橋本治流ビジネス書 みんなのレビュー
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2012/05/31 11:15
橋本治に「え〜っ!」
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
橋本さん、これ思いつきやあらしまへんか?
さすが、「とめてくれるな おっかさん」の橋本治。題名のつけかたは抜群です。この題名に惹かれて買った人が、かなりいるだろう。(私もその一人)でも、よく考えてみれば「思いつきでものを言う」部下が、たまたま昇進してそのまま上司になっているのだから、思いつきでものを言う上司がいるのは当たり前。日本に限ったことじゃない。
橋本治が、本当に書きたかったのは、「日本社会の儒教色」と「日米関係」で、上司とか現場とか呆れるとかは、どうでもよかったのではないだろうか。もし、本気で書いているとしたら、現場を知らないにもほどがあるだ。
否と思うなら、試しに今度、上司の発言に「え〜っ!」と呆れてごらんなさい。次の人事異動で、ちゃんと結果が出ます。呆れるよりも、この本を何気なく、机の上に置いておくほうが、上司には圧力でしょう。
読み物としては、それなりに面白い。そして、日米関係だけは本当に何とかしなくてはいけない気にしてくれます。外務省官僚にこそ是非読んでほしい本です。
2006/01/08 16:46
これ”乱世”ですか、変な世の中ですね
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hisao - この投稿者のレビュー一覧を見る
兎も角 去年は“勝ち組”“負け組”でやかましい事でした。
事実 昨今世の中 一国の首相をリーダーに“分断の社会”に雪崩をうっています。
その“勝ち組”“負け組”を かって“桃尻娘”や“窯変源氏物語”で文壇をうならせた橋本治氏が分析していると言う事で飛びつきました。
成る程 小説家と言う方は色々難しく考えるものですね。
ご存じ官主導の“会社国家”で戦後の高度成長を達成した日本はまず“大企業”を守る事で民の生活を安定させる事に成功した。やがて成長は飽和状態となり今度は“もっと金を使え、もっと贅沢しろ”で官はバブルを演出する。
経済はフロンティアを求める。輸出ドライブが行き詰まると欲望のフロンティアに火が付けられる。経済が欲望をかき立てる。人間が欲望に踊らされる事による“論理の逆転”
限度を弁えぬメチャクチャな主導の結果バブルははじけ、新しい主導原理として“改革”が叫ばれる。
しかし 経済はもはやどうにもならぬ所まで追い込まれた。経済の拡大が一線を越えたのである。
“指導者や支配者に“経世済民”をやらせていた時代の終わりである“
システムが崩壊し、従うべき理論は無くなり、どう生きていけば良いか解らなくなった日本人。
そこから出てきたのが とにかく“結果”で判断する“勝ち組”“負け組”の論理である。
“経済競争の結果、その競争に勝ち得た者が“未来への展望がある=勝ち組とされ、敗れた者は未来への展望がないとか甘かったと言う事で負け組になる”
“結果的に経済的成功を収めている=頭が良い“と羨望の的になり、その声に反論すれば”負け犬“の遠吠えになる。中間層は自らの負けを認めたくないものだから必死に勝ち組にぶら下がろうとする。
以上が橋本氏の”勝ち組””負け組”乱世の世の分析である。
余談であるが経済学ではこの理屈にデジタル社会の特性である収穫逓増(大きいものはますます大きくなる、勝ちが勝ちを呼ぶ)の論理や弱者に構っておれない非常時資本の本性の論理が加わります。
つい“そんな事ないでしょう”と半畳を入れたくなるが“負け組”を自認する橋本先生は“勝ち組”“負け組”なんて単に一面的な価値観で“つまらないよ”と言います。
何故なら“そのような社会のあり方はおかしい”と言うと“負け組”の欲求不満・ひがみとして“負け組の言う事には耳を傾けて貰えない”からとおっしゃる。
貧乏でも良いけれど、“負け組”故に耳を傾けて貰えないのは文人としてちょっと困ると言う所でしょうか。
まあ そんな持って回った言い方しなくても 負け組がとことん負けて、それだけで馬鹿にされて敗者復活戦もない社会なんて変でイヤな世の中だし決して発展するとも思えない。
そこで処方箋。先生は“経済はもう満杯になってしまった”のにまだ経済を発展させねばと考えたからおかしくなったのだから“元に戻す”べきだと主張します。
おかしくなった時点に振り返れと主張します。例えば“我慢”の効用を説かれます。この辺りはちょっと解り辛いのですが 結局“清貧主義”なのでしょうか?
折角 この様な価値観の根源を経済に求められたのですから、処方箋ももう少し経済的・社会的に探れなかったのでしょうか?
2004/10/01 17:14
官は民の意見をきかなくていい
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じんえい - この投稿者のレビュー一覧を見る
上司の立場を考えない発言が、上司に思いつきを言わせている。聖徳太子の「和をもっと貴としてなす」など十七条の憲法は、儒教を日本人のメンタルティに導入した。これが今日の日本人の行動規範になっている。そして、冠位十二階は、儒教の五徳(仁・礼・信・義・智)をもとにした、序列にした。のち、官位という序列を家柄で固定化して、歴史を下って学歴によって序列を定めた。そして、この序列は、儒教では、上に立つものは徳があらねばならないというのを、上に立つものは徳があるとすげ替えてしまった。これによって、上司は徳があるからすべからず従うべしとなる。そして、徳があるから偉いんだ。だから、思いつきでものを言ってもいいんだとなっているそうだ。したがって、「上司をバカにせず、しかも上司はバカかもしれないという可能性を考慮して行動すべきである」と述べている。
2004/08/31 01:25
だったら部下は思いつきでものを言わないのか
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:てる - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル気になりますよね。
自分が部下の場合は、「いつも上司は、突然わけのわからないことを言い出すので、ほどほど困っているんだ」と思っていれば、自分の疑問に答えてくれる新書が出たと思って買ってしまいます。
自分が上司の場合でも、「私は、いつも思いつきでものを言っていると思われているのか」とちょっと不安になって買ってしまいます。
この本は、出だしのタイトルで興味を持ってもらい、著者の思考に引き込もうという、別の意味ではノンフィクション的な戦略本のように思います。
でも、肝心なことは、上司はどうして思いつきで者を言うのか、思いつきでものを言う上司にはどのように対処すれば良いのか、ということ。その部分については著者なりの回答を出していて、少しは読者の期待に答えています。
それ以外の部分は、儒教的思考についての思索がでてきたり、官と民の関係からの考察があったりと、まったく著者のペースに引き込まれてしまいます。でも、それも悪い気はしないんですよね。
この本を手に取った人は、ひょっとしてある程度、会社で煮詰まっていたのかもしれません。でも、これを読み始めれば、ある意味、推理小説や随筆のようで、煮詰まった中では、なかなか手にすることの無い本に、そんなタイミングで巡り合わせてくれたような、ちょっと気分転換が出来る本です。
実は、著者もそんなところを狙っているのかもしれませんね。
この本のタイトルにすがりたい状況の人は、ぜひ購入して読んでみてはいかがでしょうか。思いのほか気分転換でき、自分の頭を柔らかくしてくれると思います。そこで新しい解決の道が開けるかもしれませんよね。
とにかく、「ちょっと裏切られるけど、ちょっと良かったみたいな」新鮮な感覚の本ですよ。トライしてみて下さいませ。(ちなみに、この「書評タイトル」も著者にあやかって、つけてみました。)
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