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電子書籍

実感なき景気回復に潜む金融恐慌の罠 みんなのレビュー

  • 菊池英博
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「小泉構造改革」なるものの欺瞞性

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:CAM - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「まえがき」の冒頭において、著者は、2006年2月27日の衆議院予算委員会公聴会で自らが述べた以下の言葉を引用している。これが本書の基本的スタンスと言ってよい。

>小泉首相が強行し、安倍内閣も継承している「構造改革」は、まさに「ビジョンなき破壊活動」である。その最たるものが郵政民営化だ。「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の活動は金融再生プログラムによって極端に弱体化している金融システムを間違いなく破壊し、金融恐慌に発展させるであろう。「地域銀行等」(地方銀行、信用金庫、信用組合など「預金取り扱い金融機関」)の半分は消滅し、これが中央へ波及してメガバンクも危機に瀕し、外資による買収が迫ってくるであろう。

 そして、郵政民営化の方針は大前提から間違っているものであって、その発想が大きな時代錯誤であり、「まやかし」である理由としては、以下のような諸点が挙げられている(p.7以下)。

1)民間銀行には資金が有り余っている。公的部門のカネは不要
2)郵政公社民営化は企業の資金不足時代の発想であって、現在では時代錯誤である
3)資金を必要とするのは政府である
4)郵便公社はナローバンクに徹すればよい
5)分割すればかえって経営効率は悪くなる
6)郵政公社民営化はアメリカの強い要望であった
7)郵政公社資金でアメリカの対外債務が安定する

 1)から4)の諸点については、野口 悠紀雄氏が『日本経済は本当に復活したのか』(ダイアヤモンド社)、『日本経済改造論』(東洋経済新報社)などで述べておられる内容とほぼ同旨であり、そのとおりであると思う。5)もそのとおりであろう。たしかに理論的には金融と物流は分離すべきであろうし、銀行と保険も分離されるべきであろうが、現在のような4分社体制はあまりにも観念的すぎないか。大都市の大郵便局ならともかくとして、地方の現場でこのような分社体制が円滑に機能するとは、私には到底考えられない。

6)、7)については、たしかにそういう面があったことは間違いなかろうが、一部の論者がこうした点を過度に強調することについては、私は少し問題であると思っている。郵政民営化の問題点についての論究は、1)ないし4)並びに5)を中心に行われるべきであって、6)、7)については副次的論点であろう。

 6)、7)については、本書においても、「完全民営化の時点で『かんぽ生命』の株主はほとんど外資になるだろうから」とか、「『ゆうちょ銀行』にも外資が入り、外資の意向で、保有資金は金利の高い海外の投資証券に振り向けられるであろう」(いずれもp.17)というような記述が見られるが、そうなる可能性は高いとしても、あたかも外資が資本の相当割合を保有することが必然であるかのように断定的に述べるのはいささか論証不足であると思う。また、仮にそうだとしても、なぜそれがまずいのか、もう少しきめ細やかな論理による叙述が必要であろう。ただし、他方では、2017年までにどうして100%の株式を市場公開する必要があるのか、という点についても論証が全く不十分だと思う。 

 6)の点に関しては、米国では66年に郵便貯金を廃止しており、その点で我が国の事情とは大きく異なるものの、現在においても郵便事業を連邦政府の独立行政機関USPS(United States Postal Service)で行っていることに注意するべきであろう(アメリカが得意なダブル・スタンダードの一例)。

 いずれにしても、(小泉政権が行った)郵政民営化が、プロアクティブな改革の中核であり、小泉構造改革の本丸であったなどという主張(竹中平蔵『闘う経済学』p.182)がナンセンスなものであることだけは間違いがないと私は考える。こんなものを「小泉構造改革の本丸」などと称すること自体が、その空虚さ、欺瞞性を象徴していると私は考えている。

 「小泉構造改革」なるものの実体をあらためて検証するためにも、本書は一読の価値があると私は思う。 不良債権の加速処理の問題点について述べられた「第3章 金融庁による偽装恐慌」も特に一読の価値がある。 統計数字の引証も比較的正確である。

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