脱税のススメ みんなのレビュー
- 大村大次郎(著)
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2011/07/23 17:17
税金について楽しく知ってみよう
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
税金に携わる仕事に就いて十数年経った。そこでよく思うのは、「知っている人は得をする。知らない人は損をする。」ということ。
国税、道府県税、市町村税。いろんな税金がある。
そして、実はいろんな制度があって、申請すれば減額になることもある。
ついでにいろんな節税対策だってある。
なーんにも知らずに放っておくと、損してしまうこともある。
「節税」と「脱税」と「逃税」。
「逃税」という言葉はこの本で初めて目にした。
本書は元国税調査官が書いていらっしゃるだけあって、税務署の隙を突いた脱税事例が多く紹介されている。しかし、決して「脱税」を推奨しているわけではない。当たり前のことだけれど。
最初の方ではいろんな脱税方法が書かれているんだけれど、よくもまぁ、こんなことをやるもんだ・・・と思うものも多い。結局はちゃんと税務調査官に目を付けられて、追徴課税されるんだけどね。簡単には脱税なんてできやしないのだ。
でも、一番目を付けられにくい脱税方法は、一番シンプルだったりもする。どんな方法かは、読んだ方だけの秘密。だからといって、やっちゃダメなのは言わずもがな。できる人は限られてるし、「脱税」というリスクを冒してまでするほどの金額は無理だし。
時代に合わせた脱税方法というものもあるようで、これほど情報処理技術が進歩して、国際化も進んでくると、古いアタマではついていけなくなってしまう。「節税」という名のもとに、税法のグレーゾーンを狙った「準脱税」とでも言うべき会計処理がなされていたりもする。税務署も大変だ。
税務署には税務署の事情があり、職員や予算が限られているので、できるだけポイントを絞って税務調査を行うらしい。だから、こういうところは目を付けられにくいよ、という情報もあり。このあたり、税務行政の弱いところを指摘して、問題点をあぶり出しているんだなと思う。ほかにも税務署OBと現役税務調査官との関係とか。改善すべき処は多々あるんだろう。
英語では税金は「支払う」と表現する。「pay」を使うわけだ。日本では「納める」。なかには「盗られる」という方もいらっしゃるけれど(苦笑)。
「支払う」という言葉には、その分の対価はちゃんと貰いますよという意思が見える。つまりは自分が支払った税金がどう使われているのかを意識している、監視している、ということかな。「納める」「盗られる」という言葉からは、義務だから仕方なく・・・という心が見える。自分が納得しているわけではないし、理解しているワケでもないけれど、しょうがないよね、といった感じ。
確かに、国民には納税の義務があると憲法に明記されている。でも・・・。単に義務だから納めてる。それだけでいいのかな。自分が納めた(払った)税金がどう使われるか、それは監視しなければいけないんじゃないかな。
それはやたらめったら行政や政府を批判しろ!と言うわけではない。自分自身には関係なくても、他の人には必要不可欠な行政サービスもあるということも知ってほしい。必要か不要かを判断するには正確な情報がいる。単に感情に流されて、「あれもいらない、これも無駄」って言うだけでは何にもならない。
無駄な使い方をしていないとは言わない。というより、無駄はたくさんある。一納税者として憤りを感じることも少なくない。
皆が納めた税金の使い道を決めるのは、国会であり、地方議会だ。
その議員を選ぶのは?
言うまでもなく、納税者なんだよね。
国の運営の最終責任者は納税者であり、選挙権を持っている人たち。
そう言う意味でも、運営の主な資金となっている「税金」についてもっと興味を持つことは大切ではないかな。
自分には関係ないから、難しそうだから、と言って知らずにいるのは責任逃れではないかな。
こういった、少し「ギョーカイの裏話」的な要素が入った本から、少しずつ「税金」について興味を持つ人が増えていくといいな。
そう思う。
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