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恐れるな! なぜ日本はベスト16で終わったのか? みんなのレビュー

  • 著者:イビチャ・オシム
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紙の本

日本サッカーへの期待を感じる、厳しくて温かい激励

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:木の葉燃朗 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 イビチャ・オシム元サッカー日本代表監督による、サッカー南アフリカW杯の総括、そして日本代表へのメッセージをまとめた本。

 おそらくオシムさんは、日本代表のベスト16という結果を評価しているのだと思う。しかし、そこで満足することなく更に前に進むことを期待していることを感じる。それゆえ、厳しい内容の話も多い。「はじめに」から、W杯での日本代表を「日本のサッカーが新たな一歩どころか2キロほど先にまで進むチャンスを自ら放棄した」(p.5)と表現している。しかしこれは、期待の裏返しでもある。

 日本のサッカーにはなにが足りなかったのか。まず、「ほんの少しのリスクと勇敢さを」(p.20)と求める。例えば、W杯での日本代表では、ひとりの若い選手に周囲の期待、そして味方からのパスが集まった。これは「他の選手たちの自信の欠如をもってして説明可能である」(p.65)という。チームメイトに限らず、「2、3のいいパフォーマンスを見せ、ひとつか2つのゴールを記録するだけで、ジャーナリズムはすぐに、その選手のことを『日本のエースである』と宣言する」(p.89)ことも選手のこれからの成長を妨げると批判している。
 そして、選手やメディアだけでなく、サポーターにも更なる前進を求めている。「ヨーロッパのほぼすべての国において存在するプレッシャーは、日本には見当たらない。非常に重要なことなのだが、スタジアムに緊張感がない」(p.114)。賞賛されるべきプレーとは、「決して、40メートルも離れた場所からゴールの上にシュートを打って、ファンたちが拍手をするというようなものではない」(p.194)のだと。

 では、これから日本サッカーはどうするべきか。ひとつは「新監督に望むものは何か。どういう日本代表を作りたいのかというビジョン」(p.183)、言い換えれば「ぶれない指針」(p.183)を持つこと。今後は監督を選んだ側の方針のぶれで、新監督を悩ませてはならない。
 そして「本心では不可能だと考えているような結論を目標として掲げ、公言、公約とすることを恐れるべきではない」(p.190)。更に、そうした目標をそれを達成するためのメンタルの強さを持つべきであると説く。多くの人が不可能だと思っていた「ベスト4」を目標に掲げ、南アフリカW杯でそれが可能であることを示した前監督のように。
 選手・戦術については、南アフリカ大会でのディフェンスを評価した上で、攻撃に加わる選手たちについて求める能力を具体的に述べている。そして2014年のブラジルW杯に臨む日本代表のリーダーには、それまでエースと言われながら、南アフリカ大会で活躍しきれず、代表から引退を宣言したひとりの選手を推薦している。この人選は個人的には意外で、それゆえ興味深い。

 最後に、南アフリカW杯全体の総括について。「メディア、札束の勝利だったということだろうか。醜いが、それが事実だ」(p.124)という。ここでのメディアとは、ジャーナリズムと広告メディアの両方を意味しているようだ。そして、「スポンサーたちとサッカーを取り巻く巨額の金が『負けなければいい』という風潮を作り上げ」(p.175)、そこから「多くのチームがディフェンシブにプレーしたが、それは失敗に対する恐怖心が生んだ結果」(p.174)と評している。
 それでも、「南アフリカでのワールドカップは、新しい歴史の始まりだったと言うこともできる」(p.129)。なぜなら「個人よりもチームが重要であることを証明した」(p.130)し、「一人のスターだけに頼るよりも、チームでゲームを支配するというスタイルに向かっているのはサッカー界にとって、いいサインだ」(p.131)から。
 この負けないサッカーと、チームで戦うサッカーは表裏一体の部分もある。はたしてこれからの世界、そして日本のサッカーがどのような方向に進んでいくか、色々と考えさせられる。

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