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失踪HOLIDAY みんなのレビュー

  • 著者:乙 一, イラスト:羽住 都
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みんなのレビュー5件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (3件)
  • 星 4 (2件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本失踪HOLIDAY

2005/09/21 11:37

角川スニーカー文庫は乙一作品の中でも好きな方なのだ。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る

以前の「あなたにしか聞こえない〜Calling you」でも書いたのだけど、表装だけを見て判断し敬遠したとしたら、あなたは大損する。アニメチックな可愛らしい女の子が表装に描かれた当作品、確かに30後半のおっさんが書店で手にするには勇気がいった。しかし作品は裏切らない。上出来の短編2作が収められている。
乙一の作品の中でも、角川スニーカー文庫の物は好きだったりする。それは多分、グロテスクな部分をほとんど、と言っていいほど削り取っているからではないかなと思う。GOTHに代表される彼の作品には、少なからずグロテスクな死体が描かれたりする。もちろん好みの問題だけど、私は余り好きではない。乙一の魅力はその設定の面白さと、仄かな明かり・暖かさ、のような感覚。そこに尽きると感じているからだ。
「しあわせは仔猫のかたち」、傑作。一人暮らしを始めた大学生、ある日部屋の異変に気が付く。消してあったテレビが点いていたり、カーテンがいつのまにか開いていたり。異変の正体は、何と以前その部屋に住んでいた、少女の霊だった。そして、話は意外な殺人事件の真相へと向かっていく。ホラーでもミステリでもない。すごく切ないけれど、優しい気持ちになれる、そんな作品。

「失踪HOLIDAY」は、14歳の少女の反抗期?を描く。継母とのケンカが昂じて家を出てしまった少女ナオ。家を出たと見せかけて、敷地内の使用人住居に潜んで家族の動揺を見、溜飲を下げようと企む。だが日が経つにつれ話は段々と大きくなり、警察を巻き込んだ営利誘拐にまで発展してしまう。全てナオの計画通りに事は進み、無事家に戻れる、はずだったが。話は意外な結末を迎える。

私的な事で大変申し訳ないが、私も「しあわせは〜」と同じような体験をした事があり、同じような切ない気持ちを感じた事がある。そこに何より驚いた。ブログ記事にしてあるので、トラックバックさせてもらった。

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紙の本失踪HOLIDAY

2004/11/13 20:04

スニーカー文庫が悪いわけじゃあない。でも、そのせいでこの本に手をださなかった大人もいたはずだ。それはとっても勿体無い。個人的には「しあわせは子猫のかたち」がいい

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

羽住 都のイラストがなんとも可愛らしい250ページにも満たない文庫本である。すこし前に出たこの作品、2004年現在第八刷とあるから、決して売れていないわけではない。乙一が、一種の自選集『失はれる物語』で、ライトノベルとして出ていたからあまり評判にならず、それが残念だから今回、大人の本として編みなおした、見たいなことを言っていたけれど、ご謙遜を、と言いたくなる。

ただし、この本、スニーカー文庫といった若者向けのコーナーにあるものではあるし、ちょっと今時の可愛らしい小学生みたいな女の子がカバーにあるでは、確かに30過ぎたオジサンがカバーを見せながら読むのは、結構勇気がいるよな、とは思うので、評価を、いわゆる本読みと称する人たちから得ようとすれば、ちょっと難しい。

ただし、小説は面白い。『失はれる物語』にも収められた作品、人と付き合うのが苦手なぼくは、伯父の所有する古い家に住むことにした。他人との付き合いを避け、ひっそり暮らすことを願うぼくの前に現れたのは白い子猫。閉めたはずのカーテンがいつの間にやら開けられて「しあわせは子猫のかたち 〜HAPPINESS IS A WARM KITTY」。推理小説としても抜群の出来だろう。

「14歳の冬休み、わたしはいなくなった。大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩のすえ、衝動的に家出! こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが、事態は思わぬ方向に転がって……。(中略)きみが抱える痛みに、そっと触れます。」というのが「失踪HOLIDAY しっそう×ホリデイ」。

こちらは、ナオという娘の無責任さ、身勝手さに共感を覚えてしまえば、これほどに面白い物はないだろう、でも、この野放図さが嫌い、とでも思われたら、評価はがた落ちとなる。わたしは、どちらかと言うと後者で、最後までイライラしながら読んだ口だけれど、でも、これもまた推理小説、一種のコンゲーム小説としては、なかなかだよなあ、などと思うのである。

いずれにしても、これがスニーカー文庫であることの得失は、よーく考えた方がいいのでは、角川さんと思う今日この頃である。

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紙の本失踪HOLIDAY

2003/10/31 21:01

疑似家族。各々の旅立ち前の一休み。わけあたえない、そっとよりそう。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:3307 - この投稿者のレビュー一覧を見る

■ 彼女の写真には、町の人の笑顔や、喜びの一瞬が切り取られていた。
■ 人々の幸福感があふれてくるような写真だった。そういったものを
■ 撮ることができたのは、彼女の感覚がその方向に向けられていたからに
■ 違いない。光を正視することのできる人だったのだろう。
■ ぼくとは、大違いだ。
■(——P014・「しあわせは子猫のかたち」)

一人になりたくて、そのまま消えてしまいたくて、選んだ大学は遠方。
新しい街、新しい暮らし。新しい部屋には「家具」「猫」「幽霊」完備。
—— 一人になれない新生活。

ぼくと子猫、幽霊の共同生活。涙より、悪戯が似合う疑似家族。

学校も家庭もなじめない「ぼく」は、途方に暮れている。
身につまされる違和感。身の置き所も無い、いたたまれない。

なじめないから辛いんじゃない。

「ぼく」から見た「普通の人々」が生きる、光に満ちた世界は
とても美しくて、憧れて、手を伸ばし続けても届かない断絶。

美しさは理解できるのに、その光の輪の中に入っていきたいのに
果たせない。だからもどかしい、それが辛い。普遍的な悲しみ。

実は、程度の差はあれ、「普通の人々」の誰もがそれぞれの世界で
この悲しみと折り合いをつけていることを、「ぼく」はまだ知らない。

静かな共同生活は、折り合いをつけるまでもなく、既に
受け入れられていると知るための時間。優しい奇蹟に触れる一冊。

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紙の本失踪HOLIDAY

2003/03/12 20:09

居場所を探す女の子の物語

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mikan - この投稿者のレビュー一覧を見る

最初、本屋で見たときは、羽住先生の絵を見て気に入って買いました。乙一先生の本を読むのは初めてで、最初はホラーだと聞いていたので、こわいのかなと思っていたけど、「怖い」というより「感動」のほうがおおきかったです。「しあわせは子猫のかたち」は、設定は少し怖い感じがしましたが、雪村のやさしさが伝わってきました。本編は、ナオの気持ちや緊張したところが言葉を通じてすごくつたわってきました。意外な結末もすごくおどろきました。これから、乙一先生のほかの作品もぜひ読みたいと思います。

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紙の本失踪HOLIDAY

2003/03/05 22:23

『切なさ』と『愛しさ』の顕在を感じさせる…

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Aki - この投稿者のレビュー一覧を見る

いまの自分はどれだけ小さい視野を持って生きているかが作品の共通した所です。

自分の生きている事にそれに関わる人々が自分をどれほど愛してくれているのか…それに言いようの無い不安や焦燥感、憤りを感じる事しか出来ないでいるという誰もが味わうであろうその一ページが描かれていた。
それは決してだいそれた出来事ではなく日常にちりばめられたほんの小さな愛おしい出来事が重なり合い、偶然ではなく運命だと思わせて欲しくなるような暖かな出来事の中にそう言った気持が少しだけ氷解するような…そんな感覚をうけます。

自分の世界感のみを感じ生きて行く人生ではなく自分と他者との接点を見極め、自分の居場所を見付け出す事…それは決して知らない新しい世界を模索すると言うことではなく今ある自分の心の中に安らげるゆとりを、愛おしむべき存在を見付け出すことにある。
そんな自分自身との戦いの中で本当の存在意義と言うモノを見い出す事が出来た時…それが自分の至福の時であると私は思っています。
この本が小さな一歩を踏み出すきっかけの一つになってくれたらいいな、と思う作品でした。

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紙の本失踪HOLIDAY

2002/11/20 23:42

かなり気になる作家・乙一

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yaeba - この投稿者のレビュー一覧を見る

「乙一」という名前を初めて本屋で見つけたとき、なんとなく気になった。
「誰だこれ?」プロフィールを立ち読みした。

——1978年生まれ、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を17歳で受賞、衝撃のデビュー。現代日本ホラー小説界の若き俊英として注目を集めている——

1978年生まれか……。読むか読むまいか、悩む。
『夏と花火と私の死体』のあとがき(小野不由美さんによる)を読んでみる。

——氏は明らかに非凡だ。にもかかわらず氏は、きわめて凡庸な小市民の、日常的な感性の発露としか思えない表現をすることがある……非日常のくせに、極めて日常的、その日常的な表現がものすごく「浮く」。忘れがたく突出する——

小野不由美さんがその才能をベタ褒めしている。
そして、本屋のPOPには「切なさの達人・乙一」とある。
ああ、これは読むしかない、と購入を決意(スニーカー文庫なので、レジに持っていくのをややためらう)。

読んでみて…購入正解。

冷静な視点で、悲しく静かな、それでいてあたたかな世界が描かれている。
さみしい人間がたくさん出てくるけれど、だからこそ感じられる人のあたたかさもたくさん出てくる。当書には2編おさめられているが、私は「しあわせは子猫のかたち」の方が好き。ぬくもりを感じ取れる話だから。

他の作品もいくつか読んでみたが、それぞれストーリーは違っていても共通したテーマが存在する。死んだ人と生きている人。あっちの世界とこっちの世界。狂気と日常。犯罪といたずら。孤独と幸せ。さみしさとあたたかさ。

人は皆弱い部分をもっている。乙一はそれを認めた上で、悲しみや寂しさをも美しく描く。美しい作品だけれどきれいごとではなく、きちんと現実を見つめている。だからこそ、共感者が多いのだろう。若いけれど独特な世界を描ける人。

本人によるあとがきも面白かったので、エッセイが出たら、必ず読みたい。
かなり気になる作家である。

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紙の本失踪HOLIDAY

2002/02/28 20:19

幽霊と同居!?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:TAIRA - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「しあわせは子猫のかたち」「失踪HOLIDAY」の2作収録。どちらも面白いけど、私的には前者の方が好き。
 「しあわせは〜」は、孤独な男の子が一人きりになりたくて一人暮らしを初めたのだけれど、引っ越した先の前の住人が幽霊となって今だ住みついていた。というお話。
 ホラーみたいに怖くなくて、どちらかと言うとほのぼの系。朝起きたらいつのまにか朝食が出来ていたり、雨に濡れて帰るとタオルが出してあったり…。孤独だと思って自分の殻に閉じこもっていた男の子は、その無言のコミュニケーションに幸せを感じるようになってくる。元気が出てくる物語。でも、最後の方は乙一氏らしい以外な展開に…。

 「失踪〜」は、大金持ちのお嬢様、ナオが狂言誘拐を企てる。使用人のクニコに協力させ、脅迫文を自分の家に届けたまではいいけれど、何だかどんどん大騒ぎに…。ちょっと驚かそうと思っていただけなのに、今や後戻り出来ない状況。これはもうやるしかない! とナオは自分自身の誘拐劇を演じきる決心を固める。
 こちらも最後はどんでん返し。いいのかなこれで? とちょっと思ってしまうが、みんな幸せそうなので良しとする。

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紙の本失踪HOLIDAY

2001/02/05 14:30

照射する世界

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:seimei - この投稿者のレビュー一覧を見る

 初めて読んだ方なのですが、等身大の優しさの体温を持った物語を紡げる方なんだなと、読んでいてとても嬉しく思いました。
 人の様々な孤独を、想いを世界にひっそりと照射することの出来る作風はとても好感が持てます。世界とほんの少しでもコミュニケーションをとっていこう、前に進んでみよう。孤独な魂にそう想いを植え付けてくれる作品だと思います。
 これからも追っていきたい作家ですね。

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