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ためらいの倫理学 戦争・性・物語 みんなのレビュー

  • 著者:内田 樹
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みんなのレビュー7件

みんなの評価4.5

評価内訳

  • 星 5 (4件)
  • 星 4 (2件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
7 件中 1 件~ 7 件を表示

エッセイあり、論文形式あり、の多様な本。著者の原点。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、著者の単著としてはデビュー作にあたるそうだ。
この本に収録されたエッセイ集は、もとはインターネット上の著者のホームページに、
せいぜい百人程度の「身内」の読者を想定して書いたものということだ。
そして、学術論文、政治エッセイ、映画評論、新刊プレビュー、日記など
あらゆるジャンルのテクストの中から、出版社の編集者が選び出して本書にしたということらしい。

読んでいて、自分が理解できる内容の部分については、分かる分かると大いに納得したり、刺激を受けたりした。
一方で、読んでいて話の内容が難しくて自分には理解できない部分も、かなりあった。
哲学的な話とか、論争の話とかややこしい部分も多い。
きっと、もしも自分がそれらを理解できれば、本書の中の理解できる部分と同様に、面白く読めるのだろう。

フェミニズムとポストモダン思想への批判が結構あるけど、著者によれば
「それは彼らが私にとって最大の敵であるからではなく、一番近しい隣人だからである。」とのことである。

軽いエッセイもあり、読み応えありすぎの難しい話もあり、の本。
単行本の出版が2001年で、文庫本の出版が2003年。

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聴きたいことは内田に聴け!

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nanako17girls - この投稿者のレビュー一覧を見る

 電車のつり革広告を見てるとどこの出版社も「内田、内田」の文字が出ている。内田先生は器用な人なので、どんな内容にも深い造詣を持っている。なので、出版社的には使いやすいのかもしれない。しかし、ちと芸がない気もする(読んでないのに)。「どうせ、面白いものは書籍化されるし、雑誌を買うほどでもないかな~~~」と、小銭を気にしてしまう(ブログも読めるし)ここで矛盾を感じてしまう。「内田先生の対談は読みたいけど、書籍まで待つか」「わざわざ捨てることになる雑誌にお金を払うか」。つまり、雑誌が内田樹の広告になっている、という現象。おそらくそこでお世話になった出版社(編集者)から書籍が発行され、利潤を生んでいる。よく考えてみればコミックとかもそうだよな~~~。雑誌連載され、コミック刊行。つまり、ここで力を持ってくるのがコンテンツの責任者(編集者)ということになってくる。Amazonのように7割を印税に、という事態になったら雑誌はなくなる。ならば、どこで名を売るか、内田先生のようにブログで発表する、というスタイルが主流になりそうだ。

 元々、Amazonは本の流通から始まった。「ユビキタス」という言葉通り、理想の未来があるのか?それとも、食いつぶされるのか?それとも、「日本語」という最後のナショナリズムが変化をするのか?欲望は常に絶望をともにする

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内田樹は思想界の筒井康隆である。

12人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

この賛辞を著者が喜んでくれるかどうかは分からないが、「内田樹は思想界の筒井康隆だ。」と思う。

 『私は「邪悪な」人間である。
 自分を「邪悪な人間だなあ」としみじみ思うことがよくある。
 他人が苦痛に歪む顔を見ているときに、爽快感を感じることがある。』(p.272)と書くとき、内田樹は筒井康隆である。

 『政治的私見を述べるものが「私が正しいことを認めろ」と主張することは、合法的である。しかし、「私が正しいということを認めないものからは政治的権利を剥奪しろ」と主張することは、合法的ではない。』(p.65)と書くとき、内田樹は筒井康隆である。

 『宮台の言い分だと、知的前衛たるものは、そのような人々の行動にひそむ重大な社会学的な意義が理解できなければならないらしい。女子高校生の生態に詳しいことくらいのことで、なんでこの男はこんな威張っているのか、私にはよく分からない。』(p.188)とまるで『腹立半分日記』なのが気持ちいい。

 そして、『なぜ私は審問の語法でかたらないか』は、『みだれうち犢書ノート』である。

 この本を読むことで得られる最大の知見は、『さまざまな社会的不合理(性差別もその一つだ)を改め、世の中を少しでも住みよくしてくれるのは、「自分は間違っているかも知れない」と考えることのできる知性であって、「私は正しい」ことを論証できる知性ではない。』(p.146)である。これを悟ることが知識人には難しい。しかし、これを悟れなければ真に知識人にはなれない。

 人間の暗部と向き合い、なおかつそれに囚われることなく、帰還する。その力を持った人物のみが語り得る人間の真実が、彼らには見えているのである。

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とてもかわいい。そして潔い。おまけに正しい指摘である。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

まえがきにこう書いてある。

もとがホームページ日記だから、「批評されている当の本人は読むはずがない」という前提で書かれているので、読んだらご本人が激怒しそうなことがいろいろ書いてある(現にここで言及された多くの方が激怒されて、私はその後ずいぶん世間を狭くしてしまった)。(中略)文庫化のせいでますます世間が狭くなってしまうであろうが、これも身の不徳のゆえだから致し方ない。

こういうところがこの人の魅力なのだろう。とてもかわいい。そして潔い。

論旨は明快で、あとがきに自分で書いているように「ほとんど『同じこと』を、手を換え品を換え、執拗なまでに繰り返し主張している」。その主張がどんな主張であるのかまで自分で「解題」しているが、これから読む人のためにここでは書かない。ひとつだけ言うと、その主張のエッセンスは「ためらいの倫理学」というタイトルが見事に表現している。
もし僕の書いたものが内田に徹底的に批判されようとも、僕なら彼の世間を狭からしめようとは考えないだろう。だって小気味良いんだもの。面白くて説得力がある。

難点を2つ。

非常に論理的で整合性が取れていて、しかも明晰で示唆に富んだものであるが、実はこの本を読んでも埒があかない。英語で言うなら This book will get you nowhere、つまりどこへも行けない理屈なのである。この本で提唱されている態度は一人ひとりの人間存在としては正しいかもしれない。しかし、世間の先頭に立って世の中を改革しようとするパワーに欠けるのである。もちろん内田自身には世間の先頭に立とうとか世の中を改革しようとかいう気は全くなさそうだ。だからそれはそれで良いと言えば良いのだが、これは世間のテーゼに対するアンチテーゼに過ぎないのである。この理屈を実践すると、ことに及んで、一旦緩急あったときに、人はただためらうばかりで終わってしまう恐れがある。

そして、この本は誰に読ませるために書かれたのだろう? 誰もが自分が身につけている語彙で書くのは自然なことであり、読者を想定して言葉を選んでいる人は変な人かもしれない。しかし、学者ではなく一般人に読ませるにはちょっと難しい単語が多すぎるのではないか? 「当為」とか「ルサンチマン」とか、いちいち突っかかって辞書引いちゃいましたよ。

ちなみに内田によると、僕のように文中の知らない言葉に突っかかって辞書を引いてしまうような人間は「矛盾」という字が書けるのだそうである。うむ、これまた正しい指摘である。

by yama-a 賢い言葉のWeb

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何度読んでも論理展開のおもしろさに引きこまれる

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:pipi姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 単行本は既に買って読んだというのに、新しいテキストが4本入って高橋源一郎の解説文も掲載されているとか聞くと、ついつい買ってしまったではないか。わたしってほんとうにウチダ先生の忠犬ハチ公みたいやねぇ。

 といいながらまた悪口を書いてしまいそうな悪い予感が…

 本書は二度目に読んでもやっぱり面白い。今回新たに加わったテキストのうち、「有事法制について」などはその論理展開の見事さに舌を巻いた。
 曰く、「単純計算すると、わが国が「有事」を経験したのは「有史」以来4回。平均のインターバルは182年。……次に日本が外国武装勢力に本格的に侵略されるのは2309年頃である」から、今の日本は「有事」に直面する前提などない、今は「無事」なのだ、とな。

 ウチダ氏は、「有事法制」を「無事法制」だと言い切り、賛成する者も反対する者も全員が「ほんとうに日本の国家主権が危機的な状況」など絶対に来ないということを気楽に信じている、と述べる。だから、有事法制に対しては「情けない」と自嘲する以外に批判の方途がないという。本気で有事法制に立ち向かうには、徹底した軍事大国化の道しかないそうだ。
 なんかもう天晴れな論理なので、わたしはその牽強付会の解釈にも「恐れ入りました」とほんとうに恐れ入った。

 本書の内容詳細については既に単行書と文庫に優れた書評がついているのでそちらに譲るとして、今回改めて感じたことを手短かに述べよう。

 ウチダ氏のおもしろさとわかりやすさの最大の理由はそのユーモラスな文体にあるのだが、これが高橋源一郎にそっくりであることを知ってしまった(今ごろ知ったのかと突っ込まないよーに)。寡読にして高橋源一郎の作品を知らないものだから今ごろ気づいたが、飄々として控えめでその実きつーいことをきっぱり言う。この物言いが読者を惹き付けるのだろう。

 だが、「私は審問の語法で語らない」とか「『私は正しい』ことを論証できる知性」はよくないと言いつつ、ご自分でちゃっかりその位置取りを守っているのだから、ちょっとズルイ。「私は自分が間違っているかもしれないという留保をいつも担保しているよ」と言うことによってしっかりご自分の後背地を守っている。頭のいい人だ(まあ、こういう論はつきつめれば循環論法に陥るのでやめておく)。

 また、「私はよく知らない」とか「わからない」と何度もウチダ先生は言うが、実は「知らない」ということを知っているというのはすごいことだ。すっとぼけているようでいてそうではない。このあたりの奥義も読者の腋の下にこちょこちょと指が届くような心憎さである。

 ウチダ氏の魅力はユーモラスな文体にあるだけではなく、「とほほ主義」とご自分でおっしゃる「ためらい方」にある。つい耳を傾けたくなるような深遠な反省の思弁を謙虚さのオブラートに包みつつ辛辣に語る、その批評精神の鋭さではないだろうか。

 こうしてまたわたしは、なんじゃかんじゃと文句を言いつつ、悪魔に魅入られたようにウチダ先生の虜になったのであった。

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笑いとユーモアの思想

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:king - この投稿者のレビュー一覧を見る

単行本をすでに読んでいたのだが、旅先の本屋で見つけて旅のともにと買ったあと暇を見つけて拾い読み、結局帰りのバスの中で最初から最後まで読み通してしまった。
やはり面白い本である。面白い以上に、私にとってとても重要な本なのだ。

〈とほほ主義〉という言葉がある。それは「従犯感覚」と要約されているが、具体的にはこうだ。

「たとえば、日本の政治システムを批判するとき、私たちはつい弱腰になる。それは批判している当の本人が久しく政治に関わる言論の自由、集会結社の自由を保証され、選挙権や被選挙権を行使してきた結果、いまの政治システムを作りあげてきた一人だということを、骨身にしみて知っているからである」298頁

国家と個人の関係について、上記の文章には違和感もあるが、その言わんとするところについてはとてもよくわかる。自分の立場を正義によって正当化し、検察官のごとくふるまうことを氏は徹底的に回避する。その感覚が私にもよくわかるのである。日常の生活のなかで、さまざまな判断を迫られることもあるが、そのとき、正義や超越的な価値によって判断することを避け、できるだけ自分の好悪を根拠にすることにしているのだが、そんな時に出会ったこの文章は、まさにすっと納得できることだったのである。
自分の絶対性を留保し、いつでも自分は他人から批判されうるし、自らの言説そのものによっても逆批判されかねないという態度を自らに課すこと。こう言い換えることもできるだろうこの「とほほ主義」を、私は後藤明生からも学んだ。
自分が相手を笑うことができると言うことは、自分が相手からも笑われる可能性があるということをいつも自らの世界観の中心においていた「楕円の世界」の小説家後藤明生である。
この感覚をユーモアと言うこともできるだろう。自らが自らを笑うことのできる知性をユーモアと呼んで差し支えないと思うからだ。そう考えると、内田樹と後藤明生はともにユーモア、笑いの人であったということに気がつく。
私はそういうユーモアが好きだ。

本書で氏が問題にするのは以下のようなことだ。
ソンタグは実際に戦地へ行ってない人間が戦争について語ることを禁止すること、マルクス主義やフェミニズムが不敗の論理構造を持つこと、サルトルが植民地の人間に謝罪し改悛したことにより他の知識人に対して審問の権利を手に入れたこと等々。

そんななかで氏が立ち上げようとするのが「ためらいの倫理学」である。
カミュの「異邦人」「反抗的人間」「ペスト」などやレジスタンス活動、対独協力者粛正への助命嘆願などをもとに、カミュの「反抗」の思想を「ためらいの倫理学」と名付けその思想的意味を鋭利によみがえらせる本書の白眉である。
「異邦人」の殺人の場面が、一対一の状況で相手が攻撃してくるならばこちらは相手を殺すことができる、とする平等性のモラルによって駆動されていることを確認し、そのカミュが戦後の粛正という社会という第三者の介入する「裁き」への助命嘆願に署名するというねじれを見ていくこの論考は、カミュの「反抗」の論理を鮮やかに取り出してみせる。

「なんらかの「全体的」な真理や、異論の余地なき正義の名の下にテロルが執行されるとき、テロルに条理があることを認めている場合でさえ、ぎりぎりそれが現実のものとなるとき、「真理の暴力性」や「正義の過剰な峻厳さ」に「なんだかいやな感じがしてたまらなくなる」人間の心の微妙な動きを、カミュは「反抗」という言葉に、あるいは「顔」という言葉に託している」330頁

「正義のためらい」—殺すものと殺されるものが顔を合わせるとき、そこにある「殺すな」という訴えが、「ためらい」を生み、それが暴力を限界づけるという、その「ためらい」を思想の準位に繰り込む試みである。

これらの思考は、私の思考や漠然とした感覚の中心にまで食い入る刺激がある。再読してもなお。

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内容紹介

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投稿者:角川書店 - この投稿者のレビュー一覧を見る

〈わたしは戦争が嫌いだ〉

アメリカという病、自由主義史観、戦後責任、愛国心、有事法制をどう考えるか。性の問題、フェミニズム、「男らしさ」という呪縛をどのように克服できるか…… 激動の時代、私たちは何に掛け金を置くことができるのだろうか──

現代思想のセントバーナード犬、内田樹が、戦後社会がかかえる病理に鋭く切り込む。原理主義や二元論と決別する「ためらう」という思考の叡智とは──。凝り固まった思考のフレームワークを解体し、「正しい」日本のおじさんの道を指し示す画期的な論。

内田思想の最重要原点が、大幅加筆でついに文庫化。

著者紹介:内田樹(うちだ・たつる)

1950年東京生まれ。東京大学文学部卒。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。同大学助手を経て、現在、神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。
主な著書に『ためらいの倫理学』『寝ながら学べる構造主義』『レヴィナスと愛の現象学』『「おじさん」的思考』『疲れすぎて眠れぬ夜のために』などがある。

〈目次〉

 まえがき

なぜ私は戦争について語らないか

 古だぬきは戦争について語らない
 アメリカという病
 自由主義史観について
 自虐史観と戦後責任論
 応答責任と受験生
 愛国心について
 戦争論の構造
 有事法制について


なぜ私は性について語らないか

 アンチ・フェミニズム宣言
 「男らしさ」の呪符
 正しい日本のおじさんの道
 性的自由はありうるか?
 セックス・コンシャスネスの神話
 「女が語ること」のトラウマ
 性差別はどのように廃絶されるのか


なぜ私は審問の語法で語らないか

 正義と慈愛
 当為と権能の語法
 ラカン派という症候
 「分かりにくく書くこと」の愉悦について
 現代思想のセントバーナード犬


それではいかに物語るのか──ためらいの倫理学

 「矛盾」と書けない大学生
 邪悪さについて
 物語について
 越境・他者・言語
 とほほ主義とはなにか?
 ためらいの倫理学


 あとがき──解題とともに
 単行本時の付録

 ずっとずっと待っていた  (高橋源一郎)

特集・内田樹はこちら

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