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電子書籍

山田風太郎ミステリー傑作選 みんなのレビュー

  • 山田風太郎 (著)
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みんなのレビュー12件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (7件)
  • 星 4 (4件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
12 件中 1 件~ 12 件を表示

紙の本夜よりほかに聴くものもなし

2007/04/27 18:42

あんたら,これを読まずに死ぬつもりか,可哀想に(笑)

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 冒頭「鬼さんこちら」から早速ぶっとぶ。ある雨の日,会社員の男が帰宅すると共働きの妻の会社の男が2人。今日の午後,社員の給料230万円(昭和30年代の小説だからね)を銀行におろしにいったまま,奥さんが戻ってこない,と告げられる。妻は持ち逃げの犯人なのか,はたまた誰かに襲われたのか? 翌朝,川原で妻の遺留品が発見されるが死体はあがらず,事件は迷宮入り。ところが夫はその後,妻かも知れぬ死体が発見されるたびにその確認に狩り出される羽目になる。しかもそれがことごとく彼のめでたい日に重なるのだ。新しい恋人とのデートの日,新婚旅行の日,自宅の新築祝いの日,そして新妻の出産の日。現実にはなかろうが確率的にあり得ないとは言えぬこの偶然。そしてついに夫の精神の均衡が崩れる……。
 ね,面白そうでしょ? こんな……解説で辻真先が言う通り,まさに「底なし井戸を覗き込むような人生の不気味さ」溢れる風太郎ワールド。なかでも出色は掉尾を飾る表題作「夜よりほかに聴くものもなし」。老境にさしかかった刑事が遭遇した「奇妙な事件簿」といった風情の連作だが,特に第9話「敵討ち」なんて「これがほんまに昭和37年の作品かいな」と思うほど,まるで2006年のニッポンの戯画である。大傑作,ミステリファンならずとも一読の価値はあります。つうか,あんたら,これ読まずに死ぬつもりか,可哀想に(笑)。

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紙の本男性週期律

2007/04/30 17:10

「ゴジラ」のパロディ「男性滅亡」に脱帽

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 山田風太郎ミステリー傑作選7〈セックス&ナンセンス篇〉。「セックスというのは滑稽なもんだ」という著者の認識を色濃く反映した奇談の数々……これ,どこがミステリー傑作選やねん,というツッコミは置くとして,複数の作品が「人が増え過ぎてこのままではニッポンはパンクしてしまう」という今とは全く逆の人口問題を背景に描かれていることに感慨を禁じ得ない。
 表題作「男性週期律」(正しくは「周期律」かも知れぬが原題はこう。オレの誤字ぢゃないので念のため)もその一編。由々しき人口増加問題を憂いた医学生有志が「女性の月経と同様,男性にも繁殖本能に関わる循環があるはず」という仮説の元,完全禁欲生活を行って夢精の記録をとりその週期を明らかにせんとする実験を始める。ところが彼らそれぞれに抜き差しならぬ……いや抜き差しせねばならぬ(ちょっとロコツですか?)事情が出来し……という顛末。
 同じテーマのあと2本「自動射精機」,「満員島」もなかなかの怪作だか,マイ・フェバリットはどう考えても「ゴジラ」のパロディである「男性滅亡」。ビキニ環礁に赴いたニッポンの漁業調査船の乗組員が,核の影響で突然変異した「原子虱」を持ち帰ってしまう。この虱,大きさは10ミクロンから20ミクロンのスピロヘータ並ながら多大な放射能を帯びており,感染しても命には別状ないが,睾丸に潰瘍を起こして最終的にはタマが落ちる。このままでは早晩ニッポンの男はみんなタマなしになる。文字通りタマなしの男に代わって政権を握った女性内閣は祖国存亡のために未感染の男性の性欲管理に乗り出すのだが……。これもう抱腹絶倒奇々怪々,読まずに死ぬのはもったいない大傑作ですぞ。

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紙の本棺の中の悦楽

2007/04/27 18:45

しかしこれは「面白さ」ぢゃない「怖いもの見たさ」というべきだろうか

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 山田風太郎ミステリー傑作選4〈悽愴篇〉。この巻にはワタシが山田風太郎にハマッたきっかけである「わが愛しの妻よ」が収録されているのだが(確かにあの話は悽愴陰惨無情の極みである),今回初めて読んだなかで衝撃的だったのは書名にとりあげられている「棺の中の悦楽」。主人公は自分が学生時代に家庭教師をした美少女に恋い焦がれながら何も出来ずに彼女の結婚式に出席した30男。当の娘は何も知らないが,彼にはこの娘のために人を殺した過去がある。しかもその殺人の目撃者が世に知られた公金横領犯で,「殺人について口をつぐんでやる代わり,オレが刑期を終えて出てくるまでの間これを保管しておけ」と言われて安アパートの押し入れに1、500万円(昭和36年の1、500万だからね)入りのトランクを隠し持っているのだ。
 男がその殺人の露見を恐れたのは,自分の罪よりその殺人の理由が明るみに出ることで愛する少女が傷つくからだった。ところが彼女は何も知らぬまま大金持ちの令息と結婚してしまい,取り残された彼は彼女に捧げた自分の半生が突然ばからしくなる。横領犯が出所するまであと3年,その3年の間に1、500万を使い切って死んでしまえば済むことではないか,と意を決した彼は,その金を使って思うさま女を弄ぼうと誓う。それは彼の純なる思いを知りもせず,嫁に行ったあの少女への屈折した復讐であった,のだが……。
 一度読みはじめたら最後,終幕まで本を置くこと能わざるほどの……しかしこれは「面白さ」ぢゃない「怖いもの見たさ」というべきだろうか。とにかくこれだけは言っておこう。ラストの1行を読んだ瞬間,あなたの足下で地獄の門が口を開けます。

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紙の本十三角関係

2007/04/18 15:29

全ての権威,全ての栄光,全ての正義を信じない,山田風太郎ニヒリズムの極致

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

この作家が産み出した唯一の名探偵,新宿のオンボロアパート・チンプン館を根城としている酔っ払いの堕胎医・荊木歓喜が活躍する長短編8本。最初の数編こそ探偵役を固定したことがある種着想の足かせになっている風を感じるものの,その探偵役・荊木歓喜自身の過去が事件に絡む中編「帰去来殺人事件」,そして横溝正史もあっと驚く血と愛憎の表題作「十三角関係」の見事さはどうよ。特に「十三角関係」は,全ての権威,全ての栄光,全ての正義を信じない,山田風太郎ニヒリズムの極致と言っていい傑作である。

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紙の本眼中の悪魔

2007/04/13 17:25

人よ,「誰にも出来る殺人」の暗黒に戦慄せよ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 山田風太郎ミステリー傑作選の1,やっぱり風太郎先生天才だよなぁ(しみじみ)。「小説の語り手」という実は奇妙とも言える存在に着目して構築された「笛を吹く犯罪」や「死者の呼び声」などは昭和20年代に書かれたものでありながら,やがて出現する筒井康隆のメタ小説への胎動とも受け取れるし,ドイルのホームズシリーズのパスティーシュ「黄色い下宿人」,探偵役としてアルセーヌ・ルパンを登場させる「司祭館の殺人」にはのちの忍法帖や明治ものに通じる遊び心が感じられる。
 そして何と言っても我がご幼少のみぎり……でもないか,中学生のころ,傑作短編「わが愛しの妻よ」と共に読んで一夜にして風太郎ファンになってしまった傑作連作「誰にも出来る殺人」である。便所と炊事場が共同のボロアパート「人間荘」の12号室,その押し入れの奥の隙間に隠された黒いノートに記された哀れかつ醜い人間たちの記録。第1の間借り人は「錯覚」から殺人を犯し,第2の間借り人は「出来心」からそれを行う。第3の間借り人,第4の間借り人……。犯罪は連鎖のごとく続くのだが……。ああ,もしあなたが将来この小説を読むことがあったら,今,超人的克己心を持ってこの先の展開を記すのを思いとどまったワタシにきっと感謝することでありましょう。

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紙の本笑う肉仮面

2002/01/28 21:59

少年探偵団を読むなつかしさ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:fu  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 山田風太郎の大ファンだったわたしですが、まさかこんな少年向けの作品をたくさん発表しているとは、知りませんでした。まるで「怪人二十面相」を読んでいるような、どこかほのぼのしたレトロな悪役と、勇気ある少年探偵が戦う、という、胸おどる短編集です。わたしがいちばん好きなのは、表題作。顔におそるべき手術をされた少年が、さまざまな困難に立ち向かい、やがておそるべき殺人事件にまきこまれつつも、知恵と勇気で悪人にいどむ、という、まさしく「怪人二十面相」の世界です。なつかしもの好きな人におすすめ。

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紙の本眼中の悪魔

2001/10/30 20:56

最高のコストパフォーマンス

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Lady - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ちょっと高いな、と、買うのをしぶっていたのですが、思いきって買って、読んで、大満足! 文庫3冊を合本にした、というボリュームと読みごたえで、とてもお買得な気分でした。レトロな雰囲気と、作者らしい背徳の世界があいまって、横溝正史作品を思い出しました。ホームズもののパスティーシュまであって、バラエティにとんだ短編集です。この本はミステリー傑作選の第1巻めですが、読後、すぐにでも10巻全部をそろえたくなりました。

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紙の本達磨峠の事件

2007/08/31 11:43

当時よりむしろ今の気分にマッチするような「下山総裁」は必読

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

山田風太郎ミステリ傑作選10〈補遺篇〉。「補遺篇」とあるとおり,これまでの9巻それぞれのテーマに入らない(かどうかは意見の分かれるところだが)ものや,それら刊行後に発見されたもの(発行順ではこれが9冊目で,第8巻である「怪談部屋」が最後だったらしいが)などを収めている。そんなわけで一冊の本としてはまとまりがイマイチだが,逆に「こんなものも書いていたのか」という新鮮な驚きも味わえるというわけ。

 オレが面白いと思ったのは昭和24年に起きた下山事件(当時の国鉄総裁・下山定則が出勤途中に失踪し,15時間後に轢死体となって発見された事件)に材を採った「下山総裁」。松本清張のそれのようにGHQの謀略だとかそうした「社会派」的な視点ではなく,この事件の端々に見える不自然な点がどのような事情,いかなるトリックによって現出したかをパズルのように解き,そこに体制にも反体制にもただ一個の駒として使われ捨てられる男の悲惨を重ねてみせた一篇で,発表された昭和25年よりもむしろ今現在,平成19年の「気分」にフィットするような気がする。その他,ショートショート「しゃべる男」「雲南」などの怪作も累々。

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紙の本怪談部屋

2007/07/19 11:39

筒井康隆以前にこんな小説があったのか

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

全10巻中の第8巻ながら,一番最後の刊行になったものらしく,風太郎作品としてはもっともその数が少ない(忍法帖を除けばだろ,という意見もあるが)「ホラー・SF」に類する作品を集め,それにこれまでの9冊に漏れたものを加えたた一冊。なので本一冊のトーンとしては統一感がなく,なんというかあっちゃこっちゃの印象。日下三蔵氏による解題に収録されている山田翁自身の言葉に「怪談がもっともむずかしい」とあるが,まさしくその通りで,心底ホラー好きのオレとしてはちと食い足りぬ作も。
 その代わりと言ったらなんだがSFというかはちゃめちゃというかジャンル分けのむずかしい数編がとてつもなく素晴らしい。故中島らもさんが「このミス2002年版」で読みもせずに(死ぬ前に読んだのだろうか)題名だけでナンバーワンと断じた「うんこ殺人」。1956年に書かれた抱腹ものの未来予測「1999年」。放射能による人類突然変異のありさまを描いた「二十世紀ノア」……。
 そして何と言っても素晴らしいのは筒井康隆(1960年デビュー)以前にこんなものを書いていた人がいたのかぁ,と感服してしまう1958年の「臨時ニュースを申し上げます」。……「臨時ニュースを申し上げます,本日午後8時32分,モスクワ時間で午後2時32分,国籍不明機がモスクワに水爆を投下いたしました」というニュースを最後に停電となり,おまけに嵐で橋が落ちてすっかり外界の情報が遮断されてしまった温泉町(当時まだトランジスタラジオは一般的ではない)。講演会の流れでここに逗留中の評論家2人が村人たちと,僅かな情報や噂に一喜一憂右顧左眄するドタバタの極致。いやこれは大傑作。
 上にも書いたように正直全ての作品が傑作とは言わぬ(そのせいか今まで読んだ7巻より時間もかかってしまった)。が,「臨時ニュース……」のような大傑作もあるし,前述のように山田翁自身が「怪談」について述べた一文も読める。いや実際,この文章だけでもお金払って精読する価値があります。あると思います私は。

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紙の本天国荘奇譚

2007/04/30 17:07

収録作品「ダニ図鑑」のリアリティに鳥肌

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 山田風太郎ミステリ傑作選6〈ユーモア篇〉。ユーモア篇とヒトクチに言うが収録作品の毛色は二色。作者の旧制高校時代が色濃く反映していると思しきスラップスティック的な表題作「天国荘奇譚」とこれを戦後版に換骨奪胎した「青春探偵団」は栗本薫の初期の青春ミステリみたいな(あれよりはかなりグランジではあるが)陽性のテイスト。
 この2篇に挟まれて収録された5本の短編は,ユーモアと言えばユーモアだが,読み手によっては凄惨と受け取られる可能性もあろうとことんブラックな出来である。なかでもオレのフェバリットは刻苦勉励の末に成功した善人の町工場主が一族縁者有象無象に食い物にされる短編「ダニ図鑑」。子供どころか結婚もしてないオレさえ想像して鳥肌が立つようなこのリアリティ,ニートの息子とかを抱えてる人にはたまらんだろうなぁ。

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紙の本戦艦陸奥

2007/04/27 18:49

ここに描かれているのは,外国のミステリにも類のない,とてつもなく独創的な殺人方法である

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 山田風太郎ミステリー傑作選5〈戦争篇〉。昭和18年,秘密停泊中の瀬戸内海柱島沖で謎の爆沈を遂げた戦艦・陸奥。その事件の真相を一組の男女の愛憎劇として描いた表題作ほか,戦争をテーマにした作品ばかり11篇。山田風太郎独特の言わば「絶望的な人間観」がその戦争体験によって培われたことがよく判る。戦争そのものを描いた中では船が撃沈され南の島に取り残された兵隊たちがたった1人の女性を巡って修羅の地獄絵を繰り広げる「裸の島」,逆に同じ境遇に陥った看護婦と従軍慰安婦たち12人が3人の兵隊を取りあう「女の島」,そして敗残の日本兵が飢餓の島ガタルカナルの山中に黄金郷を発見する「魔島」の3篇がその嚆矢か。
 しかしやはり出色は終戦後なお深くこの社会に刻みつけられた戦争のツメ跡を描いた「太陽黒点」であろう。若い男女の恋愛から始まるこの小説は「死刑執行・1年前」,「死刑執行・11ヶ月前」,「死刑執行・10ヶ月前」と章のタイトルで不気味に時を刻みながら,まるでミステリーではないような若い男女の恋愛劇を描いていく。ところが最後の「死刑執行当日」になって世界はひっくり返り……。いや,オレの筆ではこの小説の不気味さは伝わるまい。巻末の解題で日下三蔵氏が引用している宅和宏の一文をオレも使わせてもらおう。曰く「ここに描かれているのは,外国のミステリにも類のない(いや,あるのかもしれないが,寡聞にして知らない),とてつもなく独創的な殺人方法である」。そうなんですよ,もう実にそうなんです,ええ。

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紙の本笑う肉仮面

2007/07/19 11:41

江戸川乱歩の少年探偵シリーズのような雰囲気が楽しい

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

山田風太郎ミステリ傑作選9〈少年篇〉。その名の通り昭和20〜30年代に少年少女向け雑誌に掲載されたジュブナイルを集めたもの。のちに……逆もあるのかな? 大人向けの小説に書き直されて発表されたものもあるが,オレが子供の頃に夢中になった江戸川乱歩の少年探偵シリーズのような雰囲気が楽しい。つか当時は既に大衆小説誌で名を成した山田風太郎クラスの書き手が「少年」とか「中学時代」とかの本にこんな小説を書いていたんだね。他の作家のこういうものも読んでみたい。
 マイ・フェバリットは「暗黒迷宮党」。警察の捜査では迷宮入りした事件の真相を闇のルートで調べ上げ,それをネタにして犯人たちを脅迫,全国規模の犯罪組織を形成するというアイディアはさすが。物語は,父がこの党の一員であることを知ってしまった少年・勇吉がその一味にかどわかされ,覆面警官「警官X」(この辺のネーミングが微妙に時代を感じさせるよね)の助けを借りて脱出,と同時に組織の壊滅を成し遂げるという,血わき肉躍る冒険譚。また,前巻「怪談部屋」所収のSF「冬眠人間」の2種類のジュブナイル(「中学時代二年生版」と「少年クラブ版」,題名は同じだがストーリーは全然別もの)の読み比べも興味深い。

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