ロングセラーの発想力 みんなのレビュー
- 齋藤孝
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2008/11/11 01:31
ロングセラー商品への依存性あるいは中毒性
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロングセラー。一つの商品が長く愛され続けることはビジネスの理想である。そんな商品を著者は「社会の”普遍的な価値”を探り当てた」と表現している。本書は日本人にお馴染みのロングセラー商品を分析して、なぜそれが売れ続けるのか、どうしたらそんな商品を作ることができるのか、その秘密に迫っている。「週刊ダイヤモンド」誌の連載を元に書かれた本。
いろんな商品を取り上げているが、その殆どは食べ物、飲み物や身近な日用品など。しかし、それってロングセラーなの?と思わせるものも混じっている。貧乏だった我が家では子供の頃には買ってもらえなかった玩具など、ちょっと高級品と思わせるものもある。
ちなみに通称、輪ゴムと呼んできたあの商品の名前が「オーバンド」だっとは、この年になって初めて知った。伝統芸能や昔話、民謡などはまさにロングセラーだと思うが、残念ながら取り上げられていない。タカラヅカは取り上げているのに!?
プロローグでは著者が発見したロングセラーの3つの共通点について書いている。相応の需要があること、習慣化、身体感覚の3つだ。「消費者にクセをつけさせることができれば長寿になる」というのがロングセラーの真髄である。
ロングセラー商品には信頼感や安心感、安定感、親近感を感じる。だからリピーターが付くのだ。私もいつかはそんな理想的な商品を生み出したいと思うのだが、死ぬまで実現しない可能性のほうが高いだろう。
4章でも出てくるが今の世の中は「あらゆることに変化が求められている」。「しかしそれだけでいいのか、と立ち止まりたくなる瞬間もある。変わるべきでないものもある」。アイデンティティを失ってはいけない。ロングセラーは自分のアイデンティティを再確認する役割も担っているのだ。
ロングセラー商品には圧倒的シェアで市場を独占しているものもあるかも知れない。しかしロングセラーだからといってそれを排除するような規制がもし出来たとしたら、オジさん達は帰るところを失ってしまうかも知れない。
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