0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
共通点の少ない同時代人を上手に結び付け、手堅いストーリーを編み上げている。
自分の人生が成功したか否か、自分で客観的に評価は難しい。片や日本探偵小説の父、片や外交官で優れた諜報員。人は志で行動してもいつも迷う。そんな時に邂逅する二人。実在する人々が繰り広げる群像劇が面白い。
小説、好きなんだろうな
2025/07/16 00:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞候補作。時代小説枠ということになるのだろうか。ただただ面白いエンタメ。
序盤からもう楽しい。まだまだ先は長いのに、ゆっくりと文字を追いたいような小説。江戸川乱歩は、出身の立教大学の向かいというか隣に館があるので、親近感しかない作家。とはいえ子どもの頃しか読んでなく、そういう人は多かったんだろう。
乱歩も千畝も、望んでいた人生ではなかったものの、そこで咲いた人たち。影響力は大きく、後半のアベンジャーズ的な描写は筆が走った感じもありつつ、実際そうなんだろうし、楽しい。
小説って、探偵小説っていいよね、ワクワクするよね、みんなしたよね、と笑みが浮かんでしまう。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校・大学の先輩後輩である江戸川乱歩と杉原千畝。日本の探偵小説を確立させた男と、6000人のユダヤ人の命を救った男。もし二人に交流があったとしたら―――互いの存在を支えに苦しい時代を生き抜く二人と、それを支える妻や実在の著名人との繋がりを描いた、激動の歴史友情物語。
歴史はどれだけ学ぼうと、本当に本当の真実まではわからない。もしかしたらこの作品に描かれた事は本当なのかもしれない。心の底からそう思えるほどに二人の波長がシンクロしていて感動した。変人で放浪癖がある乱歩と、外交官として世界を渡り歩く千畝と、聞こえは全く違うが、二人は別々の道で「自分の使命」という同じ事を成していた。そんな強い結び付きを感じる、斬新かつ濃厚な作品。
特に杉原の二人の妻の言葉、探偵の極意、乱歩と横溝正史との「謎解き」の会話などが印象的だった。奇抜な発想の持ち主たちが互いに刺激し合う姿もとても興味深く、暗い時代を乗り越える糧となってくれる一冊。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸川乱歩と、杉原千畝は全く関わりは無いと思っていました、これを読むまでは。しかし、本当にこんなに親密だったのか…。それにしても、有名人がたくさん登場します。三島由紀夫に横溝正史や松本清張、そして小栗虫太郎……などなど。
おもしろかったけど
2025/06/01 10:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸川乱歩と杉原千畝の年表を照らし合わせて、
合間を埋めていったような感じもした。
他の著名な人たちも登場させたり。
表面的っていうか、バックボーンが書き足りないのが残念。
投稿元:
レビューを見る
社会に馴染めない人は多い。
毎日出勤が出来なかったり、時間を守れなかったり…
しかし、稀有な才能を持っており時に偉業を成し遂げることがある。
乱歩と千畝。
歴史上の2人がちょっとしたことからそれぞれの違う人生の中で交わるというフィクション!
実際にそうだったとあってと言われても信じてしまいそうな話で、この2人を中心に有名な作家達が集ってくるという夢のようなお話だった!
2人とも多くの人を助け、今の日本に大きな影響を与えた人物。それぞれを見ると両極端な性格であるように思えるが、今回のように描かれると実際に似た部分が多いのかもしれない。
江戸川乱歩の転職や放浪癖などまさに今の時代なら社会に馴染めてない人だ。むしろ小説家になるために産まれてきた人物だったのだろう。
杉原千畝はむしろ一つの目標に向かってまっすぐだ。だだ日本に馴染めなかったのかと思う。
冒頭に社会に馴染めない人のことを少し触れたが、きっと馴染めないのではなく、そもそもの本質的なものが違って馴染まないのだろう。
現在はいろいろな働き方があるのでいろんなところで才能を発揮する人が増えて、本誌の2人のように大きな成果を残してくれたらと思う。
1900年代初めからの激動の時代を生きた2人に改めて感謝と敬意を表したいと思った。
投稿元:
レビューを見る
瑞陵高校四天王が2人、江戸川乱歩と杉原千畝がダブル主人公とは贅沢すぎる!(残りのうち1人はヒロアカの堀越耕平先生)各々の個人史は大体知ってるけれど、重なるところが楽しいね。
投稿元:
レビューを見る
同じ時代を生きた早稲田の先輩後輩の二人。
本当に交流があったとしたらこんなに面白い話になるのね。戦前戦後の激動の時代では、この二人に限らず誰しも波瀾万丈な人生だったと想像出来るけど、接点がなさそうなこの二人に着目したところがイイ!
乱歩がらみの有名な文化人も次々に登場して楽しい。
杉原千畝のリトアニアに赴任時の有名なエピソードは胸熱。戦時下の異国で信念を持って行動出来るその姿が素晴らしい。
直木賞ノミネート!本当に面白かった。
投稿元:
レビューを見る
読み終わった直後、この作品の直木賞ノミネートが発表され、熱烈に応援したい♪
――江戸川乱歩と杉浦千畝は、同郷、同じ出身中学校で、早稲田大学生だった。年齢が離れていることと、千畝が中退したことで、大学で会ったことはなかったが、後に早稲田の前の蕎麦屋で出会い、人生の節目節目にはなぜか立ち会う、ふしぎな友情を培っていく――。
乱歩と千畝は、たしかに知り合いではあったらしく、一緒に写っている写真が残っているそうだ。
青柳碧人さんはその写真を見て、この物語を考えたという。
『名探偵の生まれる夜』でも思ったけれども、青柳さんは、膨大な資料を読み込み、作家のプライベートと時代の事件とをすり合わせるのがべらぼうに巧い。
実は記憶がないほどの子ども時代から2人は邂逅していただの、乱歩の結婚に千畝が協力しただの、絶対フィクション! と分かるのに、リアリティ満載で、
もうこうだったってことでいいよ♪ なんて楽しいのかしら♪
と思わせてくれる。
小説を読む楽しさの大きな要素のひとつを、今回も、豪華メンバーで惜しげもなく提供してくれていた。
杉浦千畝といえばもちろん、第二次大戦中にユダヤ人の「命を救うビザ発行」の人だが、学生時代から外交官員時代の考えをじっくりと追うことで、「その行動」がいかに彼にとって必然だったか、が読者にしっかり腑に落ちる。そして、それが彼にとってはぜんぜん特別なことではなかったことも……。
その後の千畝の不遇・困窮についてはいちおう聞き知っていたけれども、その時期でも淡々と生活する千畝像は、ものすごく説得力があった。
時代設定的に、時代、特に戦争への変遷を描いた歴史ものの側面もあり、
とはいえ、メインは、千畝と乱歩の友情譚で、
かつ、2人のクセのある男性のお仕事小説としても、
ものすごーく!!秀逸な物語でした♡
―――――マニアのための補足
さて、ここからはミステリマニア向け感想です☆暑苦しくいきます☆
さすが青柳碧人、この作品は一冊まるまる日本の本格ミステリ史ともなっている。
もー楽しくてうれしくて♪
乱歩の作品はもちろん、横溝正史の『本陣殺人事件』はやっぱ再読しなきゃ!と思ったし、乱歩たちが戦前戦後憧れてやまなかった海外のミステリたちも懐かしく慕わしい。
特に、ザングウィルの『ビッグボウの殺人』の取り扱い方は最高のひと言!
これと、アイリッシュの『幻の女』は是が非でも再読せねば!
また、木々高太郎(のちの林久策)の『網膜脈視症』『人生の阿呆』とか、遙か昔に読んだ作品も今回思い出した♪ 現在まで至る、「医師で推理作家」の系譜の最初のひとだ。(いや、まあ、森鴎外だっつー意見もあるかもしれないけど、個人的には鴎外はミステリ作家だったとは思えないので)
芦辺拓のステキな名探偵・森江春策の名前は、この人へのリスペクトなんだよねー、とか、もういろんなことを思い出させてくれた。
北里柴三郎が木々高太郎を推薦したこと、乱歩が見出した小栗虫太郎・夢の久作・高木彬光など、綺羅星の��とくのミステリ作家たちが、ぽろぽろまー贅沢に出てくる出てくる!♪
そして、乱歩の影響を受けて、現代にまで続くミステリ百花繚乱期の端緒になった作家たちも。
全員、本名で出てくるので、誰がだれか、当てるのもめちゃくちゃ楽しかった。
中川透さんは有名かな。
ちい兄ちゃんと仲良しの、大井三重子さんとかね。『猫』は絶対再読しようっと。
城地さんとか、松本清張(きよはる)さんなんて、まんまなのよね(〃艸〃)
青柳碧人さんは、日経新聞のインタビューで、
「資料を読んで、大乱歩とかいわれているけど、けっこうダメダメな人だった、ってところも描きたいと思った。超マジメな千畝と並べればそこが引き立つかと思った」
といっていた。
実際、乱歩はかなりダメな若者→ダメなおっさんだったけれども、常に筆に愛情を感じました♡
投稿元:
レビューを見る
愛知五中!五女子、大須!
原田マハさんのアート小説のように、
史実をもとに創作された小説は、
ローカルな地名にほくそ笑みながら
親しみを持って読み進めることができた。
杉原千畝さんと江戸川乱歩さんは
同じ愛知五中出身だが実際には接点はなかったそうだ。
なのに、なのに!
あたかも史実のように不思議な縁を創り出し、
キャラクターを浮き上がらせ、読者を
ひょいと戦中戦後の時代に連れて行く。
推理小説を軸に当時の文化や社会を垣間見るのも楽しかった。
後半、あ、これは
松本清張だな、などと
想像しながら読むのも楽しかった。
表紙の装丁もすごく良くて、
本全体の持つ世界観が素晴らしい!
命のビザ発給のあたりは
ほぼ現実の話だと察する。
読みながら情景が克明に浮かび、
勉強になったし、自分の無知をあらためて
恥じた。
映画になりそうだなー。
して欲しいなあ。
主演は誰がいいかなあ。
杉原千畝は吉沢亮かなー?
乱歩は、難しいなあ。
しばし、余韻に浸りながら
配役妄想して味わいます。
投稿元:
レビューを見る
小学生の頃、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを楽しみ、大人になってから横溝正史や仁木悦子作品に出会った。
小学生の頃アンネ・フランクを知り、ホロコーストについて学びを進めるうちに杉原千畝を知った。
そんな私にとっては出会うべくして出会った作品に思えた。
これはフィクションだけれど、
2人を並べることで時代背景などがとても想像しやすく、2人が生きた時代の空気を感じることができた。
面白かった。
投稿元:
レビューを見る
江戸川乱歩と杉原千畝、この歴史上有名なふたりが実は友情を温めあっていたという史実が本当にあったのかとも思えるほど。そしてその他の横溝、松本、仁木、小関ら錚々たるメンバーが勢ぞろいで贅沢な読書の時間が過ごせた。
その当時、外務省を辞めさせられた千畝の生涯も生い立ちから知ることができ、改めて感動が深まる。近代史を知る上で文学界芸術界の上に戦争が落とす影の大きさが、改めて気付かされた。
投稿元:
レビューを見る
乱歩と千畝
#読了
青柳先生、こんな泣ける小説書けるのか。
日本ミステリー界の父、江戸川乱歩。
東洋のシンドラー、杉原千畝。
この2人が邂逅し、時代を、世を変え移ろいでいく物語。
あの時、あの一瞬で正しい道を歩まなければ出会えなかったかもしれない。
そして、旦那をを支える妻たちも立派な主人公と言えるだろう。
ロシア人妻だったクラウディアの「迷う事があったら、優しいと思う方の道を選ぶの」
この言葉は人生の指針にしていい言葉だ。
横溝正史や松本清張、小栗虫太郎、三島由紀夫、往年の名作家たちの登場も見逃せない。
投稿元:
レビューを見る
江戸川乱歩と杉原千畝がまだ何者でもなかった青年の頃、二人は出会い生涯にわたって深い絆を紡いでいく。希望と不安の戦乱の中、二人は己の為すべきことに疑問を持ちながら進み続ける。大御所作家さんなども登場して史実なのかなと思わせてくれるほどの面白さだった。最後は泣けた。面白かった。
投稿元:
レビューを見る
ある日、蕎麦屋で偶然相席した平井太郎(江戸川乱歩)と杉原千畝。
探偵を作り出した乱歩とある意味リアル探偵だった外交官の杉原千畝。彼らが出会っていたら?
そんなifストーリーを描いた、2人の戦前、戦時中、戦後の物語です。
杉原千畝が好きな私にはたまらないタイトルだなと思いつつ、恥ずかしながら江戸川乱歩はテレビドラマでしか知らない未読の私ですが、この2人を誇りに思いたいなと思った作品。
ifではなくて、実話であってほしいと思うほどにストーリにのめり込みました。
読んでいて、乱歩って、私の知る限り明智小五郎を生み出した小説家ですが、まぁまぁな変人だったんだろうなと感じは出ているのですが、憎めない人だったんだろうなと思うし、千畝も命のビザの話は知っていても、当時の日本の外交官。スパイみたいな任務だっただろうし、そう思うと、リアルな探偵だったんだろうなと感じました。
そんな彼ら2人が青年期に生きた大正や昭和初期、戦争に巻き込まれて、戦後はいろいろありながら立て直す様子を描かれているのですが、この2人をそれぞれ眺めているだけで楽しいと思うし、これが本当にifなのか?と思うほどに、当時を生きたわけでもないのですが魅力的でイキイキしているなと思いました。
特に、私の知っている命のビザの話もこうもってくるのかと思うほどに、本当にこんな話だったら素敵やなと感じる内容だったし、最後のページで、感極まって泣けるくらいに、もともと好きだった杉原千畝はもちろん名前しか知らなかった江戸川乱歩のことが好きになりました。
また、乱歩と千畝以外にもいろんな名前を残した著名人が作中に登場したりして、当時のifストーリーで、何ならファンタジーにも近いはずなのに、2人を通して当時の日本の光景が見えるようなきがする。
そんなことを思いながら、読後は泣いて、明日のお昼はカツ丼にしよう。
そんなことを思ってしまう最高の時代小説でした。