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電子書籍

笑酔亭梅寿謎解噺 みんなのレビュー

  • 田中啓文 (著)
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みんなのレビュー7件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (4件)
  • 星 4 (3件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本ハナシがちがう!

2008/03/20 01:37

笑いたい人に贈りたい

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けい - この投稿者のレビュー一覧を見る

 これは古典落語を題材にした本格ミステリにして、本格ミステリの体裁をとった新作落語だ。謎と伏線というまくらがあって、解決というさげがある。しかも、ミステリの世界ではお馴染みの「人間が描かれていない」という批判を蹴散らすように義理と人情がある。落語の世界における熊さん、八っつぁん、ご隠居のように人々が生き生きと息づいている。
 と興奮気味にここまで書いてきて、ふと、思うのです。
 逆じゃないのか、と。
 実は落語とは本格ミステリの一種なのではないか、と。私の大好きな人情噺「芝浜」のさげの一言は強烈な「最後の一撃」。なぜ酒好きの亭主は女房に勧められた酒を断ったのか、という不可解な謎に対する答えの合理性、そこにあるロジックはまさに本格ミステリのそれではないか。小銭をちょろまかそうとする「ときそば」には言葉の二重性を用いたトリックがあるし、完全犯罪(ややせこい)の崩壊を描くクライムコメディと読むことも出来ます。食通ぶるいけすかない知人に舶来の珍味と偽って腐った豆腐を食べさせる「ちりとてちん」の面白さは、チェスタトンや泡坂妻夫先生の「逆説」を思わせます。裏返しを裏返したら表に、ねじれがねじれて元に戻って筋が通ってしまうような感じ。
 落語とミステリの類似性はしばしば指摘されてきました。ともに古典という型があり、ときにはその制約に縛られもします。しかし、そんな縄などないかのように華麗に飛び跳ねてみせることを粋とする。本格ミステリの基本的な骨格、謎と解決という構図そのものにはオリジナリティなどありません。「芝浜」だって「ちりとてちん」だって、おおまかな噺の流れは同じです。噺の大枠にオリジナリティはありません。謎と解決という構図、噺の大枠、この二つはともに型でしかないのではないでしょうか。
 型があるから、誰がやってもそれなりに形にはなってしまう。だからこそ、誰がやっても同じにならないように、その人ならでは味が出るようにしなければ面白くない。これは非常に難しいことだと思います。トリックを考える、くすぐりを考える。プロットを練る、間をものにする。人間を描く、人間を演じる。落語も本格ミステリもそういった工夫の蓄積で創り続けられている伝統芸能です。
 主人公の青年(トサカ頭!)は落語という伝統芸能やさまざまな人々に触れ、ガマンを覚え、成長していきます。一篇、一篇がよく出来たお話であり、一冊通して読むと主人公の成長物語として実にぐっとくるものがあります。

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紙の本ハナシがはずむ!

2010/07/04 21:33

上方落語界の実態がよく分かるような気がする娯楽作品シリーズ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この上方落語家の物語がシリーズ化されたようだ。笑酔亭梅駆(しょうすいてい・ばいく)という若手落語家が主人公である。正確に言えば落語家ではなく、内弟子の落語家の卵である。しかし、才能は抜群のようである。

 師匠は笑酔亭梅寿(しょうすいてい・ばいじゅ)で、実際にこれと似ている破天荒の落語家がいるようである。話の筋を追っていると、むしろこの師匠の方が主人公といえなくもない。それほど個性にあふれた落語家である。

 本書はこのシリーズ3冊目である。最初を読み始めてみると、またしても梅寿一門の大騒ぎが始まるので、また漫画かと少しうんざりしかけるのだが、単なるどたばたではないところにこの物語の特徴がある。読むにつれて味わいが出てくるのである。

 短編8話から構成されている本書だが、それぞれ落語のネタとリンクしている。したがって、各話の冒頭に月亭八天の解説が付いている。これが漫画になるのを抑えており、落語に関するマニア的な解説となっている。

 本書の最大の山場は有名女優が登場するところにある。話はこの女優の生い立ちから偉大な落語家名跡の襲名披露に展開する。あり得ない話なのだが、主人公が芝居に出てみたり、その女優が落語をやってみせたりする。主人公が芝居と落語の間で自分を発見するのである。

 このようなエピソードを経て、主人公の落語家になるという決意が固まってくる。芝居、落語、その他の舞台芸には共通するものもあるし、似て非なるものもある。ちょっとした芸論になっているところも本書の読みどころであろう。

 また、今回は上方の落語界と東京の落語界のしきたりの違いも随所に登場するので、本書を読むことによって、かなりの落語通になれることも確かであろう。上方落語界には真打ち、二段目、前座といういわゆる階級制度がない。私はこんなことも知らなかった。最近、襲名披露が続く落語界であるが、そのブームに乗ったものか、本書でもそれが大きなテーマとなっている。

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紙の本ハナシがちがう!

2007/11/05 22:52

上方落語の師匠と弟子の破天荒な物語

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

以前読んだアンソロジー、「孤独な交響曲」の中に収められていた一編、著者の「時うどん」を読んで、こちらを読んでみる気になった。もちろん、「時うどん」が抜群に面白かったからだ。
 上方落語の落語家見習いの主人公が金髪、鶏冠頭の竜二、その師匠が笑酔亭梅寿、この関係をもとにストーリーは展開していく。そのエピソードが7編収められている(そのうちの一編が「時うどん」である)。いずれも落語のお題が付けられている。偶然であろうか、
上方落語といえば、今丁度、NHKの朝の連ドラで取り上げられている。
 各エピソードでは、必ず何かの事件が勃発する。本書の副題も「笑酔亭梅寿謎解噺」となっている。梅寿謎解噺とは書いてあるが、主人公の竜二が意外にも、事件解決の才を見せて、見事に謎解きを果たす。そのためかどうか分からないが、梅寿師匠の息子が刑事という役で登場する。
 お決まりのパターンとしては、梅寿師匠が分かっているのかどうか不明だが、事件の謎解きの説明を求められると、それでは竜二から説明させるといって逃げてしまう。竜二は冴えた頭脳で事件のあらましを説明する。
 竜二は金髪の鶏冠頭で見た目には皆に感心されないが、落語の才能には恵まれているようである。兄弟子たちにいつも嫉妬されている。実は竜二よりは、梅寿師匠の生活の方がはるかに破天荒なのである。生活が破綻している。いかにも小説的であるが、どうやらモデルがいるようである。
 各噺の前に、実在の上方落語家である月亭八天の解説が入る。落語はあくまで口頭による芸なので、書物で読んでも面白さは伝わらない。各短編の中にもそのお題の特徴や筋立てが述べられているが、どうもピンとこない。しかし、ピンとはこないから是非実際の落語を聞いてみたいという気にさせるのが、この小説の力ではないか。
 芸人の世界は、最近身近になりつつあるものの、その実態はよく知られてはいない。一種特有の業界なんだろうという想像だけである。とくに、年輩の巨匠などと呼ばれている気難しそうな芸人に至っては、一体何を考え、どのような生活をおくっているのか分からない。その世界をわれわれに近づけているのは、若手の芸人であろう。
 落語はその中でも歴史がある分、古典芸能の範疇に入っており、いささか型に嵌ったところがある。本書の短編はそこもお見通しで、その型を何とか打破して皆に親しんでもらおうという意図がよく読み取れるのである。
 この凸凹コンビの師匠と弟子はどこまで続くか分からないが、ちょっと面白いキャラクターなのでもっと大勢の人に読んでもらいたいものだ。

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紙の本ハナシはつきぬ!

2014/01/07 10:36

もっと読みたい

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

とにかく破天荒、面白いです。リアルの噺家さんたちに(本当はモデルでないのですが)あてはめながら読んでるとたまりません。おそらく同時代であろう上方落語の世界を楽しみながら育ったので、創造世界がどんどん拡がります。
(これからでも良いけど、刊行順に読むことをお勧めします)

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紙の本ハナシにならん!

2008/08/31 21:41

いよいよシリーズ化か?

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 いよいよシリーズ化されたのかと嬉しくなってきた。上方落語の型破りの師匠と弟子が主人公となるドタバタ劇である。テレビの連続ドラマで取り上げられたり、最近話題の上方落語が背景になっているが、やや荒唐無稽、漫画チックなので、リアリティが損なわれている点が残念である。
 今回も前回同様、話としては落語のお題に沿った短編が7話集められている。だからといって、それぞれが全く独立しているかといえばそうではない。2話は1話での出来事を踏まえているので、全体を通して1話といっても良い。
 本書では、松茸芸能に属する師匠の笑酔亭梅寿が独立することに端を発し、弟子の梅駆が破門される騒ぎに発展する。最近の漫才、ピン芸人の隆盛と落語との比較などがストーリーの軸になっているといってよい。
 本書を読んでいると、寄席では落語の出番が減って、漫才やピン芸人の出番が増えているという傾向であることが分かる。漫才では師匠がいないので、ネタから演出まで全て自分たちで考案して、練習する。落語は師匠に稽古をつけてもらうと言う点で、古典芸能に属するという。たしかに、楽しんでいるだけでは気付かない点である。古典落語は決められた噺を演ずるのだが、漫才はその点ほとんどが創作である。
 古典芸能は師弟関係、徒弟関係がはっきりしており、師匠につかないノー・ブランドの落語家は存在していないようだ。
 従来、寄席でしか活躍の場がなかった芸人であるが、最近ではテレビを付ければバラエティ番組で漫才師、ピン芸人を見ないときはないほどの活躍である。実は落語家も同様であるかもしれない。テレビで見かける司会者、タレントもつい最近まで落語家だったという人々もいる。これらの人々はいまさら落語を演じることは難しいのだろう。
 古典芸能としての落語を演じることはそれほど簡単ではないであろう。相応の修行を積まなければ芸の厚み、深みが出てこない。しかし、漫才などではタレント性があれば、その先はテレビ、映画とタレントとしての活躍は個人の才能次第である。
 それにしても、弟子の梅駆は最近の若者として常識的に描かれているが、師匠の方は型破りを通り越している。生活破綻寸前のところで辛うじて留まっている。こういう師匠でも芸が優れていて、庶民に愛されていれば落語家として成り立つところが芸の面白いところであろう。田中の主張もその辺りにあるのかも知れない。21世紀の世界だからこそ、その主張も生きてくる。

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紙の本ハナシがちがう!

2008/06/02 21:22

おもしろ落語ミステリ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

『UMAハンター馬子』や『銀河帝国の弘法も筆の誤り』等のSF作品を読んで、すっかり田中啓文のファンになったのですが、作者のミステリは初めて、果たしてどんなもんだろうと読み始めたのですが・・・。登場する人物たちの造形、彼らの小気味よい関西弁での会話などなど、ミステリとしての出来はもちろんのこと、とても楽しく読めました。

上方落語の大看板、笑酔亭梅寿のもとへむりやり弟子入りさせられた不良少年の竜二。この梅寿師匠、芸は一流だが大酒飲みで暴力はふるうは口は悪いはの、とんでもない人物。彼らの周りで起きる事件を解決していく竜二だったが、考えることは逃げ出すことばかり。しかしそのうち、落語のおもしろさに魅せられていき・・・、といった内容の短編七作が納められています。

私は落語が好きなので特におもしろく読めましたが、興味が無いという人でも、あらすじからウンチクまでが書かれているのですんなりと読み進めることができると思います。で、本書を読んで落語にちょっとでも興味を持ったという方は、ぜひ寄席へ足を運んでみてはいかが?

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紙の本ハナシがちがう!

2007/09/28 14:34

やっぱり、落語って、面白いかも!

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぴぃたぁ・パンダ - この投稿者のレビュー一覧を見る

商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)
上方落語の大看板・笑酔亭梅寿のもとに無理やり弟子入りさせられた、金髪トサカ頭の不良少年・竜二。
大酒呑みの師匠にどつかれ、けなされて、逃げ出すことばかりを考えていたが、古典落語の魅力にとりつかれてしまったのが運のツキ。
ひたすらガマンの噺家修業の日々に、なぜか続発する怪事件!個性豊かな芸人たちの楽屋裏をまじえて描く笑いと涙の本格落語ミステリ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
田中 啓文
1962年大阪府生れ。93年「凶の剣士」で第二回ファンタジーロマン大賞佳作入選、ジャズミステリ短編「落下する緑」で「鮎川哲也の本格推理」に入選しデビュー。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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たちきり線香 江戸時代の純愛噺
らくだ    酒で身上潰した噺    
時うどん   関東でも有名な「時そば」のうどん版
平林     粗忽者の丁稚の噺
住吉駕籠   大阪と堺を結ぶ住吉街道を走る駕籠屋の滑稽商売繁盛記
子は鎹    人情噺
千両みかん 希少価値とその代金の噺


各章の噺に、原典を監修しているのが、月亭八天 師匠、解説は、桂文珍 師匠。


今回は、上方落語&噺家の成長過程と、謎解きのおハナシ。

主人公の竜二は、両親に早く亡くし、高校中退で、バイトしながら生活はしているものの、何度も警察のお世話になるという、所謂「厄介者」。
それを見かねた、高校の恩師が世話になっている(というか、元弟子だった)師匠へ、更正させ方々噺家にさせたいと、竜二を連れて行く。


竜二は何とか逃げようと思うのだが、
柔道・合気道・剣道の有段者の英語教師、
飲んだくれて倒れたこともある葉茶めちゃな師匠、
師匠の息子がいつも世話になる警察官、
という組み合わせでは、逃げようにも逃げられない。
加えて土地柄的にも、「師匠のところの弟子が、○○のあたりを歩いとったで~~~」と、師匠へ報告が行くような土地柄。


だが、だんだん師匠の芸に魅せられて、逃げようという気持ちがだんだん無くなって行く。
師匠の芸はすごい→面白そうだ→やってみよう→やったらなかなか難しいがやり応えがある→
初舞台を踏んだら、もう舞台から降りたくない、までの快感→続けて行こう!


竜二の進歩との流れとは別に、元の噺になぞらえた「事件」が起こる。


それの謎解きを、竜二がするのだが、師匠に花を持たそうとするところが可愛い(笑
「~~~(謎解き)、と師匠が言うとります」 まるで、名探偵コナン のようだ(汗


私が好きなのは、
「たちきり線香」(怪談系芸人のロミ・ジュリ噺):
巻頭だけあって、登場人物と状況の紹介。竜二が落語って良いかも?と思い始める。
それと、芸人同士の悲恋が、、、、(謎


「子は鎹」(師匠の孫が融解された?の人情噺):
一旦、落語は止めたる~~!といって、漫談をやるんだ~~と、ふらついている竜二。
町でコロッケを買っているところを、女将さん(師匠の妻)に、羽交い絞めされて、師匠の孫が行方不明?誘拐?と聞かされて、取る物も取りあえず、師匠の下へ。
一件落着後、竜二が出ているライブハウスで聞かされる師匠の「子は鎹」。
さて、竜二は、どう聞く?


やっぱり、落語は面白い、言わざるをえない。
こういう本を読んでいると、寄席へ出かけたくなる。
ちゃんとした寄席は、値段が張るが、新宿の末広亭では、深夜寄席 (21:30~)などは、ワンコイン¥500と、お手軽に楽しめる手立ても有る(笑


秋の夜長に、ばかばかしいお笑いを一席、というのも如何だろうか?


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