勝負勘 みんなのレビュー
- 著者:岡部 幸雄
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紙の本勝負勘
2006/10/06 17:21
引退して1年半経ちますね
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ルイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「名手」と呼ばれ、一時代を築いた元トップジョッキーの、引退後初めての著書です。
現役時代の著者は目先の勝利に囚われず、長い目で馬を育てる「馬、優先主義」を貫いた事でも有名ですが、その一方で必ず勝たなければいけない場面ではきちんと「勝つ」ことで、ファンからも競馬関係者からも常に一目置かれる存在でした。
その「勝負勘」はどうやって養われていったのか、仕事に対する真摯な気持ちや、レース後に欠かさなかった心がけなど、38年間の騎手生活を振り返って自ら振り返っています。
謙虚な著者はいつも自分を「天才ではない、自分はカメ」だといいますが、その凄さは「天才」と言われる武豊騎手と似たものがあると思います。
どんなに超一流と言われようと、さらに上を目指す向上心、そして日々の見えない努力を怠らない事。
付け加えるなら、この本にも書いてあるように武豊騎手の長所は「ソツのなさ」「ミスの少なさ」であるならば、著者の長所は「他人に惑わされないこと」でしょう。
過去には他人にアメリカかぶれと言われたり、前例のない改革をして煙たがられた事もあるそうですが、自分の信じた道を貫いた潔さには感嘆します。
ルドルフやテイオーやビワなど、以前のパートナー達とのエピソードはもちろん、騎手を辞めた後の葛藤や心境をたくさん書いてくれたのもファンには嬉しい限りです。
引退後イキイキして見えるのは、重圧から開放されて「今やりたい事は今やる」を貫いているからなのでしょうね。
紙の本勝負勘
2006/10/09 11:31
今のジョッキーは、一握りを除いて、工夫が足りないと感じるのは、私だけだろうか。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安之助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「勝敗を分ける「勝負勘」とは何か、といえば、「直感」が占めている部分が大きいはずだ。(中略)シミュレーションどおりに進むことなど考えにくい実際のレースにおいては、スタートからゴールまでのあいだに次々勝負の選択肢が差し出されてくる。(中略)そんなひとつひとつの局面で、自分がとるべき策を選択していくことが、競馬における勝負勘といえるだろう」。そして、その判断は一瞬を要求される。
勝負勘は天賦の才能だろうか。著者自身は、自分は天才でなく、どちらかといえば“カメ”だといっている。「・毎日のトレーニングを欠かさない。・自分が乗る馬の調子を把握するためにも、できるだけ厩舎に足を運ぶ。・自分が乗ったレースでも、乗っていないレースでも、多くのビデオを観る」という、当たり前の努力をしたことにより、身に付けられたのだそうだ。
レースに集中するために、エージェントを導入したのは、著者をもって嚆矢とする。どのレースにどの馬に騎乗するかは、厩舎に専属していれば、調教師が割りと調整してくれるに違いない(もっとも、意に染まない馬の騎乗を強いられることも遭ったので、それもフリーになる原因の一つ)。だが、フリーになれば誰も面倒をみてはくれない。だから、著者はエージェントを採用した。驚くことに、いまだにJRAはエージェントの存在を公式には認めていないという。本書には書いていないが、著者のエージェントは、有名競馬評論家の弟で専門紙のトラックマンだった人物と、私は聞いている。厩舎に出入りできる人(トレーニングセンター通行証所有者)という条件なら、頼める人は自ずと絞られる。
この十月一日から、JRAは著者とアドバイザリー契約を結んだ。その仕事のなかに「若手騎手に対する技術指導を行う予定」があるが、そのための副読本代わりに、本書を読めばいいと思う。
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