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電子書籍

秋の牢獄 みんなのレビュー

  • 著者:恒川 光太郎
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みんなのレビュー7件

みんなの評価4.5

評価内訳

  • 星 5 (5件)
  • 星 4 (0件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本秋の牢獄

2012/02/23 19:11

自分で自分を閉じ込めてしまう、ということを考えてしまう。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

牢獄・・・という言葉の前に「秋の」をつけると不思議な世界の出来上がり。
秋の牢獄・・・一体どんなことなのか、読む前は想像もつきません。

 この本は「秋の牢獄」「神家没落」「幻は夜に成長する」の中篇3篇から成りますが、
どの物語も「閉じ込められる物語」です。
と同時に「失われる物語」であり、「選ばれし者の物語」です。
閉じ込められることで失うのは自由という獏然としたものではなく、この3篇の物語では、
十一月七日という一日から全く先にも後にも進まなくなりえんえんと、同じ十一月七日を
繰り返す、時間に閉じ込められる「秋の牢獄」
ふとしたきっかけで、古い家の家守に指名され、家から出られなくなる「神家没落」
自分の力を持て余すことで、新興宗教の教祖として部屋にとじこめられる「幻は夜に成長する」

 外的な要因で閉じ込められるというのは、「外に出られない」「自由に動けない」という不安や
「自分のいるべきところへ戻れない」というこわさなのでしょうが、この物語の登場人物たちは
閉じ込められることに恐怖を感じてはいません。

 恒川光太郎さんのこの設定ならば、過激で、グロテスク、奇想天外な文章であっと驚くラスト
というミステリにもなったのでしょうが、恒川さんの文章はあくまでも控えめで、ふとした文章に
きらめく感性を感じます。

アスファルトや草木がさらさらと濡れていくひんやりとした音で、私は目を覚ました。(秋の牢獄)

 さらさらと濡れる、ひんやりとした雨の音。朝、雨が降っていた、という表現ではなくこういう
詩的とも思える表現力が豊かなので、ストーリーやラストよりも、文章の流れを堪能する、という
ことがとても豊かな体験だと思います。

 家や時間といった外的な要因もありますが、「選ばれし者」という自分という内的な自己というもの
にとらわれるのも「閉じ込められている」のではないでしょうか。
私は、長く入院した時に、病棟から一歩も出てはいけない生活にうんざりしたけれども、
やはり、困ってしまったのは病気がなかなか、はきはきと治らない、検査の結果の
数字を見せられることで、自分の中にどんどん檻ができていくような気がしました。
「神家崩壊」の主人公のように一度、閉じ込められて外に出たいと思って、念願かなっても
「閉じ込められていた世界」の方がだんだんと自分の中で美化されていく、というのもわかる
ような気がします。身体は外に出たけれど、心は閉じ込められたままなのでしょう。
病院から出たい、と思っても、退院した後、どうしていくのか・・・その不安が大きく、途方に
くれてしまう、病院の社会福祉士のアドバイスもなんとも心もとない、口先だけの提案だったりします。

 自分の居場所がない人は、どこかに居場所を作らなければならない。
私は、「神家崩壊」の古い家の住みやすさや、良い天気でそんなに寒くない十一月七日だけの日々に
少し、現実逃避として憧れてしまうのです。
しかし、この物語は、失われる物語でありますがから、何もかも、きっちり納まるということはなく
もろく、はかなく、時には記憶から消えていく。そして、又、閉じ込められる為に生きるのか・・・
という余韻を残します。

 自分というものに自信を失った時、それは一種の閉じ込められた状態ではないでしょうか。
そんな事を思います。恒川さんの文章は、流れるように、華美に走らない抑制のきいた言葉
選びをしていますが、よく自分の殻にこもる、という言い方をしますが、誰もがいつでも
閉じ込められてしまう可能性があり、実は閉じ込められているのに気がつかないで生きている
のかもしれない、恒川さんの目はそこまで見通しているような気がします。

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紙の本秋の牢獄

2011/04/18 08:37

日常のすぐ傍にある異界

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る

三つの作品を収めた短編集。どれも、日常のすぐ傍にある異界を扱っている。

「秋の牢獄」
突然、11月7日を繰り返すことになってしまった女子大生の物語。自分が何をしようと、言動をどのように変えて一日を過ごそうと、翌日はまた11月7日。自宅から遠く離れた土地へ出かけても自宅でいつものように目覚め、何をどれだけ買おうと、買ったものは元のお金(あるいは口座の残高)に戻る。

「神家没落」
家に囚われた会社員の物語。身代わりを立てなければ家から出ることは叶わず、家は数日置きに日本中を移動する。
まるで日本のどこかの伝承のような、味わいのある筆致は健在だ。

「幻は夜に成長する」
幻術を操る少女の成長物語。どこか覚めたような少女の視点で語られる。

今回はダークファンタジーというより、ホラー色のほうが強いと感じた。どの作品も怖い。しかしその一方で、そんな世界に囚われてみたい、と思えるほどに魅力的だ。各作品の主人公たちも、己の囚われた世界に怯えるだけでなく、魅入られているように見える。

前作『雷の季節の終わりに』も素晴らしい作品だったが、後半、通常の世界が顔を出しすぎてせっかくの『異世界』の雰囲気が浸食されてしまっていた。著者はもしかしたら、長編よりも中・短編で力を発揮する人なのかもしれない。『夜市』、『風の古道』は文句なしに良かったのだから。

そして本書も文句なし。美しく幻想的な世界にたっぷりと浸れる短編集だ。

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紙の本秋の牢獄

2012/01/11 07:03

「囚われ」の世界を描いた3作品。恒川光太郎の描く世界は、静謐であり、はかなくも美しい。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:道楽猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この小説について、「ホラーではない」「恒川作品らしい怖さがない」と言う人がいる。
そういう人は、たぶん幸いにもそれまでの人生に於いて一度も何処かに囚われた経験がない人なのだろう。
「どこにも行けない」「出られない」恐怖は、自らが経験してみないとわからないものなのかもしれない。

昔、一度だけエレベーターの中にたった一人で閉じ込められたことがある。
降下の途中でいきなりがくん、と箱が止まり、緊急ボタンを押してもだれも応答してくれない。
時間にして僅か20分程度ではあったが、その時の恐ろしさは今でも忘れられない。
「家の中から出す」ことと並んで、「押し入れや物置に閉じ込めて出さない」というのは子どものお仕置きとしても昔からよく行われている。
それほどに、「出られない」という状態は人にとって大変な恐怖なのだ。

表題作の「秋の牢獄」は、それに加えて「これからどうなるかわからない」という恐怖までが加味されている。
その象徴は「北風伯爵」という得体の知れない存在。
なんたって"北風"なのだ。
これが「春風伯爵」なら途端にメルヘンな世界になってしまい、希望に満ちた明日が約束されている気にもなるけれど、秋の次は冬が待っているわけだから、抜け出した後もどうなるかわからないといった絶望をも予感させる。だからこそ恐ろしい。
けれど。
私も主人公と同様、未来を信じたい。
歌にもあるじゃないか。
明日という字は明るい日と書くのだよ。

2つ目のお話は「神家没落」。
「迷い家伝説」は色々あるが、どのパターンに於いても、通常、神の家である迷い家は一度訪れた後は同じ者には二度と見つけることはできない。
しかし、この物語では主人公はこの「迷い家」に囚われてしまう。
そこで彼はいつしかまったりスローライフを満喫することとなるのだが、その彼が「この人なら」と後を継がせた人物は実は…。

その住処を神の家にするも鬼の棲家に変えてしまうも、住む者次第ということか。
非常に示唆に富んだ深いお話だった。

最後は「幻は夜に成長する」。
囚われの超能力者は心の裡に魔物を育てていた。
体は蹂躙できても心までは縛ることはできない。
物語のその後を想像してわくわくする。
これは是非長編でじっくり読んでみたい。

それにしても、恒川光太郎の描く世界は、何故こんなにもはかなく美しいのか。
しんとした静謐さと、ひんやりと張り詰めた空気。
心の中の小さな炎が微風に揺らめく。
その危うい焦燥感が何故か心地よい。

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電子書籍秋の牢獄

2019/08/13 11:47

恒川作品の異色作

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ワシ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「秋の牢獄」「神家没落」「幻は夜に成長する」
三篇の中編で構成されている。

読後感は純然たるホラーでも怪異譚でもないのに、捉えどころがなく寒々しく薄気味の悪さも残る。
異世界・異能を思わせるファンタジーの気配は強いのだが、それを以て"ホラー文庫"に分類されている点に少し違和感を覚える。
恒川作品には閉じた世界・完結した世界が先に存在しているという筋が多い。
そこへ人物がどう迷い込んだか、脱出を試みたか、その”道程”そのものがお話である事も多い。

反対に本作では世界が閉じられてしまう。
脱出を諦める、安らぎを見出す、服従し夜伽に身を委ねる。
珍しく世界の理に従順で、一時をそれで過ごし了としする人物達。
他作ではなかなかお目にかかれない行動様式でもあるのだが…。

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紙の本秋の牢獄

2014/10/13 01:23

この方の作品が好きで、読みました。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る

この方の作品が好きで、読みました。
牢獄をテーマにした短編集。読後感はいまいちでしたが、相変わらず表現がうまいです。

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電子書籍秋の牢獄

2015/03/26 08:58

秋の牢獄ツアー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る

表題作のみ読了。秋の牢獄ツアー楽しめました。1つの本を多くの人で共有しそして明日を待つ。北風男爵が現れたリプレイヤーにはこの11/7という日に未練を感じるだろうか。永遠と来ないと分かっているからこその今日だと思う。特別なにかあったわけじゃないけど、なかなかよかったよ。ばいばい11/7。

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電子書籍秋の牢獄

2017/07/28 05:56

クレメル鯰

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:クレメル鯰 - この投稿者のレビュー一覧を見る

日常ファンタジーに触れる機会という事がなかったのですが、とても興味深く拝読しました。
最後の『幻は夜に成長する』はダークファンタジーめいていて、個人的に好きでした。

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