墓場鬼太郎 みんなのレビュー
- 著者:水木 しげる
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紙の本墓場鬼太郎 3
2015/12/24 21:05
ニセ鬼太郎死す!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
調布市に肥溜めがあり、多摩川の上流には蛇ヶ島という奇怪な島があるという設定に違和感のなかった時代の話です。本巻は水神様との対決がメインストーリーでした。
ゲゲゲの鬼太郎シリーズを彷彿とさせる、おどろおどろしくもダイナミックな展開で、面白かったです。ただ水神様と鬼太郎との闘いというよりも、鬼太郎が水神様を挑発した挙句に命を狙われるという自業自得の防戦一方で、結局は人狼が水神様を退治するという展開です。
本巻での鬼太郎も、金儲けに励んだり、他の妖怪を脅したり騙したりと、正義感とは全く無縁です。一方、目玉おやじとねずみ男は、イメージどおりのキャラが既に出来上がっています。
本巻では、フランク永井に続き、美空ひばりや坂本九をモデルとした人物が登場しますが、両者に対するきついブラックジョークは、当時、良く許されたなあと思いました。単に、世間に影響力にない無名の漫画だったということかもしれません。
また第2巻での猫娘同様、主要人物であるニセ鬼太郎は、あっけなく死にますが、水木氏のキャラへのこだわりの無さも凄いと思いました。
紙の本墓場鬼太郎 5
2015/12/30 11:28
東京オリンピックは土建屋と旅館のため!
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
本巻も1話完結。
第一話は、おかしな奴(仙人)が死者に憑りついて、永遠に生き永らえるという話。プロローグとして鬼太郎誕生譚を復習した後に、この怪奇事件に挑みます。事件解決の依頼を受け、動き始めるあたりは、「ゲゲゲのポスト」の原型となる話ですが、相応の報酬は受け取るスタイルです。なお、鬼太郎ハウスは調布市布田にあるようです。
第二話は、妖気発射装置を操り、世界をお化けの国にしようと目論むガモツ氏の話。水木先生家族が鬼太郎と同居し、ねずみ男や一つ目小僧や唐傘小僧が花子(娘)と遊ぶ等、ファンタジーの要素も入っていて面白かったです。また東京オリンピックは土建屋と旅館のためと批判するくだりもあり、当時そうした声があったことに驚きました。鬼太郎は煙草も吸いますし、恋煩いで冷静な判断ができません。結局、目玉おやじの活躍で、ガモツ氏の目論みは阻止されたのでした。
紙の本墓場鬼太郎 2
2015/12/22 20:48
猫娘とトランク永井
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
本巻ではメインキャストとして猫娘(寝子)が登場。ゲゲゲの鬼太郎シリーズの猫娘とは随分イメージが異なり、イエス・キリスト並の寛容心を持ち、傷つきやすく優しい半妖怪です。可哀想な顛末ですが、今後は登場しないのでしょうか?また、ねずみ男により吸血木となる「トランク永井」には笑ってしまいました(フランク永井氏には了解を取ったのでしょうか?)。さらに、ニセ鬼太郎も登場し、奇想天外なストーリー展開に熱を帯びてきました。
それにしても、鬼太郎は失恋したり人間(ビート族)から100万円を奪ったりと、正義の味方からは遠い存在で、小悪党のねずみ男に主導権を握られっぱなしです。
その他に、チョイ役で塗壁・砂かけ婆・児啼爺と、お馴染みの妖怪も登場します。また、目玉おやじが茶碗風呂に入るシーンがあったり、鬼太郎のチャンチャンコの由来も分かるので、鬼太郎ファンは必読です。
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