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下流社会 みんなのレビュー

  • 三浦展 (著)
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みんなのレビュー14件

みんなの評価3.1

評価内訳

3 件中 1 件~ 3 件を表示

学術論文というよりは単なる読み物

25人中、25人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:げん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 日本社会の二極化、階層化を前提に、その底辺層の特徴を論じたもの。下流社会というのは上流社会や中流社会と比較する上での造語で、著者である三浦によるもの。東京学芸大の山田による「希望格差社会」などのネーミングの妙に影響されたものだと思う。いわゆるウレセンを狙ったわけだ。マーケティングを専門とする著者らしい。
 ただ、内容には問題が多い。そう考える理由を以下にきちんと示す。
その1。上中下、それぞれの階層の男女にインタビューをしている下り。物凄く都合よくステレオタイプ(類型的)。こんなにうまく著者の勝手な分類に当てはまることが果たしてあるのか? 固有名詞がないので、全くの嘘や創作でも読者は見破れない。
その2。155-156頁の評論家・宮台真司を批判している下り。批判の根拠ともなっている文献が週刊新潮。いやはや・・・。
その3。例えば160頁の表5-2の数字。生活全般で大切にしていること、という質問に上流の人たちの64.3%が「個性、自分らしさ」と答えたとか。その母数たった12人というのもデータとしては信頼性がないが、その64.3%って? 何人? どうしてもきっちりした整数にならない。この表に載っている数字は中流も下流も皆そんな感じ。普通の読者なら読み飛ばすとでも思ったのか?
その4。例えば163頁の表5-4の数字。「個性を尊重した家族が理想の家族」と答えた割合は下流ほど多い、というのが著者の結論だ。数字を見てみよう。上流は16.7%が、下流は43.8%がそう答えており、確かに一見下流にその傾向が強いと考えてしまう。しかし、これは数字のトリックである。上流のサンプル数はわずか12人。すなわち、16.7%とはそのうちたった2人である。対して、下流のサンプル数は48人、はいと答えたのはそのうち21人だ。2/12と21/48との間に統計的有意差があるかどうかは、統計学のテクニックを使って検定をしてみなければはっきりしない。
 私が試みに通常用いられる過誤率5%で検定してみたところ、p値は0.08>0.05であった。つまり、この両者には統計的な有意差がない。言葉を変えれば、この結果からだけでは「個性を尊重した家族が理想の家族」と答えた割合が下流ほど多い、とは必ずしも言えない。サンプル数が少なくて、統計的に有意でないものもある、と著者自身も一応あとがきで断ってはいるものの、おそらくそれは本書の冒頭で述べておくべきことだろう。
 このように、信頼性に乏しい、いい加減なデータをどんどん出してきて各階層を比較していることも問題だが、一体その差がどこにあるのかという背景や理由については大した調査もせずに独断と偏見で結論づける。これは正しく三流ジャーナリズムの手法である。
 今まで散々この本を批判しては来たが、しかしこの本は間違いなく「買い」である。自分の思う方向に読者を引っ張っていくために、どのように数字やデータを用いればよいかということを他のどんな書物よりも楽しく教えてくれる(もっとうまくやってくれれば学術論文になるのだけれど)。因みにこの著者は三菱総研などを経て、民間のシンクタンク「カルチャースタディーズ研究所」を設立。現在は立教大学でも教鞭を執っている。

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人間いたるところ青山あり

15人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

私の書評タイトルをきちんと読めるだろうか。「あおやま」と読んだあなた、あなたは「下流だ」(笑

冗談はさておいて、本書の最大の問題点は「上」「中」「下」という序列を日本人に押し付け、みんな「上を目指せ」「上昇志向のない奴は下流だ」と、マーケッティング宜しく日本人に「消費を煽っている」ことだろう。隣が白黒テレビを買ったら私も白黒テレビを買う。隣がカラーテレビを買ったら、私もカラーテレビを買う。隣がカローラを買ったら私もカローラを買う。そして人間はカローラ、コロナ、マーク2、クラウンと買い替えることで人生の階段を上がっていく。くいう脅迫観念が日本人を追いたて、追い詰めていたのが「高度経済成長」時代だ。もし「上昇志向のない奴は下流だ」などというなら、戦前の日本人は「みんな下流」だった。貧乏人千人に金持ち一人、小学校卒千人に大卒一人だった戦前は、どこへいっても貧乏な小学校卒ばかりだったので安心して、小学校卒は大卒と自分を比べようとしなかった。貧乏人は金持ちと自分を比べようとしなかった。ともに互いを「別世界の住人」とみとめ、お互い知らん振りしていたので、かえって皆さん伸び伸びと暮らしていたとは、私の敬愛する山本夏彦さんの言葉である。低成長時代で上昇志向の虜になることは、辛いことである。いくら上を望んでも99%は失敗する。んなら今、目の前にある生活の中に幸せを見つけるのが「人間の知恵」である。

そもそも金持ちになったからと言って、飯が6杯くえるようになるわけではない。カネが出来て美味いものを食べるようになると、かえってモンクばかりが増えるようになる。昔は美味しく飲めたドトールやスターバックスの珈琲がまずくて飲めないようになる。ナニを食べても飲んでもまずいまずいと文句ばかり言う金持ちと、100円のマクドナルドの珈琲を「美味しい」とありがたがる貧乏人の一体どちらが「幸せ」なのか、私は立ち止まって考えてしまうのである。

三浦は100円ショップ生活を悪いことのように考える。しかし、アメリカに駐在した人がアメリカの素晴らしさとして指摘するのが、「アメリカにはカネを出せば幾らでも良いものが買える一方、貧乏な人でも安い価格でそれなりのものが買えてそれなりの生活が出来る。牛乳やパンなど基礎物資の価格がアメリカでは非常に安い」ということだった。日本では、国家がまるごと生産者によるカルテルで覆われているので、米を筆頭に、牛乳、パンが非常に高い。電気、ガス、水道などの公共料金、家賃がバカ高いので、最低限の生活をしようにも「ものすごくカネがかかる」貧乏人には非常に辛い国であったのだ。それが竹中小泉の善政のおかげでこの国を覆い尽くしていた「カルテル」が崩壊した。困窮した生産者たちは竹中小泉路線を「弱肉強食」などとあらぬレッテルを貼って誹謗中傷したが、これは競争力の無い生産者の話であって、新自由主義は消費者にとっては朗報以外のなにもんでもなかったんである。

要するに、高度経済成長時代のような「単一の価値観、単一の尺度」の息苦しい社会から、低成長時代の日本は「多様な価値観、多様な尺度」の伸び伸びした社会に移行していくのである。これを階級社会と言い換えることも出来るが、階級社会とは、分際さえわきまえていれば、非常に暮らしやすい社会でもあるのだ。ここは銘記しておかねばならない。

ここに気がつけるかどうかも諸君が「上流」であるか「下流」であるかの分れ目であるとだけ申しておこう(笑

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感想です

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:田舎の高卒女 - この投稿者のレビュー一覧を見る

上、中、下流の趣味にペットとDIYがありませんでしたけど。あと全員がピッタリと当てはまるとは限りませんし。介護老人や障害者を抱えた家庭は下の下でしょうか。低所得者が上流の真似をすれば上に上がれるのでしょうか。

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