天使の囀り みんなのレビュー
- 著者:貴志祐介
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紙の本天使の囀り
2015/12/23 23:15
なぜなのか?
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:foxtail - この投稿者のレビュー一覧を見る
『寄生虫なき病』を読んでいるので、書かれている内容はほぼ知っていた(知らなかったのは線虫の細かな分類くらいか?)。
臨床心理や一般心理学、シャーマニズム、変性意識、神話・伝承などについては、もしかすると私のほうが詳しいかもしれない。
それでも私にはこの作品は書けない、なぜか?
やはりそこが作者の才能、プロとしての能力だろう。
時代の変化もあり、若干は取り残された感じの描写はあるが(SFホラーの宿命)十分に面白いと思う作品です。
紙の本天使の囀り
2019/01/31 23:36
アマゾンから帰ってきた調査隊からの
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投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アマゾンから帰ってきた調査隊が異常な行動をとっていく序盤から原因の解明、新たな事件と一気に読まされた。
オタク青年の結末がまた泣けた。
紙の本天使の囀り
2001/05/05 04:22
飽きないテンポと構成で書かれた、優れたエンターテイメント
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投稿者:森山和道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
文句なしに誰にでもおすすめできる一冊。
ホスピス医・北条早苗の恋人は、南米アマゾン調査から帰国した後、まったく人格が変わった末に、自殺してしまった。「天使の囀り」が聞こえる、という奇妙な言葉を残して…。その他の隊員たちも、次々と不可解な方法で自殺していく。早苗が探り当てたその真相の果ては──。
飽きないテンポと構成で書かれた、優れたエンターテイメントである。
一応ミステリ仕立てのホラーの形を取っているが、ネタそのものの見当は冒頭30ページでついてしまう。だがそんなことにお構いなく、ぐいぐい読ませるだけの筆力と文体と物語の構成力を著者は持っている。
現実以外のものを描くためには、まず現実をしっかり描き込まなければならない。そして、ほんのちょっとだけ「外す」。そのことが良く分かっているんだなあ。
本書はまた、膨大な知識を背景にして描かれている小説でもある。エンターテイメント性を失わせないまま、それを巧みに組み合わせて見せる手腕は驚くべきものだ。衒学的な楽しみを求める読者にも、純粋に語りの面白さを求める読者にも、文句なしにおすすめできる一冊である。
http://www.moriyama.com/
紙の本天使の囀り
2001/03/03 10:38
気持ち悪い系が怖い人に
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投稿者:桐矢 - この投稿者のレビュー一覧を見る
むちゃくちゃ怖かった!
同じ作者の『黒い家』は面白かったが、それほど怖さを感じなかった。この作品は怖い。怖いといっても、ホラーでもスプラッタでもなく、あえて言えば、「気持ち悪い系」。食事は先にすませておくことをお奨めします。
アフリカ探検に行った落ち目の作家、高梨のメールから物語は始まる。読者の想像を超えた方向へ進んでいくので筋は明かせないが、怖さをあおっていく過程自体、非常によく出来ていると思う。
題名も今となってはぞーっとする。
細かいところまでリアルに出来ているのでうそっぽくないだけ、怖い。 一つだけ言わせてもらえれば、この作品、絶対、映像で見たくない! 怖すぎる!
紙の本天使の囀り
2001/08/01 21:57
「黒い家」よりまし
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投稿者:谷池真太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作品冒頭のメールのやりとりのなかでアフリカにいる彼がだんだん狂っていくのを表現したシーンは失敗だと思う。ホラー作品の導入部分にしてはインパクトに欠けるうえに、わかりづらい。
むやみやたらに登場人物の独白が長い以外は、ホラーとして充分楽しめると思う。中盤の人がどんどん狂っていくシーンはグロさ満載で、そっち方面のホラーが好みな人は楽しめる。
ラストのオチは平凡。
紙の本天使の囀り
2007/04/15 22:58
展開はスピーディー、恐怖はじわじわ
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投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
新進作家である恋人が雑誌の企画でアマゾンへ取材旅行へ赴く。帰国後の彼は変貌していた。そして関係者達の謎の自殺。アマゾンからいったい何がやって来たのか。その恐怖の謎解き、サスペンス、スリラーの要素をふんだんに備えた作品。人間にとってもっとも恐ろしいのは人間自身、というのはありがちなオチだが、さらにそれの上をゆく恐怖がたしかに在る。
アマゾンの生態や、謎の調査の過程での生物学的知見には好奇心をそそられるし、恐怖の存在を拡散させてしまう人間の心理と行動、異常事態に役に立たない硬直化した組織など、怖いものはいっぱい出てくる。
本当は登場人物がもうちょっと抜けた性格であった方が、さらにもっと怖いことになってしまう期待が持てるのだが、いやいや、それはやはり怖すぎるのでやめておこう。
たぶんこの作品で提示されている怖いものには二つあって、そのうちの一つは、信じていた人間を失うこと、だ。だけど理性や感情に働く恐怖より、もう一つはそれを消し飛ばしてしまうほどの、もっと原初的な部分に訴えるもの、生きること自体に疑念を投げかけるもの、そして生態系への侵食がもたらすすこぶる現代的な。幽霊妖怪の類いでなく、現実の世界にたぶん似たようなことはあるのだろうと思えるような、なので夜中にトイレに行けなくなるといったことは無いと思うので、着々と謎を追い詰めていくジェットコースター・ストーリーとして愉しめるーーああ、そこが要点デス。
電子書籍天使の囀り
2017/11/10 19:31
想像通り
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投稿者:さふ - この投稿者のレビュー一覧を見る
囀りの正体やストーリの展開など想像通りでした。
後半は面白かったです。
ぜひ伊藤潤二さんに漫画で描いてもらいたいです。
自分は黒い家の方がジットリと重くて好みでした。
紙の本天使の囀り
2015/03/29 23:55
最高に気持ち悪いです
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
貴志祐介さんの作品と言えば、サイコパス的犯罪者を描いた「黒い家」「悪の教典」、SFならば「新世界より」あたりが有名ですが、本作は貴志作品の中で最も気持ち悪い作品です。
私は生物系の学生ですが、「天使の囀り」の意味が分かった時は思わず「気持ち悪っ」と言ってしまいました。虫が苦手な方にとっては、想像をかきたてられるのでだいぶ厳しいと思いますが、印象に残る作品ではあると思います。
紙の本天使の囀り
2002/02/23 13:09
後半になってくると面白い。
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投稿者:カノン - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初のほう読み飛ばしてしまいました<ヲイ(主人公にあてた恋人からのメール)。でも後半のほうは楽しく読めました。前半は本当になんだったんでしょう。
ラストの薬害エイズの被害者の少年には泣いてしまいました。薬害エイズの被害者の方の描写は いたたまれないものがありました。
紙の本天使の囀り
2005/01/31 00:32
鬼才、貴志裕介が見せてくれた美しいもの。
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投稿者:magnoria - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホスピスで終末期医療に携わる精神科医、北島早苗。
彼女の恋人である作家の高梨は病的に死を恐れていた。
しかしアマゾン調査隊に参加してからの彼は人格が変容し、自殺してしまう。
そして、それは彼だけではなかった。
調査隊のほかのメンバーも次々と異様な方法で死を遂げる。
アマゾンで何が起きたのか。
高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉の意味は?!
貴志裕介!まさに鬼才である。
全ての文章には意味があり、ラストへと繋がっていく。ほんの些細なことも。
素晴らしいとしか言いようがない。
「クリムゾンの迷宮」など他の著作同様、読み終わるのがもったいない!作品。
前半はストーリーの展開が全く掴めない。
読者も、早苗と一緒に謎の中に投げ込まれているのだ。
徐々に明らかになる真実…どんどん話が緊迫していく。
「天使の囀り」
その言葉の意味が明らかになった瞬間、涙が出た。
残酷だったりグロテスクだったりするだけが人間ではない。
そういった美しい希望も、この本は私たちに教えてくれる。
紙の本天使の囀り
2001/05/15 00:59
「黒い家」で物足りなかった人に是非
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投稿者:藍桐 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は同じ著者の「黒い家」という作品を読んでちょっと物足りなさを感じたクチです。気持ち悪いという方向から見れば「黒い家」の方が気持ちは悪かったかもしれませんが、物語の厚みというか、その向こうにあるものに薄さを感じました。この本を読もうと思ったのは本当に偶然の事でした。
確かにホラーというか少し気持ちの悪い表現などが出てくるものの、物語の中に登場人物の背景や社会的な問題などが織り込まれていて、物語自体にとても厚みが出ています。こう言うと難しい話のように見えるかもしれませんが、ぐいぐいと読ませる著者の筆力にあっという間に物語りの中へ吸い込まれていきますから心配はいりません。ただ、私個人としてはこの物語の終わり方に読んだ皆さんがどんな感想を持つのか、ちょっと聞いてみたかったりはします(笑)。
紙の本天使の囀り
2014/10/30 22:53
ネット評価が高いので、読みました。
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投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネット評価が高いので、読みました。
意外とリアルなネタで、話はうまいです。ですが、説明が多くてテンポが悪いかな、と思いました。
紙の本天使の囀り
2002/07/27 23:39
目を背けたくなるような恐怖
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投稿者:scarecrow - この投稿者のレビュー一覧を見る
『北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。』
冒頭部分はあまり評判よろしくないみたいですが、私は結構好きでした。アマゾンの粗野で神秘的な輝きが頭に浮かんでくるような感じ。中盤以降は流れに沿って読み進めていくだけでよし。いつのまにか物語りに引き込まれているはずです。そして、本書に描かれている恐怖とは何かがわかったとき貴方は戦慄することでしょう。論理的にどう怖いではなく、生理的な恐怖を煽ってきます。それゆえに本書を読み終わったあと、頭ではわかっていても、事あるごとにじっと目を凝らしてしまうようなことに…。なぜそうなるのかは読み終わってのお楽しみ。
紙の本天使の囀り
2001/05/19 12:24
私が私でないものに変わり果てる
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投稿者:春都 - この投稿者のレビュー一覧を見る
僕の見たところ『黒い家』では「外部からの恐怖」を中心にあつかっていたようだが、『天使』は明らかに「内部からの恐怖」をも取りあげた作品である。
自分を動かしているもの、行動原理となっているものが「あるもの」をきっかけにして容易に変貌してしまい、しかも自分では気づかない。
客観視可能な「正常な」登場人物や読者こそがその歪みを知ることができ、恐怖する。
ただの「ウィルス浸食系」ホラーでは外的な恐怖に終わってしまうが、そこに「自己の変貌」が伴うだけに内的な恐怖も加わり、作品の重厚感あるいは恐怖の多層性を増しているのである。
小説・ミステリの書き方がうまい。いくつもの伏線がストーリーに違和感なく盛り込まれているし、参考文献からの情報も読みやすいよう配慮している。
それで気づいたのだけど「専門的な説明」に適しているのは、やはり会話文なのではないかと感じた。登場人物によって語られるそれは作中の人物に対してのもので、多くの場合「素人相手」に話される。つまり作中の「素人」に理解されるよう話す=同じく「素人」の読者にも理解されやすい、ということ。
前作『黒い家』はしばらく前に読んだから印象が薄れているのだろうが、『天使』の方が面白かった気がする。ただ「追いつめられる恐怖」という点では『黒い』が上かもしれない。『天使』は題材が題材だけにわりと客観的に読めたからだろうか。
それはともかく、次作にも期待がつながる作品であった。
電子書籍天使の囀り
2018/12/01 19:01
虫、寄生虫が苦手な人は要注意です。
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投稿者:こば - この投稿者のレビュー一覧を見る
構成力・表現は申し分なく、一気読みする程勢いがあります。とても面白くて怖いです!胸糞悪くなるのに、忘れた頃にまた読み返したくなる、いつか映画化で見てみたい、そんな作品です。
でも虫・寄生虫が苦手な方はご注意ください。