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下流社会 みんなのレビュー

  • 三浦展 (著)
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みんなのレビュー14件

みんなの評価3.1

評価内訳

14 件中 1 件~ 14 件を表示

杜撰な世評論・世代論に過ぎない

27人中、27人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:共生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

杜撰さに立ち読みして驚いた。統計のサンプル数の少なさなどの問題点は他の評者も指摘しているが、上・下流と高みから選別してみせる著者の価値観にも問題がある。一例を挙げると、東急田園都市線、中でも横浜・川崎市で生まれ育つ事は上流意識の形成に良い影響を与えるなどど差別的な発言を弄していることだ。その根拠もインタビューで横浜・川崎在住の団塊ジュニアに自分の生活を上と答える比率が高かったことを挙げるといういい加減さ。しかし、実際の市区別の所得指数(全国平均100)を見てみると、横浜市137.2で全国33位、関東29位だ。川崎市の所得指数のデータは手元にないが、給与所得額から類推すると川崎市は3196千円で、東京23区最低の足立区3429千円(所得指数113.7を下回る。勿論、横浜市は人口350万人と全国最大の政令市だし、川崎市も人口は130万人と多いことに留意する必要はある。しかし、川崎市は人口がほぼ同じさいたま市の所得指数128.4より低い。他に埼玉や千葉にも川崎市を所得指数で上回る市は多く存在する。浦安市147.4、市川市137.1、和光市135.5、所沢市133.5、習志野市132.1
船橋市129.6、松戸市129.3、戸田市129.0等だ。東京23区の練馬区147(全国25位)豊島区149.820位、町田市145.2などが23区西部と多摩東部も高い傾向がある。このように所得指数などの具体的なデータを挙げず、思いつきと主観で地域ごとの上・中・下流地域を決めてしまうというマーケティングの専門家とは思えないミスを犯している。読むにも、評価するにも値しない代物といえよう。「これほどの著書を1年で書けるのは私をおいて他にいない」と豪語るが、これなど差別語について論じた評論家の呉智英氏や少年犯罪について論じた社会学者の宮台真司氏の著書の前書きからの、そのままの受け売りだ。神童・宮台や浅田彰、呉らがいうのなら兎も角、三浦にはこの言葉は似合わない。三浦の著書には至る所に宮台のルーマン社会学や「2ちゃんねる」などからの受け売りや影響が見て取れる。しかし、深遠な哲学とは無縁なマーケティングを生業としている者が価値観を語る処に私は危険性を感じる。反市場原理主義・格差拡大、社民主義の視点から三浦に反論を加える若き論客が現れることを願う。

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著者曰く、学問ではないらしい

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nepenthes - この投稿者のレビュー一覧を見る

「下流」という言葉を浸透させた(社会に新たな視点を与えた?)、そしてこの本で儲けたという時点で、著者の目的は達成されているのではないでしょうか。学問的・統計的に正しいかどうかは、問題ではないそうですので。

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学術論文というよりは単なる読み物

25人中、25人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:げん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 日本社会の二極化、階層化を前提に、その底辺層の特徴を論じたもの。下流社会というのは上流社会や中流社会と比較する上での造語で、著者である三浦によるもの。東京学芸大の山田による「希望格差社会」などのネーミングの妙に影響されたものだと思う。いわゆるウレセンを狙ったわけだ。マーケティングを専門とする著者らしい。
 ただ、内容には問題が多い。そう考える理由を以下にきちんと示す。
その1。上中下、それぞれの階層の男女にインタビューをしている下り。物凄く都合よくステレオタイプ(類型的)。こんなにうまく著者の勝手な分類に当てはまることが果たしてあるのか? 固有名詞がないので、全くの嘘や創作でも読者は見破れない。
その2。155-156頁の評論家・宮台真司を批判している下り。批判の根拠ともなっている文献が週刊新潮。いやはや・・・。
その3。例えば160頁の表5-2の数字。生活全般で大切にしていること、という質問に上流の人たちの64.3%が「個性、自分らしさ」と答えたとか。その母数たった12人というのもデータとしては信頼性がないが、その64.3%って? 何人? どうしてもきっちりした整数にならない。この表に載っている数字は中流も下流も皆そんな感じ。普通の読者なら読み飛ばすとでも思ったのか?
その4。例えば163頁の表5-4の数字。「個性を尊重した家族が理想の家族」と答えた割合は下流ほど多い、というのが著者の結論だ。数字を見てみよう。上流は16.7%が、下流は43.8%がそう答えており、確かに一見下流にその傾向が強いと考えてしまう。しかし、これは数字のトリックである。上流のサンプル数はわずか12人。すなわち、16.7%とはそのうちたった2人である。対して、下流のサンプル数は48人、はいと答えたのはそのうち21人だ。2/12と21/48との間に統計的有意差があるかどうかは、統計学のテクニックを使って検定をしてみなければはっきりしない。
 私が試みに通常用いられる過誤率5%で検定してみたところ、p値は0.08>0.05であった。つまり、この両者には統計的な有意差がない。言葉を変えれば、この結果からだけでは「個性を尊重した家族が理想の家族」と答えた割合が下流ほど多い、とは必ずしも言えない。サンプル数が少なくて、統計的に有意でないものもある、と著者自身も一応あとがきで断ってはいるものの、おそらくそれは本書の冒頭で述べておくべきことだろう。
 このように、信頼性に乏しい、いい加減なデータをどんどん出してきて各階層を比較していることも問題だが、一体その差がどこにあるのかという背景や理由については大した調査もせずに独断と偏見で結論づける。これは正しく三流ジャーナリズムの手法である。
 今まで散々この本を批判しては来たが、しかしこの本は間違いなく「買い」である。自分の思う方向に読者を引っ張っていくために、どのように数字やデータを用いればよいかということを他のどんな書物よりも楽しく教えてくれる(もっとうまくやってくれれば学術論文になるのだけれど)。因みにこの著者は三菱総研などを経て、民間のシンクタンク「カルチャースタディーズ研究所」を設立。現在は立教大学でも教鞭を執っている。

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人間いたるところ青山あり

15人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

私の書評タイトルをきちんと読めるだろうか。「あおやま」と読んだあなた、あなたは「下流だ」(笑

冗談はさておいて、本書の最大の問題点は「上」「中」「下」という序列を日本人に押し付け、みんな「上を目指せ」「上昇志向のない奴は下流だ」と、マーケッティング宜しく日本人に「消費を煽っている」ことだろう。隣が白黒テレビを買ったら私も白黒テレビを買う。隣がカラーテレビを買ったら、私もカラーテレビを買う。隣がカローラを買ったら私もカローラを買う。そして人間はカローラ、コロナ、マーク2、クラウンと買い替えることで人生の階段を上がっていく。くいう脅迫観念が日本人を追いたて、追い詰めていたのが「高度経済成長」時代だ。もし「上昇志向のない奴は下流だ」などというなら、戦前の日本人は「みんな下流」だった。貧乏人千人に金持ち一人、小学校卒千人に大卒一人だった戦前は、どこへいっても貧乏な小学校卒ばかりだったので安心して、小学校卒は大卒と自分を比べようとしなかった。貧乏人は金持ちと自分を比べようとしなかった。ともに互いを「別世界の住人」とみとめ、お互い知らん振りしていたので、かえって皆さん伸び伸びと暮らしていたとは、私の敬愛する山本夏彦さんの言葉である。低成長時代で上昇志向の虜になることは、辛いことである。いくら上を望んでも99%は失敗する。んなら今、目の前にある生活の中に幸せを見つけるのが「人間の知恵」である。

そもそも金持ちになったからと言って、飯が6杯くえるようになるわけではない。カネが出来て美味いものを食べるようになると、かえってモンクばかりが増えるようになる。昔は美味しく飲めたドトールやスターバックスの珈琲がまずくて飲めないようになる。ナニを食べても飲んでもまずいまずいと文句ばかり言う金持ちと、100円のマクドナルドの珈琲を「美味しい」とありがたがる貧乏人の一体どちらが「幸せ」なのか、私は立ち止まって考えてしまうのである。

三浦は100円ショップ生活を悪いことのように考える。しかし、アメリカに駐在した人がアメリカの素晴らしさとして指摘するのが、「アメリカにはカネを出せば幾らでも良いものが買える一方、貧乏な人でも安い価格でそれなりのものが買えてそれなりの生活が出来る。牛乳やパンなど基礎物資の価格がアメリカでは非常に安い」ということだった。日本では、国家がまるごと生産者によるカルテルで覆われているので、米を筆頭に、牛乳、パンが非常に高い。電気、ガス、水道などの公共料金、家賃がバカ高いので、最低限の生活をしようにも「ものすごくカネがかかる」貧乏人には非常に辛い国であったのだ。それが竹中小泉の善政のおかげでこの国を覆い尽くしていた「カルテル」が崩壊した。困窮した生産者たちは竹中小泉路線を「弱肉強食」などとあらぬレッテルを貼って誹謗中傷したが、これは競争力の無い生産者の話であって、新自由主義は消費者にとっては朗報以外のなにもんでもなかったんである。

要するに、高度経済成長時代のような「単一の価値観、単一の尺度」の息苦しい社会から、低成長時代の日本は「多様な価値観、多様な尺度」の伸び伸びした社会に移行していくのである。これを階級社会と言い換えることも出来るが、階級社会とは、分際さえわきまえていれば、非常に暮らしやすい社会でもあるのだ。ここは銘記しておかねばならない。

ここに気がつけるかどうかも諸君が「上流」であるか「下流」であるかの分れ目であるとだけ申しておこう(笑

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感想です

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:田舎の高卒女 - この投稿者のレビュー一覧を見る

上、中、下流の趣味にペットとDIYがありませんでしたけど。あと全員がピッタリと当てはまるとは限りませんし。介護老人や障害者を抱えた家庭は下の下でしょうか。低所得者が上流の真似をすれば上に上がれるのでしょうか。

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格差社会論のインフレ現象

14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:相如 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 このごろ格差社会論がインフレーションを起こしているが、この本はまさしくそうしたインフレーション現象の一つである。ほとんど学術専門書に近い佐藤俊樹『不平等社会日本』(中公新書)が出た5,6年ほど前は、こうした格差社会論は一部の知的な読書人だけに共有されていたに過ぎなかった。その頃はむしろ、「悪平等社会日本」の非効率性を不況の原因として非難する声のほうが依然として大きかった(そして現在ついに政府の公式見解にまでなった)。この短期間でここまで変わってしまうとは、一体どういうことなのだろうか。
 この本は全く面白くもないというわけではない(ので星二つである)が、内容的にはほとんど「大学生の卒論」と言うべきものである。散々批判されているので改めて批判はしないが、問題はこんな薄っぺらな内容でも売れてしまうような、格差社会論のインフレーション現象である。テレビや新聞で「格差」の文字を見ない日はないくらい、格差社会論はメディア市場で「超売れっ子」である。明らかに著者はそうした時流を見込んでこの本を書いたとしか思えない。さらさらっと軽い文体でアンケート結果や俗耳に入りやすい解釈が並んでいるだけで、そこには格差社会の現実に対する憤りや苦悩、葛藤の跡がほとんど感じられないのである。
 一つだけあげるとすれば、「自分らしさにこだわる人は下流」と言っているが、これはむしろ定職のない「下流」の人は今の自分の状態を「自分が好きだから」としか社会的に説明しようがないだけなのではないだろうか。定職があって結婚している人は「仕事だから」「家族のため」と答えるだろう。もちろんこの解釈が絶対的に正しいとは言わないが、こうした当たり前の想像力のようなものがこの本には決定的に欠けているのである。欠けているのは、格差社会に対する生の問題意識なしに、単なる流行現象として格差社会論を書いている証拠である。もちろん著者は問題意識を持って書いたつもりなのかもしれない。しかし、本当に問題意識があったら、Tシャツハンバーガーの男を見て「もしかしてこれが噂のニートか」といった、素人なら許せる感想文を専門家が真面目に書けるわけがないと思う。
 格差社会論の先駆者である佐藤俊樹は、かつての日本は文字通り格差がなかったわけでは必ずしもなく、あくまで「中流社会」への憧れや上昇志向を社会全体で共有し、「昔よりも豊かになっていく」高度成長がそうした「中流社会」を演出可能にしてきた、という趣旨のことを確か論じていたように思う。そうだとすると「格差社会」も単なる現実と言うだけではなく、それ以上に人々の社会に対する一つのイメージであり、そのイメージが「格差」の現実を作り出していくという可能性を、少なくともベストセラーを書くような専門家たる者が忘れてはならないだろう。「やばいぞ、こんなにも格差が!」という類の本はこの辺りで打ち止めにし、格差社会における社会的な安心や秩序とがいかに可能かという方向に、議論をそろそろ持っていく必要があると考える。そうしないと、著者の意図いかんに関わらず、人々の間に「下流は嫌だ!」みたいな誤ったモチベーションを結果的に高めてしまうだけである。

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この本がベストセラーになったということだけは、記憶にとどめておかなければいけない

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る

発行が2005年9月とありますから、もう2年たとうとしているわけです。あれだけ実書店で沢山平積みにされていたり、ネット書店でもベストセラーをキープしていたのが嘘のようです。
だいたいベストセラーなんて胡散臭そうで、いつも手にしないことにしているのですが、自分の興味・関心分野と近いものもあるので、この『下流社会』はいつか自分の目でその胡散臭さを確かめておかなければいけないとは思っていました。
すでに、多くの書評などで内容についてはある程度理解もし、実書店で斜め読みもしていたのですが、今回改めて読んでみてやはり「こんなもんか」という印象を持ちました。
今更私が繰り返すこともないのでしょうが、気づいたことをいくつか。
この本の論旨のもととなっている3つの調査はどれも対象が1都3県在住者であること。要は首都圏で生活している人たちだけの話を、日本全国の話にすげ替えているわけです。情報化社会で情報が均一化しているとも言われている時代なので、首都圏生活者を日本人の代表としても構わないと思っているのでしょうが、それこそ恣意的な論旨で根拠も何もないということは一目瞭然でしょう。
さらにこの3つの調査が主に消費動向に注目しているものであるということ。人間の活動の中で消費行動は確かに大切なものでしょうが、だからと言ってそれですべてを語ることができるほど人間は単純ではありません。
そして、ここで取り上げられている消費動向も、実は被調査者の自己評価あるいは評価とも言いにくい自分に対する気分しか見ていないというものであること。「上流」「中流」「下流」という位置づけも、本人が自覚している評価であって、あまり客観的な指標ではないようです。そもそも消費行動しか見ていない上に、その行動自体も主観的な評価に基づいていてるのでは、単に「私はあれが欲しい」「これなら買える」「こんなのがもっといいんだけれど」といった欲求を尋ねているだけということになります。
まあこの本の著者はもともとマーケティングリサーチを仕事としている人ですから、そういう目で見た今の世の中という程度のものだと思っておけばいいのでしょうが。
それよりも考えなければいけないことは、このような本がベストセラーになってしまう、もっと言えば『下流社会』というタイトルの本が売れてしまうというこの世の中って一体何だろうということではないでしょうか。実際にどうなのかは別としても、「下流社会」と言われて「ああそうだよね。そんな感じだよね」とか「やっぱり下流になっていくのか」と思わせるような今の世の中であり、そう感じさせる社会背景があるのでしょう。そこをうまく説明してくれるものこそ、私たちにとって必要なものであるように思えます。

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図表によって客観的なフリをしている?!

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者が設立したカルチャースタディーズ研究所が企画した 3 つの統計調査の結果を再利用して「階層格差」を追究している.団塊ジュニアが「下流化」しているとし,所得がひくいだけでなく意欲や能力がひくいのが「下流」だとしている.サンプル数がすくないことを著者も気にしているが,この結果がみちびかれたのはそのためではなくて,著者が統計数値に大胆な解釈をくわえているからだろう.話としてはおもしろいし,あたっているところもあるだろうが,ダマされないようにする必要もあるだろう.

本書には統計数値の表やグラフが多数のせられているが,そのためによみにくくなっているのは否定できない.どうせ大胆な解釈をくわえるのであれば,表やグラフを多数のせて客観的なフリをする必要もなかったのではないだろうか.写真についてもそれとキャプションがあっているかどうかは疑問である.

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マーケティングの視点から

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽむ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 とりあえず読んでみようと思ってさっと読み。
 読み物としては面白いんじゃないかな。
 ときどき日々接している現実を鋭く突くフレーズがあってドキッとする。
 その反面そういう類型化ってないんじゃないの?と思うところも多々あり。
 私はあえて分類するなら”普通のOL”系と”かまやつ女”系の間らしいけど。
 ギャル系の女の子のインタビューは笑ったなぁ。
 でも背景にあるのはそれだけじゃあないんだよって反論したくなる。
 この人、自分の狙ったように照明を当てるのがうまいんだ。

 …けっこう私、”下流度チェック”あてはまるんだよねぇ。

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ずっとフリーターでいても大丈夫な社会

5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「下流社会」の続編である。新たに実施したアンケート調査結果をもとに職業別、雇用形態別に下流意識を検証している。調査対象は主に20~40代である。膨大な図表を駆使して分析結果を披露している。それだけに考察が薄くなっている感は否めない。
 衆院選挙における投票行動やナショナリズム意識なども調査し、層別に価値観を比較している。政治的な意識や行動などのギャップが明らかにされている。
 検証結果として「はじめに」では「現代社会における最大の価値は個人の自由」だと著者は再認識している。多様な価値観を持つ時代。自由の価値を重視するということは、言い換えればそれだけ不自由と感じている人が多いということになる。
 第3章では「雇用が不安定な人、所得の低い人が、必ずしも政治に強い不満を持っていない」と書いている。これは無関心を意味するのか、諦めを意味するのか。行き過ぎた自由の追求が、他人との距離を広げ、絆を緩め、あるいは断ち、社会の連帯を弱めていないだろうか。
 本書は「消費社会研究家」としての調査結果であるが、時代の転換期にある日本の混迷ぶりや不安定さ、不安感などを再認識させられた。そんな時代を生きていくために我々は当分、模索し続けることだろう。

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学問する若者よ,新しい仮説の構築を

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ガク爺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 話題になり始めた頃に手にしましたが,予想以上に“統計数字の量”に戸惑い,読むのに時間がかかりました。
 書店などでランキング入りしていますが,“読者”のみなさんは,きっちりと読み切ったのでしょうか。
 「階層の存在」「“下”の増加」などを,統計資料を根拠に述べています。
 「そうだよな…」「確かに…」「そうかも…」と感じる内容も多くありました。
 でも,読者は,「上」「中」「下」が,統計資料のように分布しているでしょうか。ひょっとしたら,ランキングを作っているのは,「上」と「中の上」の読者なのか……。読みながら,そんな気もしてきました。
 資料の扱いをみていて,『統計でウソをつく法』 (ブルーバックス) を思い出しました。
 確かに,資料をもとに論述されていますが,“資料の価値や検討は十分なの”,“分析の仕方はよいの”といった疑問をもちます。
 この本の「よさ」は,学問する若者にとって,論述の手法を学ぶことができるこtではないだろうか。
 生の資料は手に入っても,そこから“論述できるところ”を切り取るのが難しものです。この本では,それが表と図にまとめられています。
 本のなかの資料から,《自分の論》を作ることができます。そんなトレーニングのできる本だと思いました。
 三浦氏は,「あとがき」のなか(p.283)で,サンプル数の少ないこと,多くが仮説であることを述べ,仮説が今後より精緻に検証されることを望んでいると書かれています。
 学問する若者が,この本から「階層社会」への“新たな仮説の構築”に挑んでいくことを期待した一冊でした。

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人口減少・少子高齢社会よりも怖い下流社会(階層分離)

17人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちょーさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 最近、フリーターやニートといった集団が話題となっています。また、一方では、レクサスを購買する人々も多くいます。つまり、よくいわれる「勝ち組、負け組」のことです。かっての資産家(ブルジョア)・労働者(プロレタリアート)という階級ではなく、富裕層と貧乏層という階層構造が確実に進行していることを本書は、マーケティングの手法を駆使し、東京近辺の実態調査に基づいて分析しております。
 それによると、年収300万円未満と700万円以上とに分断されていて、結婚、子ども、消費形態、仕事に対する意欲、日常生活、教育などさまざまな分野で、差別化が発生していると指摘しています。男性では、ヤングエクゼクティブ系、ロハス系、SPA!系、フリーター系に分類され、女性では、お嫁系、ミリオネーゼ系、かまやつ系、ギャル系、普通のOL系に分かれているとし、典型的な人のインタビューも載せてあります。
 ちなみに、下流階層の人の習性としては、だらける、朝寝坊、夜に子ども連れで居酒屋へ行く、ビビリー君でパラサイトが多い、料理を作らない、コンビニで何でもすます、NHKニュースではなくフジTVをよく観る、自分らしく生きる、ひとりでいることが好き、パソコンオタク、刹那主義、ファッションも自分流などなど。。。そこにいる、あ・な・たも、そうではないですか???
 こうした階層分化は、かってのマルクスのような生産手段の有無に起因するのではなく、その階層の親の所得とか考え方が大きく影響していることを検証しています。すなわち、教育・職務水準の高い家庭に育ったこども世代は、必然的に高い教育を受け良い就職先にたどり着くことができ、それと反対に、教育・所得水準が低い親はこどもに、あまり教育も施すことができず結果として就職機会にも恵まれない、また、結婚にも重大な促進・阻害要因になっていることなども推察しております。
 つまり、この上流階層と下流階層の乖離は、固定されて幾世代にも繋がっていく虞がある点をもっとも憂慮すべきことだと警告しています。上流階層の人々が下流階層の人々を見放してしまうことです。こうならないために、いま何が必要な政策かについても具体的に提言しております。
人口減少超高齢社会がすでに始まっている日本の行き先について、わたしたちも真剣に立ち向かわなければならないと率直に思いました。

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下流社会?二次効果が注目だったりして

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:T.コージ - この投稿者のレビュー一覧を見る

●下流?だからどうする?
 本書は読者のチェックからはじまる。「あなたの「下流度」チェックを」というテストが最初のページにあり、12問中半分以上該当すれば下流だそうだ。自分は10問該当したので十二分に下流なのだが、ちょっと気になる点があった。設問の半数以上が個人主義的な要件を示すもので、自分らしく生きる、一人が好き、ファッションは自分流....などが問われている。これらはあきらかに個人主義の属性だ。すると個人主義的な、つまりは欧米的な価値観を持っている人間は日本では下流になるぞ、ということなのか?
 ところが本書はその先を推論してしまう。しかもそれが当たっている可能性が高い。
 つまり個人主義が下流を生むのではなく下流が個人主義を言い訳にしている、ということだ。
 最後に著者は下流への対応策として「機会悪平等」を主張し、説得力ある5つの具体策が示されている。これは著者がマーケティングや企画を仕事としてきたために実効が前提として考えられているのでよくできている。『ファスト風土化する日本』でも最後に解決策を示していたが、クライアントがいるプロとしての提案であり、説得力があった。その点の著者の調査企画立案能力に関しては宮崎哲弥が高く評価している。専門用語を並べて喜んでいる理論だけのアカデミーオタクではないのだ。

●読者の反発が目立ったワケは?
 最近まで国民の多くを占めると思われていた「中流」とは何だったのか?
本書は端的に、誰もが浮かれたバブル経済期の新中間層の中流意識は「「下」が「中流化」したのである」と指摘する。その多くを占めるのは資産は持っていないが世界一の経済発展によって可分所得が増加したサラリーマンであり、その中心的存在といって差し支えないのが団塊世代だ。そしてその子供である団塊ジュニアを中心に、今度は「「中」が「下流化」する」。それが本書が分析する現在のメガトレンドだ。
 良くも悪くも潔いのが、その「下流」に関する「意欲、能力が低いのが「下流」」だという指摘。本書はこの容赦の無い判断ゆえに反発されてもいる。誰でもスバリと自分の短所を指摘されたらアタマにくる。もちろん「意欲が低い」ことが「下流」の原因のすべてではないし、それはある意味で結果だ。だからこそ、その原因を探る論議は積極的に行なわれるべきだと思う。

●ホントの問題は何か?
 階層消費社会の指摘は20年以上前からある。
85年には『新・階層消費の時代—所得格差の拡大とその影響』が出版され、みんなが浮かれ出している時にその〝浮かれ気分〟を冷静に分析し、ついでに決して明るくない将来を予見して注目された。その前年には「○金○ビ」でリッチとビンボーを描いた『金魂巻』が大きな話題になっていた。どちらも冷静に下流とビンボーを描いていたが、どちらも読者から批判されたり否定的な評価を受けてはいない。それどころかウケていた。理由はカンタンだ。その頃の読者には余裕があったのだ。逆にいえば現在本書をめぐる状況には余裕が無くなってきている徴しがあるといえる。余裕の無い視点(人間性のもっともよく現われるもの)では本書は否定の対象にしかならない。その意味では本書は二次効果として現実を正直に照らし出してみせてもいる。そしてそれこそがホントに社会に余裕が無いことを反映しているのかもしれない。

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“自分らしさ/個性”は引篭もりの“錦の御旗”

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る

みうらあつしは1958年(新潟県)生まれ。一橋大学(社会学部)卒業後,パルコ入社。マーケティング情報誌『アクロス』編集長(28歳就任)を経て,三菱総研へ。99年,独立(「カルチャー・スタディーズ」設立)。代表取締役じゃないの? 著作は多い。どっかの大学では非常勤もやっている(本文参照)。本作は著者48歳の作品。ご存知の話題作で,手許のものでは刊行約4ヶ月で11刷。売れてる。


第1章 「中流化」から「下流化」へ
第2章 階層化による消費者の分裂
第3章 団塊ジュニアの「下流化」は進む!
第4章 年収300万円では結婚できない!?
第5章 自分らしさを求めるのは「下流」である?
第6章 「下流」の男性はひきこもり,女性は歌って踊る
第7章 「下流」の性格,食生活,教育観
第8章 階層による居住地の固定化が起きている?


論旨は題名通り。“下流という階層集団の出現”。この階層の特徴は,上昇意識の欠如=無気力。「下流」というのは“上流”階級とか“中流”階層とかの援用で,管見では本書刊行で初めて知った。読者は知ってましたか? 「昭和ヒトケタ世代」は26-34年,「団塊の世代」を47-49年の3年間に生まれた270万人,「新人類」(三浦が関係してた『アクロス』誌が命名(84年))は,60-68年(社会学界的には55-73年,人数記入なし),「団塊ジュニアの世代」を71-74年の4年間に生まれた800万人,「真性団塊ジュニアの世代」を73-80年(人数記入なし)。“真性”というのは,統計的に三浦が推測して割り出した世代。三浦の世代分類に従えば,私は「新人類」だ。中年なのに「新人類」。うげぇー,困った,自覚不足だ。


村上泰亮『新中間大衆の時代』(84年)で,日本における「中流」階級出現が特筆大書されたが,このとき「真性団塊ジュニア」は保育園か幼稚園にいたってことになる(なぜ「中間」「中流」かと言うと,「中産」には,厳密には自営業者だけが含まれ,サラリーマン世帯は「中産」ではないってことを金融を専門とする大学教授から聞いたことがある)。


私が最も括目したのは,“自分らしさを求めるのは「下流」である”という命題。「『個性を尊重した家族』も『下』ほど多い」(162頁)とも。第5章題名として“?”が付いているのは,三浦の調査母体数が小さいことを謙遜しているから。だが,これはすばらしい発見だ。要するに,アンケート結果と人口動態を観察して,所謂“自分らしさ/個性”というのが引篭もりの“錦の御旗”(公的には誰も否定し得ない口実)になっているということを三浦は喝破したわけだ。


次に驚いたのは,男性の所得と既婚(初婚)率の相関を見たグラフ(124頁,図4-2)。高年収層ほど既婚率は高いという事実(年収1000万円以上で100%)。逆に,低所得層ほど未婚率が高い(年収150万以下など婚姻率は0%)。女は恐ろしい。こういうことを知っていたからこそ,バブル崩壊直後に“3高”(高身長・高学歴・高収入)を人目も憚らず叫んでいたのだ。結婚後の高学歴の女は仕事継続派と専業主婦派に分かれるようで,どちらにせよ配偶者である男性の協力か資力が不可欠だ。実に不愉快だったが,あっちも必死だったんだ・・・。(1335字)

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