桜姫 みんなのレビュー
- 著者:近藤 史恵
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紙の本桜姫
2009/01/03 21:15
梨園という艶やかで不可思議な世界を描くミステリー
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
探偵今泉文吾の梨園ミステリー。
15年前死んだ歌舞伎役者の息子をめぐる物語。ミステリーというより、恋愛ものっぽい感じかな。梨園という世界の特殊性が、まるで万華鏡を見ているようなきらびやかさと、不思議さを投げかけてくる。
死んだ少年の妹が、若手歌舞伎役者に恋をする。
けれど、その恋は胸が熱くなるようなものではなく、むしろ冴え冴えとして自身も相手もやりきれなさに身もだえするようなものだ。
だから「桜姫」なのだ。
その若手の歌舞伎役者が演じる演目として出てくる「桜姫」で、特に引用されるわけでもない。むしろ、読み終わった直後はなぜ「桜姫」なのか首をかしげたぐらいだった。
姫君として生まれながらヤクザな男に恋をして、転落していく「桜姫」
近藤史恵は作中で「そこにあるのは、女という存在のふてぶてしさだ」と書いている。
ふてぶてしさだけだろうか。それは、どんな状況になろうと変わらない、変わることのできない、そんな存在なのではないだろうか。
人は、変わるものだ。
けれど、ここにあるのはそれを否定しようとあがく人の姿のように感じた。
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