表面的な内容にとどまっている。確かに、保育園や幼稚園では、男性には「くん」、女性には「ちゃん」とか、制服のスカート問題もそうだし、生徒会長のそれほどが女性なのか。そういった指摘はなされている。また、とりわけ東京大学における男性8割問題というのは、ホモソーシャルをつくる温床になっていると思う。著者がDEIプログラムをもっと大学に求めるというのも、その通りだと思う。
他方で、一部の保育園では、男女を問わずに「さん」づけでよんでいるし、遊びにジェンダーを強制しない。
中高での家庭科男女共修はもっときちんと評価されるべきことだが、あまり言及されていない。他方で、国語の文学作品解釈や芸術系教科で、ジェンダーバイアスが強調されていないかどうかについても、指摘されていない。表現に対し「女性的」「男性的」という言葉が使われていないかどうか。
校長など管理職で男性が多いという問題については、できれば研究者としてエビデンスを示してほしかった。学校長、PTA会長、生徒会長の男性比率は、数字で出せるものだ。
制服については、近年、女性でもスカートではなくスラックスでいいという傾向にある。しかし、この背景には単純にジェンダーフリーというだけではなく、トランスヴェスタイトといったLGBTQ+に関する運動がある。そもそも、確率でいえば、クラスに1人以上の性的マイノリティがいるはずなのだが、こうした点についても言及すべきではなかったか。
制服スカート問題でいえば、いつまでスカートをはかせるのか、という問題もある。中学生はともかく、電車で通学しなくてはいけない高校生にとって、スカートでの通学が本当に適切なのかどうか。
体育については、ある部分で男女共修でもいいし、別にしてもいい、というのはスポーツの特性としてある。バドミントンや卓球とラグビーでは同じようにはできない。
ただ、その体育で、スクール水着はもはやAVでしか見ないものになったし、ブルマも絶滅したということについても、きちんと評価してもいいのではないか、ということもある。つまり、学校におけるジェンダーバイアスも、必ずしも改善されていないわけではない、ということだ。
制服問題についていえば、そもそも制服が必要なのかどうか。少なくとも軍服に由来する学ランやセーラー服をいつまで着せておくのか、といった視点も、あってもよかったのかもしれない。
あくまで教育を柱に記述し、それを補完する家庭のジェンダーバイアスについて述べていけばいいと思う。その一方で、萌え絵の氾濫というのは、問題が異なると思う。
大学においてDEIプログラムは必要だと思うけれど、ではそれがどういうものなのかも、もっと詳しく記述してほしかった。米国ではDEIプログラムが風前の灯ではあるけれど、どんな取組みなのかわからないと、伝わらないと思う。
本当に、重要なテーマの本だけに、物足りなさを強く感じてしまう。