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いつわりの人妻 みんなのレビュー

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紙の本いつわりの人妻 長編小説

2016/10/30 19:10

何もかもを失った男女がささやかに願った希望

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投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る

悪が蠢く闇社会へ誘われるほどに全てを失い、希望を無くした主人公(35歳)が望みも抱かぬまま最後に願った一縷の希望が予想外のささやかな幸福へと繋がる切なさ全開の作品である。

主人公が文無し宿無しの独り身に貶められて希望を失うまでの経緯を回想という形で綴る序盤は、取引先の下衆な担当者(40歳)による若妻【舞香】(23歳)の寝取られである。可憐な舞香に目をつけられ、取引の条件として求められ、自社の存続がかかる主人公も苦渋の決断で差し出し、事に及ばれ、後にはその詳細を聞かされ、さらには一度きりとの約束を反故にされて再度求められるという血涙モノの展開が続く。しかも、これがまたとんだクズと言える憎々しい相手が自分では達しえなかった深い仲に至っており、嫌がっていたはずの緊縛を始めとする数々の調教的なプレイをも施され、それを喜々として受け入れている舞香の変わり果てた痴態をまざまざと見せつけられて敗北に打ちひしがれる主人公である。

そんな敗北者の主人公が路頭に迷っていた時に声をかけられて始まる中盤が偽装結婚である。その際に主人公は1つの条件というか願望を口にするが、それは自分を貶めた相手が大事にしている(実際は尻に引かれている)妻【紀里恵】(35歳)への凌辱という復讐であり、それは実現される。ここで描かれるのは深い愛情故に生じる思いやりに名を借りた遠慮が本当の2人になれない夫婦の姿であり、これが自分の妻では成しえない性癖を満たすためや復讐といった、愛情とは別の動機によれば易々と乗り越えられる皮肉である。その意味では主人公もまた立場が変われば同じ穴のムジナであることが浮き彫りにされている。

そんな中で始まった偽装結婚は当然ながら裏で自分の命が脅かされる危険な綱渡りでもあるのだが、自暴自棄な主人公はこれを受け入れようとする。ただ、そこで出会った偽装結婚相手の【華穂】(30歳)が後に主人公の心へ小さな希望の火を灯すこととなる。

まさに良妻という絶世の美女にして昼は貞淑で夜は娼婦。

完璧と言える華穂は常に無表情なのだが、彼女にもそれだけの、表情が奪われるほどの過去がある。今は仮初めの夫を死地へと向かわせる役目を負わされているのだが、そんな華穂が禁を破る。自分はどうなってもいいから主人公に生きていてほしいと願う。主人公もまた同様な考えに至る。同じ傷を持つ男女の舐め合いでしかないとしているが、そこにあるのはこれまでの自分を省みた果ての自虐であり、故に到達した自己犠牲である。調子に乗っていた時期があったからこそ今の墜落があるというやるせない人の性を、どうしようもない人の業を見た2人互いに芽生えた「生きる」ことの慎ましくも尊い境地とも言えよう。

最後もまた紆余曲折を経なければならないのだが、それでも全ての呪縛から解放された(代わりに何も無くなった)主人公が最後の最後に得たモノこそがささやかながら本当の幸せであるとした結末をさらりと描くことで読み手も最後の最後に溜飲が下がる幕の引き方となっている。

官能的には舞香の寝取られから紀里恵への凌辱に華穂が受けた仕打ちといった苦しい場面が続きながら興奮度の高い描写もあるのだが、心を通わせた華穂との情交に頁を割いてしっかり描いているのが終盤のクライマックスに相応しく輝いていた。ただ、これが偽装結婚の最後の夜という刹那の一度きりだったのが惜しまれる。

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