3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分を責める自責感について、詳しく解説されていて、よかったです。臨床心理学の分野として重要だと思いました。
投稿元:
レビューを見る
HCCの「信田さよ子講座」が本書のもとになっているとのこと(217)。
信田さんはソーシャルワーカーにアイデンティファイしていたそうだが、「自己肯定感」に対する批判からもそれが垣間見える。
「被害者権力」もまた痛いところを突いてきていて苦笑してしまった。共依存を「愛情という名の支配」(76)と捉え、「被害者権力」として次の三点を挙げている。①被害者は(しばしば)自分より弱者を支配することで生きていく、②被害者は(しばしば)脅迫的にケアを与えたくなることがある、③被害者は「正義」をよりどころにすることで生きることがある(81)。信田さんはケアしたり愛情を注いだりすると、世話された人は世話をした自分より弱者化すると語っている(88)。
自分のせいにすることについても、自分の存在を否定することで、世界の合理性を獲得す187/188ることだと話している(187-8)。
投稿元:
レビューを見る
母から娘へのケアによる暴力性。生殺与奪を握っている母の全能感と、娘の自責感罪悪感。そして父の不在。親の人生を背負わされる子供の構図ってやっぱグロテスクよなと。
“産んでしまった”ことを認めること=子供自身には何の責任もないと分からせること が、子供の主体性を育むみたいな話がめちゃくちゃ面白かった。
自責感も自己肯定感も、自分の中でぐるぐる回るだけでは何も解決しない。それはあくまで他者との関係性の中でトライされるべきだし、他者にそもそも原因がある場合がたくさんあるってこと。
投稿元:
レビューを見る
信田さんの本は初めて読む。いつもどこかで素通りして来た。今回素通りできなかったのは、SNSでたぶん東畑開人さんが注目していたからだと思う。タイトルになっている内容は5章のテーマで、全般的には母娘の関係が多く取り上げられている。だからか、自分のこととしては受けとめられていない。なにかドラマの中の話のように思えてしまう。ちょうどいま見ているドラマでいうと、「アンサンブル」くらいだろうか。瀬戸朝香演じる過干渉な母親とその娘川口春奈。それと浅田美代子演じる息子というか弟に依存しまくるとんでもない母親。まあ、と言ってもこれはドラマの中のことで、真実味がない。本書に登場するようなことばは真実の世界で日常的に発せられているのか。「全部あなたのためを思ってやっているのだよ」確かに言葉にしなくても自分もそんな思いで自分の行動を正当化してきたことがあった。娘や息子に対しても、仕事の場面でも。いまなら教育虐待と言われるようなこともしてきたかもしれない。それがいまの娘や息子との関係を生み出しているとも言える。しかし、本書のカウンセリングルームにやってくる人々とは比べ物にならないと思っておきたい。大したことないと。子どもたちがPTSDなどかかえていないと。そして、我が家では二人の子どもたちと母親との関係は良好である。僕が自分を、「なんであんな言い方をしてしまったのだろうか」と責めているだけだ。さて、もちろんエディプスコンプレックスは何度も読んだり聞いたりしたことがあったが、阿闍世コンプレックスは聞いた覚えがない。(あじゃせと打っても出てこない。スマホなら出て来るのに。仕方ないので阿闍梨餅と打ってみると一発で出てきた!)小此木啓吾の本も読んでみたい。西洋から入って来た精神分析だけでは日本の家族についてなどうまく説明できないことがあるのだろう。PISAなんかで調べている教育についても同じようなことが言われているようだし。それからアダルトチルドレンについて、まったくちゃんと認識していなかった。主にアルコール依存症などの親の子どものことをいうようだが、被害者は自分なのにどうして自分を責めてしまうのか。そう思わざるを得ないのか。また、自己肯定感ということばはNGワードのようだが、結局その理由をはっきりつかめていない。とにかく全般的にモヤッとした感じで読み終わってしまった。しかし、何かとても大事なことが書かれているように思うし、ここからもう少し考えてみたい、読んでみたいものなどが生まれている。それからグループカウンセリングの重要性、同じような状況にある人の存在を知るだけでも救われる人がいるというようなことも分かった。ということで、昔考えていたことがあるが、一方的な保護者会とかよりも、保護者の座談会的なものが大事なのかもしれないと思った。今更だけど。
投稿元:
レビューを見る
育児中の身には、コンディションによっては厳しい内容。語り言葉でさらっと読めてしまうけれど、一読では理解できたとは言えなかった。また折に触れて再読したい一冊。
信田さんは甘いことは決して言わない。親は子どもの前では少なくとも幸せなフリをする義務がある。ケアには支配の側面があるなど深く考えさせられた。長い臨床経験から出た言葉だけに深く重い。
投稿元:
レビューを見る
読みながら、母と子(娘)の関係性を考える。
無償の愛を強いられる存在としての母。
自分の人生の主軸を子に移して生きてきたのだから、自分の意志で子を動かしても許されるという力。
そのことを息苦しく感じながらも、抗うことに罪悪感を感じる子ども。
そうして、関係が破綻していることに気付かない家族という関係性。
「母が幸せでないのは、私のせいなのだ」
この言葉を、私はまだ多分、直視できずにいる。
母がなぜ、あのようなのかを、その背景を知りたいとは、まだ思えずにいる。
自分を責めてばかりいる人が、「正義」を借りて攻撃をすること、許せなくなることの意味も分かる。
本を読んだからといって、何かが解決したわけではないけれど、壁のある部分は分かった、ような気がした。
投稿元:
レビューを見る
依存症臨床から共依存に論究し、母と娘の関係について、早くから論考してきた著者の考えにようやく時代が追いついてきた。アルコール依存問題に戦争トラウマが絡んでいることがどうどうと言えるようになったり、精神分析とフェミニズムの関係やなど、世界では2.30年前から言われている事が、わが国では、当たり前になってきた、私自身の中ではあるが。最後に著者は講演の方が本より面白いと言われているそうだが、確かに講演は脱線だらけで面白いが、本も熱い思いがこもり面白い。本書は両方をミックスした書である。
投稿元:
レビューを見る
2025/04/01予約 22
ACの定義
現在の生きづらさが親との関係に起因すると認めた人
わかってもらおうという気持ちを捨てることはできなくても、距離を取り、生育歴を語り、お母さんを研究し、10cm高いところから見る
物理的距離をとることが効果的なのは身にしみているので次は10cm高いところからみてみよう、なかなか言うは易しではあるけど。
投稿元:
レビューを見る
個人的にこの本から受け取った一番印象に残った言葉は「非合理的万能感」。
これがあると自分を責めることにつながってしまう。
一回しか用いられていない言葉だけど、この本の主題である自責感の背景を、端的に、そして親子関係に限られない広範囲の文脈で示すのは、非合理的万能感だと思う。
読んだというより、眺めたという感覚で向き合った本だった。ここでの内容を鵜呑みにし過ぎて現実に当てはめることは、それこそ少し現実的ではないと思う。現実は想像以上に複雑だし、個々によって置かれてる環境は異なる。だから、この本の内容を鵜呑みにせずに、自分にとって印象的な部分をつまんでいけばいいし、それを無理に実践しようとせず心の片隅に留めればいいのだと思う。
ただ、事あるごとに参照したいと思う内容だから、手元に置いてあるといいかもしれないとは思う。
投稿元:
レビューを見る
依存症・嗜癖、AC(アダルトチルドレン)、DV、虐待、性加害、母親と娘の問題などについて積極的に発言されてきた信田さよ子氏によるオンラインセミナーを書籍化したもの。
読みやすかった。
信田氏をよく知らない人の入門書としてもおすすめできると思う。
⭐︎印象に残ったところ
p190 「子どもは責任ゼロで生まれてくるんですよ。」
子育てにおいて子どもは、「解決の見通しがない世の中に生まれさせられたんですよ、あなたは」ということを誰かに承認されなきゃいけないんです。
p191 「愛着とは、本来はこの根源的受動性の承認を意味してるんじゃないかと思います。」
(愛着障害について)「ぴったりくっついたり、スキンシップしたり、そうすることで子どもは安定する」みたいに誤解されている。
投稿元:
レビューを見る
タイトルに興味を惹かれて購入。
著者の信田氏の講演をまとめたもの。どちらかというと女性向けの本で、母と娘間の人間関係からここ最近話題になっている概念「きょう依存」や「アダルトチルドレン」「自責感」などを紐解く1冊。
前述の通り、母と娘の関わりに焦点を当てているため、男性に対しては当てはまるのかよくわからない。
また、講演をまとめたものなので口語体で著したとまえがきにある。私にはどうも馴染めず、理論や結論がなかなか読み取れなかった(これは私の読解力が低いこともあるので読み返すうちに理解できるかもしれない)。
印象に残ったのは第2章「ケアすることで相手が弱体化する」という一文。
実質的に相手を支配する、という観点は興味深かった。親切心から申し出たあるいは実行したことが逆に相手の自由を奪ってはいないか、と一歩引いて考える視点を常に持っていたい。
投稿元:
レビューを見る
人が自責の感情を意識するのは2歳半から始まる。そうして、心理的にも身体的にも自分と外の世界との対話と体験を通じて自分の心や意識と向き合い、「ごめんなさい」と心から言えるようになる。
さて、本著では、自分を責めてしまうことについて問いと視点を与えてくれる良書である。私たちは人間であればどんな者であれ、自責することはある。それは決して悪いことではなく「今いる環境と状況に適応する状態」と本著では示唆している。自責から学べることは多い。問題の根幹や本質は、本当に自分でコントロールできる範囲内での出来事や状況なのか、自分ではコントロールできないことなのかを分けることでより生きやすくなるだろう。だが、自責もそうだが、他責に走ってはいけない。その区別をつけることも自身の感情や状況や環境と照らし合わせて深く考える必要があるだろう。
本著で述べているように、育児や親子関係、共依存、虐待などの状況もある。これらは一例であり、人の数だけの状況や課題がある。だが、本著では自責することは世界と繋ぎとめるための合理性と説く。
自責は環境の適応や人間関係で必須な状態であり、それは単に心が弱いとかの話ではなく、人間が人間たらしめる感情の機能である。
しかし、度が過ぎれば、それは毒となる。もし、今、あなたがおかれている状況や環境が劣悪で追い詰められる状態になっているのであれば、ほとんどの場合に、専門としている団体があり、守ってくれる相談窓口もあることを知らなければならない。
自責だけの適応だけでは限界があり、本著はそれらも教え、視点を広げる良書であるといえよう。
投稿元:
レビューを見る
母親三部作を既読なので、目新しいとは感じなかった。罪悪感は外部の規範に反することで生じる葛藤。自責感は、全て自分が悪いと思わされることで生じる、自己献身からの反応。認知行動療法と相性がいいのかも。
投稿元:
レビューを見る
今年1番響いた。自分の危うさはなんとなく自覚していたが、言語化してくれてとても良い気付きになったと思う。
•自身にACの気があるのは、自覚はあるが、それにより若干の成功体験をしてしまったのは厄介だと思う。「被害者権力」なる言葉の説明があったが、自身の加害性についてはもっと自覚すべきと感じた。
•「ケアをする」ということは「支配する」近いというのあまり自覚がなかった。「良いことをしている」感覚に陥ることはあるので、本当に気をつけるべきと感じた。
投稿元:
レビューを見る
母子関係をテーマに描かれているが、父親や友人といった関係においても似た状況を起きていると思う。
身近な人間との関係に疲れている人にはおすすめ。
親切にしてもらっているのに、思ったことを言いづらい相手との間には、本書で指摘しているようなことがあるのかもしれない。
★★★
「あなたがいないと私は生きていけない」と言われたほうは、もう無上の喜びなんです。「たいしたことがない私」が、一人の人間にとってかけがいのない存在になる。
★★★
権力は状況の定義権
★★★★★
罪悪感は、自分の外部にある規範にそむいていることから生じる
★★★★★
自分を責めるとは、自分にすべての責任があるという感覚で、裏返せば「みんな自分のせい」という、非合理的万能感にも通じるもの
★★★★★
虐待的環境を生きるということは、自分の存在を否定することで、世界の合理性を獲得すること
★★★★★
「自分には何の責任もない」それが承認されることで、はじめて「自分の人生は自分が主体なんだ」と、そういう自分を受け入れられるようになる
★★★★
孤独とは高級な感覚
★★★★
自傷はある意味でマインドフルネス。いま・ここを感じられる
★★★★
自分を責めてきた人たちは、正義に敏感。間違ったことを許せない。あなたを責めるのは間違っているから、となりやすい
★★★★★
ごみ溜めみたいな自分の経験が、グループの人たちの涙になる
★★★★★
この世でもっとも悲惨で、もっとも残酷な話が、仲間の希望になる
★★★★
自分と類似した経験をもつ他者が必要