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第167回芥川賞受賞作品。初の高瀬 隼子作品。
何処にでもありそうな微妙な人間関係を、おいしくなさそうに食を通して描く不思議な小説。
本当においしいものを食べた時は、感想等も言わずに黙々と食べるもんじゃないかなぁと個人的には思います❗️素材のウンチクやレシピを詳しく解説されても、おいしいものがおいしくなるなるような気がします。
本書に登場するメインキャラは主に3人で、個人的に1番気持ちが近いのは、押尾さんかなぁと読みながら思いました。二谷さんや押尾さんの思いが描かれている半面、弱者の芦川さんサイドの心理描写がないことで、読む人によっては様々な思いに掻き立てられるのではないかと感じます❗️
『むらさきのスカートの女』ほどのゾワゾワ感はなく、どちらかと言えば、『コンビニ人間』に近い作風の作品だと思います。芥川賞作品は余り沢山読んでいませんが、割りと素直に受け入れられる小説です❗️
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多様性だの働き方改革だの言い出した時から抱えてたモヤモヤが言語化されてる。すごい共感するけど、これに共感する自分大丈夫か?とも思う。
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タイトルやあらすじから想像していた話とは全然違うかった。
ただ普段自分が感じている不満が書いてあって、ちょうどその不満が溜まってイライラモヤモヤしているタイミングで読み始めたので、読み始めた当初はめっちゃ共感できたし気持ちを言語化してくれてありがと〜て感じで読んでた。
自分は完全に押尾さん側なので彼女を応援していて、最終的には芦川さんが二谷にきつい言葉を言われてスカッとする展開を期待してたし、そうなるはずと思って読んでいたので、最後押尾さんが悪者扱いされるだけで芦川さんが傷付く展開にならんかったんが残念でモヤモヤしてる。
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儘ならない職場の人間関係について「食」を通じて描く。誰も、頭が痛いので帰ります、を拒絶したり非難したり出来ない現実。本音と建前。誰しもが抱いたことがあるであろう粟立つ感情が冷静な筆致で綴られる。社会一般の「食」に対する常識への嫌悪感にはハッとさせられる。波長が合わない人との食事は心が削られる。絶妙に嫌な読後感。
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167回芥川賞受賞作。
実は単行本を職場図書館で借りて既に読んでいますが、文庫本発売ということで、今度は購入してしまいました。笑 私 高瀬隼子推しなので。
二度目の読了ですが、やっぱり私は芦川さんが苦手です。苦笑 ありえないし、目の前にいて欲しくないタイプ。それでも周りにチヤホヤされて、それが当たり前のような感覚で生きている人間。
私には無理です。見ていられません。
二谷は、芦川さんと付き合いますが、彼女の作ったご飯にそれほど幸せを感じていないように思えるにもかかわらず、最後に彼女との結婚を示唆している。
この気持ち悪い感じがなんともモヤモヤした読後感を誘う。
身体に良い食べ物を摂らなくてはいけないという、ストレス。憤り。効率の悪さ。
あー確かによくわからないけど、なぜ人間は身体に良い食べ物を摂らないといけないのだろうか!!笑笑
今回は文庫化にあたって、なんとあの一穂ミチさんが、解説を書かれています!
気になる方是非書店で眺めてみてください!
(立ち読みか!)
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タイトルから、ほんわかした内容かと(むしろエッセイ的なものかと)想像していたが裏切られた(笑)
芥川賞だもんな…(笑)
芦川さんにイライラするけど、その感情を出すとなんとなく私の性格が悪いってまわりに思われるから、
実際にいたら私も「ケーキおいしそう〜!」って芦川さんをちやほやするんだろうな。
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面白かったけどモヤモヤとする、気が滅入ってくるような読後感。登場人物誰もにちょっとわかる部分もあるような、でも芦川さんが1番怖かった。何考えているかわからなくて。あのキャラが受け入れられるって相当な手練れで彼女の処世術なんだろうな。彼女は全然弱くないし強いと思った。
二谷が嫌いだ。でも二谷もちょっとストレスでおかしくなっているというか、色んなことが拗れてしまってる感じがする。お前そのまま芦川さんと結婚するなよ(誰)。
何が気を滅入らせるかというと、職場の独特の閉塞感。仕事に支障がないように人間関係を円滑にしようとすると、思ってもいないこと言わなきゃいけなかったり…誰かが貧乏くじを引いているような感覚がずっとあったり…
そういうのあるよね。ため息
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芦川さんみたいな人、私も苦手です。
だいたいそんなしょっちゅうお菓子つくるじかんあるなら、その時間を仕事に使えばいいのにと私も思ってしまうから。
そして彼女に対して過保護な周りの人にも、私はイラッとしてしまうかも…
なので100%ではないけれども、押尾さんに共感してしまいました。
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真面目で損をする押尾さん。
か弱くて守られる存在の芦川さん。
食に全く興味がなく、毎日コンビニかスーパーの惣菜で済ませる二谷くん。
自分がどのタイプに属するかによって、作品の感想が変わってくるのかなと思いました。
私は真面目で運動部出身の押尾さんタイプで、同じように芦川さんは苦手…
若手参加の研修は当日欠席。
少し頑張ると頭痛がすると早退。
それなのに次の日には手作りのお菓子を持ってきてお詫びにとみんなに配る。
周りの人は(たぶんそれぞれ思うところはありつつも)「芦川さんは仕方ないよね」と擁護する。
納得できない。
本人には決して悪気がないこともわかる。
だから余計に行き場のない怒りと言いますか…
でも、ラストには救われた。
私も同じ決断をすると思うから。
で、結局誰が一番許せないかというと、、、パートの原田さん。
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芥川賞。なのでタイトルから想像するハートフルグルメ小説ではないと思ってはいたけど、想像を超える恐ろしさ。
"ごはん"が、楽しく嬉しいものではなく、強制され逃げられないものとして迫ってくる。
「いい人なんだけどね」と口に出す時に、本当に伝えたいことは"いい人"の部分じゃなくて"だけどね"のところだ。
"だけどね"に続く部分を許せなかった押尾さんと、許すことで自尊心を保とうとする二谷はどちらも私の中にある感情だと思う。
ラストシーンで"ごはん"から逃れた押尾さんと、"ごはん"に絡め取られていく二谷の対比を見て、押尾さんが芦川さんに、奪われ、傷つけられてきたものが何であったのか。
二谷が芦川さんを見下し、助け、施すことで、保とうとした何かは、何であるのか。
それをずっと考えている。
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食べるのがこんなにも苦しい人がいるのかと驚いた。
中学生の時に好きだった子もそんなこと言ってたなとふと思い出した。
芦川さん、私は好きになれないけどその狡猾さとか、自分の周りの環境を心地よく作る能力の高さはすごいなと尊敬する。
だけど好きじゃない。
人が作ったものを無理やり押し付けるとことか想像力が足りてないな、頭悪いのかなと思ってしまう。
いやでもそれもわかって押し付けているのかとか、色々裏を想像してしまう。
押尾さんのさっぱりした感じとか不器用な感じとか人間臭いところの方が私は好きかも。
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よくもまぁ、ここまで人の地味に嫌なところを事細かに書けるなぁと妙に感心してしまった。
読み終わってもまったくスッキリせず胃もたれしたみたいに感じる。けど嫌いじゃないのはなんでなんだろう?
休みの日に夫が何時に朝食を摂ろうと12時になると「あ、もうお昼だ。何食べる?」と聞いてくるのが地味にストレスなわたしは二谷と通ずるものがあるのかもしれない。
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表紙と題名からイメージしていた本書とかなりのギャップがあった!
良い意味で的が外れた感じです。
まるで、チェンジアップをフルスイングで空振りさせられるような・・・
それと、何かの紹介で本書に惹かれて一文です。
『それじゃあ、二谷さん、私と一緒に、芦川さんにいじわるしませんか』
なんか、ほのぼのしてるなぁと思ってしまいました。
何処にでもありそうな職場の話、事なかれ主義の上司達、お節介なおばさんのパートさん、仕事は出来ないけど優しいお姉さん、仕事は出来るけど出来ない人に少しだけ厳しい人・・・
そんな人達の作り出す仕事小説。
美味しいご飯とは何なのか考えました。
主人公の二谷の食事に関する考え方に少し共感できる部分がありました。
明日から胸を張って言いたい
『カップ麺がいいわけでは無く、カップ麺でいい』
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一緒にいじめるって言うから、もっとひどいことを想像したのに、そうしない。
って、現実社会って、心で思ってても、そうできるもんじゃないよね。
そういう意味では、小説だけど、現実味があるし、小説だけに非現実を求めてたら、物足りない。
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真面目で損する押尾。
食に全く興味を持てない二谷。
か弱くて守られる存在の芦川。
職場内での人間関係が鮮明にえがかれていました!
誰でも一度は感じたことがあるであろう人に対するもやもや、口に出すと自分の性格が悪いと言われてしまいそうな気持ちがとにかくたくさん書かれていて共感しっぱなしでした!
それぞれがかなり振り切った性格でしたが、芦川さんが特に印象深かったです…。
他の人が残業している中、定時に帰って翌日職場にケーキを作ってきたり、飲み会の席で上司を抱きしめていたり…。同僚でいたらかなりしんどいですね
でも、二谷の芦川に対する負の気持ちがある中でも芦川さんと付き合っているのが1番理解できなかったかな笑