今村翔吾氏の時代小説
2025/05/26 14:34
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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞連載小説で初めて今村氏の小説を読みました。毎回同じ作家ばかりを読んでしまいがちな歴史・時代小説ですが、そのためか、この方の作品は新鮮でした。
楠木正成の息子(正行)が主人公ですが、彼の周りの人々もそれぞれが個性が際立っていて魅力的でした。
ただでさえ、知略に富みセオリーにこだわらず勇猛果敢で軍神のようにあがめられた正成を父として持った重圧もあったでしょう。周りからの期待もあったでしょう。
自分の住んでいる土地を何としても穏やかに守る方法をひねり出し、事を進めようと努力する姿は非戦闘的だと周りからは思われ、歯がゆく思われもしたでしょう。
正行には正行の思いがある。それを理解し助け見守る弟や仲間たち。
歴史・時代小説をあまり読まれない方々でも引き込まれて読まれることでしょう。
(紙で読みましたが、電子版でも同じだと思うのでレビューを投稿しました。やっぱり、自分は紙の本の方が好きです)
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
文章に淀みがないし、展開も惹きつける。
垣根涼介さんの「極楽征夷大将軍」をあわせて読むと、更におもしろいと思う。
あちらは足利尊氏メインで、こちらは同時代の楠木家。
父は知ってたけど
2025/05/11 05:47
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
楠木正成は、当然、中学・高校の教科書にも出て来るので知ってましたが、その息子は知らなかったです。息子の楠木正行は、平和のために、南朝から北朝へと。しかしそうなると、それは、イコール南朝の滅亡になるのですが……
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楠木正成という偉大な父を持つ多聞丸。
静かに始まる物語は、人物や時代を丁寧に描きながらじわりと熱を帯びて進んでいく。
下巻では、近隣諸国や朝廷との駆け引きが激しさを増す予感。
多聞丸がどんな道を歩むのか、続きが気になって仕方がありません。
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時代小説の中でこの時代をピックアップしたのに興味があり図書館で借りました。
かつての英傑・楠木正成が戦った時代から、息子である多聞丸こと楠木正行の物語。
第一章から三章までは正成が権力を伸ばし、生き抜いてきたかの道程。四章から七章までは正行の成長が描かれている。
第三章の『桜井の別れ』、第四章の『最古の悪党』が印象深い。
特に三章で正成が正行に行った言葉は、武士としてだけじゃなく父として息子を最期まで愛し、民を想い、混沌とした時代の中で自分たちの領土を守っていく意志の強さと力強さ。青屋灰左を助ける第四章でも正成の血がしっかり引き継がれているなとも感じた。
南北朝時代は自分にとって歴史の中では分かりにくい時代であり、勉強してても言葉が覚えきれなくて一番苦手だけど…楠木正行と仲間たちがこれから、どんな出来事が待ち受けているのかが気になる展開でした。
第一章〜第二章は個人的に読みにくかったので★は4。下巻も楽しみです。
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新聞連載で読む。
楠木正行なんていう人、読み方さえ全く知らない歴史オンチの私が、魅せられました。流石今村翔吾。
ちなみに「まさつら」
もうわかる笑
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誰かのために
散ってよい命などない。
終わりなき南北朝の戦い。
その命運を握る楠木正行の
「願い」は叶うのかーー。
朝日新聞連載の歴史巨編、
待望の単行本化!
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上下巻で4,000円。
買うの悩みました。苦笑
ただ、本作の挿画集を購入したときに、
(今村翔吾事務所発刊で数量限定という言葉に苦笑)
これは読むしかない!と決意。笑
本当は今週末に読み切りたかったのですが。
ひとまず上巻のみ読み終えました。
南北朝…については教科書で習った記憶はあっても、
内容は全く覚えておらず。苦笑
今村さんの本は読みやすくわかりやすいのですが、
それでももっとスムーズに読みたいと思い、
楠木正行や南北朝時代についてのYouTubeを見て。
うっすら知識を入れていざ…!笑
そしてこの時点で、楠木正行の最期を何となく知り、今村さんはどうして楠木正行を主人公にしたのかなと思いつつ。
読み進める間は、そばに画集も置いて。
見ながら読んで、見ながら読んで。
英傑と言われた楠木正成の息子、正行。
父亡き後、正行が選ぶ未来とは。
序盤は父である楠木正成の戦いについて、
親子のやりとりが描かれています。
あちこちで命が奪われる。
帝の命も、武将の命も、百姓の命も、
みな等しく大切な命で。
桜井の別れで、正成が正行に告げる言葉。
その後、正行が茅乃に告げる言葉。
ちゃんと正成の言葉を胸に育った証があって。
壮大な物語ではあるけれど、
それだけではなく個性豊かな仲間たちや
ハラハラドキドキするような一幕もあり。
最近、読書をしていても「あれ、感想が浮かんでこない…」となることが多くて。
積読は増えていくし、時間は限られてるし、
焦って急いで読むから余計に文字が入ってこなくて。
さらに自分が読むものに偏りと好みがあるからか、
似たような話やパターンが多く。
感受性を見失ったと不安に思っていましたが。苦笑
本作は、そんな私に
感受性ある!と思い出させてくれました。
早く下巻を読みたいのですが、
明日から仕事なのでまた週末になりそうです。
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英傑と謳われる楠木正成の、嫡男・楠木多聞丸正行。
時は南北朝時代。彼の波乱の生き様を綴る、長編歴史小説。
第一章 英傑の子 第二章 悪童 第三章 桜井の別れ
第四章 最古の悪党 第五章 弁内侍 第六章 追躡の秋
第七章 皇と宙
楠木母子の語らいの中で浮かび上がるのは、正行の視点を
含めての、父・正成の道程。桜井の別れで知る父の覚悟。
英傑の子としてではない、お主はお主の道をゆけ。
考え、見極めた末の選択・・・楠木は北朝に従う。
あらゆる情勢や可能性を見極めての決断であった。だが・・・。
のちの世で小楠公と謳われる、楠木正行の生涯。
21歳で、冷静かつ迅速に行動する御屋形様の姿。
楠木を守るための術を構築してゆく。
が、最古の悪党との対峙、弁内侍との出会いなどは、
今後の動向に変化をもたらしていくようです。
父・正成への追憶と登場人物紹介が主に感じましたが、
それらの人物描写が実に良く、彼らが下巻でどのように
活躍するかが楽しみになりました。
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南北朝時代の楠木正成の息子、多聞丸こと楠木正行の物語。
読み始めは今ひとつの感があったが、金比羅党との戦いや、特に弁内侍が出てきてからは話が様々に道筋を変えていく。
登場人物の感情の動きや人物の描写が絶妙であり、次を読まないではいられない上巻の終わり方に下巻への期待が高まる。
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小楠公こと楠木正行を描く歴史小説。
上巻は父親の楠木正成の戦いについてと南朝での立場について描かれていました。
昔の教育では忠臣の親子として描かれていましたが、本作では親子ともに和平派として描かれています。
下巻ではどうして北朝と戦う羽目になるのかが一番の注目点になりそうです。
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上巻のみ!
主人公は楠木正成の嫡男、楠木多聞丸正行。
楠木正成の主人公は数多くあれど、息子の正行の主人公の話は初めてなのでは?
かなり期待していたけど、いや面白い!
初めの一章は、正成の半生を正成の息子と正成の妻が振り返すような内容。だから、こんな感じで進むの?大丈夫?って思ったけど、章が進むにつれてどんどん面白くなった。
歴史物語って、史実を追うだけでも面白いと感じる私。だから余計に、オリジナルの展開やエピソードを面白く書くのは難しいと思うんだけど、「人よ、花よ、」は、オリジナルエピソードがとても面白い。
正行って史料が少ないし、歴史として残った活動の期間が一年足らず。そんなこの時代のほとんど史料がない正行だからこそのオリジナルエピソードが良い。
正成時代の仲間たちや、ライバル的な悪党たち、そして敵たち。オリジナル的な人物たちも、みんな個性豊かでみんな好きになる。
そんな中に、知ってる名前が出るとまた楽しい。
今回の話は間違いなく悪役として出るだろう師直と直義も上巻で種類の違う悪役感が見える。
まだ直義は出てないけど、師直はかなりいい悪役だと思う。
賢く、強く、冷酷非道でありながら、愛嬌もある。股座に白いものが見えてショック受ける師直可愛い。それに「はいはい」ってぞんざいな師泰よい。
正行は元来の、父の仇を討つための意志を強く持ち、北朝をぶちのめす南朝の忠臣!
というイメージがあったけど、今までの正行のイメージが変わる。確かにこっちの方が納得できる。そして「人よ、花よ、」の方が、賢く、正成の意思を継いでいるように感じる。
そして、当然のように今までの楠木正儀のイメージも変わる。
また、尊氏は今のところ登場してないけど、正成も正行も、尊氏の立場に同情して、共感を持っていることは嬉しい。そして、だからこそ直義と師直をなんとかすればいい、っていう結論になるのが笑ってしまう。さすが尊氏の両輪。
すっごくいいところで上巻が終わったので、下巻が楽しみ!
評は下巻に持ち越しです!
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吉川英治さんの私本太平記を20代に読んだが、楠木正行の視点で描かれた本作は新鮮であり、そんなこともあったかもしれないと気付きの多い上巻だった
湊川の戦いまでしかイメージがなかったが、その後が語られる下巻は期待しかない
楠木正成のことを正行が語る章が終わると、物語の展開が早くなるので、前半で諦めずに読み進めて欲しい作品です
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「不可思議の事なり」
はい、南北朝時代ですよ!
稀代の英傑、楠木正成の長男でこちらも戦の天才、敵の北朝方に「不可思議の事なり」とすら評された楠木正行が主人公です
いぇい、いぇい!
南北朝時代面白いよね
詳しい内容は各々で調べればいいけど
戦の天才と言われるということは、それだけたくさん戦をしたということでもあるんですが、この上巻ではまだ地域の小競り合いくらいしかありません
もし正行の生涯を最後まで描くなら下巻は戦だらけということになるんでしょうか?うーん楽しみ
そして北朝方の天才高師直(こうのもろなお)との対決も楽しみ
ちなみに南朝のための戦をたくさんした正行ですが、近年では父の正成と共に「和平派」だったのでは?とする説もあり、本書はそちらの説に則って書かれていますね
いやーそれにしてもよ
やっぱり南北朝時代って面白いし、『太平記』という古典の存在もあってか、この時代を取り上げる歴史小説ってけっこう多いし、わいもいくつか読んでるんだけど
混ざるねw
作家さんそれぞれが歴史を独自解釈して創り上げるのが、歴史小説の面白味なんだけど
混ざる
あれ?この人いつからこんな感じになったの?とか普通に思う
あ、違う人の作品だった!みたいなね
歴史小説好きあるあるです
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楠木正行の生涯。父とはまた違った男振り。北朝南朝の間で模索する楠木党の生き残りを賭けた目論見が一人の女官の為に変わっていく。人間関係も面白いし、駆け引きも面白い。本当のところはわからないけれど、こんな風だったのかなぁと思わせる。
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尽忠報国の士、楠木正成とその息子楠木正行の物語。
正成はおぼろげに、正行は名前しか知らず、知識が乏しい状態から読み始めましたが、実に面白い。
南北朝の対立軸がよく理解できるし、楠木親子の存在感がとても際立って感じられる話になっています。
武将たちの思惑がしっかり伝わるのも、今村翔吾さんの腕の良さを感じます。
まだまだ序の口。
下巻でどんな展開になるのか楽しみで仕方ありません。