野球の国 みんなのレビュー
- 奥田英朗 (著)
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紙の本野球の国
2005/12/20 09:09
トホホでワンダフルな一人旅
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カワイルカ - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家のエッセイは小説とはまた別の楽しみがある。たいていは肩の力を抜いて書いているので、読むほうもリラックスできる。しかし、誰のエッセイでも良いというわけではないし、エッセイまで読みたいと思う作家は少ない。リラックスして読むからこそよっぽど相性のいい作家で、考え方や好み、そして文章が好きでなければ面白くないからだ。
奥田英朗はそういう条件にある数少ない作家の一人だ。文庫本のカバー裏には次のように書いてある。
「沖縄へ、四国へ、台湾へ。地方球場を訪ね、ファームの試合や消化試合をめぐるトホホでワンダフルな一人旅。」
プロ野球観戦の旅とはいっても、ほとんどがローカルの球場というところが奥田英朗らしい。「トホホでワンダフルな一人旅」のワンダフルはよいとしてもトホホというところが気になる。奥田英朗は今や押しも押されもしない人気作家であるが、こんなことを書いている。
「私はストレスに弱い男である。たぶん神経が細いのだ。ちょっとしたことでも深く落ち込み、立ち直るのに時間がかかる。
(中略)そして首から背中にかけて変調が出るようになった。重くて痛くて苦しいのである。」
またこうも書いている。
「……小説家はなりたくてなるものではない。それしか生きていく術のない人間がなるものだ。流れ着いた先の孤島なのだ。なんて、エラソーに。」
今をときめく直木賞作家にしてはずいぶんと弱気なことを書いている。流行作家であることは本人にとっては少しも嬉しいことではないらしい。奥田英朗の場合は、五年先まで仕事の予定が決まっているというから、ときには逃げ出したくなることもあるだろう。
旅に出たときの著者はいつも疲れ切っているので、旅先ではマッサージは欠かせないし、エッセイには心情吐露が多くなる。しかし、このエッセイにはジメジメした暗さはなくじつに楽しい読み物になっている。著者は自分自身をも笑いのネタにしてしまうサービス精神の持ち主なのである。
ワンダフルなのはもちろん観戦した野球について書いている部分だ。とくに台湾で観戦したダイエー対ホークスの試合は、読んでるだけで興奮してくる。試合は9回裏4対4からダイエー松中がホームランを放ち、ダイエーのサヨナラ勝ち。驚いたことに満員の観客(といっても約一万人だが、台湾で満員になるのはめずらしいのだ)のほとんどが残っており、ホーロー・インタビューの松中も興奮して声がうわずっている。こんなことは日本のプロ野球ではないぞ。
このエッセイには奥田英朗の好みや考え方がストレートに出ているのでファンにとってはたまらない。『最悪』や『空中ブランコ』で奥田ワールドにはまった人はもちろんだが、奥田作品を読んでない人にも楽しめるエッセイ集である。
紙の本野球の国
2012/08/17 14:07
野球に、映画にグルメにマッサージ!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大心苑 - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者が地方及び台湾へ野球(試合、キャンプ)を見に行って、合間に映画を見て、夜はグルメにマッサージということを綴った日記です。
最初の沖縄編では少々ぎこちなかった感じも読み進めていくうちに、馴染みます。
沖縄だろうが、四国だろうが、台湾だろうが、何処へ行っても基本的な行動パターンが全く同じです。笑えます。
日記の合間に日々思っていることや、心情、講釈等をポロッと吐露しますが言った後の照れ隠しもあり。
あとこの本が書かれたのは2002年シーズン前後だと思いますが、ココで登場するプロ野球選手のその後がどうなったのかが気になります。
懐かしい名前や、ついこの間トライアウトで聞いた名前が書かれているところにはプロ野球の厳しさを感じます。
野球の細かい話はあまり出てこないので野球好きでなくても楽しめます。
紙の本野球の国
2022/03/26 12:18
野球はいいな。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひでくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、独立リーグの試合を見に地方球場に行ったこともあり、久々に手に取りました。プロ野球愛を感じますが、どちらかというとマッサージと映画鑑賞がよく出ます。こんな旅行してみたい、野球見に行きたい気持ちになります。個人的には沖縄編、四国編、台湾編が面白いです。
紙の本野球の国
2017/10/22 05:59
球場を巡る
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドーム型の球場や人工芝のグラウンドでは味わうことができない魅力が詰まっています。一歩引いた眼で眺める観戦エッセイが良かったです。
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