養生する言葉

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とても読むのに時間がかかってしまったけれど、読みきれて良かった。

ナイチンゲールの看護師としての心得、がん看護専門看護師の田村恵子さんの言葉が、特に胸に沁みた。
他者と接するように、自分に優しくすること。
自分の過ごしやすい環境を整えること。
言葉にすると簡単だけど、実践するとなると難しい。どうしても自分のことは後回しにして、家族のことを優先しがち。
でも、もうちょっと自分に優しくしてもいいかな、と思えた。

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「養生」自分をいたわること。岩川先生に進路を相談した時に、問題を細分化すること、自分の研究の動機となっている悲しみや辛さを言語化（「悲しかった、辛かったという簡単なものでいい」）することと言ってもらったことが身にしみた。プロフェッショナルに出てた看護師さんとも会ってたんだ。

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1. トラウマの認識と自己理解
- 個人的な過去: 著者は自らのトラウマ体験を通じて、性暴力の影響を長年抱えて生きてきたことを述べている。
- カウンセリングの経験: 2022年にカウンセリングを受けた際、性暴力が許されないことであると認識し、自分の被害者としての立場を初めて理解した。

2. 被害者としての自覚
- トラウマの学び: トラウマについて学ぶ過程で、自己の体験を言語化し、他者との共感を見出した。
- 性別の視点: トランスジェンダーやノンバイナリーの人々の被害が、可視化されにくい現実について言及。自己の「傷」を語ることの難しさを感じている。

3. 養生する言葉
- 言葉の重要性: 著者は「養生する言葉」という概念を提唱し、心のエネルギーを与える言葉の必要性を強調している。
- 生きるヒント: 自分の経験や他者の言葉から生きるための知恵を得ることが、人生を支える力になると考えている。

4. 傷の受容と自己肯定
- 傷の認識: 自身の傷を認め、過去の出来事を受け入れることで、初めて自己の視点から全体像を見つめ直すことができた。
- 複雑な感情: 傷を受けたことに対する許しは不要であるが、加害者に自分の人生を奪わせる必要もないとする立場。

5. トラウマと文学
- 文学の役割: 文学はトラウマや苦しみを受け入れ、許容することを促す手段として機能する。
- 共感の重要性: 他者の物語に共感し、そこから自分を解放する力を得ることの重要性を強調している。

6. 社会的な視点
- 養生の社会的側面: 養生とは個人の生に関わるだけでなく、社会全体の文脈においても重要であるとする視点。
- 不平等と抵抗: 社会的な暴力に対抗することや、連帯を求めることが養生の一部であると認識。

7. 学びのプロセス
- 学び返すこと: 学びを通じて、自分の過去や他者の経験を再評価し、次のステップとしての「学び返す」ことの重要性を述べる。
- 教育と自己発見: 教育の枠組みから脱却し、自己を見つめ直すことが大切であるという視点を持っている。

8. 結論
- 生き延びるための言葉: 養生する言葉や文学が、個人の生を支え、社会に根付いた問題に対して力強い抵抗となり得ると結論づけている。