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電子書籍

タリバン みんなのレビュー

  • 田中 宇
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みんなのレビュー12件

みんなの評価3.7

評価内訳

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12 件中 1 件~ 12 件を表示

紙の本タリバン

2002/09/13 19:24

頼りない参考書

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:消印所沢 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 急造本の感,強し.幾ばくかの現地取材を,概史.一般的な論評の引用などで水増し.タリバンそのものより,アフガンの概容や様子の記述が大半.
 概史などは他の文献の引用ではないかと思われるが,一切,参照文献を書いていないのは,姿勢として問題.
 ヘクマティアルを死亡したことにしているのも大減点.
 タリバン誕生神話を,何の疑問も挟まず,検証もせずに書き写しているのはどうか.

 「タリバンは都会を嫌っていた」というタリバン=ポルポト説.
「タリバンは金正日と同じ,『わざと嫌われよう』外交?」
 戦死より負傷を恐れるジハード精神.
 対ソ紛争の後方支援を担当していた,軍事ブローカー的な「リーダー」という存在.
 難民キャンプに残った男達が,地の利を利用して始めた密貿易トラック運送業が,後のトラック・マフィアに.
 パキスタンの国家収入の1割近くに相当する,密貿易による損失.
 アフガンから運ばれてくる麻薬を売り買いするマーケット.

 声を出さずに耐える,パシュトゥンの「躾」と,内戦が生んだ,その躾を失った難民キャンプ世代.
 タリバンが,破壊したカセット・テープで作った,見せしめのためのテープ玉.
「都市外では,タリバン兵の存在が疎らなので,規制の目も緩い」.
 したたかにタリバンの規制を逃れる知恵を絞るカブール市民.
 タリバンについて言葉を濁す,「タリバン支持」の難民村の長老.
 「ビンラディンの肖像画がある=ビンラディン支持」という見方を一笑に付される筆者.
 インターネットは「イスラームの教えに反する」と禁止するタリバン.

 女性解放政策をザヒル・シャーが行ったとしている誤り(実際は,王制下で実権を握っていたダウド首相の施策).
 CIAによる?ハク大統領暗殺(元パキスタン諜報機関ISIエージェントの暴露本を,素直に信じているように見えるのは問題あり).
 「ブルカ自体,女性差別」とする欧米の態度は文化的傲慢だとする見方はいいとして,タリバンによる女性迫害問題がブルカだけでないことに触れられていないミス.
「スティンガー・ミサイルの寿命を,アメリカはわざと短くしてから渡した」と言い切る筆者(ミサイルにもメンテナンスが必要なことを知らないのだろうか?).
「タリバンは周りの国に迷惑をかけている存在ではない」と記述する(テロリスト養成キャンプの存在を容認したり,イランとの間に戦争になりかけたりしているのだが?)など,筆者の不勉強が所々に目につく.

 買ってもいい.だが,これ一冊読んだだけでアフガン問題を理解したつもりになるのは危険.
【関心率44.75%:全ページ中,興味ある記述のあるページがどれだけ存在するかの割合.当方比】

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紙の本タリバン

2004/11/14 10:55

タリバンは悪か?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この種の書に共通している世界が全て悪としてとりあげているものはそうではないんだよという主張が展開されていた。
タリバンはアフガニスタンの自主独立の為に結成された組織であり、国際的に悪名が高くなるまではそういう活動をしていたと述べる。西欧諸国の誤解の中に女性の顔を覆うブルカについて述べている。ブルカは90%アフガン女性に受け入れられているにも係らず、西欧諸国は自分の物差しで当てはめ、女性蔑視であると決め付けている。
また、アメリカとビンラディンは、グローバリゼーションというコインの裏表であるという。上手い言い方だと思った。
私が名著だと思った「文明の衝突」に対して反論しているのが面白かった。ハンチントンは冷戦時は、ソ連を敵として徹底的に取り上げた。彼はアメリカの外に巨大な敵を作る事がアメリカに有利になると考えているというのである。ある面的を得た表現だと思う。
本書は優雅な中東社会のその歴史から紐解いてくれた。日本でもアメリカ一辺倒じゃ無く、世界的な歴史、過去を独自に判断し、その意志を決定して欲しいものである。

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紙の本タリバン

2004/01/13 02:18

ブルカ着用の強要は本当か?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:妹之山商店街 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 タリバン兵がブルカを着用していない女性に暴力をふるう。
アメリカの女性団体が女性差別だと声を上げた。
 しかし、パキスタンの難民キャンプで生まれ、パキスタンの神学校で
育った「戦争しか知らない子供達」であるパシュトンの息子達である
タリバン兵は、実は祖国で生活したことすらなかった。

もしアフガニスタンの農村で、見知らぬ女性に危害を加えたら、その
女性の親族による復讐を覚悟しなければならないという。
 故国を知らないタリバン兵は、そんな故郷の「常識」すら知らなかっ
たのだ。
 (まあ、もう既に故郷は、内戦で破壊し尽されていて、最早存在さえ
していないのだが…)

 ブルカは伝統的な上着であって、ブルカ自体を着たくないという女性
は一割しか!!いないという調査結果が出ているという。
 彼女達が嫌悪しているのは、たまたま何らかの理由でブルカを着て
いない女性に対して、タリバンが暴力をふるったり、投獄したりする
ことであるという。
 だから、アメリカの女性団体が、ブルカの存在自体が「女性差別」
であると主張しているが、こらはアフガニスタンの女性達にとっては、
民族衣装を否定されたことになるため、アフガニスタンの多くの女性達が
怒っているという。

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紙の本タリバン

2002/03/07 17:12

何が正しいのかを模索する判断材料に

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あかねぞらきち - この投稿者のレビュー一覧を見る

 米国テロについてはたくさんの意見があるはずだ。しかし、我々が受動的に受け取れる意見というのはそのうちの2,3個ぐらいしかないのかもしれない。だから、自分で耳を澄ませてみようと思った時に手始めに読んだ本がこれだった。本当の問題解決は今を見るだけでは始まらない。大きな意見だけ聞いているだけでもだめだということを実感した。自分自身でどれだけ情報を集め、自分の考え方を出すことが出来るのか、現地取材を元に順を追って解説したこの本はその助けになることだろう。

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紙の本タリバン

2001/12/13 23:42

ブルカを脱がない女性たち

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kosaka - この投稿者のレビュー一覧を見る

 アフガニスタン、アメリカ、パキスタン、ソ連の関係についての歴史や現状が書かれている。この本はニューヨークでおきた9/11のテロを踏まえるとともに、上記4国やもっと遡ったイギリス植民地時代からの歴史にも触れられている。アメリカはテロに対してビンラディンを主犯であると断定し彼を庇護しているタリバンに対して報復措置をとり崩壊させた。著者はこれをアメリカの都合であり価値観の押しつけと位置づけている。
 本書を読むことによって、アメリカがアフガニスタンに行った事実をそのまま直視して考える事と、アフガニスタンがこの状態に至った経緯を知る事ができる。タリバンが崩壊した今もブルカを脱がない女性たちがいるという事実は、それを人権侵害としていたアメリカが価値観を押しつけていた事を示しているのかもしれない。自由を尊重するといわれるアメリカがそこまでしてタリバンを崩壊させた理由はどこにあるのかを知る一助になる書物である。

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紙の本タリバン

2001/11/27 11:18

タリバンを通して見えてくる世界

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏野涼 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 アフガニスタン、そしてタリバンは世界を映す鏡ではないのか。世界史の結節点で注目されては忘れ去られ、大国の「グレート・ゲーム」に翻弄されては、国土の荒廃に苦しむアフガンの人たち。そんなアフガンを取り巻く現状を、著者自身の訪問記も交えながら、様々な視点に立って紹介したのが本書である。
 本書は著者がメールマガジン「田中宇の国際ニュース解説」で書いたものを元にまとめられたものであるが、アメリカでの大規模テロが起きる前に書かれているものだけに、熱に浮かれたようなマスコミ報道とは一線を画している。タリバンが登場した背景やアフガニスタンを取り巻く各国の思惑など非常に興味深く読むことができる。既存のマスコミ報道に物足りなさを感じる人はぜひ読んで欲しい。

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紙の本タリバン

2001/11/25 22:32

アメリカ陰謀史観の匂いがするものの……

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投稿者:谷池真太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 時事ものにありがちな薄っぺらな内容かと思えば、意外や意外、なかなかためになる話ばかり。第二次大戦後アフガニスタン事情をまとめた第一章「タリバンとオサマ・ビンラディンとアメリカ」はどことなくアメリカ陰謀史観の影が見えるが、アフガニスタンを取り巻く政治事情が簡素にまとめられている。この第一章だけでも読む価値あり。

 冷戦後、中央アジアの石油資源を狙うアメリカはその布石としてアフガニスタンに安定的政権の誕生を要請した。それがタリバンだったのだ。国内の統一を果たしたタリバンは欧米文化から見たら人権無視も甚だしいイスラム復古運動を展開するが、当初アメリカはそれに対して寛大であった。このへんのアメリカの対応は対サウジ政策に似ている。だが、アメリカに対して強烈な敵対意識をもつオサマ・ビンラディンがアフガニスタンに亡命してから、アメリカの態度は一変する。そして1998年のタンザニアアメリカ大使館爆破を経て、今回のニューヨーク大規模テロ、そして報復攻撃へと繋がるのだ。

 ただ、本書は複数の雑誌等で書いた原稿の寄せ集めらしく、同じ内容の記述が複数あるのには辟易する。時事ものとはいえ、もう少し手を入れてほしかった。それと、17ページの「イスラム教は政教分離を許さない宗教なので、聖職者といっても日本のお坊さんよりずっと政治的な人々だ。」というくだりはいただけない。イスラム教な対する無知が丸出しである。イスラム教は「政教分離を許さない」のではなく、政治と宗教が完全に一致した、世界で最も宗教らしい宗教なのだ。このイスラムの論理をアタマにたたき込んでおかないと、本書のようにすべての問題を政治力学的に片付けてしまいがちになる。目に見えるものだけを追ってしまうのは「ジャーナリスト」たちの悪い習性である。

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紙の本タリバン

2001/11/22 09:50

まずは正しい知識を持たねば

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投稿者:Snake Hole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 田中宇著の光文社新書。アフガン現地での取材を元に,タリバンの過去と現在を解説する。そもそもなぜイスラム原理主義のタリバンがアフガニスタンを「実効支配」するようになったのか,なぜアメリカは彼等にあれほど憎まれているのか,非常に分かりやすく書かれている。
 著者によれば,もともと準備していた原稿に,9月11日のあの事件を受けて大幅に加筆訂正を施したものらしいが,今の日本で今回の事件,現在の情勢に至った経緯を,これほどキチンと分析した読み物はないんぢゃなかろうか。
 アメリカの行っている攻撃を支持するにせよしないにせよ,自衛隊の派遣に賛成するにせよしないにせよ,インド,パキスタン,アフガニスタンそしてイラン,イラクといった,ここ20年ほどの間絶えず国際紛争の火種であった地域に関する正しい知識をまずは持つべきだろう。これらの国が大国列強の思惑のもと,いかに将棋のコマのように扱われて来たかを知れば,鼻の穴おっぴろげて「テロは絶対悪なんだからボクメツするんだ」とか言っている連中の底の浅さが知れようというもんである。値段も680円と手ごろだし,悪いこたぁ言わない,コイズミの写真集買うんだったらこっちにしなさい,絶対にためになるから。
 なお,田中さんは自分のサイト から,この関連を含めて時事問題を解説したニュースレターを無料配信している。こっちも小泉内閣メールマガジンとか,民主党のメールマガジンとかより100倍くらい読む価値があるぞ。

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紙の本タリバン

2002/02/27 09:35

アメリカ政府ナイズされすぎないために

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 共同通信社に勤務する、インターネットの「MSNジャーナル」を立ち上げたことでも著名な田中宇(たなかさかい)氏自身が取材して書いた国際関係の膨大な記事の中から、アフガニスタンやその周辺諸国の現在の情勢、現在に至るまでの歴史的展開(旧ソ連のアフガン侵攻とムジャヒディン、その後の内戦、難民の増加、密輸や麻薬栽培)、それに対するアメリカ政府など各外国政府の政策や軍事行動、現地の人たちとの実際の交流から見えてきたものなどに関する文章をまとめたものである。

 アハメド・ラシッド『タリバン』と内容が少なからずダブり、かつ前掲書の方が圧倒的に詳細だが、こちらは非常に平易かつコンパクトにまとめられている点がすばらしい。なお、後ろに掲げる著者のウェブサイト内で公開されているものが少なからず掲載されている。

 本文に掲載されている写真は、著者自身が現地で撮影したものである。斜めに傾いた、明らかに隠し撮りとわかる写真も数点。

 後ろの方には、アフガニスタン(のタリバンだけが敵だとアメリカは言っていたが)とアメリカ軍との戦争が始まる以前から出版され、一時ベストセラーになったアメリカを代表するタカ派・ハンチントン『文明の衝突』についての、歯に衣着せぬ、なんとも正確で残酷な書評が少しだけ掲載されている。

 とにかく、いくら同盟国だからと言ってアタマの中身をあまりアメリカ(政府)ナイズされすぎない方が良い。ニュースを受動的に消費するだけではなく、たまにはこのような、かけ値なしの「驚愕の真実」がいっぱい詰まった本を読んでみては。

 余談であるが、2001年9月11日の事件を「テロ」と見るのは、人口比にして全世界の10%に過ぎない。他の90%は圧倒的に「アメリカ政府への報復」と見る。先進国だけが「世界」なのでは間違ってもない。

 「田中宇の国際ニュース解説」
 国際ニュース解説記事のメール配信が受けられる。この本の内容も読むことができる。ハンチントン『文明の衝突』の内容や論理展開の粗雑さに対する指摘と疑問を提示した文章も読める。

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紙の本タリバン

2002/01/11 23:04

タリバンはテロ組織にあらず

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投稿者:#10 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は2001年9月の米国同時多発テロに応えるタイミングで同年10月に出版された。ただしテロ自体の詳細にはほとんど触れておらず、犯人とされるビンラディンやタリバン及びイスラム原理主義の歴史について、センセーショナリズムに走ることなく丁寧に解説している。米国の攻撃対象となったことでタリバン自体がテロ組織のように誤解されがちだが、ソ連撤退後の混乱したアフガニスタンを彼らがどのような理念で統一したのか、本書によって理解できると思う。
 筆者は元共同通信社で勤務したジャーナリストで、現在は個人で国際情勢に関するメールマガジン(http://tanakanews.com/)を配信している。非常に説得力のある内容なので併せてお勧めしたい。

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紙の本タリバン

2001/11/04 21:40

タリバンとオサマ・ビンラディン,アメリカの関係とは

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:格   - この投稿者のレビュー一覧を見る

 国際関係をずっとウォッチし続けてきた著者が,タリバンをめぐる関係を200ページ足らずの新書に短く要領よくまとめている.短時間に大雑把に関係を把握するのにいい本であると言える.もっとも精密に分かるわけではない.
 東と西の文化の衝突する場所というところからなのか,アフガニスタンの歴史は複雑を究めている.1989年のソ連撤退後のたった十数年ですら,紆余曲折が激しい.内戦を遂行するジャヘディン(聖戦士)達は7派に統合され,そのうちの最もパキスタンよりのヘクマティアル派を支持する.
 「タリバン」がコーランの言葉,アラブ語で「学生たち」を示すとは驚きである.彼らは,腐敗したムジャヘディンの内戦から祖国を解放しようとして運動を始めた神学校の若者たちと先生たちからなるのである.1994年決起のあと,1996年にカブールを落とし政権の座につく.ヘクマティアルも殺される.そして,タリバンにまたしても武器を供給したのはパキスタンであり,アメリカもまた裏で支援していたものと思われる.
 そしてビンラディンがアフガンに移ったのは1996年.ここから少しずつ対米テロが始まり,アメリカの対タリバンの姿勢も当然変わっていく.
 アフガニスタンの古くからの歴史も一応概観できるが,王朝の推移がきちんと記述されておらず残念.1893年のイギリスによるアフガニスタンの英領インドへの編入,『デュランライン』の話は驚き.要するに今のパキスタン西部とアフガニスタン東部は元々一つの国であり,同じパシュトン人が住んでいるというのだ.こんなところにもイギリスとアメリカを含めた複雑な関係の一端の原因があるのだ.

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紙の本タリバン

2001/11/30 22:16

アフガニスタンでの現地取材を元に「タリバン」という現象を解明する

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:藤崎康 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 膠着状態から一転、めまぐるしく変化するアフガニスタン情勢には、まったく目がはなせない。米軍による空爆開始から約1ヶ月後の11月13日、首都カブールが北部同盟によって制圧され、事実上タリバン政権は崩壊し、アフガンは政治的空白状態となった。そして、北部同盟によって約100人のタリバン兵が処刑され、またカブールに進攻した北部同盟による略奪が市場や銀行で起きているとのニュースも伝えられた。さらに、カンダハルが最後の拠点となったタリバン外人部隊とビンラディン率いるテロ組織アルカイダが、徹底抗戦の構えをみせており、米軍のカンダハル空爆もいよいよ激化しているという。さらにタリバンと同じパシュトウーン人の反タリバン部族同盟(タジク人、ウズベク人、ハザラ人からなる北部同盟とは対立する)が勢力を拡大しているという、「群雄割拠」状態も生まれている模様だ……。もっとも、これを書いているのが11月17日午前1時前後だから、まもなく状況は大きく変化するかもしれない。

 さて本書は、厳格なイスラム原理主義を掲げ、音楽や映画や女性の教育を厳しく禁ずるタリバン(神学生)政権が出現した歴史的背景を、現地取材を元に克明に解説した一冊であるが、米同時テロ以前、あるいはバーミヤンの巨大石仏爆破以前にはわれわれの多くが無関心であったタリバンやムジャヒディン(イスラム聖戦士・義勇兵)が、まさしく東西文明が衝突する地・アフガニスタンで生まれるべくして生まれたことが、本書を読むとよくわかる。

 たとえば著者は、中東のイスラム世界がオスマントルコまでの「過去の栄光」があったがゆえに、自分たちの文明のアイデンティティを簡単に捨てて西欧化することには大きな抵抗があったという点をわかりやすく説明しつつ、また西欧側もイスラムを脅威とみなし、いまだにトルコをEU(欧州連合)に入れようとしない点などを指摘する。そして、イスラム復興(原理主義)が、18世紀に聖地メッカを擁するアラビア半島で、ムハンマド・ワッハーブという宗教指導者によって唱導され、紆余曲折をへたのち、1979年のイランにおけるホメイニ師の「イスラム革命」へといたる経緯も、明快に解説する。さらに、イランのイスラム革命が「大悪魔」アメリカとイスラム復興運動との戦いだったのに対し、アフガニスタンにおけるソ連とムジャヒディン・ゲリラとの戦いは、宗教はアヘンだと考えて無神論を推進し、あらゆる宗教を弾圧した社会主義国ソ連と、イスラム復興運動との戦いだったのである、とし、その運動の中に十代のオサマ・ビンラディンもいたと、クリアな見取り図を描いてくれる。ちなみに、中公文庫の山内昌之『イスラームとアメリカ』も、アメリカに浸透するイスラムの「脅威」をスリリングに論じた貴重な一冊である。 (bk1ブックナビゲーター:藤崎康/現代文化論・映画批評 2001.12.01)

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