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勘定吟味役異聞 みんなのレビュー

  • 上田秀人
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みんなのレビュー4件

みんなの評価4.2

評価内訳

  • 星 5 (2件)
  • 星 4 (2件)
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  • 星 1 (0件)
2 件中 1 件~ 2 件を表示

江戸幕府の政治制度を学ぶ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 上田秀人が描く江戸幕府勘定吟味役異聞シリーズの最終回である。これまで主役の水城聡四郎を取り巻く情勢が一気に展開し、物語を終わるのが本書である。八代将軍徳川吉宗は享保の改革を成し遂げ、名将軍として評価されている。

 その将軍吉宗誕生の秘話を水城を主役に描いている。これまでのシリーズでも、大奥、老中などの幕閣などの御用部屋、吉原、大商人紀伊国屋文左衛門、それらに加えて、六代将軍綱吉の側用人として名を馳せた柳沢吉保、七代将軍家宣の側用人として権勢をふるった間部詮房など、登場人物に過不足はない。

 これらの各勢力の間諜を務めるのが忍びの者達である。伊賀、甲賀、根来などが登場して、賑やかである。忍びの者の系譜についてもかなり詳しく述べられている。小説とはいえ興味深いものがある。

 この時代になると徳川幕府も平穏で、戦はもはや過去のものとなっている。それだけに武力が衰えて、財力を持つものが天下を治めることになりつつある。しかし、町人が天下を取ることはない。かえって、徳川家のたがが緩み、後継将軍争いの暗闘が始まる。

 尾張、紀州、水戸の御三家はそもそも後継将軍の予備として設立されたものであったが、かえってそれが後継争いの醜い暗闘の元となっているようだ。本シリーズを読んでいると、徳川幕府の構造が現在の権力構造とは全く異なることに気付かされる。

 作者があとがきで述べているように、徳川幕府は基本的には直轄領のみを管轄している。それ以外の領地は各藩に任せていて、税すら徴収していなかったという。参勤交代などでひたすら財力を浪費させたり、様々な規定を作ってそれに反する行為を行うと、改易、転封などで取り締まっていただけで、幕府への謀反を抑えようとするだけであったのだ。

 江戸時代の政治制度にはまったく関心がなかったのだが、これは意外な面を発見した思いであった。

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勘定吟味役、剣劇など旺盛なサービス精神

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 上田秀人の描く江戸幕府勘定吟味役である水城聡四郎の痛快な物語のシリーズ第四作である。

 時代は徳川将軍第六代である徳川家宣で薨去し、後継にまだ五歳の幼児である家継が決まった頃である。もちろん、政ができるわけもないので、教育係りであった間部詮房が側用人としてこれから実権を握ろうとしていた時代でもある。

 同時に主人公の水城聡四郎のボスで、庇護者でもあった新井白石の立場も微妙なものとなる。将軍が交代となると、その側近も入れ替わる。その前に新井白石の命に背いた聡四郎は、白石の怒りに触れていた。つまり、両者の関係はそれほど良好とは言えなかった。

 将軍が幼少ということは、将軍としては相応しくない。そうなると早くも次の将軍の座を争う動きが始まるわけである。家宣の血筋が幼少ならば、それ以外ということになるが、そこで御三家の登場である。

 水戸家は適齢ではないので、尾張家か紀州家が有力候補である。これらの動きに加えて、側用人であったが隠居の身となっていた柳沢吉保、聡四郎との戦いに敗れた紀伊国屋文左衛門など、歴史上に名を残す有名人が登場し、ストーリーを華やかにする。

 さすがに上田秀人である。読者の興味を惹くような舞台装置と将軍家の後継をめぐる暗闘を実に面白く描いている。今回はとくに長崎奉行に関するエピソードが挿入されている。長崎奉行は様々な役得が莫大なものになるので、なり手が多いし、次の地位への足掛かりともなっている。これらの事情が詳細に描かれており、幕府の官僚組織の腐敗ぶりの一端を見る思いがする。

 勘定方や勘定吟味役の説明が繰り返し出てくるのが余計であるが、主人公の官僚としての活躍と剣士としての剣劇のシーンが実に細部にわたって描かれている。おまけに商人の娘のが婚約者に擬せられて登場する点もサービス精神が旺盛で、随分欲張りなエンターテイメント作品である。

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