異説 戦国志 桶狭間に死す みんなのレビュー
- 坂上天陽 (著)
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紙の本桶狭間に死す 異説戦国志
2007/06/20 14:06
実際にあったかも知れないと思わせるリアリティが光る一冊氏真を再評価したい方に
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いえぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
名門である一方、勇武でも存在感を示し、戦国にその人あり、と言われた今川氏ですが、昨今のSLGゲームなどでの扱いは(信長や秀吉を軸に組んでいることもあるせいか)それほど良いとは言えません。特に、義元の後継である氏真の扱いは、とてもひどいものがあり、登場武将中、最低クラスの能力値にされることも多いようです。歴史の中での実績や、ファンたちの認識(つまり「空気」のようなもの)を反映しての結果と言えますが、氏真の実像は、そうしたイメージとはかなり異なるもののようです。文化人として極めて優れていたことは、良く知られているところですが、剣術においても、無料百科事典ウィキペディアの情報によると、今川流の流祖だったようで、とすれば、並々ならぬ腕前を示していたことは間違いないでしょう。つまり、氏真は、単なる柔弱な人物では無かったと評価することができるのです(政策上の失敗はありましたが)。
本書「桶狭間に死す」は、織田攻めに際しての今川家の様子や、氏真の成長といった部分に重点が置かれた異色作です。今川家の軍師的な役割を果たしていた大原雪斎が生き残っているというイフはありますが、その他の部分においては、それほど大きな違いはなく、桶狭間での奇襲の部分も、しっかりと描かれています。つまり、イフ物とは言え、今川の圧倒的な勝利にはなっていません。血を血で洗う壮絶な戦いによって、次々と倒れていく将兵。そして、最後に勝利したのは……
「都合よく動かされている感」が、登場人物に全くない快作で、この種のジャンルには珍しい単発モノでありながら、ボリュームの不足は感じられませんでした。氏真の成長物語を読みたいのなら、迷わずこの本を!
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