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電子書籍

【シリーズ】飛空士(イラスト簡略版) みんなのレビュー

  • 犬村小六(著), 森沢晴行(イラスト)
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みんなのレビュー27件

みんなの評価4.2

評価内訳

27 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本とある飛空士への恋歌 3

2009/12/27 20:49

遂に始まった戦争が皮肉にも本シリーズの真の姿を浮き彫りにする

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る

当初は漠然と「これは『追憶』より何年か後の物語なんだろうなぁ」と思っていたが本巻でそれがはっきりした。ようやく、とうとう“あの2人”が出てきたのである。すぐにそれとは分からないくらいの間接的な登場だが、双方がそれぞれの立場でさり気なくも絶妙な存在感を示しており、そうと分かった時には不覚にも少し震えた。

前巻から続く学園編な前半では、聖泉への到達と迫り来る戦いへの不安を秘めつつ生徒達の決意と覚悟が漠然と描かれる。しかし、ここで特筆すべきは今回も登場のアリーメン。そんなに凄いのかアリーメン!という怒濤の賛美が食した人々の桃源郷的反応で綴られており、本編とは無関係ながら圧巻の可笑しさである。

いよいよ『空の一族』と開戦する後半は、戦争の過酷さをシリアスながらも淡々と記していく筆致が圧倒的で、犬村ワールド全開の素晴らしさが読み手に迫ってくる。セリフの減った頁にびっしり書かれた濃密な描写。戦争だから避けて通れない場面が幾度も出て来るが、純粋にイスラを守ろうとする仲間達のあまりにピュアで真摯な勇気が眩しい。身近な存在には生きていて欲しいがために無私となる、無私になれる戦争のミクロな側面が、特にその愚直に勇敢な行動を目撃する立場の視点で客観的かつアツく描かれることで大きな感動を落涙とともにもたらしている。そしてカルエル&アリエルのピンチに際して悠然華麗に登場する『海猫さん』。これがかの脱出劇の作戦名に由来しているであろうと気付いた時の衝撃、さらには本巻最後に出てきた手紙の宛名が誰なのか気付いた時の衝撃が加わって読み手のボルテージは最高潮となろう。お見事と申し上げる他ない。この2人それぞれの後日談が絡んでくるならば、これ以上の望みがあろうかという期待が高まるのである。第2巻辺りで挫折した諸兄に申し訳ないほどの素晴らしさを予見させる展開になりそうである。

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紙の本とある飛空士への恋歌 4

2010/08/22 22:42

生きる希望が生み出すスペクタクルが半端無し

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る

参りました。もぅ、声も出ない。こんなスペクタクルな興奮と感動があっていいのかという激動の展開が圧巻の筆致で描かれている。絶望の淵にあっても全てを受け入れ、それでもなお生きたいと願う強い想いが、『追憶』と見事な対を成すニナ(クレア)の表紙で示されている。悲嘆に暮れる出だしだっただけに重苦しかった前半だが、再度の戦争、そして絶体絶命の中で顕現する奇跡が実に見事。二転三転するジェットコースター展開を2段階で盛り上げるクライマックスに至っては、これを歓喜の涙なくして読めるかという素晴らしさだった。

バトルにおいては、あえて古典的な艦隊決戦で前回との違いを出しつつ、カルエル達に学生らしい任務を与えて面白さを演出している。そして、ここでの主役はノリアキとベンジャミンである。訓練時のコンビや幼馴染みといった背景を巧みに用いたドラマが華を添えながら前回のミツオにも負けない活躍を見せ、悪夢再びか……という心配を鮮やかに裏切る捻りまで加えた顛末は喝采に値する。また、若干お株を奪われた形のカルエルにも覚醒と成長をきっちり描いて凄みを持たせている。この契機となったイグナシオの、写し鏡のような秘密を通して母の言葉に宿る真意を理解する流れにも説得力を持たせ、さらにはニナ(クレア)の覚醒を呼び込み、「恋歌」として奇跡を生む素晴らしさに繋がっていた。

さて、最後にはまた厳しい局面を迎えるようだが、これについては、かつて初恋を引き裂かれながらも新たな生き甲斐を見出だし、後に「西海の聖母」とまで崇められたアノ人の意見を是非とも聞かせてほしい。この2人の行く末を案じるのか、それとも政治に翻弄される宿命と諭すのか。願わくば、かつての自分達と同様の運命に振り回されそうな2人の一助となる言葉を聞かせてほしい。

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紙の本とある飛空士への恋歌 2

2009/07/21 19:32

意外なほどのほのぼのスローペース

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る

読み終えて思ったのが「へぇ、このペースで進むのか」ということ。始まったばかりの学園生活だけで本巻は終えている。もう少しさくさく進んでコンパクトにいくと思っていたので少し意外。クレアの哀しい過去話がありながらも、まさに青春真っ只中!という甘酸っぱい物語が読めて良かった。寮生活での仲間とのふれあい、飛空訓練での失敗といった生活感たっぷりの中にカルエルとクレアの淡い淡い恋模様の始まりが綴られていく。年齢相応の純情振りのためかちっとも進展しなさそうな印象もあるが、意識し過ぎて会話が弾まないクレア、気ごころが知れて言いたいことを言い合えるアリエル、どっちが理想の相手なのかな、なんてことも考えてしまう、微笑ましくて初々しい関係ができそうである。そして、今回も登場した『ゴムボートで一夜を共に』イベント(?)で身上を呑気に話すカルエルの姿に学園の噂が加味されてクレア(ニナ)の心情は揺れ動くばかりである。比べてカルエルの(良い意味での)能天気なヘタレ具合がなんだか憎めない雰囲気を醸していて、本巻に漂うほのぼのとした空気にマッチしている。親や義姉達から教わったことを忠実に守ろうとする姿勢も好ましい。アリエルの心情とその裏返しな態度も微笑ましく、これをクラスメイトからカルエルに知らせる演出もグッド。バンデラス先生やシズカ寮長といった面白い新キャラに加えて、謎の人物イグナシオ、いじめっ子少年ファウストなど、今後の鍵を握りそうなキャラもいて、カルエルを取り巻く世界が広がっている。そんなまったりとした進行の最後の最後に出てきた未知の国(読み手にとっては『追憶』の舞台となったあの国)の登場がドキドキワクワク感を増大させ、次巻を非常に楽しみなものにさせている。恋もバトルも本題はこれから、といったところだろうか。

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紙の本とある飛空士への恋歌

2009/02/28 14:16

「序盤」的な構成

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る

物語の序盤としてほぼ完璧な構成でしょう
スタート地点に至る経緯をがっつり描き、主要な二人のキャラクターの関係を見せ、最後に「なんで!?」という強烈な引き
それだけで一冊使いきり、それでいてしっかり読ませる
余計なわき道に逸れずに集約し、じりじりとバネを巻くように物語を加速するエネルギーが溜まっていく感じ
キャラクター的には数も減っていささか淡白ですが、あまり複雑な展開は似合わない気もするので、まだこれでいいのかも
ストーリーはまだまだですが、これから一周り二周りするでしょうから楽しみです

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紙の本とある飛空士への恋歌

2009/02/22 20:27

失墜と、新たな出会いと、そして

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 斎ノ国、帝政ベナレスと並ぶ大国バレステロス皇国の第一皇子カール・ラ・イールは、突然の革命によりその地位を一夜にして失った。当時九歳の少年は、革命の旗印である風呼びの少女ニナ・ヴィエントの靴への口づけを強制され、両親は断頭台の露と消える。
 カールは処刑を免れたが衰弱死を望まれ、非道な養父に預けられそうになるところを、機械整備工ミハエル・アルバスに拾われ、名前を隠して生きることになる。名をカルエルと変えたカールは、ミハエルの娘ノエル、マヌエルを姉とし、同年のアリエルを妹として健やかに生きる。…ニナへの復讐を胸に。
 十四歳になったカルエルは、自宅に現政権からの密使を迎える。革命からの揺り戻しにより王政復古を望む勢力の傀儡となることを避けるため、カルエルに国外への出奔を促しに来たのだ。彼らは、ちょうど実行局面に来ていた、大瀑布の果てを探す計画、イスラ計画への参加を提案する。イスラは空中に浮遊する巨大な島であり、そこにはカルエルが目指す飛空士となるための学校も併設される。アリエルの渡航費用も出すという条件で参加したカルエルは、その島にニナ・ヴィエントが乗り込むことを知るのだった。

 プライドが高くて負けず嫌い、順応性は高いがピンチには弱いというカルエルと冒険好きで屈託のないアリエルのやり取りや、養父ミハエルの背中がとても格好よい。作者はもしかすると、一度敗北した男が立ち直っていく過程を描くのが好きなのかも知れない。
 今回は世界観と時代背景の説明と、出会いに終始しているので、展開は次巻以降になる。

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紙の本とある飛空士への恋歌

2009/02/20 17:06

前作とはまた異なるカラーで描かれる空と恋の物語

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る

【一章】おそらくフランス革命がベースと思われる第一皇子の転落。優しくて素敵な母も見方を変えれば圧政に苦しむ庶民の敵となる悲劇をさり気なく挿みながら、置かれた境遇への反発、革命の旗印への敵意、そして新しい生活への導入が綴られる。母の言に反して心は理不尽という憎しみ色である。

【二章】下層の暮らし。本作の雰囲気が変わる。面白い。本音で生きる人達の楽しさが伝わってくる。空の素晴らしさを知る。度々告げられる『空、飛べ』が沁み渡る。カルエルを愛玩するノエルとマヌエル。淡い恋心を抱くアリエル。カルエルの正体を知っても動じない強い3姉妹。喧嘩してボコボコのカルエルを見て『男前になった』と笑える父親が今どれだけいるだろう。暖かく静かな感動がじわっと寄せてくる。

【三章】旅立った「空飛ぶ島」イスラでの生活。政治も動き出す。しかし、母の言を少し理解したカルエルが遭遇したドジッ娘少女、その僅かな邂逅でお互いの孤独な境遇を解り合うところから物語が大きく動いていく……その端緒が開かれる。

「最終章はまるまる滂沱でした」といった大きな感動とはまた異なる感動作である。『ローマの休日』の次は『ロミオとジュリエット』。あまりにド真ん中過ぎて普段は使われないこれらの元ネタを上手に昇華させていて素晴らしい。ただ、前作と異なり、最初から元ネタが明かされたことと読み手に大きな期待という先入観があることで本作のハードルが恐ろしく高くなっている(平積み×6を見ると書店も期待している)のだが、その素晴らしき感動はそっと静かに、前作に劣らずやってくる。義父ミハエル素敵過ぎ。

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紙の本とある飛空士への夜想曲 下

2012/01/24 15:22

戦場の先に見つめる未来

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 戦艦島で別かれた千々石武夫と吉岡ユキが再開した日から一年が過ぎた。音無航空隊所属として敵機を屠り続けていた武夫は、“サイオン島の魔犬”と呼ばれるほどの恐怖を敵に与えていた。しかし戦局は、物量で圧倒的に勝るレヴァーム皇国が、帝政天ッ上の少数精鋭を抑え込み始めていた。
 雲鶴航空隊に転属となり、機動艦隊の航空戦力として力を揮うことになった千々石だったが、ヴィルヘルム・バルドーと旗艦グラン・イデアル率いる大規模機動艦隊を前に、彼我の戦力差を思い知らされることになる。せめて一矢報いようと戦場を飛翔する千々石が見た敵機は、海猫が操るものだった。

 エピローグはこの手の物語がたどり着くべき所にたどり着くのだが、そこに至るまでの千々石の鬼神の様な空戦に圧倒される。さすがに海猫との最終決戦の部分はやり過ぎじゃないかと思ったけれど。
 そして気を揉ませてくれるのは、ユキと武夫の関係だ。一方は戦場に出ているし、一方は戦意高揚のための仕事をさせられて時間も取れない。このまま再開できないで終わるのかと思ったところ、彼らにチャンスを与えたのは意外な人物だ。その人物のおかげで、彼らの物語は時代が許す限りの場所へと到達することが出来たのだ。

 これは褒め言葉になるかは分からないけれど、作者は負け戦を描くのが上手すぎる気がする。

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紙の本とある飛空士への夜想曲 上

2011/12/27 20:20

もうひとつの正義

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 撃墜記録2位に倍する撃墜記録を持つ撃墜王、天ツ上海軍予科練上がりの特務中尉・千々石武夫は、レヴァーム皇国次期皇妃ファナ・デル・モラルを乗せて単機敵中突破を行う海猫・狩野シャルルを落とせなかった。それは海猫が空に愛されているからだ。しかし自分もそれに負けない自負はある。そしてそれを、彼を撃墜することで証明する。国民的人気歌手・水守美空のレコードを聴きながら、千々石武夫は決意する。
 父と母を相次いで亡くした武夫は、夢も希望もなく炭鉱で働く14歳の少年だった。しかし彼の人生は、2つ年下のレヴァームとの混血の少女・吉岡ユキとの出会いで変わる。歌手を夢見る彼女の歌を偶然聴き、混血児・ベスタドとして学校で標的にされる彼女の練習の用心棒となった彼は、まだ自分にも希望が残されていることを彼女に教えられるのだ。
 そしてそれから八年、彼らは撃墜王と人気歌手として再会するのだが…。

 天ツ上とレヴァームのモデルは日本とアメリカの様なのだけれど、ミッドウェイに当たる海戦の帰趨が変わっていたりもする。
 そしてあらすじから分かるように、この作品は「とある飛空士への追憶」のスピンオフ作品でもあり、敵中突破後の海猫の待遇なども読み取れる。おそらく確実に、下巻では彼が登場することになるだろう。

 「追憶」で敵役だった国の撃墜王の様子から描き始めることで当該作のファンをひきつけ、そして一章でレヴァームの違った側面と天ツ上側の正義を描き出し、そして二章でそれを融合させて新たな戦場を描くという構成が面白い。
 さらに面白いのが、レヴァーム中心でヒットしたにもかかわらず、痕から登場する天ツ上の方が日本人的に親近感を抱きやすいところだろう。この辺が趣味の部分だろうか。

 さて、次巻では撃墜王同士による激しい空戦が期待されつつ、千々石の恋の行方にも興味が割かれるところだろう。

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紙の本とある飛空士への恋歌 5

2011/03/28 21:05

引き裂かれる二人

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 イスラ艦隊を圧倒した空族に対し、ニナ・ヴィエントことクレア・クルスが風呼びの力を取り戻し一矢報いた結果、空族は停戦の条件として風呼びの少女の引渡しを求めてきた。イスラの4人議会の全権委任を受け、外務長のアメリアは空族との交渉に臨む。
 一方、イスラ生き残りの生け贄としてクレアが差し出されるかもしれないことに納得が行かないカルエル・アルバスやアリエルは、寮生たちと共にクレア救出の策を練る。しかし、管区長の警備状況は以前より厳しくなっており、彼女と会うことすらままならない。

 そして交渉はまとまり、空族の重要人物と引き換えに、クレアは空の一族の中心地、アレクサンドラに囚われの身となることとなる。その代償として、イスラ艦隊とレヴァーム艦隊は世界の果ての事実を知ることとなるのだが、納得できないカルエルは、カール・ラ・イールの名を利用して、クレアを取り戻す策を練るのだった。

 とある飛空士への恋歌の完結編。長い空の探索航の結末、生き残った生徒たちのその後、亡くなった生徒たちの思い、カルエル、アリエル、クレアたちの物語のその後が描かれる。
 今回は砲門を背景にした外交戦が前半のメイン、そして後半は最後のクライマックスに向けての物語となっている。ストーリーは完結したのだけれど、番外編として、この物語世界の秘密にまつわるエピソードなどを描く外伝があっても面白いなあ、と個人的には思う。でもそういうSFチックな物語はあんまり売れないんだろうなあ。

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紙の本とある飛空士への恋歌 5

2011/01/19 21:16

抒情的かつ壮大なスケールがまさにスカイ・オペラなクライマックス

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る

どの作品でも完結すれば「終わっちゃった……」となるものだが、今回の余韻は最高級に清々しく、そして切なくて悩ましい。物語としては見事の一言に尽きるが、最後の行方をあともう少し読ませて!と願わせる引き際の良さに心地良い憎たらしさをも感じた。夢と希望とロマン溢れる恋歌の終幕である。

【一章 約束】
前巻からの懸案事項の顛末。アメリア外務長の冷静沈着な策士振りが発揮される空族との交渉をシリーズ最後の“戦い”に位置付けたところに妙味あり。この結果、後に思わぬ助言が予言となる人物の登場を見るが、立ち入る術のない己の無力に肩を落とすカルエルでもある。しかし、最後の最後でお互いの真の想いを重ね合い、新たな目標を見据えたカルエルと、恋する乙女が最大級の忍耐力を発揮できる言葉を貰ったクレアの一時のクライマックスと言えよう。

【二章 空の果て】
『空の果て』に物理的な設定を盛り込んだファンタジー展開には好みが分かれるかもしれないが、「還る場所」でもあるという輪廻転生的な位置付けに希望を見出すメッセージを感じた。何かの終わりは新たな始まりであり、人もまたそれぞれの帰還と次への旅立ちを思い描かせる迫力があった。カルエルを憎悪を取り払い、新たな希望を育んだ“大地”イスラのクライマックスである。

【終章 イスラの帰る場所】
『島流し』が4年もの歳月を経て『凱旋』へと変わる劇的な旅の終焉。カルエルの真の想いが実にこっ恥ずかしくも「よくやった」と喝采の盛り上がりで披露され、「最後の大仕事」へと繋がっていく。大きく変わりながら何も変わらないアルバス家の人々も久し振りに登場して弾けている。新たな希望を携えた別れと1つの切ない恋の終わりを挿んで旅立つカルエルに去来する風の便りが明るい未来を展望させる『恋歌』のクライマックスである。

『追憶』のような別れの悲しみではなく、心温かい人々の成長に涙し、希望を持って生きる尊さに感銘を受ける素晴らしい内容である。独り善がりな憎悪から脱した後は周りへの感謝を繰り返したカルエルだが、その「最後の大仕事」が皮肉にも壮大な独り善がりに見えてくるのはご愛敬として、この真摯な想いと行動を貫こうとする人生最大のロマンチックにエールを贈りたい。

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紙の本とある飛空士への恋歌 3

2009/12/23 18:16

泣き展開と心の繋がり

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る

とうとう戦いへと突入します
前半から後半に向け、緩急つけての王道ともいえる自己犠牲の泣き展開
この手の話が好きな人には堪らないですね
正直、忍者のくだりはどうかと思いますが・・・一応伏線になってるのかな?
主人公のニナ・ヴィエントへの気持ち、アリエルへの気持ちがはっきりして、余計に今後のストーリーが楽しみになります

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紙の本とある飛空士への恋歌 3

2009/12/17 13:07

開戦

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 あとがきは無いので後ろから見ない方が良いという作者のコメントがついています。

 聖泉まであとわずかというところで、イスラは言い伝えにある空の一族と遭遇する。
 木造の旧式戦闘機を見て侮ったイスラ空挺騎士団団長レオポルド・メルセは、イスラにわずかの直掩機を残し、全兵力を敵に差し向けるのだが…その結果。

 前半までは前巻の流れを引き継ぎ、のんびりとした雰囲気で進むのだが、後半からは一気に事態が緊迫する。
 やはり一番の見せ場は、正規戦力の不足を補うべく索敵任務に借り出され、敵攻撃編隊を発見した、ミツオ・フクハラとチハル・デ・ルシアが味方を援護すべく奮闘するシーンではないだろうか。無防備に爆撃を受ける危機に瀕したイスラを救うため、決断を迫られる二人。

 今回はクレア・クルスの活躍する場面が無かったけれど、次巻あたりからはニナ・ヴィエントとして働く局面が出てくるかもしれません。

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紙の本とある飛空士への追憶

2008/07/23 17:44

丁寧な描写と確かな表現力

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る

ストーリーはシンプルなボーイミーツガール
ですが、表現が丁寧で綺麗
戦闘機やその戦闘の描写もなかなか本格的で力がある
伏線もきちんと回収して、うまく決まっています
下品にならない軽さ淡さのあるテイストと透明感のある痛みを持った
物語です

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物語の王道

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る

とても有名な作品なので、かえって手を出さないでいました。
10年経って、今頃読むのもなんですが、とても言葉では言い表せないくらい感動しました。
もちろん、いろんな「ラノベのお約束」は好きではありませんんが、それを補って余りある、臨場感ある飛空操縦の描写、空や海の描写がすばらしいです。
そして、そんな冒険と並行して、究極の身分違いの中で、主人公二人の心が通い合っていく過程に胸を鷲掴みにされます。
本当にすばらしいエンターテイメント作品でした。

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紙の本とある飛空士への誓約 9

2016/03/17 01:10

飛空士シリーズの集大成

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:westtribe - この投稿者のレビュー一覧を見る

まずは8年間にわたり、クオリティを落とさずコンスタントに物語を紡ぎ、広げた大風呂敷をキレイにたたんで、シリーズ完結を成し遂げたことに敬意を表して、★5つ。

個人的にはもう少し切なさの残るラストを期待していたのだけど、これはこれでいい締めでした。
カルとクレアとアルバス一家のその後については、ちょっとスピンオフで読んでみたいような。
「あの人」と彼のその後については、あえて描かなかったんでしょうね。ちょっと寂しいけど。

前巻から強烈にねじまがったスーパー横恋慕男が出てきたせいか、
カーナシオン→イリア、ゼノン→アメリアあたりの妄執は決着しないまま放置(笑)

4人のエースの戦いっぷりの描写が圧巻。
リアル描写で空戦技術の凄さを強調するより、
比喩と叙情的な表現を駆使して、読み手の想像力を働かせたのは正解だと思う。
そして、ジェットエンジンを登場させたのは、
作者自身が、この世界と決別する意志の表明だったのではないかと。

めでたくシリーズ完結ですが、
空の果てとか、大瀑布とか、世界観に絡む話はもっと読んでみたかったなあ。
平和な時代に生きる次世代たちが空飛ぶ探検家になって、とかスピンオフにならないかな。無理か。

「追憶」の劇場版といい、「恋歌」のテレビ版といい、
このシリーズはアニメ化のクオリティに恵まれていないので、今作をアニメ化する場合は、できるだけ原作の良さを生かしていただきたいものです。テレビや映画より、Netflix等の配信サービス向きかも。

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