チーム・ダーウィン ― 「学習する組織」だけが生き残る みんなのレビュー
- 熊平美香
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2008/08/10 17:53
進化し続けるチームワーク
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ろでむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
新規プロジェクトと題して、途方もないゴール設定をしろ!と言われ、たじろいでしまうビジネスマンは少なくはないだろう。そりゃそうだ。ゴール設定は会社の方針を決める役員連中が決定することであり、決定されたことを一般社員は推し進めていくのがごく普通の企業の在り方だからだ。そのような状況で過ごしたいち社員に、いきなりそんな命題を押し付けても無理だろう。このような能力の欠如は、日本の正解を求めていく教育方針(ミスをすると怒られる)にも依存しているのかもしれない。
しかしながら、21世紀を迎え、情報化社会に突入した今、我々ビジネスマンひとりひとりに、皆目検討もつかないゴール設定をしていかなければならない状況は、確実に訪れている。それはビジネスに限らず、自分自身の生き方そのものにも求められているといっても過言ではない。
この「チーム・ダーウィン」は、プロジェクトの目標(ゴール)設定について、要点をまとめて説明している。特にお勧めなのは、本自体が小説のようにストーリー仕立てになっているため、話のテンポに乗って、要点をつかみやすい(イメージしやすい)点だ。これは他のプロジェクト成功トリセツ書にはない特徴だろう。
評者が気に入った箇所は、付録についている「ダーウィン・ノート」である。ここには、 @チームの作り方、 A学習する組織の秘密、 B対話の心得について記述されている。著者がMBA取得者であることもさることながら、自分自身でプロジェクト立案し、それを所属する企業に浸透できなかった(プロジェクトとして失敗した)経験は非常に鬼気迫るものを感じた(記述は少ないが)。従って、相当なノウハウがこの本には詰まっていると憶測している。また、藤田田元マクドナルド社長の下で、弟子入り生活していた内容もきっと詰まっているはずだろう。
学者の数値やインタビュー論に基づくものではなく、あくまで体感経験している著者ならではの、ビジネスの生の真実が描かれている一冊である。
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